不動産投資はやめとけ?おすすめ?それぞれの理由と該当者とは

2024.03.14更新

この記事の監修者

寺岡 孝

寺岡 孝

【資格】不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー

不動産投資はやめとけ?おすすめ?それぞれの理由と該当者とは

不動産投資は人によって「やめとけ」とも「おすすめ」とも言われますが、はたして本当にやるべき投資なのでしょうか。

この記事のポイント
  • 不動産投資のネガティブなイメージの理由をひとつずつ検証し、向き不向きについても自身に当てはまるか確認を。
  • 不動産投資のメリットを享受したいならば、成功者のマインドから学びましょう。
  • 「旨い儲け話」としてではなく本気で取り組むならば、不動産投資は可能性のある投資です。

目次

「不動産投資はやめとけ」と言われる本当の理由

ネットで不動産投資に関するものを検索してみると、「やめとけ」、「ヤバい」といったネガティブワードが検索結果のおすすめとして出てきますが、本当にそうなのでしょうか。

この記事ではネガティブな面をもつ不動産投資について、本当のところはどうなのか深堀していきます。

不動産投資はやめておいた方がいい、ヤバい投資だと言われる場合があります。まずはそのように言われる理由がどこにあるのか探ってみましょう。

【理由1】初期費用がかかる、借金をする

不動産投資は自己資金がゼロではなかなか難しい一面があります。ワンルームなどの投資マンションを買って運用する場合には、自己資金ゼロ円でも可能な場合がありますが、1棟モノのアパートやマンションでは一部ローンを利用したとしても、多少の自己資金は必要になります。

そのため、自己資金がないとなれば不動産投資は出来にくいといえます。したがって、資金ゼロならばやめておいた方がいいとなります。

また、ワンルームマンション投資のように自己資金ゼロ円でも始められるケースでは、フルローンを組んで物件は買えたとしても収支自体は過少の儲けか赤字で、毎月持ち出しのお金が必要となります。

買った時から赤字とあれば、ローンが完済する30年とか35年間はずっと赤字になります。そうだとわかればあえて多額の借金までして不動産投資する必要はありません。

【理由2】不動産価格が高騰している

ご承知のように現在の不動産価格はかなり高くなっており、この時期に物件を買って不動産投資を行うとなれば割が合わないのがわかります。

将来的に不動産価格が上昇すればキャピタルゲインも得られる状況ですが、こればかりは誰もが予想できません。

加えて、物件価格が高い割に賃料はそれほど上昇していないので、インカムゲインも得るのが難しく実質的には儲からないといえます。

したがって、高値掴みをしてまで不動産投資をするとなればやめておいた方がいいということになります。たとえば、東京23区の単身用の賃貸物件の賃料が10万円前後の物件を買うとなれば、中古でも3,500万円前後します。これをローンで買ったとなれば、最終的な収益はさほどでもない、もしくは赤字と言えます。
3,500万円のワンルームマンション
変動金利で年利1.5%、
35年フルローンで購入
返済額107,164円/月
管理費・
修繕積立金
10,000円/月
固定資産税7,000円/月
支出合計金額124,164円/月
家賃収入との差引=100,000円-124,164円=▲24,164円毎月の収支は実質赤字
この他に専有部分の修繕があれば負担する必要があります。

【理由3】手間がかかる割に儲けが薄い

不動産投資は株式投資などと比べると手間がかかります。不動産投資の収入の原資は物件を貸して賃料を得るという流れですが、原資である賃料が入らない場合が出てきます。

物件が空室になれば賃料が入らないので、不動産業者を介して入居者の募集や斡旋を行うことになり、その際には仲介手数料や広告費用がかかります。

また、入退去が頻繁に発生すれば、物件の修繕やリフォームも必要となり、その費用負担はかなりかかるものです。

そうなると、賃料を稼ぐために物件にかかる維持コストがかかってしまい、いろいろな手間がかかる割には儲からないということがわかります。

これだけ手間暇がかかるのであれば、他の投資先を考えた方がいいという場合もあります。

【理由4】悪質な業者がいる

不動産投資に係る不動産業者の中には悪質な業者もいます。物件購入については、一般のエンドユーザーではよほど知識や経験がなければ不動産投資用の物件を購入することが難しく、どうしても不動産投資専門の業者にお願いするケースが大半です。

