未公開物件の購入は下調べが非常に大切です。
目次
不動産投資における未公開物件とは?
不動産業界で厳密な定義があるわけではありませんが、プロの不動産業者間でも物件情報が共有されていないような物件は、未公開物件として取り扱われています。
中古物件を売却する場合、仲介業者との間で、物件売却依頼契約(=媒介契約)を結びます。媒介契約は、一般媒介契約、専任媒介契約、専任専属媒介契約の3パターンあり、このうち一般媒介契約以外は、複数の仲介業者に売却依頼できない契約となっています。また、専任媒介契約は7日以内に、専任専属媒介契約では5日以内にレインズへ登録することが義務化されています。
このルールを守っているとすれば、未公開物件は、一般媒介契約の売り出し物件、もしくは専属媒介契約や専任専属媒介契約での売り出し物件のうち、レインズ登録までの期間(7日あるいは5日)以内の物件ということになります。
未公開(非公開)である理由
未公開物件だからといってすぐに飛び付くのではなく、なぜ未公開なのか理由を探ることが先決です。
【売主都合】近隣に知られたくないから
所有物件を売り出していること、そして物件が売却されて大金が手に入りそうだということを周りに知られたくないために、意図的に未公開のまま売却を進めることは少なくありません。
【売主都合】信頼のできる業者にだけまかせたいから
不動産業者と専任媒介契約、もしくは専属選任媒介契約を締結すれば、レインズに登録する義務があります。レインズとは宅建業法に基づく不動産流通システムネットワークで、宅建業者のみがアクセスできる不動産情報サイトが日々更新されています。
いつも相談している業者に売却を依頼する時には、依頼時にいちいち専任契約を締結しないため、情報は未公開のままのことが多いのです。
【物件特性】一般公開のメリットがないから
【業者都合】自社で買主を見つけたいから
業界用語でいわゆる「囲い込み」といわれる手法で、売主・買主双方から仲介手数料を受け取りたいがために、意図的に物件を未公開のままにしてみずから買主を探そうとします。すぐに見つかればよいのですが、余計な時間がかかったり強引な条件交渉をされたりすることがあるので、注意が必要です。
【業者都合】会員のみに情報公開したいから
この手法は買主にとって未公開情報にアクセスできるメリットがあるほか、売主にとっても素性がしっかりしている会員のみに情報が公開されるという安心感があります。
不動産投資で未公開物件を選ぶメリット
また、売主と直接交渉できれば、仲介手数料が不要となることもあります。
ただし、契約書の作成などの各種手続きを自分で行う必要があり、かなり高リスクなので、士業などの専門家や仲介業者に依頼する方が安心です。

希少価値の高い物件がある
未公開物件を中心に物件を検討することで、投資に適した希少価値の高い物件を見つけやすくなります。
ライバルが少ない
一方で、未公開物件はライバルが少ないため、スピード感を持って検討・決断することで購入できる確率が高まります。
仲介手数料を節約できる場合がある
不動産会社がみずから開発した新築案件や、不動産投資会社がみずから運用している物件の売却情報が金融機関や顧問税理士からの紹介などでキャッチできることがあり、中には利回りがよい好条件の物件もあります。
不動産投資で未公開物件を選ぶデメリット
また、物件情報の取得が難しく、よい物件に巡り合っても検討の時間が少ないこともデメリットになりえます。
優良物件ではない場合がある
不動産業者はいかにもよい物件を持ってきたかのような説明をするかもしれませんが、ほかの物件と同じように厳しい目で検討する必要があります。
相場価格よりも高い場合がある
単に売り出し価格が高いだけではなく、新築物件を不動産業者が取得している場合は、新築時の家賃が据え置きされているために家賃が高めに設定されていることもあります。この場合には、価格が相場と同等でも割高な案件として評価しなければなりません。
購入をじっくり検討する時間がない
また、一般公開まで後2日ですと検討を急かされたり、ほかにも検討者がいると仲介業者から迫られたりとじっくり検討できる時間がないケースも多く見られます。
問い合わせをしないと開示してもらえない場合がある
また、不動産業者と日常的にコミュニケーションし、情報を得やすくする環境づくりも大切です。その意味で、物件情報の取得に手間がかかる点は、ある意味デメリットといえるかもしれません。
未公開物件の探し方
また、よい情報を手に入れるためには、みずから物件情報を取りに行く努力が求められます。
不動産会社に直接問い合わせる
時間があれば面談してみて、情報が出た時にすぐに連絡してもらえるように関係を作っておくことが大切です。
信頼できる担当者を見つける
信頼できて、しかも気の合う不動産業者の担当者はなかなか見つからないものですが、たとえば不動産投資セミナーなどの勉強会や不動産投資家が集まるコミュニティーには積極的に参加して情報交換し、担当者を紹介してもらうという方法もあります。よい担当者を見つけるのはよい物件を見つけることと同じぐらい優先度が高い事項です。
ネットで専用サイトに登録する
どのような情報が手に入るのか、一度複数のサイトを見てみてもよいでしょう。
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まとめ
未公開物件の情報を手に入れるためには、積極的に情報収集する行動力と情報が手に入りやすいようにする環境づくりが大切です。物件担当者との人間関係も重要になってきますので、日ごろから不動産業者とはよい関係を築いておきましょう。
未公開物件の購入は下調べが非常に大切です。
この記事の監修者

吉崎 誠二
不動産エコノミスト/社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルなどを行うかたわら、ラジオNIKKEI「吉崎誠二の5時から”誠”論」などテレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は年間多数。著書:「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社)など11冊。
吉崎誠二公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/
企業が所有する不動産などでは、公に売却している情報の流出を防ぐため、これまでの関係性から媒介契約を結ばずに仲介業者が売却活動を行う例もあり、これも未公開物件となりえます。