田舎の土地活用成功例5つ|工夫ポイントやコツを解説します

2024.06.14更新

この記事の監修者

キムラ ミキ
キムラ ミキ

AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

田舎の土地活用成功例5つ|工夫ポイントやコツを解説します

田舎に所有する土地の利活用に悩む方に向けて、田舎でも安定収入が得られる土地活用の方法とコツをご紹介します。

この記事のポイント
  • まずは、所有する土地の情報収集を。地域の特性に合った土地活用方法を採用することが成功するためのコツです。
  • やはり土地活用は難しい…。その場合は、「売却」や「寄付」といった方法も検討してみましょう。
  • 土地活用で成功する=大きな収入を得る、だけではありません。小さな収入でも、長期的な視点で考えれば大きく役立つ収入となります。

目次

田舎の土地活用は工夫次第で成功します!

田舎の土地活用は難しいといわれます。その理由には、そもそも人口が少ないため需要が少なかったり、田舎ならではの法規制が存在したり、未開発のために造成が必要であったりなど、さまざまなものが挙げられます。

しかし、田舎の土地が持つ魅力を生かすことで、土地活用を成功に至らせる可能性は大いにあります。

【成功例1】 一戸建て賃貸経営

空き家となった一戸建てを活用した賃貸経営で安定的な家賃収入を得ている方もいます。

田舎は人口が少なく集客力が低く、アパート経営を行うのはリスクが高いです。しかし、空き家となった一戸建てを賃貸物件として活用するのであれば、複数の入居者を募る必要もなく、新しく物件を取得する必要もないため初期費用を抑えることができます。

田舎は公共交通機関の利便性が低く、車社会であることが多いため、物件と最寄り駅からの距離はさほど重視されない傾向にあります。田舎の一戸建ての賃貸物件は敷地面積も広く駐車場を確保しやすいため、車社会の田舎では需要があるでしょう。

工夫ポイント

成功のポイントは初期費用を大きくかけずに賃貸経営を始めている点にあります。また、一戸建ての賃貸物件は少ないため、高めの家賃設定ができる場合もあります。

空き家以外にも、二世帯住宅として活用していたものの諸事情(転勤など)により一世帯分空きが生じている居住空間を賃貸物件として貸し出す方法も考えられます。

キムラ ミキ
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【成功例2】駐車場

平面の月極駐車場として貸し出したところ、全区画が埋まり、安定的な家賃収入を得ている方もいます。

この土地の近隣に行政機関があり、駐車場も併設されています。しかし行政機関の利用者の駐車場を確保するために、行政機関の職員はみずから近隣駐車場を確保するように求められていました。

土地所有者はその事情を知った後、土地の上に建つ築年数を経た古家を解体し、駐車場として活用することを思いつきました。

工夫ポイント

駐車場ニーズをつかめたところにポイントがあります。駐車場は狭小地や変形地でも活用できますし、平面駐車場であれば初期費用もかからない方法です。しかし、ニーズがなければ区画は埋まりません。

今回の例以外でも、駐車場台数が少ないマンションなどの周辺でも月極駐車場のニーズはあるでしょう。成功のためには近隣に駐車場ニーズがある場所がないか情報収集が必要です。

田舎にある人気の観光スポット周辺では時間貸し駐車場のニーズも考えられます。

キムラ ミキ
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【成功例3】太陽光発電

空き地を活用し、太陽光発電で収入を得ている方もあります。太陽光発電の事業者と土地の賃貸契約を締結し、地代収入を得る方法です。

ほかの方法に比べると、得られる収入はあまり多くありません。しかし、設備などの設置やメンテナンスについては事業者がすべて行うため費用も管理の手間もかかりません。

工夫ポイント

ポイントは太陽光発電の事業者に土地を貸したというところにあります。みずから太陽光発電の設置運営を行う場合、アパート経営などと異なり、集客に頭を悩ませる必要もありませんので、土地貸しよりも多くの収入を得られる可能性はあります。

しかし、初期費用も管理費用も必要になるうえ、天候によって売電収入が左右されることも考えると、安定的な地代収入を得られる土地貸しは有効な土地活用といえるでしょう。

【成功例4】市民農園

相続した農地を区画割りして貸し出して、収入を得ている方もいます。

農業に従事していないのに農地を相続すると、やがて耕作放棄地となり、草木が生え周辺の農地に影響を及ぼしかねません。農地を区画割りして一般に貸し出すことで、毎年、固定資産税程度の収入を得られます。