不動産業者の中には安く仕入れた条件の悪い物件を市況より高く売りつける場合があります。

物件を売りつける悪質な不動産業者はいわゆる三為業者が多く、1物件あたり数百万円の儲けを出す物件を数多く売りつけてドロンします。いかにも儲かる物件だと体裁を整えて言葉巧みに誘い、1~2年すると連絡がつかなくなります。買った当初は物件の管理委託も売りつけた業者が行いますが、ドロンする前に管理会社を変更させてしまうのです。

寺岡 孝
寺岡 孝
こうした悪質な業者に出会うととんでもないことになります。これなら、最初から不動産投資はやらない方がいいという考えになってしまいます。

不動産投資を本当にやめておいたほうがいい人

不動産投資は向き不向きがありますが、ここでは不向きと思われる人の特徴をみてみたいと思います。

不労所得で楽して儲けられると思っている人

インターネットやYouTubeなどでは、不労所得が簡単に手に入るとうたって不動産投資に誘ってきます。こうした話を鵜呑みにしてついついセミナーに参加したり、不動産業者の営業と会ったりして物件を買ってしまうのです。

不動産業者は不動産投資のメリットしか話をしません。本当に楽をして儲かると思い込ませてしまうのです。

ちょっとでも疑ってネット検索でもすればネガティブ情報は山ほど出てきますが、それさえしない人が引っかかってしまうのです。こうした話を簡単に信じてしまう人は不動産投資には向いていません。

年収が低い人、資産の少ない人

年収や資産が少ない人は収入の増加が簡単にはいかないものです。そこを狙って悪質な不動産業者はサラリーマンの資産形成に向いているのは不動産投資だと誘ってきます。

不動産投資をすれば将来はFIREできると錯覚させられ、物件をいくつも買わされてしまい、にっちもさっちもいかない状態になります。

不動産投資はその知識や経験がなければ、そう簡単には儲かるものではないことは自覚しておく必要があります。

寺岡 孝
寺岡 孝

忙しく時間のない人

年収が多い人はどうしても仕事が忙しいものです。そうした人に不動産業者は不動産投資を勧めてきます。不動産業者が高収入のサラリーマンや士業の人に不動産投資を勧めるには理由があります。それは、物件を買う際のローン審査が通りやすい点にあります。

また、仕事で忙しい人ばかりですから不動産投資をじっくりと考え、精査する時間はありません。こうした背景から不動産投資を勧める業者にとってはある意味格好のカモといえるのです。

上手い話しかせずにどんどん物件を勧めます。年収に対するローン返済割合のギリギリまでローンを組ませて物件を買わせますので、最終的には1億から2億という借金を負わされる場合もあります。

こうした忙しい人には多額の借金だけ残り、売るに売れない物件をつかまされるケースも散見されます。不動産投資を主体的に勉強し、取り組む時間のない人には不動産投資は向かないといえるでしょう。

反対に、不動産投資がおすすめされる理由とは

ここからは不動産投資に向いている人や不動産投資のメリットについておさらいをしてみましょう。

諦める前におさらいしたい不動産投資のメリット

物事にはメリット、デメリットといった二面性がありますが、ここからは不動産投資のメリットについて考えてみましょう。

一定のインカムゲインが望める

不動産投資では一定のインカムゲイン、つまり家賃収入が得られるというメリットがあります。物件をキャッシュで購入すればローン返済もありませんので家賃収入はおおむね収益としてあげることが可能です。

