遺贈にかかる税金は?不動産を第三者に相続させた場合の相続税を解説

  • 更新日:
  • 2021年07月02日
遺贈にかかる税金は?不動産を第三者に相続させた場合の相続税を解説
現代の日本では家族や世帯の在り方が大きく変化しており、4人に1人の男性が生涯結婚せず、同性婚に賛同する人は20代から30代の若い世代では8割に上ります。財産承継のあり方は、従前の配偶者や子・孫への承継だけでなく、多様な価値観に対応できる制度へと変化を求められています。遺贈は、自分の財産の行く末について、自分の最後の遺志を反映させる為の手続きの1つです。本記事ではとくに不動産の遺贈に関して、税負担などの留意点をお伝えしていきます。

法定相続人以外の人にも財産を遺せる遺贈
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目次

遺贈をすれば相続人以外にも財産を遺せる

遺贈とは、被相続人が遺言によって財産を処分することをいいます。民法は、法定相続人を定めており、人が亡くなった際(以後「相続開始時」といいます。)に誰がその財産債務を承継するかを決めています。

民法上は、配偶者は常に相続人になり、被相続人の子、親、兄弟姉妹の順に相続する権利を得ます。相続開始時に子があれば、親に相続権は発生しませんし、親が存命であれば、兄弟姉妹に相続権はありません。遺言が無ければ相続財産は民法に規定する法定相続人に承継され、法定相続人以外の者が財産を受け取ることはないのです。

しかし、被相続人が遺言により指定をすれば、子がいても兄弟姉妹に財産を遺贈することができます。また、老後の生活でお世話になったご近所の方やご友人、事実婚や同性婚のパートナーなど、法定相続人以外の者に財産を遺したい場合には、そのような内容の遺言を残すことで、財産の行く末を決めることができます

遺贈には相続税がかかる

遺贈により取得する財産に対しては相続税が課されます。「遺贈」という言葉の中に、「贈」という文字が含まれるため、贈与税が課せられるとお考えの方もいらっしゃいますが、実際に課される税金は相続税になります。

「贈与」は民法上、諾成契約といわれる取引です。契約当事者の一方が財産等を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方がこれを受諾することにより成立します。他方「遺贈」は法的に有効な遺言によって効力を発生するため、相手方の受諾は要件ではなく、遺言者の一方的な意思表示に基づき財産が処分されます。

類似する契約に「死因贈与」という形態もあります。これも「贈与」の一形態ですので、相手方の受諾があって初めて成立します。「死因贈与」に際して処分される財産に課せられる税金も相続税です。整理するならば、生前の贈与に関して課せられるものが贈与税、相続開始に基因する財産の移転に関して課せられるのが、相続税ということになります

遺贈にかかる相続税の計算方法

日本の相続税制は、基本的には遺産の総額と法定相続人の数で税額が決定されます。遺産総額が法定相続人の人数に応じた基礎控除額を超えると、相続税が課されます。このため、同じ1,000万円相当額の財産の遺贈を受けた人でも、遺産総額が1億円の場合と5億円の場合とでは、負担する相続税額は異なるのです

たとえば、遺産総額が1億円で法定相続人が1名である人の相続に際して課される相続税額は、特例や控除の適用が全く無い前提で計算すると、1,220万円になります。つまり、税負担率は12.2%です。この人から1,000万円の財産の遺贈を受けた者の負担する相続税額は、原則として122万円になります。

他方、遺産総額が5億円で、法定相続人が1名である人の相続に際して課される相続税額は、上記と同じ前提で考えると、19,000万円になります。税負担率は38.0%です。つまり、この人から1,000万円の財産の遺贈を受けた者の負担する相続税額は、原則として380万円ということになります。

遺贈にかかる相続税の注意点

上記例示で、「原則として」と述べたのは、相続税法には2割加算という制度があるためです。相続又は遺贈によって財産を取得した者が、被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の者である場合には、その者の相続税額に、その相続税額の2割に相当する金額を加算することになっています。一親等の血族とは、親と子です。ですから配偶者、子、親以外の者が遺贈により財産を取得する場合には2割加算の対象となるわけです。兄弟姉妹も2割加算の対象となります。

遺贈により財産を取得する第三者は、漏れなくこの制度の対象になることから、割高の相続税負担を求められます。上記の例で説明するならば、遺産総額1億円の人から1,000万円の遺贈を受けた者は、122万円の相続税額に2割、つまり24万4千円が加算され、146万4千円の税負担を求められることになります。遺産総額5億円の場合は、380万円に76万円を加算した、456万円を納付しなければなりません

同じ価値のものを遺贈されても、遺言者の背景によって、税負担率が大きく異なる場合があるわけです

不動産取得税や登録免許税がかかる場合がある

相続または遺贈により不動産を取得した者は、所有権が移転したことを法務局に登記しなければなりません。この登記の際に課されるのが登録免許税です。相続人が相続又は遺贈により取得した不動産については、0.4%の税率が適用されます。他方、相続人以外の者が遺贈により取得した不動産については、2%の税率が適用されます

