- アパートの建て替えをすべきタイミングは、築年数が古くなり収益性が落ちた時です。
- 主に大家か弁護士が立ち退き交渉を行い、交渉時には立ち退き料が必要です。
- アパートの建て替えにはコストがかかるため、実施の可否も含めて慎重に判断をしましょう。
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目次
アパートの建て替えを考える時期や目安は?
②アパートの空室率が5割を超えた時
③修繕費やリフォーム費用がかさむようになった時
④アパートの収益性が落ちてきた時
⑤入居者のニーズが変化した時
①アパートの築年数が30年を超えた時
この後ご紹介する項目と合わせて、判断するとよいでしょう。
②アパートの空室率が5割を超えた時
こちらも、ほかの項目と合わせて総合的に判断するようにしましょう。
③修繕費やリフォーム費用がかさむようになった時
たとえば、屋根の塗装・葺き替えやベランダの防水工事、給水設備の交換など10年~15年おきに大規模修繕を行わなければなりません。各居室に設置したエアコンなどは7~10年に1回程度交換する必要があります。
また、築年数が古くなるにつれて、高額になりやすい修繕工事が同時に必要になることも増えていきます。
そうなった場合は、建て替えを検討するとよいでしょう。
④アパートの収益性が落ちてきた時
収益性が落ち込んできたと感じたら、建て替えを検討し始めるのがおすすめです。
⑤入居者のニーズが変化した時
たとえば近年では、宅配ボックスや無料高速インターネット完備のアパートは、ニーズが高くなっています。リフォームやリノベーションで少しずつ設備を更新していくことも可能ですが、複数の設備を新しく設置したければ、思い切って建て替えをしたほうがトータルでのコストパフォーマンスがよいこともあるでしょう。
アパートの建て替えをするメリット
メリット①収益性が高まる
たとえば、建物が新しくなることで入居者の募集がしやすくなり、満室稼働が目指せます。また、新築のアパートは人気が高いため、ほかのアパートと差別化がしやすくなります。相場よりやや高めに家賃設定をしても、入居者を獲得できる可能性が高くなるでしょう。
メリット②建物の安全性が高まる
防火性能や耐震性能を高めることはコストも掛かりますが、それ以上にメリットも多く得られます。
メリット③資産価値が上がり、売却時に有利になる
新築物件は入居者を集めやすいため、数年間は自分で運用した後に売却という出口戦略も取りやすくなるでしょう。ただし、築年数が古くなるほど資産価値は落ちていくため、運用期間と売却時期についてあらかじめ計画を立てておくことが大切です。
メリット④相続税・所得税の節税効果につながる
空室が減ることによる【相続税の節税】
建物=貸家の価額:自用家屋評価額 × (1- 借家権割合 × 賃貸割合)

貸家の各独立部分の床面積の合計のうち、課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積の合計 ÷ 貸家の各独立部分の床面積の合計
借入金による【相続税の節税】
相続税の対象となるのは、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いた正味の財産部分です。通常、不動産などの価値のある財産はプラスの財産として計上され、ローンなどの借金はマイナスの財産として計上します。
1億円のローンを組めば、プラスの財産である現金が1億円増えて、マイナスの財産である借金が1億円増えたことになるため、プラスマイナスゼロです。
一方、不動産の相続税評価額では、土地部分は相続税路線価を元に、建物部分は固定資産税評価額を元に計算します。相続税路線価は毎年国税庁が公表しますが、1年に1回しか公表されないため、納税者間の不公平をなくすために時価の8割程度を目安に定めることとされています。
また、固定資産税評価額は自治体により調査されますが、3年に1回しか評価替えが行われないため、こちらも納税者間の不公平をなくすために、7割程度を目安に定められるのです。
このため、アパートローンを組んだ場合、1億円のマイナスの財産が増えたのに対し、不動産はそのままでも7,000万円~8,000万円程度の評価額となります。
本文に記載のとおり、建て替えでローンを組むと高い相続税節税効果を期待できます。とはいえ、相続人に高額なローンを残すことになるため、生前から賃貸アパートの運用を手伝わせるなどして、相続後に失敗してしまうリスクを減らす努力をすることが大切です。
減価償却による【所得税の節税】
たとえば20年で価値がなくなる1億円の不動産の場合、1億円 ÷ 20年 = 500万円が毎年減価償却され、減価償却分は毎年経費として計上できますが、20年経過した建物は減価償却が終わるため21年目以降の減価償却がなくなります。
ですがこうした物件も、建て替えを行うことで改めて毎年減価償却費を計上できるようになります。
アパートの建て替えをするデメリット
デメリット①建て替えに多額の費用が掛かる
とはいえ、建て替えなら土地を一から取得する必要はなく、
立地が良ければ安定した利回りが期待できる土地活用です!
デメリット②建て替えまでの収入がゼロ
また、退去を進めるにあたり入居者が少しずつ減っていく期間にも、ゼロではなくとも収入が減少していく点に注意しましょう。
デメリット③立ち退き交渉が必要
立ち退き交渉はどう進める?
(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
ちなみに、立ち退き交渉を行えるのは大家か弁護士です。管理会社が立ち退き交渉を行うことはできません。
アパート経営のほとんどを管理会社に任せている場合でも、立ち退き交渉を管理会社に委託することはできません。大家みずからが立ち退き交渉を行い、トラブルに発展しそうであれば、弁護士に相談するケースが多いといえます。

