ワンルームマンション投資は儲からない?デメリットや失敗事例から学ぶ成功術を紹介します

2024.03.05更新

この記事の監修者

アユカワタカヲ

アユカワタカヲ

【資格】宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど

ワンルームマンション投資は儲からない?デメリットや失敗事例から学ぶ成功術を紹介します

不動産投資に興味を持ち始めた人に、ワンルームマンション投資の成功法について、メリットとデメリットを挙げながら解説します。

この記事のポイント
  • ワンルームマンション投資は多くの資金がなくても始められますが、得られる家賃収入が少ないというデメリットも。
  • 利回りだけに囚われずキャッシュフローを計算して、手元に入る金額を具体的に出してみることが大切です。
  • 不動産会社に相談したり、セミナーに参加したり、できる限り多くの情報を収集してください!

目次

ワンルームマンション投資は儲からない?

ワンルームマンション投資は、「儲からない」「失敗する」とおっしゃる人がいます。では、成功した人はいないのでしょうか?答えはNOです。多くの方がワンルームマンション投資で資産形成をされています

かくいう私も、ワンルームマンション投資から不動産投資のスタートを切りました。「一棟もの」ほど月々のキャッシュフローは残りませんが、着実に残債を減らしながら不動産資産を拡大していくことが可能です。

また、手間がかからないという点で、初心者に向いている投資と言えます。しかし、投資ですからリスクもあります。ワンルームマンション投資のメリット・デメリットを理解した上でスタートすることが成功への一番の近道です

ワンルームマンションの定義

そもそもワンルームマンションとは、どんな部屋なのか。住んだことのある方ならイメージは付くと思いますが、単身者向けの、もっともシンプルな作りです。

間取り図では「1R」あるいは「1K」と表記されており、玄関を開けると、キッチンスペースを含めた1部屋だけがあるタイプ。バス・トイレは別だったり、ユニットバスだったりすることもあります。

また、投資物件によって得られる収益=利回りですが、都心部のワンルームマンションの利回りの相場は、2022年春現在、中古で4.5%前後、新築だと4%あたりでしょう

ちなみに、利回りには、表面利回りと実質利回りがありますが、表面利回りは、諸経費(管理費や固定資産税など)を考慮していない利回り、実質利回りは、それを考慮した利回りの事です。表面利回りが高いからと言って飛びつくと、実は、直ぐに修繕費がかかった、なんてこともありますから注意しなければなりません

ワンルームマンション投資のメリット

ワンルームマンション投資の魅力は、何と言っても始めやすいということです。不動産投資の中で、もっとも初心者向きで、知識や資金が無くてもスタートが切れます。

とりあえず不動産投資を始めてみたい、物件が欲しい、という方にはおススメです。具体的なメリットを挙げてみましょう。

フルローンで購入することが可能

何といってもワンルームマンション投資の最大の魅力はフルローンで始められることです。2015年ごろまでは「一棟もの」にもフルローンを出す金融機関がありましたが、現在はほぼフルローンは不可能です。

しかし、ワンルームマンションの場合は、今でもフルローンで購入することができます。中には諸経費も含めてローンしてくれるノンバンクなどもありますので、まさに自己資金ゼロ円で不動産投資をスタート切ることができるのが、ワンルームマンション投資です

しかし、フルローンということはそれだけ月々の返済額も増えますので、場合によっては月々のキャッシュフローがショートしてしまう場合もあります。月々の手出しが発生したとしても購入する価値のある物件なのかをしっかり吟味しなければなりません

好立地の物件を持つことができる

ワンルームマンションは販売の戸数も多いため、都内23区内の中心地で物件を手に入れることができます。都心で交通の便がよい場所、街自体が人気で需要の高いエリアでも物件を持つことができます

都内で一棟ものの物件を購入しようと思えば、少なくとも数億円、数十億円、さらにかかる可能性があります。初心者がいきなり買うのはハードルが高いですよね。ワンルームマンションなら好立地の物件を手に入れることができ、そして、ロケーションが良ければそれだけ、空室のリスクも抑えることができます

売買・相続がしやすい

「一棟もの」に比べて、短期間でかつ簡単に売買することができます。1~2カ月あれば購入も売却もできるでしょう。「一棟もの」の場合はそうはいきません。購入、売却には少なくとも半年は覚悟する必要があります。また相続が発生した時もメリットが大きいです。

