不動産投資で避けるべき危険エリアとは?知っておきたい判断基準

2024.02.05更新

この記事の監修者

寺岡 孝

寺岡 孝

【資格】不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー

不動産投資で避けるべき危険エリアとは?知っておきたい判断基準

不動産投資における危険エリアとは?「負動産」になりそうな物件を選ばないために知っておきたい特徴やポイントを解説します。

この記事のポイント
  • どんなにスペックの良い物件でも危険エリアに位置しているのであれば、将来、”負動産”になってしまう可能性も…。
  • 地価の推移や人口動態などの情報を追うことで、ある程度は安全エリアを見極めることが可能になります。
  • 物件購入~出口戦略まで、さまざまなリスクを考慮しながら計画を立て、不動産投資を行うようにしましょう。

目次

エリア選びにしくじった?「負動産」になった失敗例

不動産投資を行う上では見極めが難しいエリア選び。不動産の立地条件は変えようがないため大変重要なポイントです。

不動産投資における危険エリアの特徴と、「負動産」になりそうな物件を選ばないために、知っておきたいことは何か。ここでは投資物件のエリア選びに失敗した事例を見ながら解説していきましょう。

【実例1】東京23区内なら買い!は本当?

東京23区内であれば本当に買いなのでしょうか。
Aさんは不動産会社に勧められて23区内の新築ワンルームマンションを3000万円近くのフルローンで購入しました。購入時はサブリースで家賃保証付きだったため空室で家賃は入らないという心配はありませんでしたが、近隣の賃貸物件と比べると家賃は1割以上安く、収支は毎月赤字の状態で自己資金を持ち出しする状態でした。

そこで赤字を解消するにはどうすればいいのかを専門家に相談しました。アドバイスとして、「サブリースを解約して通常の相場家賃の収入であれば赤字は解消するでしょう。ただ、物件は最寄り駅から徒歩15分以上はかかる場所だから空室のリスクはかなりあります」との指摘を受けました。

Aさんはいろいろとシュミュレーションしてサブリースを解約することに。たまたまサブリース契約の終期が間近だったため、サブリースは揉めることなく解約できました。実際の入居者からの賃料はサブリースの賃料よりも15,000円も高く、これなら赤字も解消できると思っていました。

しかしながら、サブリース解約の3ヶ月後に入居者が退去する羽目にあい、入居者を募集することになりました。Aさんは1ヶ月後ぐらいには新しい入居者がすんなり決まるだろうと思っていましたが、実際にはなかなか決まらず、半年ほど空室の状態が続く結果となりました。賃料を値下げすればもっと早く入居者が決まるのではと各不動産会社に問い合わせをしましたが、「この物件は駅から遠いうえに、コンビニも近くにないから賃料を下げてもそう簡単には決まらない…」と、どの不動産会社も同じ答えでAさんはショックを受けました。

Aさんの物件選びはどうしてダメだったのでしょうか。
まず、いくら東京23区内とはいえ、最寄り駅から徒歩15分以上かかる物件は空室になりがちです。新築のうちは「新築」というプラス要因があるため、賃料が比較的高めでも入居者は決まりやすいものです。しかし築年数が経過するに従って賃料は下落傾向になりがちですから、元々立地条件が芳しくない物件となれば、いずれ厳しい局面になります。また、物件の近くに買い物ができるコンビニなどがないとマイナス要因にはなります。

この物件と同じ賃料で利便性の高い物件は他にたくさんありますので、条件の悪い物件は他の物件と競合負けして厳しくなります。

寺岡 孝
寺岡 孝
新築でも立地条件が悪い物件ほど家賃保証のサブリース契約は付いている
また、新築で投資マンションを販売する不動産業者は必ずサブリース契約で勧めてきます。Aさんが買った物件は立地条件が悪いため、なおさらサブリース契約付きでないとマンション自体が売れないことになります。新築時はサブリース賃料もそれなりであっても2年後、3年後にはサブリース賃料の見直しで、グッと賃料が値下げされる場合も少なくありません。

現在、Aさんは赤字累積が嵩むマンション投資を早くやめたいので物件を売りに出していますが、購入希望者がローン利用で買いたいと思っていても、多くの金融機関では「最寄り駅からかなり距離があって、立地条件が悪いために融資対象の物件にならない」と言われるありさまです。こうした背景から23区内でも立地条件が悪いと売却も難しくなります。

