- 物件の詳細情報が記載されている物件概要書を活用することで投資物件としての適合性を検証することが可能です。
- 物件概要書を確認すれば物件にどのようなリスクがあるかも明確に。しっかり読み込みましょう!
- 「エンパーコウゾウザンヒロサ」は物件概要書で必ずチェックすべき5項目です!
目次
物件概要書とは
なぜ不動産投資家にとって物件概要書が重要?
この書類を用いることで、投資家は物件探しや価格交渉を効率的に進めることができ、投資物件としての適合性を検証することが可能です。
また、購入後のトラブルを防ぐためにも重要な役割を担います。物件の基本情報として、住所、価格、利回り、面積、建物構造などが記載されており、物件選定や融資の相談時にも有用です。
物件概要書の記載項目
売出価格
とくに、土地の売買に関しては消費税が課税されないため、土地のみの取引の場合はこの点に注意が必要です。購入前には売出価格に含まれる税金の有無をしっかりと確認し、全体のコストを正確に把握することが重要です。
利回り
この数値は投資物件の物件概要書に通常記載されており、投資家が価格に対してどれだけの収益が見込めるかを評価する際の重要な基準となります。
所在地
住居表示は市町村が「住居表示法」に基づいて定めた住所で、日常生活でよく使用される住所です。郵便物の送付や一般的な案内に用いられるため、地番とは異なることがあります。
交通アクセス
ただし、この計算には信号や踏切などの障害物が考慮されていないため、実際には記載されている時間よりも長くかかることがあります。そのため、実際の距離と所要時間を確認するには、実際に現地を歩いてみることが推奨されます。
土地の面積
1つは「土地面積(公簿)」で、これは登記簿に記録された公式の土地面積です。公簿の面積は実際の土地のサイズと異なることがありますが、修正されることは稀です。
もう1つは「土地面積(実測)」で、これは専門家による現地測量を基にした実際の土地面積を指します。この実測面積は、登記簿の記録と異なる場合が多く、より正確な土地の大きさを反映しています。
地目
たとえば、登記上は「田」や「畑」とされている土地で住宅を建てる場合、「宅地」への地目変更手続きが必要です。
この地目によって固定資産税の評価額が異なるため、土地の購入や利用前には地目の確認と必要に応じた手続きが重要です。建物が存在するにも関わらず地目が農地であれば、宅地への変更が必須です。
接道状況
都市計画
市街化区域は、近い将来市街地として開発されることが想定される地域のことです。商業活動や住宅建設が積極的に行われ、インフラ整備も進められます。
一方、市街化調整区域では、農地や自然環境の保全が優先されるため、新規の建設は制限されており、基本的には地方自治体の許可が必要となる場合が多いです。
これにより、物件の利用可能性や将来の開発展望が大きく異なるため、不動産を購入または開発する際にはこの区分を確認することが重要です。
用途地域
用途地域ごとに、住宅、店舗、工場など、建てられる建物の種類が異なり、建築に関する規制の強さも変わります。この区分により、地域の特性に応じた開発が行われ、計画的な都市成長が促進されることを目的としています。
不動産投資や開発を考える際には、該当する用途地域を確認することが重要です。
建ぺい率・容積率
計算式は「建築面積÷敷地面積×100」。ここでの「建築面積」とは、建物を真上から見たときの面積で、もし建物が複数階建ての場合、最も広い面積を用いるのが一般的です。
一方、容積率は建物の延べ床面積(各階の床面積の合計)を敷地面積で割ったもので、建物の容積の大きさを表します。
「延べ床面積÷敷地面積×100」で算出され、高層建築ほどこの値が高くなる傾向にあります。建ぺい率と容積率は都市計画や建築設計において重要な基準となり、それぞれの地域の特性や規制に応じて設定されています。
構造・種類
これらの情報は、建物の耐久性や耐震性、さらには保温性能など、物件の質を判断する上で重要な指標となります。
延床面積
延床面積は、物件の価値や活用方法を検討する際の重要な情報となります。
築年月
1981年6月以降に建築申請がおりた建物は新耐震基準に適合しているため、耐震性の面で安全性が高いとされています。
建築年月は物件の安全性や将来の維持費、耐震性などを考慮する上で非常に重要な情報となります。
間取り
たとえば「3LDK」と記載されている場合、リビング、ダイニング、キッチンに加えて3つの居室があることを意味します。
住む人の生活スタイルに直接影響を与えるため、購入や賃貸の検討にあたって非常に重要な要素です。
物件概要書からわかること
違法建築物件ではないか
さらに、用途変更が行われていないか、新耐震基準に適合しているかなども重要なチェック項目です。
