- 不動産投資のネガティブなイメージの理由をひとつずつ検証し、向き不向きについても自身に当てはまるか確認を。
- 不動産投資のメリットを享受したいならば、成功者のマインドから学びましょう。
- 「旨い儲け話」としてではなく本気で取り組むならば、不動産投資は可能性のある投資です。
目次
「不動産投資はやめとけ」と言われる本当の理由
この記事ではネガティブな面をもつ不動産投資について、本当のところはどうなのか深堀していきます。
不動産投資はやめておいた方がいい、ヤバい投資だと言われる場合があります。まずはそのように言われる理由がどこにあるのか探ってみましょう。
【理由1】初期費用がかかる、借金をする
そのため、自己資金がないとなれば不動産投資は出来にくいといえます。したがって、資金ゼロならばやめておいた方がいいとなります。
また、ワンルームマンション投資のように自己資金ゼロ円でも始められるケースでは、フルローンを組んで物件は買えたとしても収支自体は過少の儲けか赤字で、毎月持ち出しのお金が必要となります。
買った時から赤字とあれば、ローンが完済する30年とか35年間はずっと赤字になります。そうだとわかればあえて多額の借金までして不動産投資する必要はありません。
【理由2】不動産価格が高騰している
将来的に不動産価格が上昇すればキャピタルゲインも得られる状況ですが、こればかりは誰もが予想できません。
加えて、物件価格が高い割に賃料はそれほど上昇していないので、インカムゲインも得るのが難しく実質的には儲からないといえます。
したがって、高値掴みをしてまで不動産投資をするとなればやめておいた方がいいということになります。たとえば、東京23区の単身用の賃貸物件の賃料が10万円前後の物件を買うとなれば、中古でも3,500万円前後します。これをローンで買ったとなれば、最終的な収益はさほどでもない、もしくは赤字と言えます。
3,500万円のワンルームマンション 変動金利で年利1.5%、 35年フルローンで購入 | |
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返済額 | 107,164円/月 |
管理費・ 修繕積立金 | 10,000円/月 |
固定資産税 | 7,000円/月 |
支出合計金額 | 124,164円/月 |
この他に専有部分の修繕があれば負担する必要があります。
【理由3】手間がかかる割に儲けが薄い
物件が空室になれば賃料が入らないので、不動産業者を介して入居者の募集や斡旋を行うことになり、その際には仲介手数料や広告費用がかかります。
また、入退去が頻繁に発生すれば、物件の修繕やリフォームも必要となり、その費用負担はかなりかかるものです。
そうなると、賃料を稼ぐために物件にかかる維持コストがかかってしまい、いろいろな手間がかかる割には儲からないということがわかります。
これだけ手間暇がかかるのであれば、他の投資先を考えた方がいいという場合もあります。
【理由4】悪質な業者がいる
不動産業者の中には安く仕入れた条件の悪い物件を市況より高く売りつける場合があります。
不動産投資を本当にやめておいたほうがいい人
不労所得で楽して儲けられると思っている人
不動産業者は不動産投資のメリットしか話をしません。本当に楽をして儲かると思い込ませてしまうのです。
ちょっとでも疑ってネット検索でもすればネガティブ情報は山ほど出てきますが、それさえしない人が引っかかってしまうのです。こうした話を簡単に信じてしまう人は不動産投資には向いていません。
年収が低い人、資産の少ない人
不動産投資をすれば将来はFIREできると錯覚させられ、物件をいくつも買わされてしまい、にっちもさっちもいかない状態になります。
不動産投資はその知識や経験がなければ、そう簡単には儲かるものではないことは自覚しておく必要があります。
忙しく時間のない人
また、仕事で忙しい人ばかりですから不動産投資をじっくりと考え、精査する時間はありません。こうした背景から不動産投資を勧める業者にとってはある意味格好のカモといえるのです。
上手い話しかせずにどんどん物件を勧めます。年収に対するローン返済割合のギリギリまでローンを組ませて物件を買わせますので、最終的には1億から2億という借金を負わされる場合もあります。
こうした忙しい人には多額の借金だけ残り、売るに売れない物件をつかまされるケースも散見されます。不動産投資を主体的に勉強し、取り組む時間のない人には不動産投資は向かないといえるでしょう。
反対に、不動産投資がおすすめされる理由とは
諦める前におさらいしたい不動産投資のメリット
一定のインカムゲインが望める
しかしながら、不動産投資には維持コストがかかるので、それらと差引しないと正確な収益を掌握できないことに留意しましょう。
インフレに強い
数年前に買った都心にマンションは今では購入時の価格よりも2倍近い金額で売買されているものもあります。こうした点が不動産投資はインフレに強いと言われるゆえんです。
生命保険効果がある
生命保険の代わりになるというゆえんは、ローン返済が終われば家賃収入がすべき収入になり年金保険と同じ感覚になる、あるいはローンを組んでいる人が万一、死亡した際にはローンが無くなるので物件を売却すれば死亡保険代わりになるというものです。
節税になる
また、相続税対策として多額の現金があれば不動産に変えて相続財産の評価額を圧縮することができます。たとえば、タワーマンションを買って相続税を節税するという話はよく耳にするものです。
他人資本で投資ができる
過去来、いまだに超低金利時代が続いていますので、不動産投資が活発にならざるをえない環境となっています。都心の不動産価格が上昇している理由の1つは低金利時代が続いているからといえるでしょう。
不動産投資をやるべき人とは
事業としてとらえている人
会社経営をしていれば適宜適切に資金を活用してビジネスを拡大していくことになります。当然ながら、リスクヘッジも並行して行う必要があります。
属性の高い人
株式や債券といったペーパーの投資先を充分に熟知している人は投資全般に対しての知識や経験が豊富です。ある意味、こういう人たちは属性が高いものです。
自分の資金を分散して投資するのは投資の基本と言えます。
今後の不動産投資の行方は?