【実例2】地方は高利回り!の誘い文句があだに…

地方の物件は高利回りで儲かります?
関西圏に住むサラリーマンのBさんは不動産投資に興味があっていくつかのセミナーに参加していました。ある時、セミナーの主催者から「話だけでも聞いて欲しい」と不動産会社を紹介されました。とりあえずは話だけと思って不動産会社を訪ね、話を聞くことに。

その不動産会社からは地方の政令指定都市の物件を紹介されました。いわゆる中古の1棟モノの賃貸マンションで、最寄り駅は徒歩15分でも都内とは異なり、車での移動がメインのエリア。築25年程度の鉄骨造、全部で15世帯の物件、月75万円の賃料で年間900万円の賃料収入。

この賃料から表面利回りは8~9%程度ということでした。確かに表面利回りはかなりいい内容で魅力的な物件と感じたBさんは早速、購入希望の意思表示を不動産会社にしました。簡易的の収支計画ではフルローンで購入しても月に数十万円は手元に残るという内容でしたので、最終的には購入を決意したそうです。

原状回復と入居募集で150万の出費?!
購入して半年程度、マンション経営は順調に推移してお金も手元に残る状態でした。これなら将来は安泰でいずれ脱サラもできると考えていました。ところが購入して1年になるかならないうちに入居者の退去が立て続けに2件、3件となり、空室の状態となります。

元々サブリース契約での物件ではないため、管理会社を経由して入居者の募集をしてもらうことになりました。管理会社はこの物件が出来てからずっと、前オーナーの時代から管理委託を行っていたのでBさんも安心して管理委託をお願いしていました。退去後にオーナー負担の原状回復工事の請求がきて、Bさんはびっくりしたのです。1世帯当たり30万円以上の請求で、3世帯分でなんと100万円。

さすがにこれには不信感を抱き管理委託会社に問い合わせをすると、「入居者との賃貸借契約で経年劣化に伴う原状回復費用は築年数の経過ですべてオーナー負担となります」と…。管理委託会社はこの一点張りで結果的にBさんは原状回復の費用を負担することになりました。

これだけならまだしも、入居者の募集にはいわゆる客付けした不動産会社には広告費名目で賃料の2ヶ月分を支払う旨の募集広告を出していたのです。Bさんはそんなことも知らず、いずれにしても早く入居者を見つけて欲しいと管理委託会社に強く言いました。

ようやく3世帯の入居者が決まり安心した矢先、管理委託会社から入居者募集に関する費用請求がきました。賃料の2ヶ月分の広告費が3世帯分、仲介手数料が賃料1か月分で3世帯分、都合、賃料の9か月、約50万円の請求書が来たのです。

最初は広告費の意味合いがわからず、管理委託会社に聞くと「前オーナーが入居者募集した際に広告費を出していたから」とのこと。さすがにBさんもそんな話は聞いていないとクレームを言うも、管理委託会社は仲介した不動産会社には伝えているとのことでした。

渋々、Bさんは今回だけは広告費を支払うことにしました。結果的には3世帯の入退室の費用で約150万円の出費となり、収支的は丸々手元資金を持ち出しすることになってしまったのです。

購入物件は契約前に現地を見るべき
Bさんが物件選びに失敗した大きな要因は現地を確認しなかった点にあります。築年数が25年も経過していると物件の劣化や入居者の状況を現地で把握する必要があります。また、現地確認のついでに管理委託会社の評判など別の不動産会社から情報を得る必要もあります。

また、現状の収支内容の詳細や入居者との賃貸借契約書の確認も必要です。いくら地方の政令指定都市とはいえ、条件は23区とは全く異なりますので現地確認や収支内容をよく精査することです。

Bさんはこの物件を購入してから1年後に現地確認をしましたが、その感想は「契約前に見ていれば、いくら高利回りでもこの物件は買わなかった」と悔やんでいました。。

寺岡 孝
寺岡 孝

不動産投資で避けたい危険エリアとは?

不動産投資における場所選びは非常に重要です。

不動産投資で避けたい危険エリアとは、一口に言えば「賃貸需要がないエリア」と定義付けることができます。不動産投資は自己の保有している不動産を第三者に貸して賃料を得るというものですから、保有不動産を第三者に貸せない、つまり不動産を貸す需要がない場所は不動産投資ができないことになります。

では、こうした不動産投資で避けたいエリアを具体的に見ていきましょう。

交通のアクセスが悪い

交通の便が悪いエリアでは不動産投資がしにくいといえます。前述の事例でもお話しましたが、最寄り駅から遠いエリアでは空室のリスクや賃料の下落リスクが高まります。とくに、人口の多い東京23区内では競合する物件に競合負けする結果になります。また、鉄道路線でも本線ではなく支線のエリアでは都心などに出向く際に何度も乗り換えすることになり、賃料が近隣相場よりも安いとか入居率が悪いという傾向になりがちです。

