目次
「半額払う」は妥当?相続トラブルで押さえるべき遺産分割の基本
遺産分割では、主に4つの方法があります。
②換価分割
③代償分割
④共有分割
①現物分割

②換価分割

③代償分割

④共有分割
今回のケースでは「処分制限」に同意する義務はない
最高裁の判断
・遺産分割後に条件が守られなかった場合でも
・債務不履行を理由に遺産分割を解除することはできない
(最一小判 平成元年2月9日)
確かに実務上、遺産分割協議において代償分割を活用して調整を行うことはよくあることですし、使い勝手のよい分割方法と言えます。しかし、売却時期に関して条件が付くことは、当事者間で合意していないのであれば、法的に強制されるようなことではありません。
遺産分割の法的根拠
・遺産分割協議の原則:民法907条1項
・現物分割の根拠:民法249条、256条、898条
・共有分割の根拠:民法249条
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ただし、すべてのケースで自由に売却できるわけではありません。
【例外:処分が制限されるケース】
・遺言書が存在する
・遺言執行者が指定されている
・遺言の対象となっている不動産
この場合、相続人であっても自由に売却できません
(民法1013条)
とくに実印による押印と印鑑証明書添付は、本人の意思による文書成立をより強く証明することになります。安易な署名・押印は、後から撤回できないリスクがあることを覚えておきましょう。
ご相談に来られる方の中にも、過去に相続手続きで内容をよく吟味せずに他の相続人に言われるがままに印鑑押してしまって後悔している…とおっしゃる方もいます。実印などを求められたら、内容をしっかり確認して、わからないことは専門家に相談するようにしましょう。
【書面が持つ法的リスクの根拠】
・民事訴訟法228条
・最高裁判例 昭和39年5月12日
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法律専門職(司法書士・税理士・弁護士)を交える
遺産分割協議を行うことが出来る(相続人同士で普通に話し合いができる)状況であれば、司法書士や税理士へ相談してみると良いでしょう。遺産分割協議を行えないような状況(相続人同士の関係性が悪く、話し合いできない状況)であれば、弁護士に依頼し、場合によっては裁判所での手続きとなります。

売却する時点の価格を基準にするよう交渉する
そこで、価格を決める基準を「実際に土地を売却する時期」に変更し、その内容を遺産分割協議書に明確に記載しておくことをおすすめします。そうすることで価格下落のリスクを避けられるほか、売却にかかる仲介手数料などの諸費用を差し引いて計算できるので、あなたにとって経済的な損失の少ない協議内容にすることができるでしょう。
書面化して誤解を防ぐ
売却を前提とした代償分割は、実務上でもよく見受けられます。相続不動産を売却する場合には、さまざまな諸経費(相続登記費用、仲介手数料、測量費などの売却経費、税務申告費用など)がかかりますので、遺産分割協議書にその費用負担に関して、明確に記載をしておくことが重要です。
まとめ
ご自身の意向とは異なる条件を提示され、感情的になってしまうお気持ちはとてもよく理解できます。しかし、感情論で法律の決まりを変えることはできませんので、まずは冷静にメリット・デメリットを整理して話しあうことが大切です。
納得できない約束は安易に書面で合意せず、冷静に話し合いで解決するように努めましょう。トラブルを避け、安心して手続きを進めるために、法律専門職に関与してもらい、遺産分割協議書を作成することをおすすめします。
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この記事の監修者
司法書士
愛知県豊橋市、太田合同事務所代表司法書士。愛知県司法書士会所属。2018年司法書士登録後、司法書士法人で業務に従事し、2022年太田合同事務所を開設。『地域・思いやり✖︎webオンライン密着✖︎充実した情報』をモットーに、司法書士業務と共にWebメディア運営、セミナー登壇にも取り組んでいる。





【私が回答します!】
「理不尽な条件に憤りを感じる」「家族関係が悪化しそうで怖い」…相続はお金だけでなく人間関係まで揺るがす難題です。とくに「売却は2年後」など一方的な条件を提示されたとき、従うべきか迷う人も多いでしょう。本記事では、売却制限の法的有効性、経済的な影響、そしてトラブルを最小限に抑える交渉の考え方まで、専門家の視点で具体的に解説します。