- 不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資です。
- 不動産投資の流れを必ず理解して、リスクへの備えをしておきましょう。
- 不動産投資を始める前に目的と出口戦略のプランを立てることが成功へつながります。
目次
不動産投資とは?
ここでちょっと想像してみてください。「短期間だけ頑張って努力することで、この先何十年も毎月あなたの通帳へ一定金額が振り込まれる」。こんな話が本当だったら、あなたは将来のことを考えて短期間だけでも頑張って努力しようとは思いませんか?そうです。これが、不動産投資です。
不動産投資とは具体的に言うと、金融機関から融資を受けて、ワンルームマンションなどの物件を購入。そしてオーナーとして家賃収入をいただきます。その家賃から銀行のローンを返済してその差額をキャッシュフローとして自身の収入としていきます。
また、不動産投資には「区分マンション投資」と「一棟もの投資」があります。「区分」とはマンションの中にある1部屋のことで、「一棟もの」とはその名の通り、マンションまるまる一棟のことです。
不動産投資をこれから始めようという方は、手頃な価格で購入できる区分マンションから始めることをおススメします。しかし、短期間で規模を拡大していきたいのであれば、一棟ものを検討するのもいいでしょう。
初心者に向けに解説!不動産投資の仕組み
ワンルームマンションを2000万円で購入し、5年後に2100万円で売却することができたら100万円のキャピタルゲイン(利益)を得たということになりますし、5年後に1800万円で売却したら200万円のキャピタルロス(損失)ということになります。
ワンルームマンションを購入し、毎月8万円の家賃をいただく。この8万円がインカムゲイン(利益)となります。実際には、この8万円から管理費や修繕積立金、ローン返済などを行い最終的に手元に残った現金のことを税引前キャッシュフローと言います。
不動産投資は必ず儲かるものではない
投資には株式投資、FX、投資信託のほか、最近では暗号通貨などもあります。それぞれの投資には、「リターン」と「リスク」の関係性があり、一般的にはリターンが高まればリスクも高まり、リターンが少なくなればリスクを抑えることができます。高リスク・高リターンの代表格は暗号通貨ですね。一方、低リスク・低リターンの代表格は、預貯金です。
不動産投資は、ほかの投資と比べると「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資商品と言われています。そんなに大きく儲けることはできないが、そんなに危険性も高い訳ではないという位置づけです。ただし、繰り返しになりますが「必ず儲かること」が確約されている投資ではありません。
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不動産投資のメリット
安定した収入が得られる
不動産会社に借り上げてもらう「サブリース方式」という契約を結べば、たとえ空室になったとしてもその不動産会社が毎月の家賃を肩代わりしてくれます。なお、このサブリース方式には、不動産会社の破綻などのリスクも存在するため注意が必要です。
老後の年金対策になる
現役時代に金融機関からローンを受けて不動産投資を始め、定年後ローンの残債がなくなっていれば、毎月の家賃収入のほとんどをご自身の年金の足しに充てることが可能となります。つまり、不動産投資が「年金対策になる」ということです。
節税効果が期待できる
仮にその金額が赤字だった場合、不動産所得とあなたのサラリーマンとしての給与所得を合算することができます。つまり、プラスの給与所得とマイナスの不動産所得を合わせる訳ですから、あなたの合計所得は減ります。そして、あなたの給与から毎月引かれている税金が、「払い過ぎ」ということになり、確定申告を経て、税金の還付を受けることができるため、節税効果が期待できるということです。特に年収の高い方にとっては、不動産事業で赤字を作ることでの節税効果が大きくなります。
生命保険代わりになる
遺族はそのまま物件を保有して家賃収入を得続けてもいいし、売却して一時金を手にすることもできます。つまり、不動産投資は、あなたの生前の生活を守るためだけではなく、万が一のことがあっても、団信が大切な家族を守るために効果を発揮してくれるため、生命保険代わりになるということです。すでに生命保険に入られている方が不動産投資を始めたのち、既存の生命保険を解約されるという方もいらっしゃいます。
レバレッジを掛けられる
このことをレバレッジと言います。日本語で言うと「てこの原理」です。小さな力で大きな力を生み出す、小さなお金で大きなお金を生み出すことができます。
メガ大家さん、ギガ大家さんと呼ばれる方々は、金融機関から多額の融資を受けて資産を拡大されている不動産投資家です。このレバレッジを掛けられるというのが、ほかの投資にはない大きな魅力のひとつです。
