土地活用でコンビニ経営|初期費用はいくら?メリット・デメリット含めて解説します

  • 更新日:
  • 2022年05月30日
土地活用でコンビニ経営|初期費用はいくら?メリット・デメリット含めて解説します
土地活用として注目されているコンビニ経営を検討している方もいるでしょう。コンビニ経営は条件さえ整えば、アパート経営よりも初期費用を抑えて長期的な収入を見込めるものです。しかし、ほかの土地活用同様デメリットもあります。この記事では、コンビニ経営の初期費用やメリット・デメリットを分かりやすく解説していきます。

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目次

コンビニ経営とは

コンビニ経営とは、コンビニ業者と共同でコンビニを出店する土地活用の方法です。コンビニは普段から利用する機会も多いため、イメージしやすい土地活用と言えるでしょう。コンビニ経営は「収益性」や「安定性」がほかの土地活用と比較して優れているという特徴があり、注目を集めているのです。

コンビニ経営の収益に関する経済産業省の発表によると、コンビニ業界はコロナ渦の2020年でも販売額が11兆6,422億円という結果が出ています。 前年比-4.4%ではありますが、ほかの業界が前年比-20%を超える中、健闘しているのです。また、公共料金の支払いや宅配サービスの利用・ATM・住民票の取得などのサービスも行っており、地域になくてはならない施設とも言えます。コンビニは単に買い物に行くだけの場所だけではなくなりつつあり、今後ますますその需要は増えていくことが予想されます。

なお、コンビニ経営を検討する場合、主に以下の3つのパターンがあります。
①運営などは業者にまかせる
②自身でコンビニを経営する
③土地・建物を業者に用意してもらい経営者になる

この記事では「土地を提供して運営は業者にまかせる」パターンを中心に解説していきます。

コンビニ経営の方法|リースバック方式

「土地を提供して運営は業者にまかせる」パターンの1つにリースバック方式があります。リースバック方式では、コンビニの店舗を土地の大家さんが建築し、建築した建物と土地をコンビニ業者へ貸し出します。土地の大家さんからすると、初期投資額が大きくなり、仮に出店後、うまく集客できずに撤退が決まった場合には多額の負債が残るというリスクがあります(ただし、契約によっては撤退時に融資分の返済が免除されるケースもあります) 。

一方、コンビニ業者からすると建物を自社で建築する必要がなく、費用負担を抑えられます。よほど立地がよい場合を除き、基本的にはコンビニ業者はリースバック方式を望む傾向にあります。なお、土地所有者が費用負担しないといけない分、土地だけを貸す事業定期借地方式に比べて高い収益を得やすくなっています。ちなみに、費用負担があるとはいっても、一般的にはアパートやマンションを建てるより安く建てることができます。

リースバック方式のメリット1. 相続税対策が期待できる

リースバック方式で店舗を建ててコンビニ業者に貸し出すと、その土地は貸家建付地としての評価を受けます。貸家建付地とは、実際に土地と建物を使っているわけではない分、相続税の計算上評価減を受けられるもので、エリアにもよりますがおおむね2割程度、低い評価を受けることができます

また、不動産は現金より2~3割程度安く評価されるため、自分で建物を新築することにより、現金を所有しているより相続税を安く抑えられます(お金を借りる場合も同様です)。相続税対策については以下リンクでくわしく解説しています。

リースバック方式のメリット2. 業者から建設協力金を借りられる

リースバック方式では、土地所有者が建物を建てることになりますが、その資金についてはコンビニ業者から建設協力金を借りて建てることができます。建設協力金の最大のメリットは無利息であるということです

アパート・マンション経営では、土地や建物を担保に金融機関から融資を受けることになりますが、これは安くとも1~2%の利息がかかります。借入額が大きいこともあり、たとえ1~2%であってもその負担額は大きなものとなってしまいます。コンビニのリースバック方式を利用すれば、そうしたデメリットもなく、また多くの初期費用を準備できなくても始められるため非常に便利な制度となっています