所有者が亡くなると、配偶者やお子様が相続することになりますが、相続した人が不動産投資の知識が無い場合でも、ワンルームマンション投資はもっとも初心者向きですので、そのまま引き継ぐことが可能です。不動産投資に興味が無く手放したい場合でも、すぐに売却することができます。

損益通算できる

本業の収入と損益通算できるのも魅力の1つです。会社勤めの方はお給与から所得税をお支払いだと思います。不動産投資を始めると不動産の収入と本業の収入を合算して所得税が計算されます。

不動産投資で利益が出ると当然その分税金の額が増えてしまいますが、もし不動産投資で赤字になってしまった場合、本業の所得と合算することが可能なので、場合によっては確定申告で所得税の還付を受けることが可能です

ワンルームマンション投資のデメリット

ワンルームマンション投資を考えている方は、当然、デメリットやリスクも見ていかなければなりません。それを把握しておくことがリスク回避に繋がります。

手元にキャッシュがあまり残らない

不動産投資は、基本的に、物件の購入金額や規模と家賃収入が比例します。ワンルームマンション投資は、必要な資金が少なくて始められるというメリットがありますが、裏を返せば、得られる家賃収入は少ないということです。

たとえば、23区内のワンルームマンションであれば、月々の家賃は8万円程度。購入価格は、中古でも2500万円程度、新築なら3000万円を超えることも珍しくありません。

ローンを組んで買うと、月々の返済が7万~8万円近くになります。とすると、家賃収入はあるものの手元には数千円程度しか残らない、という事になり、さらに固定資産税を払えばマイナスになってしまった、なんて事が起きます。もっと言えば、ローンが家賃収入を上回って、毎月マイナスになる場合もあります。

ワンルームマンション投資で今すぐ月々の収入を増やしたいのであれば、自己資金を入れて購入するか物件数を増やさなければなりません。

空室期間は、ローンを自分で返済

これは、ワンルームマンションに限った事ではありませんが、不動産投資において、空室時は収入が当然ゼロになります。空室リスクは重要な要素です。仮に、居住者が退去してから次の居住者が見つかるまで1ヶ月だったとしても、その1ヶ月間は、家賃を頂けませんから、自分の給料や貯金から出さなければなりません。

「一棟もの」の場合は、一部屋が空いていたとしても、ほかが満室であればマイナス分をカバーできます。ワンルームマンションの場合は、そうはいきません。

積算が低く、債務超過になりやすい

これは建物や不動産の「評価」についてです。2500万円の中古ワンルームマンションをフルローンで買ったとしましょう。これは2500万円の債務を抱えることを意味します。では、その物件の評価はどの位でしょうか?2500万円ではないのです。

ワンルームマンションの場合、土地の割り当てが少なく、比較的、評価が低くなってしまいます。2500万円の債務に対して、不動産の評価が2500万円以下しかないということで、結果債務超過状態になってしまっているということです。

債務超過が続けば、融資が打ち止めになるというリスクがあります。融資がおりなければ、次の不動産投資に進めなくなってしまうということです。

ワンルームマンション投資の失敗事例とその原因

ワンルームマンション投資のメリット・デメリットを解説してきましたが、実際に、どのような失敗があるのでしょうか。具体例を挙げてみましょう。ワンルームマンション投資で失敗してしまった例を3つご紹介します。

【失敗例①】シミュレーション通りにいかなかった

ワンルームマンション投資は、新築よりも中古の方が購入額も抑えることができて利回りも高いというメリットがあります。ところが、中古には中古ならではの気を付けなければならない点があります。それは、設備の老朽化による修繕などで出費がかさむという点です。

私の知り合いAさんは購入直後に配管工事費用を求められて、200万円もかかったという方がいました。これだと、いきなり大きなマイナスからスタートすることになりますよね。

こうした修繕は、中古物件だからこそ発生しやすいといえます。ですから、中古のワンルームマンションを購入する場合は築年数や老朽の具合を把握しておく必要があります

【失敗例②】家賃が一気に下落した

私の知り合いBさんが購入したワンルームマンションです。
購入物件:東京郊外の1000万円の中古ワンルームマンション
築年数:30年
家賃:6万円
利回り:7.2%

