利回りが高く魅力的な、地方での不動産投資。
注意点をおさえて慎重に進めましょう!
目次
地方の不動産投資物件は買いか、否か
そもそも「地方」とは
こうした地方のなかにも不動産投資に適しているエリアは、じっくりと吟味すればありそうです。
賃貸需要があるエリアかどうかが鍵
注目エリアは?
標準点(調査地点)別でみれば北広島市(北海道)の住宅地地点が上昇率上位10位内に5地点もランクインしています。道内から人口流入が進んでいる札幌地域ですが、北広島市は札幌都市圏とも言える地域で、郊外住宅地域として人気があり、札幌はもちろん空港のある千歳へ鉄道アクセスがよいエリアです。
加えて、23年に開場したプロ野球チームの新球場を中心とした複合施設のプラスイメージも大きく影響していると考えられます。また、新しく大きな施設ができると、そこで働く人、地域外の方々の住まいが必要となり、賃貸需要も生まれてくる可能性があります。
このように不動産投資を検討しているエリアの、地価動向がどのように推移しているかを確認し、地価上昇の背景とその影響を考えてみると、注目エリアを見つけることができます。
土地勘がある場所のほうが有利
出身地や元勤務地など、暮らした経験のある土地勘がある場所から、自身にとっての注目エリアを探してみるほうが、有利といえるでしょう。
将来性も欠かさずチェックを
これまでの地価推移や、今後の開発情報および人口動態予測などをチェックして、一時的ではなく将来にわたって、賃貸需要が見込めるかどうかも不動産投資に適しているか否かの見極めに重要なポイントです。
地方物件のメリット
利回りが高い
地方の物件は、東京や大阪といった大都市圏の物件と比べると、相対的に物件価格は低いため、仮に家賃収入が同じであれば利回りが高くなる可能性が大きくなります。
ライバルが少ない
そのため、空室が生じても積極的な対策を講じないケースもあり、入居者のニーズをとらえた物件を提供し、適切な維持管理を行っていけばおのずと魅力の高い賃貸物件となるため、成功できる不動産投資になる可能性が高いといえます。
物件価格が安い
初期コストや運用コストを抑えられるのは、不動産投資においてメリットといえます。
地方物件のリスク(デメリット)
空室リスクが高い
流動性が低い
立地や物件選定を十分に行い、満室運営ができる努力や工夫を重ねていく姿勢を大切にしましょう。
融資が受けにくい
また、その投資物件がある現地の金融機関でも、オーナーの生活実態なども含めて審査は慎重に行われます。融資を受けて、地方物件への投資を行う場合には、全国展開をしている金融機関など、居住地と投資物件が離れていても融資が受けられる金融機関を探しておく必要があります。
遠隔地物件の管理が難しい
賃貸住宅管理業法では、管理会社からオーナーへの定期的な業務報告が義務付けられていますが、管理業務の報告をどのような方法で、どれくらいの頻度で行ってくれるのか内容を比較検討しておく必要もあります。
地方で投資物件を選ぶ場合の注意点
駐車場が必要
投資物件を単身者向け、ファミリー向けにするのかによっても必要な台数は異なりますが、地方の投資物件には少なくとも1戸あたり1台の駐車場が必須と考えておきましょう。
流動性を意識した物件選びを
そのうえで、戦略的に計画的に不動産投資および運用を行い、第三者から「欲しい」と思わせる物件に育てていく姿勢も大切にしておきましょう。
管理会社との付き合いを大切に
管理業務をていねいに行ってくれる会社であるか否か、そして、こまめにコミュニケーションをとれる会社であるか否かを見極め、選んだ管理会社との日ごろのお付き合いを大切にしておきましょう。
地元とのつながりを意識
また、物件取得後も、時間を作って投資物件のあるエリアに足を運び、地元の不動産会社へのあいさつ回りを行ったり、新しい開発の動きなど街の変化にアンテナをはったり、地元とのつながりを意識しておく姿勢を大切にしましょう。
収支計画はシビアに
居住地と投資物件が遠隔になる場合、自分の目が行き届かない点も多くなるため、よりシビアに収支計画を検討しておく姿勢を大切にしましょう。
まとめ
また、どこの金融機関でも融資を受けられるとは限らないため、資金繰りや金融機関の選定、収支計画の検討も慎重に行う必要があるでしょう。
検討事項の多い、地方での不動産投資。しかし、不動産投資業者に勧められたからではなく、自分の資産を育てていくために、慎重な検討を重ねていく姿勢は、本来の不動産投資家のあるべき姿ともいえるのかもしれません。今回、挙げた注意点に留意しながら、地方での不動産投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
利回りが高く魅力的な、地方での不動産投資。
注意点をおさえて慎重に進めましょう!
この記事の監修者
![吉崎 誠二](/press/system/press_image/2022/08/02/Fv6gGv5QIj5qr8ER5efC2Ns5yHuUsuxpVxnjE_AvyRs/trim/3e321d988db3c80267d35991b709bdc1_m.png)
不動産エコノミスト/社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルなどを行うかたわら、ラジオNIKKEI「吉崎誠二の5時から”誠”論」などテレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。また新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は年間多数。
著書:「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社)など11冊。
どのような投資でもリスクがつきものです。不動産投資における「リスク」は利回りに反映されます。地方物件は、相対的に高い利回り物件が多いですが、その分、投資リスクは高くなります。そのため、しっかりとした目利きと地域業者との連携が必要です。