住宅ローン控除が変更!2022年の税制改正点7つを解説します

2023.10.19更新

この記事の監修者

徳田 倫朗
徳田 倫朗

宅地建物取引士

住宅ローン控除が変更!2022年の税制改正点7つを解説します

住宅ローン控除の2022年税制改正についてまとめました。今後の不動産市場にも影響する可能性もあり売却検討中の人も注目!

住宅ローン控除は不動産購入意欲に影響します!
家の売り時を考えている人は要チェックです。

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目次

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、正式名称を「住宅借入金等特別控除」と言い、住宅ローン借入の年末残高に応じて所得税・住民税を控除できる制度です。初年度は確定申告によって、2年目以降はサラリーマンの場合は年末調整によって税還付を受けることができます。

一戸建て・マンションの購入者の大部分は住宅ローンを組んで購入するため、購入者は、購入価格そのものよりも住宅ローンの負担額に大きな関心を持っています。

住宅ローン控除があることで年間の負担額が軽くなり、ワンランク上の住宅を購入しようという人も現れるでしょう。したがって住宅ローン控除は、売主の不動産売却戦略においても重要な制度と言えます。

2021年までの住宅ローン控除

改正前の住宅ローン控除は、住宅ローンの年末残高の1%を10年間、所得税・住民税から控除するというものでした。消費税が2019年10月に10%になった影響で、消費税10%が適用された住宅を購入して2021年に入居した場合には、上昇分の2%を3年間で補填する意味で、期間は13年に延長されました。

10年以降の控除率は住宅ローン年末残高の1%か建物購入価格(上限4,000万円)の2%×1/3のいずれか小さい額と設定されています。

ローンの限度額は新築住宅で4,000万円(耐久性・省エネに優れた「認定住宅」は5,000万円)、中古住宅で2,000万円です。そのほか、所得上限が3,000万円、床面積要件が原則50 m2以上、中古住宅においては原則築年数25年以内などの適用要件があります。

減税制度は不動産の購入意欲に影響を及ぼす

住宅ローン減税の有無は、住宅の購入に大きな影響を及ぼします。

例として4,000万円の借入で年末のローン残高の1%が控除されるとすると、約40万円が還付されることになります。35年ローン、金利2.3%だと毎月返済分は14万円ほどになりますので、約3か月間のローン返済が浮く計算になります。

こう考えると、減税制度のあるなしは売却時の値付けのみならず、不動産市況全体にも影響してくるものだと想像がつくでしょう。

2022年住宅ローン控除の改正点

2021年の制度を踏まえて、2022年住宅ローン控除の改正点についてみてきましょう。今までも改正はありましたが、今回は脱炭素に向けた住宅分野での取り組み、そして現在の経済市況を考慮した大きな改正となります。

【改正点1】控除率が1%から0.7%へ

住宅ローン控除の控除率は1%から0.7%に引き下げられました。

控除率が下がったことで一見不利になったようにも感じられます。しかし、控除期間を13年としたこととあわせて考えると、今まで1%の税額控除を使いきれなかった所得世帯の人たちが満額控除を使いきることができるようになり、結果的に有利になる人が多くなったと言えます。

今までの税制では、配偶者控除や扶養者控除などによって住宅ローン残高の1%よりも年間の納付税額が少ないことがあり、住宅ローン控除を使いきれない世帯が多かったのです。今回控除率を下げて期間を据え置きとすることで、不公平感を軽減した税制改正という面があります。

徳田 倫朗
徳田 倫朗

【改正点2】控除期間は据え置き

控除期間は13年間と据え置きされました。前年の制度において控除期間が10年から13年に延長されたのは、消費税増税の影響を緩和するための時限措置でした。

今回、期間を13年間と据え置きとし、控除率を一律0.7%としたことで控除期間が10年の時に比べて恩恵を受ける人が増えたと言えます。

【改正点3】借入上限額は3,000万円に縮小

一般の新築住宅の住宅ローン控除が適用される借入上限額は4,000万円から3,000万円に縮小されています。中古住宅は2,000万円です。

一方で、認定住宅は5,000万円、ZEH水準省エネ住宅は4,500万円、省エネ基準適合住宅は4,000万円と控除額が上乗せされており、より環境にやさしい住宅の建築・販売を促進しようとする姿勢が伺えます。

