戸建て投資はおいしいって本当?おすすめできる人と注意点

2024.06.19更新

この記事の監修者

アユカワタカヲ
アユカワタカヲ

宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど

戸建て投資はおいしいって本当?おすすめできる人と注意点

戸建て投資は低予算で始められますが、注意点も。この記事では、戸建て投資について、メリット・デメリットをご紹介します。

この記事のポイント
  • 戸建て投資の利回り相場は、築年数にも影響されますが、新築物件で5~6%、中古物件で6~8%とされています。
  • 区分マンション投資と比較すると、物件価格は戸建ての方が高くなる傾向に。ただし、戸建ての方が家賃を高めに設定することが可能です。
  • 不動産投資を始める前に、賃貸需要や将来必要になる修繕費、また出口戦略まで含めた計画を立てるようにしましょう。

目次

戸建て投資とは

戸建て投資とは戸建て物件を購入し、購入した物件を賃貸に出すことで継続的に家賃収入を得る不動産投資のことです。

戸建て投資を行う物件については、最初から投資目的で購入するパターンのほかに、親の相続や長期間の転勤に伴って、持ち家を賃貸運用するというケースも戸建て投資に含まれます。

また、コロナ禍でテレワークが推奨されたことにより、部屋数が多く個人のスペースを取りやすい戸建て住宅は、ファミリー層だけでなく、夫婦2人の家庭でも注目が高まっています。

戸建て投資にはアパート・マンションへの投資と異なる独自の特徴・メリットがあり、近年人気が高まっています。

戸建て投資にはどんな方法がある?

戸建て投資の手法として、新築戸建て投資、中古戸建て投資が主な方法となります。

他にも、築年数の古い戸建てをリフォームして賃貸に出す「ボロ物件投資」は、中古戸建て投資よりもさらに安い金額で購入でき、利回りが高いのが特徴です。さらに、マイホームを購入してしばらく住み、住宅ローンを完済したのち賃貸として貸し出す「ヤドカリ投資」という方法もあります。

新築戸建て投資

新築戸建て投資をする場合、一戸建てを購入する必要があるので多くの資金や高いリスクが伴いますが、新築の一戸建て投資を軌道に乗せることができれば大きな利益を得ることが可能です。また、新築は中古の戸建て物件に比べて、比較的家賃を高く設定できる利点があります。

中古戸建て投資

中古戸建投資とは、過去に人が居住したことがある一戸建て住宅を購入、それを賃貸・売却することで収益を得る投資方法です。中古住宅は築年数や物件状態などで差が出てきますが、300~500万円程度と比較的少額の投資費用で始められるため、人気が高まっています。

売主さんの中には、相続で親の自宅を手にしたがどうしていいかわからず、「タダでもいいので引き取って欲しい」という方もいらっしゃいます。そういう物件を手に入れてリフォームして賃貸に出す「空き家投資」というやり方もあります。

アユカワタカヲ
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戸建て投資の利回り相場

不動産の利回りには相場があります。利回りは、物件購入価格が低いほうが高くなります。そのため物件購入価格が高めの都市部と比較して、地方都市のほうが利回りが高くなるのが特徴です。

地方の利回りの理想は10%といわれています。これに対して都市部の利回りは7%が理想です。実際のところ、利回りは築年数にも影響されるため、新築物件で5~6%、中古物件で6~8%が相場とされています。

利回りの高い物件を探している場合は、地方都市の中古物件を購入しましょう。

戸建て投資の初期費用

戸建て投資の初期費用ですが、新築と中古で異なります。

中古戸建を取得する場合の初期費用

・土地・建物の購入費用
土地と建物がセットになった中古戸建てを購入して、賃貸用として運用することになります。公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏中古戸建成約状況」によると、首都圏全体の中古戸建住宅の成約価格は、約3,800万円、建物面積は104m2、土地面積は142m2となっています。
・仲介手数料
中古物件を取得した場合は、中古の戸建て市場で販売されている物件を購入することになるため、不動産会社に仲介を依頼します。その際、不動産会社に支払う仲介手数料がかかります。

