- 所有不動産の「売れそうな価格」を知るためにも、査定を依頼する前に相場を自分で調べておくと良いでしょう。
- とはいえ、実際の不動産取引では、相場通りに進むとは限らないことも理解しておきましょう。
- 不動産会社の査定結果を見極める材料にもなる相場価格の調査。今すぐ取りかかれることを解説します。
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目次
不動産売却相場を知っておくべき理由は3つ
そもそも、不動産売却の相場はなぜ知っておく必要があるのでしょうか?それには、大きく以下の3つが挙げられます。
- 利益イメージができる
- 売りたい価格=売れる価格ではないことがわかる
- 不動産会社と対等に会話ができる
売却前に相場を知っておくことで、最終的にいくらの利益を得られるのかのイメージを掴むことができます。売主としては、「この不動産をいくらで売りたい」という希望があるのが普通ですが、往々にして相場より高い金額をイメージしていることが少なくありません。
予想より売却後の利益が少なくなり、売却後に描いていた計画が崩れてしまうのを防ぐことにつながります。
また、事前に相場を知っておくことで不動産会社の担当者が話す相場が正しいか判断できるようになり、対等に会話できるようになります。不動産売却を成功させるにはまずは不動産査定の流れを把握しておきましょう。
マンション・一戸建ての相場を自分で調べる方法
1.不動産ポータルサイト
ただし、先ほど売却の流れでご説明したように、登録されている価格は「不動産会社と売主とで決めた売却価格」です。最終的な「買主と売主の価格交渉」は行われていません。必ずしも、売却価格=売れる価格ではないことに気を付けましょう。
2.レインズ
不動産ポータルサイトで「現在売りに出されている価格」を調べると共に、レインズマーケットインフォメーションで「過去に成約した価格」を調べて相場観を養いましょう。
3.中古マンション価格天気図
晴 | 価格は上昇傾向にある |
---|---|
薄日 | 価格はやや上昇傾向にある |
曇 | 価格は足踏み傾向にある |
小雨 | 価格はやや下落傾向にある |
雨 | 価格は下落傾向にある |
として日本全国の価格天気図が作成されています。価格天気図は、ビジュアル的に理解しやすく、市場の動向を把握する目安に活用できます。
土地の相場を自分で調べる方法
1.不動産情報ライブラリ
平成24年1月以降直近まで、四半期ごとの取引情報を確認可能で、「選択した四半期のみ」や「過去1年間を含む」と「過去2年間を含む」を期間として選ぶことができます。実際に売れた価格ですので参考にするには最良のデータです。
なお、不動産情報ライブラリから、以下でお伝えする地価公示や基準地価も調べることができます。
2.地価公示
公示地価は「特別な事情がない場合の適正な取引価格」と見込まれる価格とされ、水準となる価格として考えることができるでしょう。なお、公示地価はおおむね実勢価格(実際に取引される価格)に近いとされていますが、年に1回の調査のため、1年間の間に価格が変動してしまった場合には反映されるのは1年後です。
このため、「公示地価は実勢価格に遅れる」と表現されます。
3.路線価
なお、路線価は公示地価のおおむね8割程度に設定されています。路線価から売却価格を掴むためには路線価で算出した価格に0.8を割って算出すると良いでしょう。
4.固定資産税評価額
なお、固定資産税評価額は公示地価のおおむね7割程度に設定されています。固定資産税評価額から売却価格を掴むためには固定資産税評価額に0.7を割って算出すると良いでしょう。
実勢価格と公示地価、路線価、固定資産税評価額の比率や違いは以下の通りです。
実勢価格 | 公示地価 | 路線価 | 固定資産税評価額 | |
---|---|---|---|---|
比率 | 取引次第 | 1 | おおむね0.8 | おおむね0.7 |
調査主体 | ー | 国土交通省 | 国税庁 | 市町村 |
公表時期 | 毎年3月 | 毎年7月 | 毎年7月 | 3年ごと4月 |
基準地価
公示地価と基準地価の違いは以下の通りです。
公示地価 | 基準地価 | |
---|---|---|
根拠法 | 地価公示法 | 国土利用計画法 |
調査主体 | 国 | 都道府県 |
調査方法 | 1地点につき不動産鑑定士2名以上 | 1地点につき不動産鑑定士1名以上 |
評価時点 | 毎年1月1日 | 毎年7月1日 |
公表時期 | 毎年3月頃 | 毎年9月頃 |
調査地点 | 標準地26,000地点 | 基準地約22,000地点 |
自分で調べた相場と大きく乖離をしていないか、
一括査定を使って確かめるのがオススメです!
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建物の変動要因
◎建物の素材 | 高級な仕上げ材の使用はプラス評価 |
---|---|
◎建物状態 | 破損、傾きがあるとマイナス評価 |
◎耐震改修 | プラス評価 |
◎リフォーム | プラス評価 |
◎過去に忌まわしい事件(自殺や殺人事件)が発生している | マイナス評価 |
土地の変動要因
◎土地の広さ | 広いとプラス評価 |
---|---|
◎土地の形 | 角地はプラス評価、旗竿地はマイナス評価 |
◎土地の高低差 | 道路より低いとマイナス評価 |
◎土地の前面道路 | 狭いとマイナス評価 |
◎周辺施設 | 嫌悪施設(墓地、高圧線、汚水処理場)があるとマイナス評価 |
きちんとした査定をしてくれる不動産会社を味方にすることが、売却成功の第一歩となるのです。
相場を調べる時のポイントと注意点
- 相場通りの金額で売却できるとは限らない
- 査定額が売却価格の参考基準となる
相場通りの金額で売却できるとは限らない
不動産の取引は、あくまでも売主と買主がいて成り立つものです。それぞれ売主はできるだけ高く売りたい、買主はできるだけ安く買いたいと思っています。
しかし、できるだけ早く売りたい売主は安くても売りたいと考えます。逆に、できるだけ早く買いたい買主は高くても買いたいと思うでしょう。こうしたことを前提に価格交渉が行われ、最終的には相場から離れていくこともあります。
査定額が売却価格の参考基準となる
一括査定を行うと複数の不動産会社から査定の結果を聞くことができますが、査定の結果を聞いてみると、同じ物件で、不動産取引のプロが査定を行っているのにも関わらずその査定結果に大きな差が出ていることも少なくありません。何がどのように査定額に影響しているのかなど、気になる点は不動産会社に直接確認してみるとよいでしょう。
ここ最近はAIによるかんたん査定ができるサイトも増えつつありますが、あくまでも参考価格程度に捉えることをおすすめします 。
一括査定を活用する際の注意点
もちろん、そのようなやや悪質な理由ではなく、単純に算出基準が異なるため査定結果に違いが出ただけのケースもあるでしょう。後者であれば、査定結果を聞く際にその理由を聞けば解決できます。
査定額が提示されたら、まずは、できる限り多くの不動産会社に提示された査定額の根拠を確認し、納得のいく回答が得られるのであれば、依頼先の候補として検討してもよいでしょう。
まとめ
売却は信頼のおける不動産会社に全てを任せてしまっても良いのですが、まず、その不動産会社に信頼をおけるかどうか知るために、自分で相場を調べ、不動産会社の査定結果がその相場に則っているかどうか、そうでない場合はどういう理由なのかを聞いて判断する必要があります。
相場を調べること自体はそう難しいことではありません。ここまでご紹介したことを一つ一つ実行していきましょう。
売却時には、不動産会社にすべて任せるのではなく、
自分で相場を知っておくことが大切です。
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この記事の監修者
AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。