【改正点4】期間の延長

適用期間は2025年までの延長となりました。4年間の延長となったわけですが、2024年以降は一般の新築住宅には適用されなくなるので注意が必要です。また認定住宅等についても2024年以降は借入上限額が引き下げられることが公表されています。

【改正点5】所得要件は引き下げ

控除を受ける年の所得要件は3,000万円から2,000万円に引き下げられました。これも、富裕層優遇の税制という批判をかわす狙いがあるとみられます。

【改正点6】新築住宅の床面積要件緩和

床面積要件は原則として50m2ですが、新築で2023年までに建築確認を取得した建物であれば40 m2に緩和されています。この場合の所得要件は1,000万円です。

【改正点7】中古住宅の築年数要件緩和

中古住宅の築年数は耐火建築物で25年以内、木造は20年以内でなければなりませんでしたが、この要件は撤廃されました。これに変わり、新耐震基準以降に建てられた建物であるという要件が追加されました。「昭和57年以降に建築された住宅(国交省資料)」であれば適用可であるため、築年数要件は緩和されたことになります。

2022年最大控除額変更早見表

以上の改正点を踏まえて、2022年における住宅ローン控除の13年間の最大控除額をまとめると以下の表のようになります。
2021年2022年
新築住宅認定住宅600万円455万円
ZEH水準省エネ住宅480万円409.5万円
省エネ基準適合住宅480万円364万円
一般住宅480万円273万円
中古住宅認定住宅
(ZEH・省エネ基準含む)
300万円210万円
一般住宅200万円140万円
※2021年は、消費税10%が適用された住宅で、かつ10年以降の年末ローン残高の1%が建物購入価格(上限4,000万円)の2%×1/3よりも小さいものとします。

住宅ローン控除に有利になる住宅は

住宅ローン控除の改正により、住宅の特徴によって有利不利がはっきり分かれる結果となりました。世界的な脱炭素の流れに即した住宅は、多くの住宅ローン控除の恩恵を受けるようになります。

また、中古住宅についても市場が広がったと言えます。このような流れは、今後の不動産市場の動向に大きく影響してくることでしょう。

省エネ住宅

認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅の住宅ローン控除の借入限度額は高めに設定されているために、住宅ローン控除の要件を充たす環境性能のよい住宅を購入したいという購入者は今後も増えることでしょう。

とくに2025年以降は一般住宅については住宅ローン控除の適用がなくなると公表されていることから、その影響は顕著です。販売側は、いかにコストを抑えて認定住宅等の住宅ローン控除の要件を充たす住宅を建てられるか、という点に注力することになると考えられます。

中古住宅

今までは築古の中古住宅について住宅ローン控除が使えないことが、販売のネックになっていた部分があります。今回、中古住宅の築年数要件が緩和されたことで、築20年以上の木造一戸建てや築25年以上のマンションについても住宅ローン控除が使えることになったため、これらの需要が高まる可能性があります。

これまでなかなか売れなかった築古の住宅を売却する側にとってはチャンス到来かもしれません。

中古住宅の流通は以前より課題と認識されていましたが、税制面でも中古住宅の流通を後押しする結果となりました。もっとも、担保評価や借入期間の点で希望する額の住宅ローンが組めない場合もありますので、注意が必要です。

徳田 倫朗
徳田 倫朗

まとめ

住宅ローン控除が延長されたことで、住宅市場にとっては追い風となります。適用要件についてはかなりの変更がありますので、所有物件を売却する時には値付けが市場に合っているかどうかを一度検証してみたいところです。

今回の税制改正は、環境性能の高い住宅や中古住宅にはっきりと優位性のあるものになりましたので、このような市場の流れを今後も追っていきましょう。

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徳田 倫朗
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株式会社イーアライアンス代表取締役社長。中央大学法学部を卒業後、戸建・アパート・マンション・投資用不動産の売買や、不動産ファンドの販売・運用を手掛ける。アメリカやフランスの海外不動産についても販売仲介業務の経験を持ち、現在は投資ファンドのマネジメントなども行っている。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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