②口頭説明:書面での告知の後、各入居者に口頭で説明をする
③立ち退き料の交渉:書面・口頭で納得しない入居者に対して立ち退き料の交渉を行う
④退去手続き
立ち退き料は必要?金額はいくら?
その際の引っ越し費用や新居の契約費用を負担するもので、新居の家賃の5~6か月程度分支払うのが一般的です。
また、場合によっては慰謝料を請求されることもあります。慰謝料に相場はありませんが、過去には数百万円を請求されたケースもあるようです。もし、慰謝料を請求される事態に発展してしまった場合は、弁護士へ相談するのがおすすめです。
アパートを建て替える際の手順について

STEP①建て替えプランの検討
もし建物の状態が良好であれば、建て替えではなく、コストパフォーマンスのよいリノベーションを選ぶのも1つの方法です。ただし基本的にリノベーションでは建物の基礎部分まで新しくすることはできません。
いずれ建物の老朽化により建て替えをしなければならないタイミングが来ることを考えると、リノベーションに費用を掛けるより、建て替えを検討したほうがよいケースも多いでしょう。
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STEP②立ち退きの交渉
書面や口頭での説明だけで入居者全員に退去してもらうことができれば、スムーズに進められるでしょう。その一方で、入居者が納得しない場合には立ち退き料の交渉が必要になるケースもあり、時間が掛かってしまうこともあります。
建て替えの計画を進めるのであれば、できるだけ早いタイミングで交渉を行うことが大切です。
STEP③取り壊し
繁忙期は解体業者のスケジュールを確保しづらいこともあります。立ち退き後は物件からの収入がゼロになるため、可能な限り短期間で解体を完了できるようスケジュールを組んでおきましょう。
STEP④新築アパートの建築
アパートを建て替えるための費用は?
アパートの建て替え費用は、大きく以下の3つに分類できます。
解体費用
| 木造 | 4~5万円/坪 |
|---|---|
| 軽量鉄骨造 | 4~5万円/坪 |
| 重量鉄骨造 | 6~7万円/坪 |
| RC造 | 7~8万円/坪 |
ただし、解体するアパートの規模やエリアなどにより変わるため、注意が必要です。
家の解体費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
建築費用
| 木造 | 77~100万円/坪 |
|---|---|
| 軽量鉄骨造 | 80~100万円/坪 |
| 重量鉄骨造 | 90~120万円/坪 |
| RC造 | 90~120万円/坪 |
立ち退き料・そのほかの費用
また、複数の入居者に対して立ち退き費用を支払わなければならないケースがあり、場合によっては慰謝料なども請求されるケースもある点に注意が必要です。
まとめ
アパート経営を続けていると、建物も少しずつ老朽化していくため、建て替えを検討するタイミングが訪れるでしょう。ただし、建て替えには大きな費用がかかります。建て替えをするメリット・建て替えせずに経営し続けるリスクなども踏まえたうえで、慎重に判断することが大切です。
アパートの建て替えには、立ち退き交渉などの手間だけでなく、コストもかかります。
時間と資金に余裕のあるタイミングで行うのがベストです!
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この記事の監修者
AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。










相続時点で賃貸をしているということは、第三者が使用しているという意味になり、相続税評価額を低くおさえることが可能です。計算式は少し複雑ですが、空室率が低いほど評価額を低くおさえやすいと考えておくとよいでしょう。