不動産投資のデメリット
空室リスクがある
しかし、もし10年間ずっと入居者がいなかったらその投資は失敗です。反対に首都圏近郊の、とある駅から車で20分の築古の一軒家を購入したとしましょう。この物件に10年間ずっと入居者がいればこの投資は成功なのです。つまり、入居者がいれば投資は成功、空室が続けば失敗、ということです。なるべく空室の出ない物件を選別する目が必要になってきます。
家賃下落リスクがある
地方の場合、突然災害が発生したり、別の場所で開発が進み人口が減って廃れてしまったりなどの理由で、物件の価値が下がり、家賃が下がるリスクが高まります。
価格変動リスクがある
2022年3月現在、首都圏の不動産価格は上昇傾向にあります。今後このトレンドがいつまで続くかは分からないですが、不動産価格が下がりにくいエリアに投資するということが大切です。
金利変動リスクがある
つまり、購入される時よりいずれは金利が上がり月々の支払いが増え、毎月のキャッシュフローが下がるということを認識しておかなければなりません。金利が上がった場合、月々の収支がどうなるのかをシミュレーションしておくことも大切です。
災害リスクがある
現在の姿だけでなく、かつてどういう土地であったのかを調査する必要があるでしょう。また火事や台風、水害などにも注意が必要です。ハザードマップを見て、リスクの低い物件に投資したり、保険に加入したりなどの対策をしましょう。
家賃滞納リスクがある
【不動産投資の始め方】物件探し~運用開始まで
なお、不動産投資を始める前には必ず不動産投資の勉強や情報収集を欠かさず行うようにしましょう。事前学習は失敗を避けることにもつながってきます。不動産投資の簡単な流れは、次のとおりです。
1 | 物件を探す |
---|---|
2 | 売買契約を結ぶ |
3 | ローン申し込みをする |
4 | ローン審査の結果が出る |
5 | ローンが実行され決済される |
6 | 運用がスタートする |
7 | 空室の場合、入居付けする |
8 | 家賃が手に入る |
9 | 空室になる |
10 | 入居付けをする |
11 | 売却する |
不動産投資をする目的・目標の見える化を!
よくある質問
- 不動産投資で失敗する原因は?
- 失敗する人たちには、ある共通点があります。それは「目標が定まっていないため買う物件を間違えています」ということです。たとえば「5年後に月々5万円のキャッシュフローが欲しい」という人の場合は、区分マンションで目標を達成できます。明確に目標が定まっていないと、区分マンションなのか、一棟ものを購入すべきなのか、正しい選択ができずに失敗してしまうでしょう。詳しくは、不動産投資初心者によくある失敗の記事を参照ください。
- 不動産投資を始める際の注意点は?
- 不動産投資は長期戦です。ローンも20年、30年と続くので、余裕を持って対応しましょう。慌ててはいけない反面、一方では大きな決断を迫られる時もあります。他の不動産投資家に取られる前に、いい物件を手に入れるためには、スピーディーな決断を求められることがあるでしょう。慌てず、時には決断をして不動産投資を始めましょう。
- 不動産投資の悩みはどこに相談すればいい?
- 最大のパートナーである不動産業者に相談しましょう。不動産業者は物件探しや売主への価格交渉をあなたの代わりに行ってくれる最強の代理人です。あなたにとっての最強の担当者を1人でも多く見つけましょう。また、不動産投資をしている人と仲良くなって横のつながりを持つ事も大切です。詳しくは、相談先の選び方と相談事例の記事を参照ください。
まとめ
そして目先の利回りにとらわれるのではなく、売却(出口戦略)までトータル的にプランを立てて進めていきましよう。1000人の不動産投資家がいれば1000通りの投資ストーリーがあります。あなた自身にピッタリ合う、正しい「順番」「やり方」で、あなただけのオリジナルストーリーで、不動産投資の第一歩を踏み出してください。ぜひ、楽しみながら前に進んでくださいね。
不動産投資で成功したい!と考えるのであれば、
知識をしっかり身につけることです。
この記事の監修者
アユカワタカヲ
【資格】宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど
2010年、世田谷区内の中古区分ワンルームマンション購入から不動産投資をスタート。2022年3月現在、区分・一棟・戸建て・日本・海外…と幅広く不動産賃貸業を営む。現在は総合マネープロデューサーとして、人生におけるマネーリテラシーの重要性をメディアやセミナーなどで伝えている。年間のセミナー登壇数は300本を超える。「満室バンザイ」(平成出版)、「不動産はあなたの人生を変えてくれる魔法使い 女性の願いを叶えてくれる最幸マイホーム購入術」(ごきげんビジネス出版)など執筆。