建設協力金の注意点

先に少し触れましたが、仮にコンビニ出店後、経営がうまくいかなかった場合にはコンビニが撤退してしまう可能性があります。コンビニが撤退を決めた場合、建設協力金の残債については土地の大家さんからコンビニ業者に対して「返金」するか、コンビニ業者が建設協力金の債権を「放棄」することになります。こうした、建設協力金の取扱いについては、契約書の内容次第になります

基本的には、返金するより放棄したほうが有利なので、契約前にその内容をしっかり確認することが大切です。ただし、コンビニ業者が建設協力金の債権を放棄した場合には、その債権額に応じて税金が課される点に注意が必要です。たとえば、2,500万円分建設協力金の残債があった場合、コンビニ業者が放棄した債権は土地の大家さんが承継することになります。債権とは「お金を受け取る権利」などのことです。

つまり、「土地の大家さんからコンビニ業者に建設協力金を返却する権利」が、コンビニ業者が債権を放棄することで土地の大家さんのものになってしまうのです。このことにより、実際にはお金が入ってこないのにも関わらず、土地の大家さんはこの年、2,500万円の収入を得たことになります。その年の土地の大家さんのほかの所得にもよりますが、仮に所得が「1,800万円超4,000万円以下」だった場合、所得税と住民税を合わせた税率は50%になり、その年の納税額は1,250万円となってしまいます。

コンビニ経営の方法|事業定期借地方式

「土地を提供して運営は業者にまかせる」パターンのもう1つは事業定期借地方式です。事業定期借地方式は、土地の大家さんは土地を貸すだけで、コンビニの店舗はコンビニ業者が建てる方式となっています。そのため、土地の大家さんはコンビニ業者の撤退リスクを負う必要がありません。一方、そのリスクはコンビニ業者が背負うことになる分、毎月受け取れる家賃はリースバック方式と比べて低くなっています。なお、事業定期借地方式は、借地借家法の事業用定期借地権に基づいた契約です。

事業定期借地方式のメリット1. 土地評価額の減額措置がある

事業定期借地方式もリースバック方式と同様、土地の評価額の減額を受けることができます。具体的には事業用定期借地権の残存期間に応じて土地の評価額が決められますが、くわしい計算方法については専門の税理士に相談するようにしましょう。

なお、リースバック方式か事業定期借地方式かどちらの方式を選択するかは、大家さんの独断で決めることはできず、コンビニ業者との話し合いで決めることになるのが一般的です。それぞれの違いを理解しておくようにしましょう。

コンビニ経営のメリット

コンビニ経営のメリットとしては、次のようなことが挙げられます。

・収益性が高い
・初期費用が少ない
・長期的な収入が期待できる
・地域活性化に貢献できる

それぞれ見ていきましょう。

収益性が高い

経営状況にもよりますが、コンビニ経営はうまくいけば収益力を大きく伸ばしやすく、収益性が高いところではアパート・マンションなど住居系のものと比べて、同じ大きさのスペースで1.5~2.0倍の収入を見込むこともできます

初期費用が少ない

コンビニ経営では、たとえばリースバック方式で契約締結したとしても、アパート・マンション経営などと比べて初期投資額を少なくすることができます。また、必要な自己資金額についても、建設協力金を利用することでコンビニ業者から無利息でお金を借りることができるというコンビニ業界独自の特徴があります。なお、コンビニ経営の初期費用として必要なのは主に、土地の整地・建物の建築内装費用になります。費用分担は貸し方によっても異なるので注意しましょう。
リースバック方式事業用定期借地方式
整備費土地所有者土地所有者
建築費土地所有者業者
内装費土地所有者業者
リースバック方式はすべてを土地所有者が負担することになります。反対に、事業用定期借地方式であれば、土地所有者は土地の整備費のみの負担で済みます。ただし、リースバック方式であれば先述したように、建設協力金などを活用でき、費用を抑えることも可能です。また、それぞれの費用の目安は次のとおりです。

・土地の整備費:60坪の場合90万円~120万円(坪単価1.5万円~2万円)
・コンビニ建設費:60坪の場合1,500万円~2,500万円(坪単価25万円~40万円)
・コンビニ内装費:60坪の場合600万円~1,200万円(坪単価10万円~20万円)

