- まずは、所有する土地の情報収集を。地域の特性に合った土地活用方法を採用することが成功するためのコツです。
- やはり土地活用は難しい…。その場合は、「売却」や「寄付」といった方法も検討してみましょう。
- 土地活用で成功する=大きな収入を得る、だけではありません。小さな収入でも、長期的な視点で考えれば大きく役立つ収入となります。
目次
田舎の土地活用は工夫次第で成功します!
しかし、田舎の土地が持つ魅力を生かすことで、土地活用を成功に至らせる可能性は大いにあります。
【成功例1】 一戸建て賃貸経営
田舎は人口が少なく集客力が低く、アパート経営を行うのはリスクが高いです。しかし、空き家となった一戸建てを賃貸物件として活用するのであれば、複数の入居者を募る必要もなく、新しく物件を取得する必要もないため初期費用を抑えることができます。
田舎は公共交通機関の利便性が低く、車社会であることが多いため、物件と最寄り駅からの距離はさほど重視されない傾向にあります。田舎の一戸建ての賃貸物件は敷地面積も広く駐車場を確保しやすいため、車社会の田舎では需要があるでしょう。
工夫ポイント
【成功例2】駐車場
この土地の近隣に行政機関があり、駐車場も併設されています。しかし行政機関の利用者の駐車場を確保するために、行政機関の職員はみずから近隣駐車場を確保するように求められていました。
土地所有者はその事情を知った後、土地の上に建つ築年数を経た古家を解体し、駐車場として活用することを思いつきました。
工夫ポイント
今回の例以外でも、駐車場台数が少ないマンションなどの周辺でも月極駐車場のニーズはあるでしょう。成功のためには近隣に駐車場ニーズがある場所がないか情報収集が必要です。
田舎にある人気の観光スポット周辺では時間貸し駐車場のニーズも考えられます。
【成功例3】太陽光発電
ほかの方法に比べると、得られる収入はあまり多くありません。しかし、設備などの設置やメンテナンスについては事業者がすべて行うため費用も管理の手間もかかりません。
工夫ポイント
しかし、初期費用も管理費用も必要になるうえ、天候によって売電収入が左右されることも考えると、安定的な地代収入を得られる土地貸しは有効な土地活用といえるでしょう。
【成功例4】市民農園
農業に従事していないのに農地を相続すると、やがて耕作放棄地となり、草木が生え周辺の農地に影響を及ぼしかねません。農地を区画割りして一般に貸し出すことで、毎年、固定資産税程度の収入を得られます。
苗などは利用者が準備しますので、定期的な清掃管理などが必要なものの、手間のかからない土地活用といえるでしょう。
工夫ポイント
本格的に農業を始める訳ではないものの、自分で管理ができる小さな農地が欲しいというニーズはあるでしょう。また、本格的に農業を行う方に貸したい場合には農林水産省が管轄する「農地バンク」の活用も一案です。
【成功例5】借地
長らく空き地になっていた荒れ地について、コンビニエンスストアの経営者と事業用定期借地権契約を締結し、地代収入を得ることができています。周辺や徒歩圏内には店がなく、日ごろ徒歩で行動している高齢者などにとって買い物が困難でした。
しかし、コンビニエンスストアができたことで、日常的にスーパー代わりに活用する方も多くなりました。また車通りも比較的あるため、一見客の利用も多くあります。
工夫ポイント
この土地は大通りと大通りの抜け道に面しており、車も入りやすく一見客の利用が多く見込まれたためコンビニエンスストア経営に商機があったからこそ契約締結となったのでしょう。
実際に、車通りは以前よりも多くなりました。土地の持つ潜在能力を引き出すことで、地域の課題を解決することにもつながっている事例です。
資材置場など、一時的に借地として活用する方法のほか、電柱やアンテナの新設時などに長期的な借地需要がある場合もあります。
田舎の土地活用を成功させるコツ
地域の特性に合った土地活用方法を採用する
田舎だからこそ、その地域だからこその活用方法はあります。まずは、所有する土地の情報収集や観察から始めて、土地の持つ潜在能力を引き出すための方法を考えてみることが大切です。
長期的な視点で計画を立てる
また、活用しなければやがて荒れ地になってしまう可能性もあり、荒れ地に固定資産税を払い続けることになるかもしれません。
また、将来的に売却する際に古家や雑草除去に手間と費用がかかるかもしれません。小さな収入でも、長期的な視点で考えれば大きく役立つ収入となります。
不動産会社などに相談する
複数の不動産会社に問い合わせを行い、土地活用の事例などを挙げながら、懇意に相談に乗ってくれる不動産会社を選びましょう。
土地活用以外の選択肢
売却する
さまざまな理由から自分では活用できないと考える土地にも、価値を感じている人や企業がいる可能性があります。たとえば近年、働き方の多様性により、田舎で暮らしながらリモートワークで働くという方も増えています。
売却を考える際には、田舎の土地に価値を感じる方に向けて、所有している土地にどのような魅力があるのかを整理し、アピールできるように準備しておきましょう。
寄付する
行政の中には土地の寄付を受け付けている場合もあります。ただし、すべての土地が受け付けてもらえる訳ではなく、審査のうえ承認を受けられた土地のみ寄付ができるという点には注意が必要です。
また、土地の寄付を受け付けていない行政もあります。寄付先の選択肢を考えて、いくつか問い合わせてみるとよいでしょう。
相続した土地の場合は相続土地国庫帰属制度を活用する
まとめ
ないものをさがすのではなく、その土地にある魅力や課題を見つけて、土地活用の可能性を考えてみてはいかがでしょうか?
田舎の所有地の使い道がないと悩む前に…
土地活用のプロに相談してみませんか?
この記事の監修者
AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー
日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。
空き家以外にも、二世帯住宅として活用していたものの諸事情(転勤など)により一世帯分空きが生じている居住空間を賃貸物件として貸し出す方法も考えられます。