始めやすさと利回りの良さから、中古のワンルームマンション投資を始めました。ところが、契約更新のタイミングで居住者が退去。築年数の古さと最寄り駅まで徒歩15分という立地から次の入居者が決まらず、Bさんは泣く泣く家賃を5万円まで下げることに…。空室期間は3ヶ月で、その年の利回りは4.5%まで下がってしまいました。

さらに、一度家賃を下げてしまうと、上げるのはなかなか難しくなります。このように、購入時の利回りだけで考えると危険です。

【失敗例③】査定額の大幅減

不動産投資初心者のCさんは、首都圏で新築の3000万円のワンルームマンションを購入しました。しかし、近隣に競合物件が増えたことで思うような利益を出すことができなくなり、購入から6年、マイナスが大きくなる前に売却を決めました。査定額は、2000万円。ローン残高を大きく下回り、借金だけが残る形となってしまいました。

新築物件は、不動産は1度入居者が入った時点で中古物件になり、購入直後から資産価値が大きく下がります。約30%下がることも珍しくありません。早々手放そうとしても大きな損につながる恐れがありますので要注意です。

ワンルームマンション投資で成功するために必要なこと

ワンルームマンション投資で成功するには、どうすればいいのでしょうか?まずは、自分がなぜ投資をするのか、目標金額などを明確にしておく事がなによりも大事です。さらに、成功の為にココは外さないというポイントをご紹介します。

ワンルームマンションの物件選定基準を把握する

投資用のワンルームマンションはどんな物件を選べばいいのでしょうか。まず大事なのは立地(ロケーション)です。ワンルームマンションの居住者は、単身者が対象になりますので、駅に近ければ近いほど需要が高くなります。理想は徒歩10分以内

また、最近ではコロナの影響もあり在宅ワークの人も増えています。ですから駅までの利便性に加えて、「公園に近い」「ショッピングセンターに近い」などの住環境も大切な要素となっています。

理想のキャッシュフローが出るか計算する

家賃収入と支出の差から手元に残るキャッシュフローを計算しておく必要があります。キャッシュフローは、以下のように、現金収入から税金などの支出を引いたものです。
年間キャッシュフロー=家賃収入―(ローン返済額+諸経費+税)
【例】
*23区内の中古マンション2000万円 利回り5%
*年間家賃収入100万円
*ローン2000万円(1.6%で35年ローン)
*年間の返済74万円
*諸経費12万円
*税金 4万円

上記例の場合、キャッシュフローは以下のようになります。
家賃100万円―(返済額74万円+諸経費12万円+税金4万円) =10万円
「利回り」だけを見るだけではなく、キャッシュフローを計算して、自分の手元に入る金額をより具体的に出してみることが大切です

信頼できる不動産会社を選ぶ

不動産投資を始める際、物件を購入するのは不動産会社を通じて行う事になります。ですから、物件を探す前の不動産会社選びはとても重要です。

不動産会社には、「実直堅実タイプ」「不動産会社社長が仕切りまくるタイプ」などさまざまありますが、どれがあなたに合うのか。不動産の管理を任せる事になれば長い付き合いになりますから、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です

1. あなたの目標を聞いてくれる
2. 購入後の管理プランが具体的にある
3. きちんとデメリットを解説してくれる
上記3つのポイントは外せません。ほかには、実績やレスポンスの早さ、口コミなどもポイントになります
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選ぶべき投資用物件は目的によって異なるため、利回りだけで判断できるものではなく、不動産投資初心者にとって物件選定はつまづきやすいポイントです。物件選びで失敗しないためには、良い不動産会社選びがとても重要「RENOSY不動産投資」は、物件情報を独自のデータベースに蓄積し、投資価値の高い物件をAIを使って効率よく厳選し、提案してくれるサービスを提供しています。不動産投資初心者の方や物件選びに自信のない方にとっては心強いサービスです。

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ワンルームマンション投資を始める前に情報収集を!