すべて負担する場合、60坪の土地でおよそ3,000~4,000万円ほどが目安となるでしょう。ちなみに、アパート一棟建設する場合、一般的な木造アパート80坪で3,000~6,000万円ほど必要になります。

土地だけ提供してコンビニ経営に関わらない場合は、コンビニの大家さんは別の人が選任されるので、ほかに費用の負担はありません。コンビニ経営にも関わる場合は、上記に経営のための許可や資格取得費用・フランチャイズ加盟料や保証料などが追加されるので注意しましょう

長期的な収入が期待できる

コンビニ経営に関する契約は、契約期間が10~30年程度と長く、コンビニの撤退がない限りは長期的な収入を見込めるでしょう

地域活性化に貢献できる

コンビニは現状、ほとんどの店舗が24時間経営であるのに加え、日用品から食料まで幅広い品揃えとなっていることもあり、地域にとってなくてはならない存在となりやすく、コンビニ経営に参画することで地域活性化に貢献できます。

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コンビニ経営のデメリット

コンビニ経営にはデメリットもあるため、デメリットを理解したうえで検討することが大切です。デメリットとしては、次のようなことが挙げられます。

・契約期間中はほかの土地活用に変更ができない
・節税効果はあまり期待できない
・契約条件変更の可能性がある

契約期間中はほかの土地活用に変更ができない

コンビニ経営は、コンビニ業者と10~30年の契約期間で契約するもので、その間は安定した収入を得ることができますが、契約期間中は土地をほかのことに活用したいと思っても活用することができません

節税効果はあまり期待できない

コンビニは、相続税対策などに有効なことをお伝えしましたが、これは賃貸アパートやマンションを建てる場合でも同様の効果を得られます。一方、固定資産税や不動産取得税の優遇措置を受けるには「住居系」の建物である必要があり、コンビニはこの条件を満たしません。コンビニ経営は、アパート・マンション経営と比べると節税効果が低いことに注意が必要です

契約条件変更の可能性がある

コンビニの経営状況によっては、契約期間途中であっても、家賃を減額されるなど契約条件が変更されることがあります。当初の契約内容が契約期間中固定であるわけではないということには注意が必要です

コンビニ経営に向いている土地は?

コンビニ経営に向いている土地の代表例は、駅前などの人通りの多い土地でしょう。ここでは、さらにくわしくコンビニ向けの土地について解説します。

人通りの多い土地

人通りの多い土地では集客を見込めるため出店に有利になります。以下のような場所はコンビニに適しているでしょう。

・大型商業施設の出入り口付近
・駅の近くやバス停付近
・郵便局や銀行などの付近
・学校近く
・団地の出入り口
・ビジネスホテルの近く

車で来店しやすい土地

郊外型のコンビニは車で来店するケースが多くなるため、車が入りやすい土地であることも重要なポイントとなります。そのため、隣接する道路の状況が重要になります。

・中央分離帯のない道路
・渋滞の少ない道路
・カーブの外側沿い
・1車線
・四方から出入りできる

1車線や中央分離帯のない道路であれば、反対車線からも入りやすくなります。また、カーブの外側であれば出入りしやすいだけでなく運転手から見つけてもらいやすいというメリットもあるのです。

面積が広い土地

郊外型のコンビニは、駐車場を確保できる広い敷地が必要になります。一般的な目安としては、1,000~2,000m2ほどとなるでしょう。幹線道路沿いであれば、大型トラックも駐車できるスペースがあるとより理想的です。コンビニによっては面積の基準が設けられている場合があるので、事前に確認するとよいでしょう。また、駅が近いなどで車での来店が少ないと見込まれる土地では、それほど大きな面積は必要ないでしょう。

