不動産クラウドファンディングは儲からない?失敗しないためのポイントも解説します

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この記事の監修者

八木エミリー
八木エミリー

投資家/証券外務員一種/2級FP技能士

不動産クラウドファンディングは儲からない?失敗しないためのポイントも解説します

この記事では、不動産クラウドファンディングの基本的な仕組みから、メリット・デメリット、そして成功のためのポイントまで詳しく解説します。

この記事のポイント
  • 不動産クラウドファンディングは、少額から始められ、中長期的な安定収益を目指せる不動産投資のひとつです。
  • 不動産クラウドファンディングでは、余剰資金での分散投資などリスクを抑えた投資を心がけることが成功の秘訣です。
  • 自分自身の投資目的やリスク許容度に合わせ、適切に活用をすれば、有用な資産運用の選択肢になるでしょう。

目次

不動産クラウドファンディングとは?

近年、少額から始められる不動産投資として注目を集めている不動産クラウドファンディング。不動産投資の新しい形態として近年注目されています。

これまで高額な資金が必要だった不動産投資が、少額から始められるようになったことで、多くの個人投資家にとって身近な選択肢となりました。しかし、「本当に儲かるの?」「リスクは大丈夫?」という声も少なくありません。

不動産クラウドファンディングの仕組みを解説

不動産クラウドファンディングは、インターネット上で多くの投資家から資金を集め、その資金を元に不動産を取得・運用し、得られた利益を投資家に分配する仕組みです。この仕組みでは、不動産事業者が運営するプラットフォームが重要な役割を果たします。

不動産クラウドファンディングの一般的な流れは、以下のとおりです。
【STEP①】 
不動産事業者が投資対象となる物件(オフィスビル、マンション、商業施設など)を選定

【STEP②】
プラットフォーム上でファンドとして公開し、投資家を募集

【STEP③】
投資家が少額から出資し、目標額に達すると運用開始

【STEP④】
 運用期間中に得られた家賃収入や売却益を定期的に分配

【STEP⑤】
 運用終了後、元本と利益が返還される
このように、不動産クラウドファンディングは従来の不動産投資よりも手軽で透明性が高い点が特徴です。

不動産クラウドファンディングが儲からないと言われる理由、デメリットは?

不動産クラウドファンディングには多くの魅力がありますが、「儲からない」と言われる背景にはいくつかの理由があります。ここでは、その主なデメリットについて詳しく解説します。

①元本割れの保証がない

不動産クラウドファンディングは投資商品である以上、元本保証はありません。

不動産価格の下落や運営会社の経営状況によっては損失が発生する可能性があります。とくに、不動産市場全体が低迷した場合や、大規模な自然災害など予測不能な事態が発生した場合にはリスクが高まるでしょう。

ただし、多くのサービスでは「優先劣後スキーム」を採用しており、一定のリスク軽減策が取られています。この仕組みによって、損失発生時にはまず運営会社側(劣後出資者)が負担するため、投資家(優先出資者)の元本割れリスクが軽減されます。

②クリック合戦になることがある

人気の高いファンドでは募集開始直後に申し込みが殺到し、「クリック合戦」と呼ばれる状況になることも珍しくありません。一部の案件ではわずか数十秒で募集枠が埋まってしまうこともあり、この点は初心者にとってハードルとなる場合があります。

対策としては、複数のプラットフォームに登録しておくことや、自分自身で募集開始時間を把握しておくことが重要です。また、一部サービスでは抽選型案件も提供されているため、それらを活用することで公平性を保つことができるでしょう。

③短期間での大きな利益は見込めない

株式投資やFXと比較すると、不動産クラウドファンディングは短期間で大きな利益を得ることは難しいです。不動産市場自体が安定しているため、大幅な価格変動による利益獲得は期待できません。その代わり、中長期的な安定収益を目指すミドルリスク・ミドルリターン型の商品として位置づけられています。

この特性から「一攫千金」を狙うタイプの投資家には向いていません。しかし、市場全体の価格変動リスクをおさえたい人や安定収益を重視する人には適していると言えるでしょう。

「儲けたい」と考えるのではなく、あくまでも資産運用の分散投資の一環として捉えましょう。

八木エミリー
八木 エミリー

④レバレッジ効果が低い

現物不動産投資では金融機関から融資を受けて自己資金以上の規模で投資できる「レバレッジ効果」が期待できます。一方、不動産クラウドファンディングでは自己資金のみで投資するため、このような効果は得られません。そのため、大きな利益を狙うには限界があります。

不動産クラウドファンディングのメリットは?

デメリットがある一方で、不動産クラウドファンディングには多くの魅力的な特徴があります。以下では、その主なメリットについて詳しく見ていきましょう。

①少額投資ができ、リスク分散が可能

不動産クラウドファンディング最大の特徴は「少額から始められる」点です。

1万円程度から参加できる案件も多く、これまで不動産投資に手が届かなかった人にも投資の機会が広がっています。また、小口化された商品なので複数案件への分散投資も容易です。

これによって特定物件への依存度を下げ、リスク分散効果を高めることができます。

②優先劣後スキームで元本割れリスクを軽減

多くの不動産クラウドファンディングでは、優先劣後スキームが採用されています。

これは、投資家の出資を優先出資と劣後出資に分け、事業損失が発生した場合に、まず劣後出資者(通常は事業者)が損失を負担する仕組みです。優先出資者である一般投資家は、この仕組みによって元本割れリスクを軽減することができます。

③ほったからかし投資が可能

不動産クラウドファンディングでは、物件の管理や運営はすべて専門家にまかせることができます。

現物不動産投資で必要となる物件の維持管理、テナント対応、修繕工事の手配などの手間から解放され、純粋な投資商品として運用可能です。

「ほったらかし投資」に魅力を感じる方は、NISAを利用した積み立て投資と併用するのも効果的です。

八木エミリー
八木 エミリー

④価格変動が少なく安定的

株式市場やFX市場と比べて、不動産市場は価格変動幅が小さいため、安定した収益源となります。

また、不動産クラウドファンディングでは、多様な物件(学校施設や物流施設など)を投資対象として選べるため、個人では直接購入が難しい大型不動産にも間接的に投資できる点が魅力です。

ほかの不動産投資との違いを検証!

