専門家に聞く!相続予定の実家、売却のベストタイミングはいつが正解?

更新

この記事の監修者

寺岡 孝
寺岡 孝

不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー

専門家に聞く!相続予定の実家、売却のベストタイミングはいつが正解?

【40代男性からのお悩み相談】
富山県の築40年の実家について、高齢の両親(76歳・74歳)と相続の話し合いを始めました。兄弟は他県に住み誰も住む予定がないため売却を検討していますが、古い家でも売れるのか不安です。相続手続きと売却準備を同時進行は可能でしょうか?

※本記事の相談は、実際にアンケートで募集した悩みを、要約・編集したものです。

【私が回答します!】
「手続きが複雑で何から始めればいいか分からない」「古い家が本当に売れるのか」そんな不安を抱える方も多いでしょう。本記事では、生前と相続後の売却メリットを比較し、税負担を抑えるのに最適なタイミングや、相続手続きと売却準備を同時に進める方法を、専門家の視点でわかりやすく解説します。

寺岡 孝
寺岡 孝

目次

相続予定の実家、売却のベストタイミングは生前と相続後どちら?

相続予定の実家を「いつ売るか」は、多くの家庭が悩むテーマです。結論からいえば、家族の事情と資産内容によって最適な時期は異なります。

しかし、一般的な判断軸としては、売却のタイミングを「生前売却」と「相続後売却」に分けて考えることが必要でしょう。この2つの売却のタイミングにはそれぞれ明確な特徴があります。
売却タイミングメリットデメリット
生前売却・親名義のうちに手続きができる
・売却代金を介護資金などに充当できる
・相続時の遺産分割トラブルを回避しやすい
・親の意思確認/判断能力が必要
・売却益に譲渡所得税がかかる場合あり
相続後売却・相続税評価額で取得するため節税効果がある場合も
・相続人全員の合意で進められる
・相続登記が完了するまで売却できない
・固定資産税や維持費の負担が発生する
生前に売却するか、相続後に売却するかの判断のポイントは、以下の3点です。
① 親が元気で意思確認ができるか
② 不動産の価値が維持されているか
③ 相続税が発生するか
とくに築古住宅では、建物価値より土地価値が重視される傾向が強く、地価が下がる前に生前売却するほうが有利なケースもあります。

実家を売る時期の判断で重要なのは「家族が後悔しない選択」です。想定される相続人の間で遺産分割に関するシミュレーションを行い、相続税額や市場動向を専門家に相談しておく必要があります。この場合、損得だけでなく親御さんの意向や感情面も踏まえて検討するとよいでしょう。

実家の売却は相続後に考えるのが自然な流れですが、親御さんがご健在なうちに、将来の相続について親族間で話し合うことは非常に重要です。生前対策ができていなかったために、莫大な相続税を払うことになった事案もあります。

寺岡 孝
寺岡 孝

相続手続きと売却準備は同時進行可能!

相続発生後、「登記が終わらないと売却できない」と思われがちですが、実際は一定の条件を満たせば同時進行が可能です。たとえば、相続人の間で「誰が不動産を売却するか」の合意が取れていれば、不動産会社への査定依頼や買主候補探しは進められます。

ここで同時進行の流れの一例を上げてみましょう。
注意点としては、相続登記の義務化(2024年4月施行)により、相続発生後3年以内の登記申請が義務化されました。これを怠ると10万円以下の過料対象になるため、早めに着手していった方がいいでしょう。
とくに、登記を後回しにして売り損ねたという話はよく聞きます。登記と査定を同時並行で動かすことで、売却タイミングを逃さずに済みます。

また、相続後に相続人が得た不動産の場合、その不動産を売却する場合があります。その際、一定の要件を満たす空き家を売却した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できるという特例があります。これは相続空き家の3,000万円特別控除といい、相続した不動産の売却をした際の譲渡所得の軽減ができる内容となっています。

くわしくは国税庁のホームページをご確認ください。

親の財産状況(現金や不動産の有無など)は、生きている間に聞きづらいものです。しかし、親御さんが亡くなった後に、財産の全体像が把握できないと、相続人の確定や遺産分割協議が滞り、売却手続きにも大きな支障となります。相続前に、できる範囲で財産や相続人について話し合っておくことで、手続きの遅延リスクを減らすことができます。

寺岡 孝
寺岡 孝

築40年の家でも売れる?市場での評価と工夫

築40年以上の実家を「古すぎて売れない」と諦める方もいますが、実際には立地条件がよければ十分に売却可能です。ポイントは「建物」よりも「土地」と「管理状態」の見せ方にあります。

