専門家に聞く!離婚で家を売却、子どもの学校はどうなる?後悔しないための考え方と整理ポイント

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この記事の監修者

秋津 智幸
秋津 智幸

公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/AFP/2級FP技能士

専門家に聞く!離婚で家を売却、子どもの学校はどうなる?後悔しないための考え方と整理ポイント

【30代男性からのお悩み相談】東京都世田谷区の築20年一戸建てを、離婚協議に伴い売却検討しています。夫婦共有名義で住宅ローンが残っており、売却で完済できるか心配です。5歳の息子が来春小学校入学を控えているため、売却タイミングのほか、不動産が共有名義のため財産分与の仕方に悩んでいます。子どもに負担をかけず円満に売却を進める方法を知りたいです。

※本記事の相談は、実際にアンケートで募集した悩みを要約・編集したものです。

【私が回答します!】離婚に伴う家の売却では、「子どもの学校をどうするか」と「いつ売るか」が大きな悩みになります。本記事では、子どもの入学時期を踏まえた売却タイミングの考え方を主軸に、共有名義や住宅ローン残債がある場合に判断が難しくなるポイントを整理し、専門家の視点で解説します。

秋津 智幸
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目次

まず問題を整理して考える

結論
離婚に伴う売却は、ローン・共有名義・子どもの進学を切り分けて考える
夫婦共有名義の自宅の場合、離婚を機に売却するケースは少なくありません。共有名義を継続することで将来トラブルになりやすく、財産分与の観点からも売却して現金化する判断が一般的です。

加えて、子どものある家庭では、子どもの通学先や進学のタイミングなどもあり、いつ売却するかは悩ましい問題となります。

そういった場合、まず問題点を整理して、それぞれの最適策を検討し、最後にケースに分けて道筋を立てることをおすすめします。質問のケースであれば、以下のように問題点を3つのポイントに分けて考えてみましょう。
1.住宅ローン:ローン残高と「査定額」を比較する
2.共有名義:共有名義人の「売却承諾」を得る
3.子どもの進学:子どもの「入学・卒業時期」から逆算してスケジュールを決める

【住宅ローン】売却したら完済できる?査定額と残債を確認する方法

自宅の売却を検討する際、売却資金でローンを完済できるかの確認が重要です。ローンを完済できなければ、抵当権が抹消できず売却もできないので、最初に残債を確認する必要があります。

その後に不動産会社に自宅の査定を依頼して査定額と残債を比較します。仮に査定額で売却できた場合、その資金でローンを完済できるなら、すぐに売却しても問題ありませんが、売却した資金だけでは完済できない場合、不足分を現金で補う必要があります。「いくらで売れるか」の正確な査定を早めに行うことが、その後の計画を左右します。

査定額とローン残債の比較シミュレーション

売却で得られた資金は、不動産の持分(名義の割合)で分けます。ローンの完済に不足がある場合は、不足分の自己資金も不動産の持分に合わせて自分で用意しなければなりません。持分を超えた分を相手が負担すると受け取った側に贈与税がかかるので、注意が必要です。

売却資金と自己資金で完済できない場合、原則として売却はできません。

住宅ローンも共有している場合、離婚後に相手がローンの支払いを滞納すると、もう一方に支払い義務が生じ、負担が2人分に増えます。売却が可能で、離婚後に新たな問題の発生を防ぎたいなら、自宅を売却して共有しているローンを完済してしまうことが得策です。

秋津 智幸
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【共有名義】離婚時の不動産売却と財産分与の進め方

結論
共有者全員の承諾が必要で、関係性によって売却スケジュールが変わります。
共有名義の不動産を売却する場合、共有者全員の承諾が必要になります。そのため、共有者のうち1人でも反対があると売却ができません。

本来、売買契約時に共有者が揃って署名、捺印しますが、共有者全員が揃わない場合は、代理人を立てて手続きを進めることになります。その分、調整や準備に時間がかかる点は注意が必要です。

自宅を売却してローン完済後に残った資金は、共有者の持分割合で分配し、必要に応じて各人が納税も行います。離婚に伴う財産分与は、一旦持分で分配し、納税後財産分与の配分に従って行います。

共有の不動産を売却する際は、承諾の意思だけでなく、署名や実印による捺印、印鑑証明書や住民票(売却時の住所が登記簿上の住所と異なるとき)などが必要です。しかし、離婚後に関係性が悪くなると、必要なものを用意してもらえないこともあり、さらに手間がかかることもあります。

秋津 智幸
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【子どもの進学】売却のベストタイミングはいつ?

