アパート経営におけるアパート建築費と利回りの考え方

  • 公開日:
  • 2018年11月16日
  • 更新日:
  • 2018年11月16日
アパート経営におけるアパート建築費と利回りの考え方
土地活用のひとつであるアパート経営。賃貸アパートの建築にはどれくらい費用がかかって、どれくらいの期間で回収ができるのか気になりますよね。この記事では、すでに土地を持っており、具体的にアパート経営を考えている方に、アパート一棟を建てるときの建築費、建築費に含まれているもの、1部屋あたりの費用の考え方について実際の利回り計算や収支シミュレーションを交えてご紹介していきます。

アパート経営を始めるにあたり、”建築費”を理解することは非常に重要です。
複数業者を比較できるプラン一括請求が有効です。

土地活用プラン一括請求はこちら

※HOME4U土地活用ページへ移動します

目次

土地活用のひとつのアパート経営

アパート経営は数ある土地活用の中でもメジャーな活用法と言えますが、アパート経営を始めるにあたり、どのような点に気を付けて始めるとよいのでしょうか。本記事では、アパート経営の建築費や利回りの考え方について紹介しますが、ここではそもそもアパート経営とはどんなものなのかについてお伝えしたいと思います。

アパート経営とは

アパート経営は1棟のアパートを所有し、各居室の入居者と賃貸借契約を結び、家賃を得るというものです。投資として考えると、株式投資など他の投資では手元にまとまった現金がないと大きな利益を出しづらいのに対し、アパート経営ではアパートを担保に金融機関からお金を借りることができるため、少ない元手でも始めることができるのが特徴です。

また、アパート経営では基本的に土地と建物を丸ごと所有するため、将来的に少なくとも土地という資産を手元に残すことができます。

空室対策が重要

アパート経営は入居者から家賃を得て収入を得るため、空室が出るとそれだけ収入が少なくなってしまいます。また、購入時にローンを組んで購入していると毎月ローンの返済の必要が生じますが、空室が複数室出てくると、どこかのタイミングで家賃収入より毎月のローン返済額が大きくなり、手持ちの資金から補填しないといけなくなります。そのため、アパート経営では空室を「常に」、「可能な限り」少なくするための対策を講じていくことが重要になります。

アパート経営は管理会社に管理を任せることができる

アパート経営では空室対策が重要ですが、リフォームや修繕など一通り必要なことを済ませ、優秀な管理会社を見つけてしまえば、ほとんどの仕事を管理会社に任せられます。そうなると、働かずとも自動で収入が入ってくる状態を作れるのです。

一方で、そこまで持っていくには多くの難関をクリアしなければならないのも事実です。そうした難関のひとつに、費用の問題があります。

アパート経営の特徴やメリット・デメリットは以下の記事で詳しく解説しています。
アパート経営の特徴とメリット・デメリット

アパート建築にかかる費用の概要

アパート経営は一般的にアパートローンを組んで始めることが多く、ローンを借りた場合は家賃収入から毎月の返済額を差し引いた額が利益となります。ローンは当然のことながら、いくら借りたかで毎月の返済額が変わるため、どのくらい借りる必要があるのか=アパート建築にはいくらかかるかについてよく理解しておく必要があります。

1.坪や構造によって費用が変わる

アパートの建築費については、建てる建物が何坪か、つまり、どのくらいの大きさの建物を建てるのか、木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造(以下、RC造)など、どんな構造で建てるかによって費用が変わります。

なお、建物の建築においては何坪でどのくらいの価格かを表すために、「坪単価」がよく使われます。たとえば、坪単価50万円100坪のアパートを建てた場合の建築費用は5,000万円になります。

木造・鉄骨造・RC造の比較表

建物の構造には、木造と鉄骨造、RC造などがあります。最近では木造の建物でもかなり性能の高いものを建てられるようになっていますが、特に不動産投資においては木造より鉄骨造が、鉄骨造よりRC造が有利です。

それは、建物の耐用年数の問題があるからです。

耐用年数は、税金を徴収するために定められた法定耐用年数というものがあり、賃貸用の住宅では木造が22年、鉄骨造が34年、RC造が47年とされています。そして、融資を受ける際には基本的には法定耐用年数を過ぎないように借入年数を決める必要があります。