ワンルームマンション投資を成功させるためには、何より多くの情報を収集することが大切です。不動産投資の情報を収集する方法はたくさんあります。情報収集の3つのポイントは以下の通りです。

1. 不動産会社の店頭に行って相談

王道は、「店頭に行って相談する」方法です。不動産の世界は非常に閉鎖的な世界です。電話で問い合わせてきたお客さんより、実際に店頭に足を運んできたお客様に対して積極的に接客してくれます

もしあなたが購入を考えている不動産のエリアが決まっている場合は、そのエリアの不動産会社を訪問して、具体的にどんな物件を検討しているのかを伝えて相談に乗ってもらってください。またその時に、その街のいろいろな不動産事情を取材して、投資すべき街なのかどうかをチェックしてください

2. インターネットから問い合わせる

今は、投資不動産に関するポータルサイトが充実しています。そのサイトを毎日くまなく見るようにしてください毎日見ることであなたの見る目が養われます。慣れれば慣れるほど、1件1件を分析する時間が短縮できます。

そうすると、同じ時間でもより多くの物件を見られるようになり、あなたはお宝物件に近づくことができるでしょう。

3. たくさんのセミナーに参加する

最近では不動産会社が主催する不動産投資セミナーがたくさん開催されています。ぜひ、多くのセミナーに足を運んで、あなたに合う不動産会社、担当者を見つけてください。もちろん、セミナー後の個別相談を受けることもお忘れなく。
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プロパティエージェントの不動産投資セミナーは定期的に開催されており、不動産投資の仕組みやリスクヘッジ方法など、初心者から経験者までが満足できる内容を提供しています。そのため、「不動産投資に興味はあるけど知識がまったくない…」という方でも安心して参加することが可能です不動産投資で成功するためには情報収集が大切。積極的に不動産投資セミナーに参加しましょう!

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よくある質問

不動産投資を考えている方に、私がよく聞かれる質問です。
不動産投資を始める際の流れは?
不動産投資を始める主な流れは、不動産会社への問い合わせ→物件の検討→現地訪問→購入意思を伝え契約、です。なお、現地を訪問する際は1人で視察する時間を確保しましょう。

駅から徒歩10分と書いてあれば、実際に歩いて確かめてみたり、建物の管理状況、ゴミが落ちていないか確認したりなど、細かいところまで1人で冷静にチェックしてください。詳しくは不動産投資の始め方の記事を参照ください。
不動産投資は節税になるって本当?
ワンルームマンション投資のメリットの「損益通算できる」でお話いたしましたが、不動産投資の赤字を本業の収入と合算して所得税を圧縮することが可能です。結果節税対策になるのですが、一般的には最初の3~4年程度に限った話です。

もし、不動産会社から「永久に節税できます」と言われた場合は要注意です。詳しくは不動産投資の節税の記事を参照ください。
ワンルームマンション投資詐欺を避けるためにできることは?
顧客の知識が乏しいことをいいことに、相場より高額の物件を売りつける悪徳業者が存在します。とくに不動産投資を始める初期段階が注意です。

①不動産投資の知識を身に付ける②不動産会社の実績と口コミを見る③メリットだけでなくリスクやデメリットをきちんと説明しているか。以上の3点を確認しながら詐欺に遭わないようにしてください。

まとめ

不動産投資初心者が始めやすいワンルームマンション投資について解説しました。始めやすい分、大きな収益には繋がりにくい事は事実です。でも、成功できないワケではありません。前述しましたが、筆者はワンルームマンションから不動産投資をスタートしました。

コツコツと成功を重ねていくことで、数年後には複数のワンルームマンションを所有できているかも知れませんし、「一棟もの」へステップアップしているかも知れません。ワンルームマンション投資から人生が変わる可能性は大いにあるのです。

ワンルームマンション投資のデメリットやリスクなどは、
物件購入前におさえておくことが大切です!

この記事の監修者

アユカワタカヲ

アユカワタカヲ

【資格】宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど

2010年、世田谷区内の中古区分ワンルームマンション購入から不動産投資をスタート。2022年3月現在、区分・一棟・戸建て・日本・海外…と幅広く不動産賃貸業を営む。現在は総合マネープロデューサーとして、人生におけるマネーリテラシーの重要性をメディアやセミナーなどで伝えている。年間のセミナー登壇数は300本を超える。「満室バンザイ」(平成出版)、「不動産はあなたの人生を変えてくれる魔法使い 女性の願いを叶えてくれる最幸マイホーム購入術」(ごきげんビジネス出版)など執筆。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。