・その他付随費用
登記費用や登録免許税、ローンを組んで購入する場合にはローン手数料など、一般的な不動産を購入する際に必要な付随費用がかかることになります。

・リフォーム費用
購入した状態で、そのまま賃貸物件として入居者を募集するには難しいケースが多いです。空室を防ぐためには最低限度のリフォームをする必要があり、物件の状態に応じて費用が異なります。工事が必要な場合、数百万円の費用を必要とするケースもあります。

新築戸建を取得する場合の初期費用

・土地の購入費用と付随費用
住宅金融支援機構の「2021年度 フラット35利用者調査」によると、首都圏の注文住宅利用者の土地取得費は、約2,200万円。全国平均の土地取得費は、約1,400万円となっています。
・建物の建築費用
住宅金融支援機構の「2021年度 フラット35利用者調査」によると、首都圏の注文住宅利用者の建物建築費は、約3,900万円。全国平均の建物建設費は、約3,500万円となっています。土地付きの場合には、首都圏の建物建設費は、約2,900万円、全国平均では、約3,000万円となっています。

なお、建売住宅の場合、首都圏では土地建物合わせて4,100万円、全国平均では、約3,600万円となっています。

・その他付随費用
建物にかける保険料、ローンを組む際の手数料、その他、建築確認申請料や検査手数料、登記費用などの事務処理費用が必要になります。

戸建て投資のメリット

戸建て投資では、新築物件もありますが、基本的には築年数が経過した物件や、設備や内装が古くてそのままでは住めない物件など、安い物件を購入し、リノベーションなどで付加価値をつけてから貸し出して、家賃収入を得ることが多いです。

家賃収入で、物件の購入価格以上の利益を得ることができれば、投資で失敗しマイナスになると言う事態はなくなります。

ここではとくに、長期入居・資産価値・リフォームや建て替え・維持費、など4つのポイントについて詳しくそのメリットを解説します。

【メリット①】長期の入居が望める

一般的に、賃貸の戸建てを選ぶ層はファミリー層が多いです。子育てなど、その地域に根を張って生活する状態で賃貸戸建てを探すため、転勤や結婚等により数年単位で入居者が入れ替わる集合住宅と違って、家を長く借りてもらえます。

入居者が変わらなければ家賃収入も安定しますし、入居希望者の審査等も不要なので、投資に必要な各種業務の負担も減らせるでしょう。

【メリット②】資産価値が落ちにくい

戸建て投資の場合、物件価格に占める土地部分の割合がとくに大きくなる傾向があります。建物部分は時の経過により資産価値が下落しますが、土地部分は経年劣化が起きないため資産価値が落ちにくいです。

物件を売却する際にも、場合によっては建物を解体して土地として販売することも可能です。

再建築不可の敷地の場合には解体後に新しい建物を建てられないという制約が発生します。再建築不可物件は売却先が見つかりづらいため購入する際は注意が必要です。

【メリット③】リフォームや建て替えなどの自由度が高い

中古マンションの場合、リフォームや建て替えなどを行う場合は、管理組合の決議が必要になります。しかし、戸建て投資はリフォームや建て替えなどの自由度が高いのが特徴です。

壁を塗り替えたり、床を畳からフローリングにしたり、敷地内の物を除去して駐車スペースを設ける、などさまざまな工夫ができるため、オーナーの意思で自由に物件を蘇らせることができます。

【メリット④】維持費が安い

戸建て物件にはマンションやアパートのように共用部分がありません。そのため、共用スペースの維持管理費用や手間がかかりません。また、基本的に室内や庭などの手入れは居住者が行います。

オーナーとしては、設備の故障や家賃回収、クレームなどに対応することになります。

戸建て投資のデメリット

当然ですが、戸建て投資にはデメリットもあります。ここでは、管理状況・ローン審査・利幅・空室リスク・修繕費用について解説します。

【デメリット①】管理状況を把握しづらい

築年数が古い戸建て物件の場合、修繕しなければならない箇所が多いため管理に手間がかかります。とくに、空き家になっていた期間が長い物件は手入れが行き届いていないことが多いため注意が必要です。

また、戸建て物件はマンションと違って、ある程度の土地が必要になるため地方や郊外に立地しており、交通アクセスが良くない傾向にあります。そのため、行き来するだけでもかなりの時間がかかってしまいます。