これらの確認を怠ると、将来的に行政からの是正命令や、融資の際に不利益を被るリスクが高まります。投資目的で不動産を購入する場合、違法建築でないことを確認することは不可欠です。
どのようなリスクがあるか
◆違法建築リスク: 物件が建築基準法をはじめとする各種法律に適合しているか、違法建築でないかを確認することが重要です。違法建築の場合、将来的に是正命令を受けたり、融資が受けられないなどの問題が生じる可能性があります。
◆建ぺい率と容積率の超過: 物件が許可された建ぺい率や容積率を超えて建てられていないかを確認する必要があります。これを超過している場合、法的な制約により建築物の改修や取り壊しが必要になることがあります。
◆再建築不可のリスク: 物件概要書から、物件が再建築不可のエリアに位置していないかを確認します。再建築不可の場合、物件の老朽化に伴う建て替えができず、投資としての価値が大幅に下がることがあります。
◆立地条件のリスク: 交通アクセスや周辺環境など、立地条件から読み取れるリスクも考慮する必要があります。例えば、自然災害のリスクが高い地域や、環境問題が顕在化している地域では、将来的な価値の下落や運用コストの増大が予測されます。
これらのリスクは、投資判断の際に重要なファクターとなるため、物件概要書を詳細に分析し、適切なリスク評価を行うことが不動産投資の成功につながります。
どのくらいの利回りが見込めるか
この数字はあくまでも目安であり、実際の運用において記載されている利回りを下回ることも珍しくありません。正確な利回りを把握するには、実際の収支状況を詳しく確認することが必要です。
また、物件概要書に「現況利回り」と記載されている場合、それは現在のオーナーが運用している実績の利回りであり、具体的な投資の成果を示しています。この情報を利用して、投資判断を行うことが重要です。
物件概要書で必ずチェックすべき項目ベスト5
頭に浮かべてほしいのが「エンパーコウゾウザンヒロサ」という言葉。 「エン」は円=値段、 「パー」は=利回り、「コウゾウ」は構造=建物の構造、「ザン」は残=建物の残存年数、「ヒロサ」は広さ、物件の広さです。
これらの項目を事前にチェックすることで、予期せぬリスクを回避し、賢明な投資判断が可能になります。
1. 「エン」=物件価格
2. 「パー」=想定表面
3. 「コウゾウ」=構造
4. 「ザン」=残存年数
(例)建築時期が2010年、2024年現在なら築14年、 耐用年数34年―築14年=残存年数 「ザン」は19年です。
5. 「ヒロサ」=物件の広さ
【出口戦略】物件概要書を作成するときの注意点
物件概要書の作成には、正確かつ総合的な情報提供が重要です。物件の良し悪しを正直に記載し、所在地、価格、構造、建築年月など詳細情報を明記することで、購入者の判断材料とします。
また、法的規制への適合性も確認し、地域の開発計画の影響など将来の価値変動も考慮に入れるべきです。これにより、購入者とのトラブルを避け、安心して取引を進めることができます。
まとめ
ですから、読み解くには相当の時間もかかってしまいすが、物件概要書チェックに慣れて、効率よく分析できるように心がけましょう。
初心者は1件の物件概要書をチェックするのに10分以上かかるでしょう。そのペースですと、1時間に6枚しかチェックできないですよね。もし1分でチェックできるようになれば、1時間で60枚チェックできるようになります。高速チェック・高速分析できるように日頃からから訓練していきましょう。「エンパーコウゾウザンヒロサ」ですよ。
投資物件探しには欠かせない「物件概要書」。
効率の良い分析方法を覚えて、情報収集に活かしましょう!
この記事の監修者
不動産投資家/宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど
2010年、世田谷区内の中古区分ワンルームマンション購入から不動産投資をスタート。区分・一棟・戸建て・日本・海外…と幅広く不動産賃貸業を営む(2022年3月時点)。
現在は総合マネープロデューサーとして、人生におけるマネーリテラシーの重要性をメディアやセミナーなどで伝えている。年間のセミナー登壇数は300本を超える。
「満室バンザイ」(平成出版)、「不動産はあなたの人生を変えてくれる魔法使い 女性の願いを叶えてくれる最幸マイホーム購入術」(ごきげんビジネス出版)など執筆。
この「エンパーコウゾウザンヒロサ」という言葉をまるで呪文のように覚えてください。そして物件概要書を見る際に「エン」「パー」「コウゾウ」「ザン」「ヒロサ」それぞれの項目を見落とさないように調べましょう。チェック後、この物件は視察に値するかどうかの判断をしていきます。