しかしながら、不動産投資には維持コストがかかるので、それらと差引しないと正確な収益を掌握できないことに留意しましょう。

インフレに強い

一般的に世の中がインフレになれば、不動産は現物資産のため価値が下がりにくいとされています。また、インフレで家賃が緩やかに上昇する場合も想定できますのでインフレ対策にはなります。

数年前に買った都心にマンションは今では購入時の価格よりも2倍近い金額で売買されているものもあります。こうした点が不動産投資はインフレに強いと言われるゆえんです。

生命保険効果がある

不動産投資は生命保険代わりになると言われており、不動産投資物件を売る営業にとってはセールスの常套句となっています。

生命保険の代わりになるというゆえんは、ローン返済が終われば家賃収入がすべき収入になり年金保険と同じ感覚になる、あるいはローンを組んでいる人が万一、死亡した際にはローンが無くなるので物件を売却すれば死亡保険代わりになるというものです。

節税になる

不動産投資は他の所得と損益通算ができますので、所得税の高いサラリーマンや勤務医の方々には節税のツールとして役に立つものです。

また、相続税対策として多額の現金があれば不動産に変えて相続財産の評価額を圧縮することができます。たとえば、タワーマンションを買って相続税を節税するという話はよく耳にするものです。

他人資本で投資ができる

不動産投資は自己資金を使うことなくローンで投資することができます。そのため、大きな金額で投資することができるのでインカムゲインは当然ながら大きくなります。

過去来、いまだに超低金利時代が続いていますので、不動産投資が活発にならざるをえない環境となっています。都心の不動産価格が上昇している理由の1つは低金利時代が続いているからといえるでしょう。

不動産投資をやるべき人とは

不動産投資のメリットについてみてきましたが、こうしたメリットを活かせる人が不動産投資に向いている人といえます。ここでは不動産投資に向いている人とはどんな人なのでしょうか。

事業としてとらえている人

不動産投資はある意味、不動産賃貸事業と捉えることができます。不労所得ではなくビジネスとして捉え、経営感覚がある人が向いているとされています。

会社経営をしていれば適宜適切に資金を活用してビジネスを拡大していくことになります。当然ながら、リスクヘッジも並行して行う必要があります。

属性の高い人

不動産投資は投資全般からみれば資金に余力があって、その一部を不動産投資に回すという考えを持てる人に向いているといえるでしょう。

株式や債券といったペーパーの投資先を充分に熟知している人は投資全般に対しての知識や経験が豊富です。ある意味、こういう人たちは属性が高いものです。

自分の資金を分散して投資するのは投資の基本と言えます。

今後の不動産投資の行方は?

今後の不動産投資に大きく影響を与える要因を考えてみましょう。

金利上昇

日銀の黒田総裁の任期が迫っており、そろそろ超低金利時代は終焉のタイミングになっています。世界的なインフレに対して、金利上昇でインフレ抑制をする傾向が日本にも来る可能性があります。そうなると不動産の取引は減少し、不動産をお金に換えたい人も増える可能性があります。結果的に不動産価格が下落という想定も必要な時期にきています。

少子化問題と世帯減少

人口減少と同様ですが、政府や地方自治体も少子化問題に対策を講じる話が増えています。子育てに必要なお金を補助するという点ではいいのですが、たとえば、東京都だけが自らの施策を推進すると、さらに東京都に流入する人が増えて、他の地方の人口減少やますますの少子化を招く結果になります。

こうした問題は今後、不動産投資には大きく影響を与えます。大ベストセラーとなった『未来の年表』著者の河合雅司さんによれば、最新作『未来の年表 業界大変化』のなかで『30年後の30歳は現在より3割少なくなり、マーケットは縮小していきます。

加えて、ライフステージが後ろ倒れとなって30〜40代で結婚する人が増えると、毎月の住宅ローン返済額も増え、現在30年ローンを組んでいるのを20〜25年ローンで返済するように。あるいは、安い物件を購入するようになるので、徐々に新築住宅を買わなくなるでしょう』と語られており、明らかに不動産のマーケットは縮小するという点は理解しておくべきです。