登録免許税を算出する際に税率を乗ずる課税標準は、固定資産税評価額です。不動産の評価額はある程度大きな金額であるのが通常です。仮に、固定資産税評価額が1,000万円の不動産であれば、相続人が所有権移転登記を行う場合には、登録免許税は4万円で済みますが、相続人以外の者の登記では、20万円になります。

法定相続人が相続または遺贈により取得した不動産には、不動産取得税は課されません。しかし、法定相続人以外の者が遺贈により取得した不動産には不動産取得税が課されます。不動産取得税の計算は特別控除や軽減規定等があり少々複雑ですが、現状は、土地および住宅は3%、住宅以外の建物は4%の税率で不動産取得税が課されます。このうち土地については、令和6年3月31日までの取得は、課税標準を2分の1とする軽減措置があります。

また、住宅用建物については、建築時期に応じて100万円~1,200万円の控除が設けられています。不動産取得税も課税標準となるのは、固定資産税評価額です。住宅以外の不動産に課される不動産取得税は、比較的高額になる場合が多いことにご注意ください。

固定資産税評価額の確認方法

固定資産税評価額は独自のルールで算出され、通常の取引価額よりも低い価額に設定されています。不動産を所有者のところには、物件が所在する地域の地方自治体から例年4~5月頃に固定資産税納税通知書が届きます。その2ページ目以降、課税明細書の「価格」欄に、各物件の固定資産税評価額の記載があります。ご興味があれば、相続や遺贈時の登録免許税等がどのくらいの負担になるのか、確認なさってみてください。

ちなみに、登録免許税等の課税標準になるのは固定資産税評価額であって、固定資産税課税標準額とは異なることにご留意ください。

相続税の支払いに問題がありそうな場合は売却も検討しよう

不動産を受贈される、ということは、それに伴う、登録免許税、不動産取得税、相続税を負担することを意味します。また、その所有を続けるということは、毎年の固定資産税を負担することをも意味しています。その不動産が収益物件であれば、賃料収入からこれらの税金を支弁することもできます。

他方、遊休不動産やご自宅用など、収益を生まない不動産に課せられる税金ついては、受贈者自らが捻出しなければなりません。そして、これら税負担は上述の通り、意外と重い負担となる場合があります。この点、現金の受贈はシンプルです。現金を受贈されても登録免許税や不動産取得税は課されません。相続税が課されたとしても、受贈された現金から納付できるので、受贈者自らが税金相当額を捻出する必要もありません。

第三者への不動産の遺贈を考える際には、受贈者が負担することになる相続税や免許税等を考慮に入れて計画することが重要です。場合によっては、生前に売却し現金に換えてから遺贈したほうが、喜ばれる可能性が高いです。善意で遺贈したはずなのに、受贈者が予期していない税負担に苦労するようでは、遺贈者も浮かばれないものです

公共団体への遺贈には税金がかからない

個人が、不動産を法人に寄付した場合、通常、時価で譲渡があったものとみなされ、所得税が課されます。しかし、不動産を公益法人などへ寄付した場合で、一定の要件に該当するときは所得税が課されません。遺贈の場合や相続人からの相続財産の寄附についても類似の規定があります。不動産を公益法人などへ遺贈等した場合で一定の要件に該当するときは、その不動産は課税総遺産から除外され相続税の対象外とされます

ただし、公益法人などに対する遺贈等は、必ずしもすべてが相続税の非課税規定の対象になるわけではありません。非課税規定の対象とならない公益法人等も存在します。また、不動産を受領した公益法人などが、その寄附を受けてから2年を経過した日までに、寄附を受けた不動産を公益目的事業の用に供さないときは、遡及して相続税などが課されます。

この場合、課税総遺産額が増額しますので、すでに相続税を納付済みの相続人達にも追徴税が課せられることになります。遺贈先の選定や寄附遺贈による相続税などの負担軽減効果については、事前に税理士に相談しシミュレーションを行うなど、慎重に計画なさってください

まとめ

この記事では不動産を遺贈した場合の税制上の取り扱いについて概観しました。不動産を所有した経験の無い人は、不動産の取得と保有に関する税負担などの意識に乏しいものです。善意から生じた遺贈が、受贈者にとって負担とならないよう、よく計画し、可能であれば事前に話し合っておきましょう。また、どの程度の税負担が発生するのか、税理士などに相談し、シミュレーションをしておくことは重要です。

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秦 光一郎

監修秦 光一郎

【資格】税理士

会計事務所に勤務しつつ平成16年税理士試験に合格。
税務コンサルタント会社にて金融機関をサポートする業務の中、資産税業務の経験を積む。
平成22年税理士法人シン総合会計設立。
主に中小企業の会計税務支援を中心に、事業承継、資産税業務にも従事。
不動産会社の税務相談会相談員、金融機関のセミナー講師等に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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