アパート経営の特徴とメリット・デメリット

  • 公開日:
  • 2018年9月12日
  • 更新日:
  • 2019年1月28日
アパート経営の特徴とメリット・デメリット
土地活用の方法として代表的な「アパート経営」。節税効果が謳われる一方で空室リスクなど、”経営”と言われる通り、堅実な運営が必要な方法です。

この記事では、土地活用のひとつとしてアパート経営を検討している方に向けて、アパート経営の収益モデルやメリット・デメリットと合わせて、契約をする前に必ず理解しておくべきリスク・注意点をご紹介いたします。

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目次

代表的な土地活用であるアパート経営

相続した土地を活用したいと考えるとき、アパート経営を検討する方も少なくないでしょう。アパート経営は、建設費として初期費用を支払う必要がありますが、自分で所有している土地の上に建てる場合、全体の資金計画も比較的余裕を持って考えることができます。

また、アパート経営で得られる家賃収入は不動産所得として計上しますが、減価償却費や青色申告特別控除など各種費用を計上して所得をマイナスとすることができれば、給与所得など他の所得から差し引くことができることからサラリーマンにも人気があります。その他、アパート経営は、金融緩和政策が続き、金利が低いことによるメリットや、将来年金を受給できない、もしくは少なくなった時のための老後収入として確保しておきたいといった需要があります。

昨今のアパート経営事情

一方、昨今の日本では人口減少問題が深刻化しつつあり、すでに人口はピークを過ぎて減少に転じています。少子高齢化も進んでおり、人口が減るスピードは増していくことが予想されます。こうした社会情勢の中にありながら、アパートやマンションは乱立されており、築年数の古いものや郊外にあるものは厳しい戦いを強いられることが少なくありません。

土地活用のひとつとして、アパート経営を考えているのであれば、土地の立地が人を呼び込めるものなのか、ファミリーや学生、シングルなど、どの層をターゲットにするのか、人口減少が進んでも需要がなくならないのかなど、よく検討する必要があるでしょう。

アパート経営の始め方

アパート経営を始めるには、以下の流れに沿って進めていきます。

・建設会社やハウスメーカー、工務店などに相談する
・気になった会社に見積もりを依頼する
・金融機関でローン審査を受ける
・建設を始める
・着工中から入居者の募集を始める
・建物が完成したら入居を開始し、家賃収入を受け取る

それぞれ説明していきます。

相談・見積もりからローン審査まで

まずは、建設会社やハウスメーカー、工務店で、どのような規模でのアパート経営を考えているのか相談しましょう。

本当に何も考えてない状態で相談に行くと相手もどうすれば良いのか困ることがあるので、ある程度要望を固めてから相談に行くと良いでしょう。相談にあたっては、複数の会社にまとめて話を聞くことができる一括プラン請求を活用するのがオススメです。

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見積もりの提案を受けたら、その金額を持って金融機関でローンの審査を受けます。ローンの承認がおりたら、アパートの建設に向けて話を進めます。

アパート建設から入居者募集まで

なお、建設会社によりますが、着工時に請負代金の3割、着工してから数カ月後に中間金として3割など、途中で資金を入れる必要がある場合がありますが、これは金融機関のつなぎ融資を利用します。

アパートの建設が始まったら、入居者の募集も進めましょう。建設会社がアパートの管理もしているようであれば、そこに管理や入居者募集をお願いしても良いですし、他にお願いしたい管理会社があればその会社と契約しても良いでしょう。

管理には、一般的に家賃収入の5%程度の管理費を支払う必要があります。建物が完成したら、順次入居してもらい、家賃収入を受け取ります。

アパート経営の収益モデル

アパート経営の主な収入源は家賃収入です。家賃収入に対して、借りたローンの返済額やメンテナンス費用、管理費、共用部分の光熱費、火災保険料、固定資産税などの各種経費を支払い、残った利益に対しては所得税と住民税が課されます。

ここでは、以下を例にシミュレーションしてみたいと思います。

■モデルケース

・木造2階建てアパート(総戸数6戸)
・ローン借入額:3,000万円(金利3%/借入期間20年 ※元利均等方式として計算)
・家賃収入見込:各戸6万円(36万円/月、432万円/年)

アパート経営の収入

アパート経営の主な収入源は家賃収入ですが、それ以外に土地が余っていれば駐車場の一部を月極駐車場として貸し出したり、自動販売機を設置し、収入を得ることができます。最近では太陽光発電システムを設置するケースも増えています。

その他、駐車場を貸し出すのであれば、エリアによって異なりますが、1台5千円~1万円など月極で契約するのが一般的です。自動販売機や太陽光発電システムを設置すれば、月に数千円~数万円の収入になるでしょう。

アパート経営の支出

支出面では、大きく分けると、
・ローン
・管理費
・税金
の3つがあります。

ローン返済額は設定した金利・借入期間によりますが、モデルケースで言うと毎月約16.6万円。

管理費は、建物のメンテナンス費用、共用部分の光熱費、火災保険料などが掛かり、おおよそ家賃の10%程度と考えておくと良いでしょう。そして税金は固定資産税として家賃の5%程度、さらに、年間の利益に対しては不動産所得として税金が課せされ、初年度は不動産取得税を支払う必要があります。

これらを元に、満室時、2部屋空室時でシミュレーションをしてみましょう。

収支シミュレーションイメージ

満室時想定/月2戸空室時想定/月
収入家賃収入36.0万円24.0万円
支出ローン返済額16.6万円
管理費など3.6万円
固定資産税1.8万円
合計22.0万円
利益14.0万円2.0万円