【デメリット②】ローンが組みにくい

とくに中古の戸建て投資の場合、融資額自体小さくなることが多く、担保評価も得にくいことからローンの審査が承認されにくい傾向にあります。

日本では築年数の経過に応じて建物の資産価値を減らしていくという考え方が一般的なので、古い物件は基礎や内装に問題がなくても融資の上限額が小さくなってしまいます。

こうした物件に投資するためには、十分な手持ち資金を用意しておきましょう。

建物が古く資産価値が0になっていたとしても、土地が広く土地値が高い場合は、地元の信用金庫や信用組合から融資を受けられる場合もあります。

アユカワタカヲ
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【デメリット③】利幅が少ない

戸建て投資は一軒につき一件分の家賃しか得られません。また、家賃も高く設定することが難しいです。そのため月々の収入が少なく、新しい投資をするための資金がたまりにくいため、規模拡大までに時間がかかります。

また、所有している戸建物件を担保に融資を受けて規模の拡大を目指そうとしても、築年数が古い物件は担保の価値が低くなるため、融資を受けることが難しくなります。

したがって、短期間で投資の規模を大きくして、多くの利益を得たいのであれば、戸建ではなく一棟もののマンションやアパートが向いていると言えます。

【デメリット④】空室リスクが高い

不動産投資において最大のリスクと言われる「空室リスク」ですが、賃貸物件の需要を考えた場合、戸建てに住みたいと考える方よりはマンションやアパートを希望する方の方が多いです。

戸建て投資は賃貸物件特有の需要をキャッチできる投資手法ですが、賃貸の戸建てに住みたいという需要が限られる以上、長期間空き室になってしまうリスクが高いといわれています。

とくに、ローンを組んで戸建て投資を始めた場合、入居者を確保するまで自己資金で返済をすることになります。戸建て投資をするなら、入居者を期待できる物件かどうかの検討が必要不可欠です。

【デメリット⑤】修繕費用が大きくなりがち

戸建て投資では、リフォームなどを自己裁量で実施することができます。自由にリフォームできる反面、内装や設備、外壁、屋根塗装など全ての修繕費を負担することになります。その結果、修繕費が高額になりやすいです。

最近では、業者に頼むのではなく自分で修繕する「DIY」がブームになっていますが、膨大な時間を要するだけでなく、安全性には十分に注意が必要です。

また、築古の戸建ての場合には、雨漏りやシロアリにも十分に注意しましょう。購入前に、ホームインスペクター(住宅診断士)に依頼する方法もあります。

戸建て投資と区分マンション投資の比較

不動産投資は戸建て投資の他に、区分マンション投資、一棟マンション投資の3つがあります。

ここでは、その3つの中でも少額から始めやすい「戸建て投資」と「区分マンション投資」についてそれぞれ比較していきます。

物件価格

物件価格は、戸建てに比べて区分マンションの方が低く抑えることができます。戸建て投資は、土地値が高い東京都内で投資をしようとすると、場所によっては戸建てでも億単位の投資となる可能性もあります。

区分マンション投資は、東京都心の物件であっても、ワンルームであれば新築で2,000~3,000万円程度から購入することができ、中古区分マンションであれば、物件によっては1,000万円以下で購入できることもあります。

家賃

家賃は、「区分マンション投資」に比べて「戸建て投資」の方が、高めに設定することができます。

戸建て投資は、間取りが広くいわゆる「ファミリー物件」という扱いになるため、家賃についても必然的に高く設定することができます。

マンションのファミリー物件よりも、独立性やオリジナリティがあるため、相場家賃よりも若干高めの家賃でも決まる傾向にあります。

区分マンション投資は、大手ゼネコンなどの不動産会社の分譲販売であれば、建物のつくりや、最新の設備が導入されることが多く、建物自体の見栄えも良いため、近隣相場の家賃よりも若干高めに設定できる傾向があります。

利回り

戸建て投資の利回りは、購入する物件価格に大きく左右されます。とくに、都心部の戸建ては物件価格が高いため、高い利回りはあまり期待できません。一方、地方の戸建ては、中古であれば安く購入できるケースもあるため、高い利回りが期待できます。