結論
4月入学に合わせるなら12月までに査定を終え、媒介契約を結ぶのが理想
ローン完済の問題もあるため、自宅を売却するか、しないかを判断することが先決です。売却しない場合は、離婚によって親権者となった方が今の住宅に住み続けるのか否かで、子どもの進学先が変わります。

売却する場合は、いつ売却するか、親権者がいつどこに居住するかが子どもの進学に影響します。親権者が売却前に引っ越すなら、入学後の半端な時期に転居するより、新入学に間に合うように転居することが最善と思われます。

一方、しばらく今の住宅から子どもを通わせたいと考え、売却を入学後に遅らせるなら、離婚後に親権者が今の家に残ることになります。この場合、いつまで売却を遅らせるか検討する必要があります。子どもを転校させたくないなら、子どもの卒業まで売却を遅らせるのか、あるいは小中学生の途中で売却する場合は、親権者の転居先は学区内に限定されます。
※学区外通学の可否は自治体によって異なるため、事前確認が必要です。

親権者の一方が今の家に住み続けた場合、自宅が共有名義であれば、本来、住み続ける方が相手に持分相当の家賃を支払うなどの対応が必要になりますが、離婚協議によっては家賃や養育費などの負担をどうするかで状況が変わってきます。

今の家から進学先に通わせることが、最も子どもの心理的負担は少ないでしょう。一方で、子どもの年齢や性格にもよりますが、周りの子にも変化のある入学時に合わせるのが子どもの負担が少ないとも言えます

入学時期に合わせた不動産売却のスケジュール例

転居によって子どもの進学に直接影響があるのは、公立小中学校への入学のケースです。とくにポイントとなるのは住民票の移動です。私立や高校以上では受験で進学先が決まるので、転居先が通学可能な地域であれば、問題はありません。3月の転居は多いため、3月末に転居してもその学区の小中学校に通学することは可能です。ただし、できるだけ事前に市区町村の窓口や教育委員会に相談が必要です。

秋津 智幸
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子どもを優先しつつ売却するための現実的な進め方

自宅の売却を前提に、子どもの負担を最小限にしたい場合、夫婦の関係性がポイントになります。離婚後も一定の信頼関係が維持できるなら、子どもが入学してからしばらくの間、売却を遅らせて今の住宅から子どもを進学させても問題は発生しにくいと思われます。逆に信頼関係が維持できないなら、離婚後に問題が発生すると子どもにとっても心理的な負担になるので、売却を急ぎ、入学前に親権者が転居して居住先を安定させた方が得策でしょう。

なお、売却が前提なら、親権者が売却前に転居し、子どもの生活拠点を安定させることで、売却のタイミングはいつでもよいことになるため、早期売却も可能です。自宅を早く現金化できれば、離婚協議や財産分与もしやすくなるので、現実的な選択肢となります。

夫婦で共有している自宅は、離婚時に売却するケースが多く、相手と話をしたくない場合でも、売却に関しては仲介する不動産会社の担当が共有者(夫婦)の間に入って意思確認や日程調整などをすることがあります。ただし、夫婦間の交渉などは非弁活動(弁護士資格がないものが法律事務を行うこと)に抵触する恐れがあるので、一切関与しないのが普通です。

秋津 智幸
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まとめ

離婚そのものが子どもにとっては大きな環境の変化であり、精神的な負担になります。離婚時の夫婦の関係が良好なままであれば、売却のタイミングは子どもに配慮したタイミングで選んでもよいでしょう。

一方、関係が悪い場合は、離婚後にトラブルの原因となりやすく、共有不動産の売却を先延ばしするのは、子どもにとっても精神的な負担が長引くことになります。夫婦の関係性を踏まえて、何が最も子どもの負担になっているのか考慮して売却のタイミングを選ぶことが大切です。

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この記事の監修者

秋津 智幸
秋津 智幸

公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/AFP/2級FP技能士

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。横浜国立大学卒業。

神奈川県住宅供給公社を経て、不動産仲介業者に従事した後、2011年に個人事務所として不動産サポートオフィスを開設。自宅購入、不動産投資、賃貸住宅など個人が関わる不動産全般に関する相談・コンサルティングを行う他、不動産業者向けの企業研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム、記事等の執筆・監修にも取り組んでいる。

主な著書に「貯蓄のチカラ~30歳からのおカネの教科書」(朝日新聞出版)などがある。

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