区分マンション投資は不動産投資初心者向き?仕組みや収入の目安、リスクを解説します

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アユカワタカヲ
アユカワタカヲ

不動産投資家/宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど

区分マンション投資は不動産投資初心者向き?仕組みや収入の目安、リスクを解説します

マンション投資を始めたい人に、マンション投資の種類、メリット・デメリット、具体的な事例を交えてわかりやすく紹介します。

この記事のポイント
  • 区分マンション投資は初期投資額が比較的少ないので、不動産投資は初めて、という人にも始めやすい投資方法です。
  • 不動産投資に空室リスクはつきもの!一定の空室率を収入プランに織り込んでおきましょう。
  • 不動産投資の書籍を読んだり、セミナーに参加したり、マンション投資を始める前に十分な情報収集を!

目次

マンション投資とは

マンション投資は、安定的な家賃収入、私的年金の確保、生命保険の代替、相続税対策、分散投資など、多様なニーズに応えられる資産運用商品として注目されています。会社員が金融機関から融資を受けて投資物件を取得するのは一般的になりました。

ただ、そもそもマンション投資とは何を意味するのか。どんな種類があり、どんなメリット・デメリットがあるのかわからないという方も多いのではないでしょうか?

同じマンションでも「居住用」と「投資用」では捉え方が180度変わってきます。「居住用」は、「自分が住むためのマンション」のことです。一方、「投資用」は、「人に貸して、家賃収入を得るためのマンション」のことを指します。

不動産投資を始める際に必ず出てくる「区分」と「一棟もの」ですが、簡単に説明しますと、「区分」とはマンションの中にある1部屋のこと。「一棟もの」とはその名の通り、マンションまるまる一棟のことを指します。

区分にせよ、一棟にせよ、中古、新築、都心、首都圏、地方と、物件は千差万別です。いきなり難しくて分からないと思った方、不動産投資をこれから始めようという方は、手頃な価格で購入できる「区分マンション」から始めることがおススメです。本記事では、マンション投資=区分投資としてお話を進めさせていただきます。

マンション投資の仕組み

まずは、マンション投資がどのような仕組みで儲かるのかを説明しましょう。その方法は2種類あります。ひとつがキャピタルゲイン、もうひとつがインカムゲインです。
キャピタルゲイン売却によって得られる収入
インカムゲイン家賃収入
たとえば、1000万円の投資物件を買ったとします。1年後にその物件が1100万円で売却できれば、100万円のキャピタルゲイン(利益)。しかし、900万円で売却してしまえば、100万円のキャピタルロス(損失)ということになります。

インカムゲインとは、家賃収入の事です。この1000万円で購入した物件で、毎月6万円・年間72万円の家賃収入が入ってきたとすると、この72万円が「インカムゲイン」となります。

現在ブームの不動産投資は、家賃収入によるインカムゲイン狙いです。

短い期間で、大きな収入を狙っていくハイリスクハイリターンの投資方法ではなく、長期に渡ってコツコツと収入を得ていくミドルリスクミドルリターンの投資が、マンション投資の基本的な考え方になります

区分マンション投資で得られる収入はどれくらい?

では、区分マンションの投資で、どの位の収入が得られるのか、具体的に挙げてみましょう。ここでは、不動産収入を得る方法を理解する上で、一番簡単な投資の1つ。

「中古ワンルームマンション」への投資を例にお話させていただきます。東京23区内の中古ワンルームマンションの1室を2000万円で購入したとしましょう。

このワンルームの部屋を月9万円で貸したとします。単純に月の収入は9万円となりますが、管理費、修繕積立金、管理委託手数料などの支出もあります。しめておよそ1万5000円。また、不動産投資は金融機関から融資を受けて行う投資です。毎月のローン返済もあります

仮に月々の返済額が6万5000円としましょう。単純計算で手元に残るお金は、月々1万円、年間で、12万円。これに固定資産税などの税金が掛かってきます。この収入を得ていく投資が、現代のマンション投資です。物件にもよりますが、東京の区分マンションに投資した場合は年間で5~10万円程度の利益となります
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マンション投資のメリット

区分マンションへの投資のメリットを具体的に見て行きたいと思います。大きく4つあります。

・初期投資額が少ない
・管理に手間がかからない
・良い立地の物件を購入できる
・すぐに売却できる

初期投資額が少ない

区分マンションは、築浅と呼ばれる新しい物件の場合は2000万円前後で購入可能です。また築年数が古い建物の場合は300~500万円程度で購入することもできます。

その方の年収、勤続年数などの属性によりますが、区分マンション投資にフルローンで融資してくれる金融機関が数多く存在します(2022年3月時点)。ですので、自己資金がほとんど溜まっていなくても購入することが可能です

管理に手間がかからない

区分マンションの場合、オーナーで構成するマンションの管理組合が存在し、通常は建物全体の管理を建物管理会社に業務委託します。管理は丸投げして、サラリーマンの方は普段の仕事を続けながら副業として不動産投資を手軽に始めることができます