金利上昇
少子化問題と世帯減少
こうした問題は今後、不動産投資には大きく影響を与えます。大ベストセラーとなった『未来の年表』著者の河合雅司さんによれば、最新作『未来の年表 業界大変化』のなかで『30年後の30歳は現在より3割少なくなり、マーケットは縮小していきます。
加えて、ライフステージが後ろ倒れとなって30〜40代で結婚する人が増えると、毎月の住宅ローン返済額も増え、現在30年ローンを組んでいるのを20〜25年ローンで返済するように。あるいは、安い物件を購入するようになるので、徐々に新築住宅を買わなくなるでしょう』と語られており、明らかに不動産のマーケットは縮小するという点は理解しておくべきです。
空き家問題
戦争や自然災害、パンデミック
ここに列挙した要因は今後、不動産投資の良し悪しを判断する上では重要なファクターです。不動産を介してビジネスを行うにはその不動産に需要がないと成立しません。たとえば、ホテルというセクターでは旅行や出張という需要がなくなれば不動産投資として成り立ちません。
こうした背景を踏まえて、今年、不動産投資を行うのはいいのですが、いつのタイミングで出口を取るかは非常に重要なポイントです。一歩間違えれば「負動産投資」になります。
リスクを最小に抑えたい人におすすめの不動産投資(商品)
不動産を小口化した投資案件はまだ一般的に普及していないので何とも言えませんが、数千万円の物件を購入するよりは区分マンションや区分オフィスで1口50万円の小口案件をいくつか買うというもので、不動産投資のリスクは比較的少ないものと言えます。ただ、いざ売却という際に需要が見込まれるかは不透明感があります。
REITは以前よりは普及しておりますので、不動産投資としては入りやすいものです。株式投資と同じような感じですが、プラス、マイナスの要因をよく理解しておくべきでしょう。
まとめ
つまり、優先順位としては不動産自体かなり低いものとみられています。また、不動産は金融の中ではハードアセットの部類に該当します。これは「金」や「絵画」という実物資産と同じ扱いなのです。
投資資金に余裕があって、その一部を不動産投資で運用するという場合であれば問題はありません。しかしながら、投資資金は余裕もなくお金を借りてまで不動産投資をするには大きなリスクがあります。
不動産投資だけというミクロ的視野ではなく、投資全般としての不動産投資をみる必要があります。
不動産投資を煽る不動産業者は自社の物件を買わせるためのツールとして不動産投資をもっともらしく語ります。本気で不動産投資をするのであれば、それなりの知識とマネジメント能力を持って行うべきでしょう。
不動産投資のポジティブ面・ネガティブ面、
双方向を理解しておくことが必要です!
この記事の監修者
不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー
アネシスプランニング株式会社 代表取締役。住宅コンサルタント、住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務後、2006年に同社を設立。
個人住宅・賃貸住宅の建築や不動産売却・購入、ファイナンスなどのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、3000件以上の相談を受けている。
WEBメディアに不動産投資についてのコラムを多数寄稿。著書に「不動産投資は出口戦略が9割」「不動産投資の曲がり角 で、どうする?」(クロスメディア・パブリッシング)など。
物件を売りつける悪質な不動産業者はいわゆる三為業者が多く、1物件あたり数百万円の儲けを出す物件を数多く売りつけてドロンします。いかにも儲かる物件だと体裁を整えて言葉巧みに誘い、1~2年すると連絡がつかなくなります。買った当初は物件の管理委託も売りつけた業者が行いますが、ドロンする前に管理会社を変更させてしまうのです。