土地活用における利回りの計算方法を徹底解説!

  • 公開日:
  • 2018年12月7日
  • 更新日:
  • 2018年12月7日
土地活用における利回りの計算方法を徹底解説!
投資額に対する利益の割合を表す「利回り」は、土地活用を行う際に注目すべきポイントのひとつです。今回は、すでに土地を所有しており、土地活用を検討している方を対象に、「利回り」の計算方法などの基礎的な内容から、利回り計算をする上で注意すべき点について、具体的な例を交えてご紹介していきます。

土地活用を検討するなら、
利回りの意味・計算方法は必ず理解しましょう。

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目次

土地活用における「利回り」とは

土地活用においては、利回りを把握しておくことが大切です。利回りとは、投資した額に対して、一定期間で得られるリターンを表すものです。一般的には一定期間=1年間で計算されます。

なお、具体的な計算方法は以下の通りです。

年間利回り=1年間の収益÷投資元本×100(%)

例えば、1,000万円投資して、年間で100万円の利益が得られるのであれば、年間利回りは100万円÷1,000万円×100=10%となります。

基本的な考え方は以上の通りなのですが、土地活用においては利回りには大きく2種類あり、どちらの利回りを指しているかによって意味が異なるため注意が必要です。2種類の利回りとは、「表面利回り」と「実質利回り」のことです。

表面利回りについて

表面利回りとは、投資元本に対する年間の収益だけの割合を表す利回りです。

表面利回り=1年間の収益÷投資元本×100(%)

土地活用を検討していく上で、不動産会社などから最初に受けるのはこちらの表面利回りであることが多いです。

実質利回りについて

実質利回りは、投資元本に対し、年間の収益から経費を差し引いた額の割合がどのくらいかを示します。

実質利回り=(1年間の収益-経費)÷投資元本×100(%)

収益だけの表面利回りに対し、実質利回りは経費を取り入れることでより実際に近い数字を知ることができます。なお、経費には固定資産税や修繕費、水道光熱費、管理費などがあります。

NOI利回りとは

NOIは(Net Operating Income)のことで、先にご説明した実質利回りで言うところの「1年間の収益-経費」にあたります。NOI利回りは、NOIを投資元本で割ったものです。つまり、NOI利回りと実質利回りは同じものを指しています。

NOI利回り=NOI(1年間の収益-経費)÷投資元本×100(%)

なお、NOI利回り(実質利回り)はFCR(Free and Clear Return)と呼ばれることもあります。

実質利回り=NOI利回り=FCR

利率との違いに注意

投資では利回りや利率といった言葉をよく耳にすることになるかと思いますが、これらは似ているようですが、異なるものです。利率は債券や投資信託などで用いられる言葉で、それらの金融商品に対して最初に設定される金利のことです。

一方、利回りは土地活用を含む不動産投資でもよく用いられる言葉で、実際に運用して得られる収益を指しています。たとえば、100万円で利率3%の金融商品を購入すると1年後には3万円の収益が得られます。一方、1年後に金融商品の価格が99万円になったり、101万円になったりすると、前者では利益が3万円(利息)-(100万円-99万円)=2万円に、後者では3万円(利息)-(100万円-101万円)=4万円になります。

前者であれば利回りは2万円÷100万円×100(%)で2%に、後者であれば4万円÷100万円×100(%)=4%になります。利率と利回りの違いについて、間違いのないようしっかり確認しておきましょう。

土地活用における利回り、3つの注意点

土地活用における利回りについては、以下の3つに注意が必要です。

・入居率を考慮することが大切
・利回りの高い物件ほどリスクが高い
・表面利回りよりも実質利回りをチェック

以下で、詳しく見ていきましょう。

入居率を考慮することが大切

利回りを投資(土地活用)の判断材料にする場合には、入居率について考慮することが大切です。

多くの場合、不動産会社等から最初の段階で提案を受ける利回りは、満室時想定利回りで想定されています。満室時想定利回りとは、アパートやマンションなどに入居者が全て入居した時に得られる家賃収入で年間の収益を出す考え方です。例えば、1億円で購入したマンションの1室の家賃が10万円/月で10戸だった場合、満室時には100万/月、1,200万円/年で、利回りは12%です。

もちろん、実際に立地がよいなど人気があれば1年間満室で運営できることもあるでしょう。しかし、そうでない場合、例えば実勢の平均入居率が80%程度の場合には1,200万円/年×80%=960万円/年程度しか収入が得られず、利回りは9.6%となります。

年間で1,200万円/年収入があることを想定していたのに、960万円しか入ってこないとなれば、その埋め合わせをどこでするのかも考えなければなりません。工夫を凝らして入居率を高めることは大切ですが、実際に手元にどのくらいの金が入ってくるかについてはより厳しい基準で考慮しなければなりません。

利回りの高い物件ほどリスクが高い

2つ目は、利回りの高い物件ほどリスクが高いということが挙げられます。

「掘り出しもの物件」つまり「まだあなたの他数人にしか情報が渡っていない優良物件」ならば、利回りが高くてリスクも低い物件でしょう。しかし、一般的には、利回りの高い物件は競争率が高く、よほどよい商品であれば不動産会社が買い取って再販しますし、そうでなくとも不動産会社のお得意先に最初に紹介されて一般の市場には出回りません。