筆者も最初は、このスタイルから始めました。また、築後、約10年から15年目にはやらなければならない大規模修繕工事の手配を、自分で行う必要はありません。管理組合と建物管理会社が全部やってくれます。

自分は、1人のオーナーとして承認するだけです。なお、一棟ものの場合は、大規模修繕工事の手配は全て自分でやらなければなりません。

良い立地の物件を購入できる

区分マンションは販売の戸数も多く、比較的簡単に東京23区内の中心地で物件を手に入れることができます。筆者は、渋谷区松濤や港区赤坂の区分マンションを手に入れることができました。

一棟もので松濤や赤坂に物件を購入しようと思えば、少なくとも数億円かかる可能性があります。しかし、区分マンションなら、初期投資額を抑えて購入できますし、立地のいい場所は需要も多いという点でも、安心してマンション投資をスタートすることができるのです。

すぐに売却できる

区分マンションの場合、いざという時、比較的短時間で売却ができます。筆者はこれまで数部屋の区分マンションを売却してきましたが、売りに出してから引き渡しまで最長で3ヶ月でした。もっと慎重に売却を進めたとしても半年もあれば売却できたでしょう。

一方、一棟ものの場合は、半年以上の時間がかかることがほとんどです。区分マンションは現金化しやすいという特徴があります

マンション投資のデメリット

ここまでは、不動産投資の仕組みや区分マンション投資のメリットについてご説明しました。「そうは言っても投資なのだからリスクが伴うのではないか」と思う方もいるでしょう。不動産投資は、基本的には、金融機関から多額の融資を受けて行う規模の大きな投資ですから、当然リスクが潜んでいます。

ここでは、不動産投資のデメリット、リスクについてお話しましょう。不動産投資で成功するためには、メリットだけでなく、デメリットについてきちんと知っておくことが大事です。リスクへの対処法を知っているかどうかで、それを克服し、投資を成功、安定させることができます

不動産投資のリスクは、大きく分けて4つです。

・空室リスク
・金利上昇リスク
・災害リスク
・修繕リスク

空室リスク

不動産投資最大のリスクは、何といっても空室リスクです。空室が長く続いてしまうと、不動産投資は失敗します。逆に空室さえ埋めることが出来れば不動産投資は上手く行く可能性が高いです。

現在の日本は、新しいマンション・アパートがどんどん作られる一方で人口が減っています。国土交通省のデータによれば、日本の総人口は2008年の1億2808万人を境に減少に転じています。

人口減少に対して物件供給の過多。今後、全国的に空室率が高まることが予想されます。ですから、立地、環境、物件選びは慎重に行う必要があります。需要のある物件、空室で出にくい物件を購入することが必須となります。

また、入退去の際には一時的に必ず空室が発生します。どんな人気のある物件を選んでも。長期間空室率ゼロはありえません。一定の空室率を収入プランに盛り込んでおくことが必要です

金利上昇リスク

不動産投資は、金融機関から多額のお金を借りて行う投資であるため、金融機関からの借入金利が投資の成績に大きく影響します。金利は景気の動向に左右されるもので、景気が良くなれば金利は上昇し、また、経済財政面などで日本の国際的な信頼が失われた場合も同様です。

そして、市場金利が上昇すれば当然ローン金利も上昇。したがって、金利負担が大きくなり、得られる収益が圧迫されるというリスクがあります。

それゆえに、投資にあたっては、金利上昇に対しても備えておかなければなりません。 たとえば、ローンを組む際は、変動金利なのか、固定金利なのかなど、総合的にプランを立てる必要があります

災害リスク

ご承知のように日本は地震列島です。地震による倒壊、液状化、地盤沈下などの地震リスクがありますので、購入対象物件について十分な調査が必要になります。2011年の東日本大震災では、海岸の埋め立て地以外の場所(かつて沼地や大きな池だった内陸部エリア)でも、液状化が発生しました。

現在の姿だけでなく、かつてどういう土地であったのかを調査する必要があるでしょう。2019年には台風による河川の氾濫などが起こり大きな被害をもたらしました。

災害リスクは、国土交通省や各自治体がまとめているハザードマップで確認できますので、購入対象物件のエリアを、チェックすることをおすすめします。

修繕リスク

不動産も時間が経てば痛みます。外壁のペンキがはがれたり、タイルがはがれたり、雨漏りも発生してしまうかもしれません。建物の老化を防ぎ資産価値を維持するためには、メンテナンスが欠かせません。

マンションでは10年から15年に一度、大規模修繕工事が行われます。この工事で補修するものは外壁補修、屋上バルコニーなどの防水工事、給排水設備工事などです。

ざっくりとした工事費用のイメージですが1室100万円が目安と言われています。区分マンションの場合は、オーナーが集まった管理組合の判断により建物管理会社が中心となって大規模修繕工事を行うことが一般的です。そのため長期修繕計画に基づき各オーナーから毎月修繕積立金を積み立てています。