区分マンション投資は、物件価格が低いため、新米オーナーでも比較的簡単に購入できますが、利回りについてはあまり大きくは望めない傾向があります。毎月管理費や修繕積立金といった固定経費が、ワンルームでも1万円前後かかるため、そこまで高い利回りは難しいと言えます。

とくに、物件価格が高い都内の区分マンションの場合は、3%前後の利回りになることもあります。

空室リスク

戸建て投資は、一戸のみの運用となるため、万が一空室が発生した時の影響が大きいです。ただ、戸建ての場合はファミリーで居住するため、一人暮らし用のワンルームよりも継続居住年数が長い傾向があります。

そのため、入居者さえ決まれば、区分マンションよりも空室が生じるリスクは低いと言えます。

区分マンション投資は、戸建て投資と同じように一戸に対する不動産投資であるため、空室になる確率は低いものの、万が一空室になった際のダメージが非常に大きくなります。

また、戸建てに比べて定期的に入居者が入れ替わるため空室が生じるリスクは高いです。

修繕費

戸建て投資は、管理組合が建物の維持に必要な修繕を手配してくれるわけではないため、その都度自分で計画して必要な修繕を実施していく必要があります。

また、室内設備も区分マンションより多く、使用頻度も多いため、修繕が発生するリスクは高いです。

区分マンション投資は、毎月の修繕積立金がかかる分、マンション共用部分の修繕についてはすべて管理組合が対応してくれます。投資家が自分で手配しなければならないのは、専有部分である室内の設備のみにとどまるため、修繕リスクは低いと言えます。

管理

戸建て投資は、継続的に居住年数が長くなり、入居者の入れ替わりが少ないため、入居者が決まればその後の管理は非常にしやすいと言えます。管理会社に管理を委託せず、投資家自身で自主管理する人も多いです。

区分マンション投資は、管理組合から委託を受けた管理会社が共用部の管理を行うため、投資家の独断で管理の委託先を変更することができません。

管理をしてくれること自体はとても便利なことですが、戸建て投資と違って自由に管理することができない、といった点があります。

流動性

戸建て投資は、ある程度の利回りで稼働していればなんとか売却は可能です。ただ、入居者がいないケースの場合は、マイホーム購入者向けに売ることにもなるため、立地が悪い戸建ては売れるまでに時間がかかる傾向があります。

区分マンション投資は、サラリーマンをしながら副業で始める方でも比較的簡単に購入できるため、売却する際にも戸建てに比べて売りやすい傾向があります。

とくに、東京都内の駅から近い立地にある区分マンションについては、価格次第ではすぐに買主が見つかるでしょう。

ローン

戸建て投資の銀行ローンは、新築や都心部の戸建てであれば、比較的ローンを組みやすい傾向ですが、中古や地方の戸建てについては、銀行の担保評価が出にくいため、現金でなければ物件が購入できない可能性もあります。

区分マンション投資は、物件価格が低く、物件自体のクオリティが一棟アパートよりも高いため、銀行ローンを利用しやすい傾向があります。また初期費用についても、物件価格が低いため仲介手数料なども低く抑えられます。
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戸建て投資に向いている人とは

それではどんな人が戸建て投資に向いていると言えるのでしょうか。

借金をせずに不動産投資を始めたい人

戸建て投資は、少額で取り組むことができます。一棟アパートの価格が数千万円~数億円程度であるのに対し、地方の戸建てであれば数百万円で購入することができます。戸建てであればローンを利用せずに現金で購入することも可能です。

ローンを利用すれば自らの資金以上の物件にも投資できるものの、投資額が膨らむと利子の負担や返済ができなくなったときのダメージも大きくなってしまいます。

まずは小さな規模でリスクを抑えて投資したいと考えているなら、戸建て投資を検討すると良いでしょう。

アユカワタカヲ
アユカワタカヲ

リフォームなどの技術がある人

リフォーム業者を経由せずに自身でリフォームを行うことで、スムーズに作業が進めば時間の削減が可能になります。ローンを利用して物件を購入した場合、入居者が見つからない期間でもローンの返済が発生するため、時間的な効率を高めることは資金繰りの面でもメリットに繋がります。