「利回りが高くて売れ残っている物件」は、基本的には需要が薄く、投資(土地活用)するにはリスクの高い分野であると考えましょう。

表面利回りよりも実質利回りをチェック

3つ目は、すでにお伝えしたことでもありますが、投資(土地活用)を決めるのであれば表面利回りではなく、実質利回りを算出してから決めるようにしましょう。

ランニングコストと諸経費について

実質利回りは固定資産税や修繕費、管理費などの諸経費は考慮されていますが、ローンの返済額や減価償却、利益に対して課される税金など、ランニングコストは考慮されていません。最終的な投資(土地活用)判断の際には、実質利回りに加えて、ローンの返済額や減価償却税金までシミュレーションしておくことが大切です。

どっちがいい?都心の好立地物件Aと郊外の物件Bの利回り

ここからは、2つの対比的な物件の利回りを例に、具体的なリスクの説明をします。

利回りの周期

土地活用において、利回りは投資を決める段階の数値をもとに算出しますが、実際には運用していくうちに建物は経年劣化しますし、周辺環境も変わっていきます。家賃設定も見直さないといけませんし、入居率も悪くなっていく可能性があるでしょう。数十年後先まで利回りを想定できればよいですが、数十年後の状況など想定しようとしても、できるものではありません。

投資判断にあたっては、5〜10年分位の利回りを想定するのが現実的です。5〜10年もすれば、設備の修繕についても考えなければなりません。それら修繕費についても利回りに反映させるようにしましょう。

利回りの相場(平均利回り)

利回りの相場については、実質利回り4〜6%程度(表面利回りで7〜8%)が平均です。これは、投資に取り組む地域や、活用する種類によって異なります。

例えば、1億円投資した場合、年間の収益は700〜800万円程、各種経費が差し引かれると400〜600万円程度残ります。そこからローンの返済や税金の支払いが発生します。この数値は不動産投資において、土地から購入することを前提とした利回りのため、土地は所有していることを前提にする土地活用においては、もう少しよい数値になるでしょう。

次で土地活用における利回りについて相場を紹介していきたいと思います。

土地活用の利回り相場を紹介

ここでは、以下の主流な4つの土地活用について相場をご紹介します。

1.アパート・マンション
2.駐車場・トランクルーム
3.太陽光発電
4.高齢者施設

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.アパート・マンション

不動産投資においても、土地活用においてもメインの投資方法であるアパート・マンション経営ですが、一般的には表面利回りで7〜8%程度、実質利回りで4〜6%程度のところ、土地活用では土地を所有していることが前提のため、より効率のよい投資が見込めます。

例えば、1億円のマンションでその内訳が建物7,000万円、土地3,000万円だった場合、平均的な利回りを考慮すると年間の家賃収入は700〜800万円、経費を差し引いた収入は400〜600万円です。土地があることを前提とすると、土地活用における表面利回りは700〜800万円÷7,000万円で10〜11.4%、実質利回りは5.7〜8.5%となります。

2.駐車場・トランクルーム

駐車場は初期費用がほとんど要らず、またトランクルームも比較的初期費用を安く抑えられる土地活用です。土地の取得費用も不要ということもあり、駐車場・トランクルーム双方ともかなり高い利回りを実現できます。

例えば、自動車が5台(月極5,000円/台)停まる駐車場を、100万円で整備した場合、表面利回りは2.5万円/月×12ヶ月÷100万円=30%となります。これに、管理費用として30万円/年×5%=1.5万円/年を支払い、固定資産税として10万円支払うとすると、実質利回りは30万円-11.5万円÷100万円=18.5%です。

一方、トランクルームでコンテナを5台、1台1万円/月で貸し出し、初期費用として300万円かかったとすると、表面利回りは1万円/月×5台×12ヶ月÷300万円=20%となります。また、年間の経費として管理費が60万円×20%=12万円、固定資産税が3万円だったとすると、実質利回りは60万円-15万円÷300万円=15%です。

3.太陽光発電

太陽光発電は20年間固定単価で買い取ってくれる制度があるため、長期間安定した収益を得られるのが特徴です。以下で、具体的に利回りを計算していきましょう。

50kwのソーラーパネルを設置することを想定し、設置費用は1,200万円程度、年間の収入は10万円/月だとすると、表面利回りは10万円/月×12ヶ月÷1,200万円=10%となります。また、清掃などの維持費で年間10万円、固定資産税として30万円費用がかかるとすると、実質利回りは120万円-40万円÷1,200万円=6.6%です。

4.高齢者施設

サービス付き高齢者向け住宅など、高齢者施設の建築はアパート・マンションと同じく初期費用が高く付きます。例えば、建築費用として2億円かけて、部屋数が20部屋、利用料が1人10万円/月だった場合、表面利回りは10万円/月×12ヶ月×20部屋÷2億円=12%です。

次に、人件費として1,000万円/年、固定資産税として200万円/月かかる場合、実質利回りは2,400万円-1,200万円÷2億円=6%となります。

 アパート・
マンション
駐車場トランクルーム太陽光発電高齢者施設
表面利回り11.40%30%20%10%12%
実質利回り8.50%18.50%15%6.60%6%
※土地を所有していることを前提に計算をしています

まとめ

利回りについてのご説明と、土地活用において利回りを利用する際に気をつけるべきことや、土地活用における利回りの相場などについてお伝えしました。

利回りは、投資(土地活用)を始めるかどうか判断するのに非常に重要なものですが、ただ数値だけを見て判断するのは危険で、その内容についてよく理解しておくことが大切です。

土地活用におけるそれぞれの利回りの相場なども参考に、自分が検討している方法が相場より大きく乖離している場合はその理由などを考えるための材料にしていただけたらと思います。

土地活用を検討するなら、
利回りの意味・計算方法は必ず理解しましょう。

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【監修】逆瀬川勇造

【監修】逆瀬川勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ~造成、不動産売買に携わる。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。