つまり、築10年の木造アパートであれば12年しか借りられませんが、鉄骨造アパートであれば24年まで借りることができます。将来売却するつもりが全くないのであればよいですが、多くの場合、売却も視野に入れておいたほうがよいでしょう。アパート経営は数十年にわたることなので、途中でどんなことが起こるか分からないからです。構造ごとの法定耐用年数についてはよく理解しておくようにしましょう。

構造ごとの法定耐用年数

構造木造鉄骨造RC造
法定耐用年数22年34年47年

次に気になるのが構造ごとの価格です。平成29年度の国土交通省の建築着工統計調査報告における「居住専用建築物」のデータを抜き出してみると、以下のようになりました。

構造ごとの工事費/面積の平均

構造木造鉄骨造RC造
平均工事2,035万円23,827万円31,943万円
平均面積121平米954平米1,315平米
坪数37坪289坪398坪
坪単価55.4万円82.5万円80.3万円
※坪数は平均面積×0.3025で算出

木造住宅は坪単価55.4万円、鉄骨造住宅は坪単価82.5万円、鉄筋コンクリート造住宅は坪単価80.3万円という計算結果です。

鉄骨住宅のほうが鉄筋コンクリート造住宅より高い結果となってしまいましたが、実際には鉄筋コンクリート造では坪単価100万円/坪を超えることが多いです。

2.建築費に含まれるもの

国土交通省の建築着工統計調査のデータをもとに、平均工事費を算出した表を作成しましたが、この平均工事費は「建築工事費予定額」を参考にしています。

「建築工事費予定額」にはどのような費用が含まれるのでしょうか?

建築工事予定額

国土交通省の建築着工統計調査報告の「建築工事予定額」には以下の2つの項目が含まれます。

・主体工事の工事費
・建設設備の工事費

主体工事の工事費は建物本題の工事費で、イメージしやすいかと思いますが、建設設備の工事費にはどんなものが含まれるのでしょうか?建設設備については、建築基準法第2条第3号の建設設備の定義によるもの、とされており、条文では電気やガス、給排水、暖冷房、消火、排煙、汚物処理の設備や煙突、昇降機、避雷針などと定義されています。

アパート経営の利回りについて

費用について理解したら、次は利回りについても知っておきましょう。

利回りとは

利回りとは、かけた費用に対して一定期間の間でどのくらいのお金が返ってくるかを示すものです。一般的に利回りと言うと1年間の利回りである年間利回りを指します。つまり、5,000万円かけて購入したアパートが1年間で500万円の収益を生み出すのであれば500万円÷5,000万円で年間利回りは10%となります。

利回りの種類

アパート経営において、利回りには以下の3つの種類があります。これらの違いを把握しておくことが大切です。

1.表面利回り
2.実質利回り
3.想定利回り

それぞれ、詳しく解説していきましょう。

1.表面利回り

表面利回りは「とりあえず計算する」のに便利な利回りで、以下の計算式を用いて計算します。

表面利回り=年間収入÷購入価格

上記式を見て分かるとおり、表面利回りの計算に用いる年間収入や購入価格は「表面上のデータ」だけでパッと計算することができます。

2.実質利回り

実質利回りは、表面利回りに年間支出の要素を加えた利回りで、実際に購入や新築を検討するのであれば必ず実質利回りを計算しましょう。実質利回りの計算式は以下のとおりです。

実質利回り=(年間収入-年間支出)÷購入価格

年間支出には固定資産税や火災保険料、修繕費用などさまざまなものがあります。固定資産税や火災保険料などは条件が分かれば算出することもできますが、修繕費用などはアパートの状況によりどの程度かかるかが異なります。そのため、精度の高い計算をするには知識や経験が必要です。

3.想定利回り

想定利回りは計算式自体が表面利回りと変わりません。

想定利回り=年間収入÷購入価格

この計算では、一般的には満室経営が想定されます。つまり、一番大きく収益を得られる場合の利回りはいくらか、という計算です。表面利回りや実質利回りとの違いを把握した上で想定利回りを計算するのは大切なことでもありますが、何も知らずに想定利回りだけでアパート経営の計画を進めると失敗する可能性は高くなるでしょう。