建物の評価自体は査定価格からすればゼロに近い金額になります。となれば土地の査定価格が売却金額の大半を占めることになります。したがって、土地の状況が整備されたものであれば、(たとえば、境界杭が明確に埋設されているなどの場合)評価は上がるかと思われます。
【売却を成功させる3つの工夫】
1. 複数査定で相場を把握する
地域密着型の不動産会社を含め3社程度に査定依頼し、価格の幅を確認。
2. 必要最低限の修繕と清掃
壁紙や庭の手入れ、残置物の処分など第一印象を整えることが重要。
3. 更地売却の選択肢も視野に
老朽化が進む場合は解体して更地にすることで、買い手がつきやすくなることも。
古家付き土地はリノベーションや建て替え需要があり、立地が良ければ十分価値があります。まずはプロによる査定で温度感をつかみましょう。

まとめ

相続予定の実家をどう扱うかは家族にとって大きな決断です。「相続前に売る」「相続後に売る」どちらを選ぶにしても、早めの情報整理と相続人間の合意形成が重要です。

築古でも工夫次第で売却は十分可能。専門家に相談しながら、後悔のない選択をしていきましょう。

親が亡くなった後に、財産や相続人の掌握ができないとなれば大きな問題となります。したがって、相続が発生する以前に親族間での話合いは重要です。ある意味センシティブな内容ですので、親御さんも含めて話合いのタイミングを上手く見つけることをお勧めします。

寺岡 孝
寺岡 孝

まずは実家の相場を知ることから。
不安解消の第一歩です。

不動産の一括査定依頼

不動産の一括査定依頼はこちらから無料

2,500社の中から1番条件の良い不動産会社が見つかる!

  • 大成有楽不動産販売
  • 東京建物不動産販売
  • 住友林業ホームサービス
  • スターツピタットハウス株式会社
  • Century21
  • STEP1都道府県

  • STEP2市区町村

無料査定スタート
powered by HOME4U

※ページ下部の「売却査定、買取査定サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。

この記事の監修者

寺岡 孝
寺岡 孝

不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー

アネシスプランニング株式会社 代表取締役。住宅コンサルタント、住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務後、2006年に同社を設立。

個人住宅・賃貸住宅の建築や不動産売却・購入、ファイナンスなどのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、3000件以上の相談を受けている。

WEBメディアに不動産投資についてのコラムを多数寄稿。著書に「不動産投資は出口戦略が9割」「不動産投資の曲がり角 で、どうする?」(クロスメディア・パブリッシング)など。


●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。

売却査定、買取査定サービスの注意点

売却査定サービス
  • リンク先の売却査定サービス(以下「提携先サービス」といいます)は、株式会社カカクコム(以下「当社」といいます)の提携先である株式会社NTTデータ・ウィズが提供するサービスとなります。

個人情報の取り扱いについて

  • 当社は、お客様への提携先サービス提供のため、スマイティの不動産一括査定フォームでご入力いただいた個人情報を含む査定依頼データを提携先に提供いたします。これらの情報は全て提携先が厳重に管理し、同社から不動産会社に開示されます。提携先での個人情報等の取り扱いに関しては、以下をご確認ください。

個人情報の取り扱いについて:「HOME4U 個人情報の取り扱いについて」

物件情報について

  • 当社は、お客様に広告宣伝等の情報を提供するため、スマイティの不動産一括査定フォームでご入力いただいた物件情報を利用いたします。
買取査定サービス
  • リンク先の買取査定サービス(以下「提携先サービス」といいます)は、当社提携先である株式会社リビン・テクノロジーズが提供するサービスとなります。

個人情報の取り扱いについて

  • 当社は、提携先サービスでご入力いただいた情報を保有しておりません。個人情報を含む査定依頼データは、全て提携先が厳重に管理し、同社から不動産会社に開示されます。提携先・不動産会社での個人情報等の取り扱いに関しては、各社のプライバシーポリシー等をご確認ください。

売却査定および買取査定の提携先サービスについて

  • 査定依頼可能な企業数は、お住まいの地域やお客様の物件のタイプによって異なります。
  • お客様の物件の状態によっては査定ができない場合もございます。ご了承ください。
  • 提携先サービスの提供は日本国内(一部離島等を除く)に限らせて頂きます。
  • 査定結果について、提携先の各不動産会社から直接連絡をいたします。
  • 査定後の不動産の売却、買取について、当社および提携先は関与いたしません。
  • 提携先サービスは、セキュリティを保つために情報を暗号化して送受信するSSL(Secure Sockets Layer)機能に対応しています。ご利用の際はSSL対応ブラウザをお使いください。
  • 提携先サービスについてご不明な点がございましたら以下よりお問い合わせください。当社ではお答えできません。

売却査定:「HOME4U サービスに関するお問い合わせ」

買取査定:「リビンマッチ サービスに関するお問い合わせ(0120-935-565)」

カテゴリから探す