ここでは、不動産クラウドファンディングとほかの代表的な不動産投資手法(J-REITおよび現物不動産)との違いについて比較します。

J-REIT

J-REIT(不動産投資信託)は、証券取引所に上場している金融商品です。少額から投資可能で、株式のように自由に売買できるため流動性が高い点が特徴です。複数の不動産に分散投資されており、専門家による運用が行われます。
【メリット】
・少額から始められる(1万円程度)
・複数の不動産に分散投資できる
・専門家による運用で手間がかからない
・流動性が高く、すぐに売却可能

【デメリット】
・価格変動リスクがある(株式市場の影響を受けやすい)
・運用法人の倒産リスクがある
・配当利回りが市場状況に左右される

現物不動産

現物不動産投資は、不動産そのものを購入して運用する手法です。賃貸収入や売却益を得ることを目的とし、融資を利用してレバレッジを効かせた投資ができます。
【メリット】
・レバレッジ効果を活用して自己資金以上の投資が可能
・実物資産として保有できる
・節税効果がある(減価償却費やローン利息など)
・長期的な安定収益が期待できる

【デメリット】
・空室リスクや修繕費用など予期せぬコストが発生
・購入・管理・売却に多大な手間と時間が必要
・初期費用が高額で分散投資が難しい
・借入返済の責任を負う

私募REIT

私募REIT(非上場不動産投資信託)は、主に機関投資家向けの商品であり、最低投資額が高いことが特徴です。市場での取り引きは行われず、価格変動は少ないため長期安定運用に向いています。
【メリット】
・市場変動リスクが少ない(価格は鑑定評価額で決定)
・プロフェッショナルによる運用で分散効果が高い
・高配当利回りが期待できる

【デメリット】
・最低投資額が非常に高額(1,000万円以上)
・流動性が低く、途中換金が難しい
・投資対象者が限られている(主に機関投資家向け)

区分所有投資

区分所有投資は、マンションの一室などを購入して賃貸収入を得る投資方法です。不動産クラウドファンディングと比較すると、以下のような特徴があります。
【メリット】
・比較的小規模な投資額で始められる
・住宅ローンによるレバレッジが活用できる
・将来的な値上がり益も期待できる
・実物資産として保有できるため、相続対策としても活用可能

【デメリット】
・空室リスクの影響が大きい
・修繕費用が直接投資家の負担となる
・物件の管理や入居者対応などの手間がかかる
・築年数の経過とともに資産価値が低下するリスク

不動産クラウドファンディングを成功させるためのポイント5つ

不動産クラウドファンディングで成功するためには、以下の5つのポイントをおさえることが重要です。

①余剰資金で分散投資を心がける

投資は必ず余剰資金で行い、生活に支障をきたすような無理な投資は避けましょう。また、資金を複数の案件に分散させることで、リスクを軽減できます。

②事業会社の信頼性を確認する

投資先の事業会社の財務状況や事業実績を十分に確認することが大切です。とくに、会社の透明性、過去の配当遅延の有無、元本割れの発生実績などをチェックするとよいでしょう。信頼できる事業者を選ぶことで、投資リスクを大きく低減できます。

③利回りだけで判断しない

利回りは重要な判断材料ですが、それだけで投資を決めるのは避けましょう。

投資対象となる不動産の立地、種類、運用期間などを総合的に判断し、案件のリスクと収益性のバランスを十分に検討することが大切です。

④優先劣後出資制度が導入されているファンドに投資する

優先劣後スキームは投資家保護の重要な仕組みです。とくに投資初心者は、この制度が導入されているファンドを選択することで、リスクをおさえた投資を行うことができます。

⑤複数の不動産クラウドファンディングサービスに登録する

人気の高いファンドほど募集が早く締め切られる傾向にあります。複数のプラットフォームに登録しておくことで、投資機会を増やせます。また、プラットフォームごとに特徴が異なるため、投資の選択肢も広がるでしょう。

まとめ

不動産クラウドファンディングは、確かにデメリットも存在する投資手法です。

しかし、少額から始められる、専門知識がなくても投資できる、安定的なリターンが期待できるなど、多くの魅力的な特徴を持っています。

重要なのは、これらのメリット・デメリットを正しく理解し、自分自身の投資目的やリスク許容度に合わせて適切に活用することです。この記事で紹介した成功のポイントを参考に、慎重に検討を重ねれば、不動産クラウドファンディングは資産運用の有効な選択肢となるでしょう。

余剰資金・分散投資を心がけることが
不動産クラウドファンディングを行うポイントです!

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この記事の監修者

八木エミリー
八木エミリー

投資家/証券外務員一種/2級FP技能士

新卒時に野村證券入社。新人時に営業成績東海地方1位を獲得。2016年より不動産を購入。現在7棟を所有。2019年より独立系ファイナンシャルアドバイザーとして主に富裕層向けに資産活用のアドバイスを行うほか、一部上場企業の社員向けセミナー講師としても活躍。オンラインサロン「em会」にて金融知識の啓蒙に務める傍ら、地域活性事業など活動も行う。東京駅に近いバイリンガルスクール「WONDER KIDS BILINGUAL PREP SCHOOL」オーナー。「元証券ウーマンが不動産投資で7億円」など執筆。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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