上記計算では、家賃収入を6万円で見込んでいますが、築年数が古くなると受け取れる家賃収入はもっと少なくなることも想定しなければなりません。ずっと満室運営ができるか保証はありませんし、エアコンなど住宅設備機器の交換に費用もかかります。

モデルケースの場合、建築費を減らして戸数を増やすか、ローンの借入期間を長くしてもらうよう金融機関に交渉するなど、計画の練り直しをした方が良いと言えるでしょう。

アパート経営のメリット・デメリット

ここでは、一般的なアパート経営のメリット・デメリットについてお伝えします。他の土地活用と比べて、どの点でメリットがあり、どの点でデメリットがあるのでしょうか。

アパート経営のメリット

アパート経営のメリットとしては、以下のようなものがあります。

・安定収入が期待できる
・資産が残る
・節税効果が期待できる

それぞれ説明していきます。

安定収入が期待できる

アパート経営は、"入居者が入っていれば"、毎月安定した収入を得ることができます。

当たり前のことですが、いかに空室の期間を短くするかを考えながら運営を進めていくことが大切です。ただ、収入と支出の項目でシミュレーションしたように、アパート経営では多くの経費がかかります。

「アパート経営の収入=家賃収入」ではなく、「家賃収入ー経費」であることを忘れずに計画を進めましょう。

資産が残る

ローンの支払いが終わってしまえば、経費の多くを占めるローン返済額がなくなり、手元に多くのお金を残すことができ、建物がある限り収入を生みだしてくれます。

建物は経年劣化しますが、土地は時が経つだけでは価値が落ちません。老後の年金代わりとして保有しておき、いざとなれば土地を売却してまとまったお金を手にすることもできます。

節税効果が期待できる

アパート経営では、不動産所得と他の所得との損益通算や、不動産の相続税評価額が実勢価格より低いことを活かした節税効果を期待できます。損益通算とは、ある所得でマイナスとなってしまった場合、他の所得のプラスと相殺できるものです。

例えば、不動産所得が最終的にマイナス100万円となってしまった場合、給与所得が500万円あれば、その所得から100万円差し引いて、差し引いた額に税率をかけて納税額が算出されます。もちろん、不動産所得がマイナスになっていることは良いことではありませんが、不動産所得には減価償却費や青色申告特別控除など実際に支払っていない経費もあるため、実際のお金の動きはプラスなのに、帳簿上はマイナスであることもあります。

また、不動産の所有者が亡くなった時、その所有していた不動産の価値の算定には相続税路線価などが用いられますが、この相続税路線価は、実勢価格の80%を目安として決められます。

3,000万円で売買される不動産は、相続税路線価で2,400万円程度を目安に評価されるため、現金を不動産に換えておけば、それだけ低い評価を受けることになるため、支払う相続税を少なくすることができます。

アパート経営のデメリット

続いてデメリットについて説明していきます。

・初期費用がかかる
・空室リスク
・災害リスク

初期費用がかかる

アパート経営は、他の土地活用と比べて、アパートを建てるための建築費が高くなることが多いです。

もちろん、家賃収入で回収することを前提にアパートを建てるのですが、現在のような人口減少が続き、アパートやマンションが乱立する中で、新しくアパートを建築するのであれば、うまく計画を立てないと、借金だけが残る事態にもなりかねません。

空室リスク

アパート経営の最大のリスクと言って良いのが空室リスクです。

アパートの場合、大規模なマンションと比べて戸数を多くしづらいため、1戸の空室が収益に大きな影響を与えます。もちろん、空室をできるだけ少なくする努力が一番大切ですが、アパート経営をするのであれば複数棟所有するなどして総戸数を増やした方が空室リスクを分散させやすくなります。

災害リスク

空室リスクの次に怖いのが災害リスクでしょう。自分の所有するアパートが火災や台風による被害に遭うと、補修費用が必要ですし、場合によっては建て替えの必要もあるでしょう。これらの費用は、しっかり保険をかけていれば保険金で補うことができますが、建て替えしたり、補修したりしている間は家賃収入を得ることができません。

また、自殺や事件が起こったりすると、その部屋で入居者の募集が難しくなるだけでなく、他の部屋にも影響があります。たとえ、建て替えしたとしても噂が広まってしまえば入居者が集まりにくいばかりか、最悪の場合、土地を売却しようにも売却できなくなる可能性があります。

こうした事故が起こる可能性は限りなく低いとはいえ、ゼロになることはありません。災害リスクに関しても、可能であれば複数のアパートを経営してリスクを分散することが求められます。

まとめ

土地活用の内、アパート経営に関する社会的背景やアパート経営の始め方、始めた場合の収支のシミュレーションやメリット・デメリットについてお伝えしました。

アパート経営は多くのメリットがありますが、空室リスクを始めとしたいくつかのリスクもあります。特に、空室リスクを回避するためには立地の良いところに建てることが求められます。すでに持っている土地に対し、その土地活用のひとつとしてアパート経営を考えているのであれば、まずはその立地がアパート経営に適しているかどうか判断することが大切です。

いくつかある土地活用のうち、自分の土地に向いている活用法がどれか知るためには、プロの意見を聞くことが大切です。しかし、1社だけだと、その相手が得意とする土地活用に誘導されてしまう可能性があるため、複数の会社に相談を持ちかけるのが原則です。

土地活用について、複数の会社に相談を持ちかける時は、ご自身の情報を入力するだけで複数社に請求を送れる一括プラン請求の利用がオススメです。

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【監修】逆瀬川勇造

【監修】逆瀬川勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ~造成、不動産売買に携わる。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。

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