空き家問題

空き家問題は政府も対策を講じなければならないという認識で国交省などが検討しています。空き家の耐震性などの対策をして需要の掘り起こしをしていくとなれば、価格的には安価な物件が出回ることなり、既存の不動産物件との競合が起きます。選択肢が増えるのは良いことで、空き家対策にはなりますが既存の不動産投資には影響があると言えます。

戦争や自然災害、パンデミック

不動産投資だけではありませんが、戦争、自然災害、パンデミックという管理不可能な要因は大きく影響を及ぼします。アパホテルで有名なアパグループの元谷会長はホテル経営に大きく影響を及ぼすのは戦争とパンデミックと言っておりましたが、現在、コロナウイルスの影響やロシアのウクライナ侵攻はまさにこのことを指しています。日本では台風や地震といった自然災害も多いので不動産投資に大きく影響を及ぼします。


ここに列挙した要因は今後、不動産投資の良し悪しを判断する上では重要なファクターです。不動産を介してビジネスを行うにはその不動産に需要がないと成立しません。たとえば、ホテルというセクターでは旅行や出張という需要がなくなれば不動産投資として成り立ちません。

こうした背景を踏まえて、今年、不動産投資を行うのはいいのですが、いつのタイミングで出口を取るかは非常に重要なポイントです。一歩間違えれば「負動産投資」になります。

リスクを最小に抑えたい人におすすめの不動産投資(商品)

少ない資金で不動産投資をやってみたいと思うならば、どういった商品が良いのでしょうか。たとえば、小口で不動産物件を所有して小口の割合で配当金的なものを得る商品、おなじみのREITなどがあります。

不動産を小口化した投資案件はまだ一般的に普及していないので何とも言えませんが、数千万円の物件を購入するよりは区分マンションや区分オフィスで1口50万円の小口案件をいくつか買うというもので、不動産投資のリスクは比較的少ないものと言えます。ただ、いざ売却という際に需要が見込まれるかは不透明感があります。

REITは以前よりは普及しておりますので、不動産投資としては入りやすいものです。株式投資と同じような感じですが、プラス、マイナスの要因をよく理解しておくべきでしょう。

まとめ

不動産投資は同じ投資対象の株式などと比べるとコストがかかりすぎて、換金性に乏しいという特徴があります。ですから、プロの投資家のポートフォリオでは株式・債券・国債・外貨などペーパーのアセットが中心で、不動産はその次の位置付けです。

つまり、優先順位としては不動産自体かなり低いものとみられています。また、不動産は金融の中ではハードアセットの部類に該当します。これは「金」や「絵画」という実物資産と同じ扱いなのです。

投資資金に余裕があって、その一部を不動産投資で運用するという場合であれば問題はありません。しかしながら、投資資金は余裕もなくお金を借りてまで不動産投資をするには大きなリスクがあります。

不動産投資だけというミクロ的視野ではなく、投資全般としての不動産投資をみる必要があります。

不動産投資を煽る不動産業者は自社の物件を買わせるためのツールとして不動産投資をもっともらしく語ります。本気で不動産投資をするのであれば、それなりの知識とマネジメント能力を持って行うべきでしょう。

不動産投資のポジティブ面・ネガティブ面、
双方向を理解しておくことが必要です!

この記事の監修者

寺岡 孝

寺岡 孝

【資格】不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー

アネシスプランニング株式会社 代表取締役。住宅コンサルタント、住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務後、2006年に同社を設立。個人住宅・賃貸住宅の建築や不動産売却・購入、ファイナンスなどのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、3000件以上の相談を受けている。WEBメディアに不動産投資についてのコラムを多数寄稿。著書に「不動産投資は出口戦略が9割」「不動産投資の曲がり角 で、どうする?」(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。