コンビニ経営を始める際の注意点

コンビニ経営を始める際の注意点としては、次の3つがあります。

・近隣のコンビニ店舗について
・提携するコンビニ業者について
・用途地域について

それぞれくわしく見ていきましょう。

近隣のコンビニ店舗について

土地の周辺に競合するコンビニ店舗がある場合、売上に影響がおよびます。近くのコンビニまでの距離はどのくらいあるか、その店舗の混雑具合はどのくらいかを見てみましょう。近くのコンビニから十分に離れている場合や、多少近くとも、自分の土地のほうが利便性が高くなりそうな場合には前向きに検討しやすいといえます。

提携するコンビニ業者について

コンビニは、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの3社が国内シェアの9割を占めています。まずは、これら大手3社の家賃や契約期間、契約方式などを比較して自分の土地や状況にもっとも適した業者と契約するとよいでしょう。なお、地域によっては大手3社よりシェアの多いコンビニ業者があることもあるため、それらも含めて検討します。

契約条件については、ホームページなどで確認できることもありますが、全国で説明会を開催していたり、問い合わせすると営業担当者が来訪してくれたり、WEB説明会を実施してくれたりする業者もあります。気になったことがあれば積極的に問い合わせするようにしましょう。

用途地域について

建物は、地域ごとに設定された用途地域により建てられる建物が決まっています。土地のあるエリアがどの用途地域に該当するか、事前に確認しておくとよいでしょう。なお、用途地域については自治体によってはネットで閲覧できる場合もありますが、そうしたシステムがない場合には役所の都市計画課(役所により部署名は異なる)に問い合わせするとよいでしょう。

ちなみに、これまで閑静な住宅街に指定されることの多い「第二種低層住居専用地域」ではコンビニなど商業施設を建てることができませんでしたが、2019年より緩和されることになっています(2階建て150m2以下に限る)。とはいえ、建ぺい率や容積率などの制限を満たす必要はありますから、いずれにせよ確認しておくことをおすすめします。

撤退されてしまった場合の対応も検討しておこう

コンビニは事業撤退が少なくなく、経営状況が悪くなることを想定して、契約の当初から撤退後のことまで考えておくことが大切です。たとえば「撤退時には建設協力金はどのような取り扱いになるのか?」など、しっかり契約内容についても確認しておくようにしましょう。また、仮に撤退することになった場合には「コインランドリーに利用する」など、撤退後の土地活用法についても想定しておくと万全です

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よくある質問

ここでは、コンビニ経営に関するよくある質問をご紹介します。
コンビニ経営でよくある失敗は?
家賃見直しによる値下げや利用者の減少にともなう契約解除という失敗が代表的です。契約時は好条件でも〇年ごとに家賃見直しという契約内容の場合、更新ごとに家賃を下げられてしまう可能性があります。また、コンビニ需要のない土地であったことや建設後の都市開発で需要が変わるケースもあるので注意しましょう。契約内容をしっかりと確認し、需要についても長期的な視点でリサーチすることが大切です。
コンビニ経営は儲かる?
土地活用でコンビニ経営する場合、収入は業者からの土地の家賃です。一般的には、土地評価額4~5%が相場となります。土地を提供して運営は業者にまかせる場合、売上に関わらず安定した収入が期待できるでしょう。貸し方によって家賃は異なりますが、リースバック方式のほうが、家賃が高く設定されているので、建築費などを負担できる場合はリースバック方式をおすすめします。
コンビニ経営に向いている人は?
収益性を重視する人、幹線道路や人通りの多い道路沿いの土地を持っている人、地域の利便性向上に貢献したい人などがコンビニ経営に向いていると言えます。また、コンビニでの土地活用のメリットは収益性のため、リスクがあっても収益性が重視したい人におすすめです。そのほか、有利な立地の土地の所有者や地域貢献が目的という人にもよいでしょう。

まとめ

土地活用としてのコンビニ経営では、コンビニが建てられる土地なのかどうかがまずポイントとなります。その条件をクリアすれば、土地活用としては初期費用も少なく高収益が期待できます。ただし、撤退が早く安定性が低いという点には注意が必要です。業者への貸し方や注意点に気をつければ長期的な収入につなげることが可能となるでしょう。

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逆瀬川 勇造

監修逆瀬川 勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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