そのため、自身でリフォームが可能であれば、割安の物件を購入し、自力でリフォームをすることで資産価値を高め、不動産経営を円滑に行うことができます。

地域や社会に貢献したい人(空き家活用など)

住宅・土地統計調査(2018年、総務省)によると、日本全国の空き家の数は849万戸。この20年間で1.5倍に増加しており、深刻な問題となっています。

戸建て投資では、そのままでは住めないような物件を安く買い取り、リフォームを施して、収益を生み出す物件に再生させることもできます。そのため空き家を活用したい人には向いている投資方法です。

投資用戸建て物件を選ぶときの注意点

投資用の戸建て物件を選ぶ際には、いくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、耐震基準・土地の規制、周辺の需要の3つのポイントから解説します。

耐震基準をはじめ安全性は確かか

中古の戸建て投資を行う場合、昭和56年(1981年)6月1日以降に建築確認を受けた新耐震基準の物件を選びましょう。新耐震基準は、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準として設定されています。

一方、旧耐震基準(昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を受けた物件)は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、破損したとしても補修することで生活が可能な構造基準として設定されています。

地震などによって入居者に死傷者が出た場合、物件のオーナーに損害賠償が求められるケースもあるため、中古物件を選ぶ際には、より安全性の高い新耐震基準の物件を選びましょう。

また、新耐震基準の物件は融資にも影響します。投資用に戸建てを購入するなら、出口戦略についても考えておく必要があります。

旧耐震の物件は、金融機関から融資を受けられないケースが多いため、売却の際に買い手が見つかりづらいリスクがあります。建物として売却を想定しているのであれば、旧耐震の物件は避けるようにしましょう。

土地の規制など理解したか

とくに、中古の戸建て物件は、既存不適格物件や借地である可能性があります。既存不適格物件とは、建築時には適法だったものの、建築基準法の改正等により不適法になってしまった建築物のことです。

再建築ができない、売却が困難である、といったリスクが発生する可能性があります。

また、「借地」とは地主等との賃貸借契約や地上権に基づき利用できる土地です。戸建てが建つ土地が借地であれば、地代がかかり、リフォーム等をするには所有権者の許可を得なければないため、しっかり理解しておきましょう。

周辺に戸建て賃貸の需要があるか

戸建ての物件はファミリー世帯が好む傾向にあるため、周辺の環境なども確認しましょう。

たとえば、子育てや買い物に便利な施設がどれくらい充実しているのか、公園や医療機関の評判はどうなっているのか、周りの治安や環境はどうか、周辺に戸建ての賃貸住宅はどれだけあるのか、など周辺の環境をチェックして、需要があるのかどうかを見極めましょう。

まとめ

戸建て投資は、不動産投資の中でも、初期投資額が安く長期間入居者を確保しやすいため、投資のリスクを抑えたい方や極力小さな規模でコツコツと投資を進めていきたい方に向いています。

ただし、賃貸需要を期待できない物件や、高額な修繕費がかかる物件に投資をすると損をする可能性が高いため注意しましょう。

また、戸建ての物件を購入する際は、出口戦略を含めてエリアや建物を吟味する必要があるため、不動産業者と協力しながら投資向きの物件を探しましょう。戸建て投資は、賃貸需要が見込めるエリアで、適切な中古物件であれば高利回りでの運用も期待できます。

購入前には、土地値や修繕費見積、賃貸需要や売却可能性などをしっかり確認し、隠れたリスクを洗い出して収益シミュレーションを実施した上で決定しましょう。

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この記事の監修者

アユカワタカヲ
アユカワタカヲ

宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど

2010年、世田谷区内の中古区分ワンルームマンション購入から不動産投資をスタート。区分・一棟・戸建て・日本・海外…と幅広く不動産賃貸業を営む(2022年3月時点)。

現在は総合マネープロデューサーとして、人生におけるマネーリテラシーの重要性をメディアやセミナーなどで伝えている。年間のセミナー登壇数は300本を超える。

「満室バンザイ」(平成出版)、「不動産はあなたの人生を変えてくれる魔法使い 女性の願いを叶えてくれる最幸マイホーム購入術」(ごきげんビジネス出版)など執筆。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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