あなたが中古で物件を購入する場合は、そのマンション全体で修繕積立金が計画通り積み立てられているのかどうか、チェックすることが重要です

マンション投資はやめるべき?失敗しないためにできること

不動産投資のリスクを見て「やっぱり大変そう」「儲からないのではないか」「自分は失敗するのでは…」そう思った方もいると思いますが、不動産経営はいつの時代でも成功の確率は非常に高いです

みなさんは、不動産経営がいつからスタートしたかご存知でしょうか?なんと、ギリシャ時代といわれています。古代ギリシャ時代にすでに土地に目印を付け、その土地を担保に資産の貸し借りが行われていたそうです。つまり不動産投資は、地球上でもっとも古い投資と考えられています。

一方で株式投資のスタートは大航海時代ですから、まだ数百年の歴史です。長きに渡って続く不動産投資。そこには大きな魅力が存在いたします。その魅力とは、「成功する確率が非常に高い」というものです。

ただし、成功するには条件があります。それは、正しい不動産経営、マンション経営の知識を身につけることです

正しい知識を頭に入れ、想定されるさまざまなリスクを減らすことができれば、賃貸経営は順調に進んでいきます。別の言い方をすると、不動産賃貸業を投資ととらえるのではなく、事業ととらえながら経営マインドをもって取り組んでいくと、面白いようにうまく前に進んでいくはずです

マンション投資を始める前に十分な情報収集を!

筆者が考えるのは「知識こそ最大のリスクヘッジ」であるということです。その知識さえ手に入れることができれば、どんな時代でも、どんな場所でも怖くありません。ご自身の知識があなた自身を成功に導いてくれるはずです。

東京/地方、新築/中古、区分/一棟、そして、融資が下りやすい時代でも、融資の厳しいタイミングでも。はたまた日本であっても、海外であってもあなたは不動産経営で結果を出すことができます。
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よくある質問

ここでは、不動産投資に関するよくある質問をご紹介します。
不動産投資をする目的って?
これは人それぞれです。不労所得で自由な時間を作るため、老後の安心の為、月々のお小遣いを稼ぐため、人によって違うと思います。目標が違えば、不動産投資で必要な収入も変わります。最も大切なことは「目標を明確にする」ということです。

今後日本の経済状況や自身の生活環境が変わることもあるでしょう。その都度、目標を見直して、自身にあった一歩一歩を踏みしめてください。詳しくは、不動産投資の目的に関する記事を参照ください。
不動産投資はどうやって始める?
いざ始めようとしたら何から始めればいいのか。それは、「不動産業者」と「信頼できるビジネスパートナー」と出会うことです。不動産会社や金融機関が主催する「マンション経営セミナー」に参加するのもいいですし、地元の大家さんが主催する「大家の会」に参加してみるのもいいでしょう。

結婚相手を見つけるのと同じで、ベストパートナーを見つけることが大切です。焦らず沢山の人と会って、さまざまなアドバイスを聞いて、ジャッジしてください。詳しくは、不動産投資の始め方に関する記事を参照ください。
不動産投資の悩みはどこに相談すればいい?
私のような不動産コンサルタントや不動産業者、不動産投資の経験者、あとは、ファイナンシャルプランナーなどが適任だと思います。セカンドオピニオン、サードオピニオンのように、出来るだけ多くの人のアドバイスを聞いて総合的に判断するのが良いと思います。詳しくは、相談先の選び方と相談例の記事を参照ください。

まとめ

今回は、不動産投資の中でも、区分マンション投資の話を中心に説明いたしました。不動産投資は甘い気持ちでできるものではありません。しかし、超難関ビジネスでもありません。大事なことは前向きに楽しみながら不動産経営に取り組めるかにかかっています。

メリットとデメリットを十分に理解した上で、ご自身の経営、投資プランに合った投資方法を選ぶことが大切です。1つ1つを吟味して、ぜひワクワクする気持ちを胸に抱き、不動産投資のプランを作り上げてください。

マンション投資への不安を拭うには正しい知識の習得が必須。
資料請求やセミナーを活用していきましょう!

この記事の監修者

アユカワタカヲ
アユカワタカヲ

不動産投資家/宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど

2010年、世田谷区内の中古区分ワンルームマンション購入から不動産投資をスタート。区分・一棟・戸建て・日本・海外…と幅広く不動産賃貸業を営む(2022年3月時点)。

現在は総合マネープロデューサーとして、人生におけるマネーリテラシーの重要性をメディアやセミナーなどで伝えている。年間のセミナー登壇数は300本を超える。

「満室バンザイ」(平成出版)、「不動産はあなたの人生を変えてくれる魔法使い 女性の願いを叶えてくれる最幸マイホーム購入術」(ごきげんビジネス出版)など執筆。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。