- 土地を貸すことによって安定した収入が得られる一方、賃貸経営より収益が低いデメリットもあります。
- 契約方法によっては、借地人が半永久的に土地を利用し続けて戻ってこない可能性があるため注意が必要。
- トラブル回避のためには「土地賃貸借契約書」に必要事項を必ず記載しておくことが重要です。
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目次
土地を貸すメリット
土地を貸すことは、地代収入が得られる以外にもメリットとデメリットがあります。まずは、メリットを見ていきましょう。
【メリット1】安定した収入が得られる
【メリット2】初期費用や維持費用がほとんどかからない
【メリット3】契約によっては土地を手放すことができる
土地を貸すデメリット
【デメリット1】長期契約のため契約期間中はほかの土地活用ができない
【デメリット2】賃貸経営より収益が低い
【デメリット3】契約方法に注意しないと土地を取られる
契約方法によっては、借地人が半永久的に土地を利用し続けて戻ってこない可能性があります。契約方法については下記にてご説明します。
土地を貸す方法は普通借地・定期借地の2つ
自分でアパートやマンションを建てる方法だと、うまく経営すれば収益を大きく伸ばすこともできますが、入居者が集まらないといったリスクも負わなければなりません。一方、土地を貸せば収益はそこまで大きくありませんが、長期間安定した収益を得ることができるようになります。
ただし、土地を借りた人はその上に建物を建てて住んだり、事業に用いたりするため、基本的には長い間活用できなくなります。この、貸し出す期間については「普通借地」と「定期借地」という2つの制度について理解しておく必要があります。
普通借地
普通借地の特徴的なところは、設定した期間が満了し、借主が契約の更新を申し出ると、それを拒否するには貸主側に正当事由が必要であるということです。
つまり、正当な自由がなく借主が更新を希望する限りは、貸し出した土地がいつまでも返ってこない(=貸したまま)可能性があり、土地の所有者にとっては不利な制度となっています。
定期借地
それぞれ条件は異なりますが、契約期間の終了と同時に借地関係は終了します。また、契約終了時には、借主は土地を更地にするか、建物を土地の所有者土地の所有者に譲渡することとなっており、土地の所有者としては契約期間満了後にまた土地を活用できるようになっています。なお、借地期間については以下のように定められています。
借地期間 | 期間満了時 | 期間満了時 |
---|---|---|
一般定期借地権 | 50年以上 | 期間満了時に更地にして返還 |
事業用定期借地権 | 10年以上 | 期間満了時に更地にして返還 |
50年未満 | ||
建物譲渡特約付借地権 | 30年以上 | 期間満了時に貸主が建物を買い取る |
土地を貸すときの賃料相場の調べ方
1. 収益還元法
期待利回りとは、投資額に対して年間でどのくらいの収益を得られるかを占めるもので、ます。土地の賃料を求める場合、経費はおおむね固定資産税や都市計画税の合計と考えて問題ありません。
更地価格とは、その土地を更地の状態で売却したときにいくらになるのかというもので、公示地価から調べることができます。また、一括査定の活用も更地価格を調べるための有効な方法です。
2. 取引事例比較法
とはいえ、土地の賃料を求めるにあたっては、取引事例比較法では参考となる事例を見つけることが難しいことが多く、あまり用いられません。
3. 公租公課倍率法
固定資産税や都市計画税については、土地の所有者であれば、毎年自治体から送られてくる納付書で確認することができます。
倍率については、厳密にやると複雑な計算をする必要がありますし、地域によっても異なるのですが、おおむね3倍程度(一例です)で計算できます。
適正賃料を知るためにできること
トラブル回避のために!土地を貸す際の注意点
用途地域
また、上記用途地域を踏まえ、住居系の用途地域だと事務所や店舗を建てるのに面積や用途の制限がついてしまいます。このように、土地を貸し出す際には用途地域が何になっているのかを確認するようにしましょう。
賃貸期間
また、定期借地の場合は契約期間の終了と同時に借地は終了しますが、一般定期借地だと50年以上もの期間を設定することになります。借地期間中はほかのことに使うことはできません。
本当に借地契約を結んでもよいものかどうか、しっかり検討すべきだといえるでしょう。
賃料が変動する可能性
「土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。」(借地借家法11条1項)
賃料を増額・減額する場合
なお、賃料増額(減額)の意思表示をして請求が認められると、原則として意思表示した時点から効果が発生します。意思表示時点より過去に遡って増額することはできませんが、裁判等で時間がかかる場合でも判決確定前から賃料の増減をすることは可能です。
ただし、実際には任意交渉や裁判上の和解等、実際に合意が得られてから増減されることも多くなっています。
土地賃貸借契約書
【土地賃貸借契約書に記載する内容(一例)】
土地貸借のトラブルを回避するためには、
土地活用の専門家に意見を仰ぐことも一案です!
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よくある質問
- 土地賃貸借契約書と公正証書の違いは?
- 土地を貸す場合には賃貸契約書を作成することになりますが、あまり一般的ではありませんが賃貸契約書の代わりに公正証書を作成する場合もあります。
賃貸契約書は土地の所有者と借地人との個人間で作成するか、不動産会社に依頼して作成するものですが、公正証書は公証人が作成する文書で、賃貸借契約書よりも強い法的な効力があります。どちらの形式で契約を進めるかしっかり検討するようにしましょう。 - 土地を貸すとどんな税金がかかる?
- 土地を所有することで固定資産税が課税されますが、土地を貸す場合にも税金がかかります。まず、土地の貸し付けで収益を得た場合、不動産所得として所得税と住民税が課されます。
この2つは不動産所得を得ると必ず発生するため支払いを忘れないようにしましょう。また、法人・個人の行う事業から生まれた収入が対象の事業税も支払いが義務付けられている税金の1つです。 - 土地を貸すと確定申告が必要になる?
- 土地の貸し付けで得た収益は不動産所得とみなされるため、給与などとは別に確定申告が必要です。
しかし、一般的に不動産所得が20万円以下の場合には確定申告をする必要はありません。不動産所得が20万円を超える場合、そして、損益通算を行う場合に確定申告が必要になります。手続きに不安を感じる場合は、税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。
不動産所得が20万円以下の場合ですが、他の所得の状況により必要な場合がありますので必ず専門家にご相談してください。
まとめ
本記事でご紹介した方法を活用して、自分である程度の賃料相場を求めると共に、必要に応じて不動産鑑定士に相談するようにしましょう。また、土地の貸し方などで悩む場合は土地活用の専門家などに相談することをおすすめします。
まずは賃料相場を自身でシミュレーション!
その後、プロにアドバイスを仰いで答え合わせしてみましょう。
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この記事の監修者
不動産エコノミスト/社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルなどを行うかたわら、ラジオNIKKEI「吉崎誠二の5時から”誠”論」などテレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。また新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は年間多数。
著書:「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社)など11冊。
賃貸経営において、一括借り上げ契約=サブリース契約を結んで空室リスクを回避する方法もありますが、同契約においても入居者集めが難しい場合等は、新築時はサブリース契約を管理会社との間で結べても、その後は条件が厳しくなるなどリスクを負うこともあります。