苗などは利用者が準備しますので、定期的な清掃管理などが必要なものの、手間のかからない土地活用といえるでしょう。

工夫ポイント

田舎だからこその魅力を活用している点が成功のポイントです。田舎に暮らしていても、農地を所有していないという方もあります。

本格的に農業を始める訳ではないものの、自分で管理ができる小さな農地が欲しいというニーズはあるでしょう。また、本格的に農業を行う方に貸したい場合には農林水産省が管轄する「農地バンク」の活用も一案です。

【成功例5】借地

事業者に借地として貸し出して、安定的な地代収入を得ている人もいます。

長らく空き地になっていた荒れ地について、コンビニエンスストアの経営者と事業用定期借地権契約を締結し、地代収入を得ることができています。周辺や徒歩圏内には店がなく、日ごろ徒歩で行動している高齢者などにとって買い物が困難でした。

しかし、コンビニエンスストアができたことで、日常的にスーパー代わりに活用する方も多くなりました。また車通りも比較的あるため、一見客の利用も多くあります。

工夫ポイント

立地の見極めが工夫のポイントです。買い物環境の改善をしたいという想いだけでは事業用定期借地権の締結には至らなかった可能性もあります。

この土地は大通りと大通りの抜け道に面しており、車も入りやすく一見客の利用が多く見込まれたためコンビニエンスストア経営に商機があったからこそ契約締結となったのでしょう。

実際に、車通りは以前よりも多くなりました。土地の持つ潜在能力を引き出すことで、地域の課題を解決することにもつながっている事例です。

資材置場など、一時的に借地として活用する方法のほか、電柱やアンテナの新設時などに長期的な借地需要がある場合もあります。

キムラ ミキ
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田舎の土地活用を成功させるコツ

田舎の土地活用を成功させるコツについてご説明します。

地域の特性に合った土地活用方法を採用する

地域の特性にあった土地活用方法を考えてみましょう。地域の特性は「地域の魅力」、「地域の課題」と言い換えることもできるかもしれません。

田舎だからこそ、その地域だからこその活用方法はあります。まずは、所有する土地の情報収集や観察から始めて、土地の持つ潜在能力を引き出すための方法を考えてみることが大切です。

長期的な視点で計画を立てる

ご紹介した成功例の中には、大きく収入を上げるタイプのものは少ないかもしれません。しかし、小さな収入とはいえ、活用しなければ生まれなかった収入です。

また、活用しなければやがて荒れ地になってしまう可能性もあり、荒れ地に固定資産税を払い続けることになるかもしれません。

また、将来的に売却する際に古家や雑草除去に手間と費用がかかるかもしれません。小さな収入でも、長期的な視点で考えれば大きく役立つ収入となります。

不動産会社などに相談する

遠方に居住しており、地域の特性にあった土地活用の方法が自分では分からないという場合には、所有する土地のエリアの不動産事情にくわしい不動産会社などに相談してみるとよいでしょう。

複数の不動産会社に問い合わせを行い、土地活用の事例などを挙げながら、懇意に相談に乗ってくれる不動産会社を選びましょう。

土地活用以外の選択肢

土地を所有しながら活用する以外の選択肢として、以下の2つが挙げられます。

売却する

土地を売却するのも1つの選択肢です。

さまざまな理由から自分では活用できないと考える土地にも、価値を感じている人や企業がいる可能性があります。たとえば近年、働き方の多様性により、田舎で暮らしながらリモートワークで働くという方も増えています。

売却を考える際には、田舎の土地に価値を感じる方に向けて、所有している土地にどのような魅力があるのかを整理し、アピールできるように準備しておきましょう。

寄付する

行政や福祉団体、隣家などに寄付(無償譲渡)をするという方法もあります。

行政の中には土地の寄付を受け付けている場合もあります。ただし、すべての土地が受け付けてもらえる訳ではなく、審査のうえ承認を受けられた土地のみ寄付ができるという点には注意が必要です。

また、土地の寄付を受け付けていない行政もあります。寄付先の選択肢を考えて、いくつか問い合わせてみるとよいでしょう。

相続した土地の場合は相続土地国庫帰属制度を活用する

相続した土地の場合には、一定の条件を満たす場合、相続土地国庫帰属制度を利用できる場合もあります。ただし、国の審査があり、承認を受けた場合にも負担金が生じます。メリットとデメリットをよく確認したうえで活用の検討を進めましょう。

まとめ

田舎の土地といっても、活用方法がまったくない訳ではありません。地域の特性を生かした土地活用の方法を見付けるためには、その土地の潜在能力を考えながら、情報収集と観察を行う姿勢が大切です。

ないものをさがすのではなく、その土地にある魅力や課題を見つけて、土地活用の可能性を考えてみてはいかがでしょうか?

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この記事の監修者

キムラ ミキ
キムラ ミキ

AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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