想定利回りが10%あると思ったのに、実際の利回りである実質利回りは5%程度しかなかった場合、5,000万円のアパートであれば年間の収益が500万円あることを想定していたのに、250万円しかないということになります。こうした過ちは犯さないようにしましょう。

アパート経営における平均的な利回り

アパート経営における平均的な利回りは、地域や景気によって異なります。2018年現在であれば、都心であれば表面利回り5〜6%程度、地方中核都市で7〜8%程度、地方の郊外で8〜9%程度といったところでしょうか。

なお、上記は中古アパートを購入したときの利回りなので、土地活用のひとつとしてアパート経営を考えているのであれば、土地代金が不要となるためもう少し利回りは高くなるでしょう。

入居率を考えたアパート建築

土地活用のひとつとしてアパート建築をする場合、間取りや広さ、デザインなどを一から考える必要があります。アパート経営においては、常に空室対策について考える必要があることをお伝えしましたが、間取りや広さ、デザインを考える際には「入居率」、つまりはできるだけ空室を少なくするよう考えましょう。その地域でどのくらいの家賃だったら人が集まりやすいのか、ファミリーが住むのかシングルが住むのか、また最近のトレンドは何かなどを考慮した間取りにすることが大切です。

アパート経営の収支計画

アパート経営では表面利回りや想定利回りより実質利回り、つまり年間の支出についても把握することが大切ですが、そのことを分かりやすくするために、数年間の収支シミュレーションを立てることをオススメします。

収支シミュレーション

以下に、収支シミュレーションの例を掲載します。
1年目2年目3年目4年目
収入家賃75万円75万円75万円75万円
駐車場賃料4.5万円4.5万円4.5万円4.5万円
自動販売機0.5万円0.5万円0.5万円0.5万円
礼金10万円000
収入合計/月90万円80万円80万円80万円
支出固定資産税3万円3万円3万円3万円
共益費0.5万円0.5万円0.5万円0.5万円
修繕費3万円3万円3万円3万円
管理手数料4.5万円4.5万円4.5万円4.5万円
ローン返済額30万円30万円30万円30万円
その他25万円000
支出合計/月66万円41万円41万円41万円
収支月間収支24万円39万円39万円39万円
年間収支288万円468万円468万円468万円
収支累計288万円756万円1,224万円1,692万円
上記事例では、月間の家賃収入合計が75万円、駐車場賃料や自動販売機による収入が5万円で家賃と合わせると80万円なので、年間では960万円の収入が見込める物件となります。

このときの家賃を満室時の家賃にするのか、2〜3室空室があるときの家賃にするかは 状況に応じて変えるとよいでしょう。上記事例で、1部屋の家賃が7.5万円×10室だった場合で考えると、2年目以降の支出合計は41万円となっているため、5室以上空室になると7.5万円×5室=37.5万円で支出より少なくなってしまうと判断することができます。

収支シミュレシーションはこのように活用するとよいでしょう。なお、実際にはアパート経営で利益が出ると不動産所得として税金を納める必要があるため、手元に残るお金はもう少し少なくなります。

まとめ

土地活用の中でも主流なアパート経営において、アパート建築費と利回りの考え方についてお伝えしました。利回りについてはアパート建築のプラン提案段階において、想定される利回りについての提示も受けるかと思いますが、そのときに表面利回りや想定利回りと実質利回りの違いについて理解しておくとより精度の高い計画が立てられます。

また、実際にアパート経営を始めると数年〜数十年にわたって経営していくことになるため、収支シミュレーションを立ててより詳細な計画を立てておくことをオススメします。

アパート経営を始めるにあたり、”建築費”を理解することは非常に重要です。
複数業者を比較できるプラン一括請求が有効です。

土地活用プラン一括請求はこちら

※HOME4U土地活用ページへ移動します

【監修】逆瀬川勇造

【監修】逆瀬川勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ~造成、不動産売買に携わる。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。