加えて、地方都市では車が移動手段になりがちですから、幹線道路に出にくい、あるいは渋滞箇所が多いというエリアには賃貸需要は少ないとみるべきです。たとえば、都心でも東京メトロ丸ノ内線の分岐線で中野坂上から別れる方南町方面のエリアは、かつて近隣相場よりも安いところが多くありました。今は方南町から本線への直通運転が運行するようになったので、条件は良い方へ変わったといえます。

生活利便性が低い

日々の生活に欠かせない施設が周辺にない場合、賃貸需要は厳しいものがあります。コンビニやスーパー、ドラックストアなどの買い物する場所や病院、保育園や幼稚園、学校など最寄りにない場合は不動産投資には向かないエリアといえます。

賃貸需要が少ない

近年では人口減少の進み具合が早まっており、とくに地方での人口減少エリアでは賃貸需要も減少傾向にあるといえます。もともと充分に賃貸物件があるエリアであれば、その分人口減少や世帯減少で空室のリスクが高くなります。したがって、不動産投資では危険エリアとなります。

自然災害リスクが高い

日本は昔から自然災害が多い国です。地震にはとくに敏感といえ、活断層や液状化現象の場所を示す資料には目を通しておく必要があります。また、近年では台風などの水害のリスクが高まっており低地や河川沿いなど、水害が起きる可能性の高い場所は危険エリアといえます。

市区町村のハザードマップを確認することや、対象エリアに古くからある地元の不動産会社などに聞いて、自然災害のリスクが高いかどうかを判断する必要があります。

たとえば、23区の中でも隅田川の東側エリアである墨田、江東、江戸川、葛飾のそれぞれの区はゼロメートル地帯で水害の高いエリアです。都心だから大丈夫と思っていても万一のことを想定して不動産投資の対象地かを考える必要があります。

寺岡 孝
寺岡 孝

治安が悪い

物件周辺の治安が悪いエリアは、入居希望者が比較的少なく賃貸需要が少ないと考えておくべきでしょう。警察のホームページには犯罪発生状況などの統計データが公開されていますので。各警察署や小学校などの学区ごとの統計で犯罪発生状況が確認できます。

不動産投資初心者必見!エリアの見極め方

現状を鑑みながら将来にわたって安定した賃貸需要が見込めるエリアかどうかで不動産投資が成功するか否かの分かれ目となります。不動産投資初心者にとってエリアの見極めをどうすればいいのか見ていきましょう。

地価の推移を調べる

つい先だって地価公示の発表がありましたが、地価の推移はエリアを見極めるうえでは確認しておく必要があります。賃貸需要があれば地価大きく下落する傾向は少ないといえます。

もともと地価が高いエリアでもコロナの影響で一時的下落傾向にあったわけですが、コロナが終息すれば賃貸需要が復活しますので投資エリアの対象になります。

人口動態を調べる

不動産投資をするエリアでは人口動態の推移を確認しておく必要があります。人口減少が年々継続しているエリアでは投資対象のエリアとは見られません。また、年代別の動態も認識しておく必要があります。高齢者の多いエリアではなかなか賃貸需要が見込めない場合もありますので注視しておくべきでしょう。

ハザードマップを確認する

近年の自然災害の多さには驚くばかりですが、投資エリアを見極めるには自然災害は出来る限り避けたいものです。各市区町村のハザードマップで対象エリアがどうなっているのかは確認しておくことです。

地元密着の不動産会社にヒアリングする

投資エリアの古くから不動産会社を営んでいる地元の方々から話を聞くのも重要です。
ハザードマップには明記されていない事象や地元の人しか知らない話を確認してみましょう。

実際に足を運ぶ

不動産の購入や賃貸では物件の現地確認は非常に重要です。現地でしかわからないことが多くありますので、絶対に現地には行って現場を見ましょう。

前述の事例でもお話しましたが、購入前に現地確認をしていれば、物件は買わなかったという話はよくあります。
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所有する投資物件が危険エリアになったときの対処法

では、たまたま所有する投資物件が危険エリアに入ってしまった時にはどのような対処の仕方があるのでしょうか。ここから危険エリアに入ってしまった場合の対処法についてお伝えしましょう。

売却を考える

不動産投資の出口は最終的には売却という流れになります。条件さえ良ければ早期に売却をして別の不動産物件と資産入れ替えを考えるべきでしょう。賃貸需要が見込める間に売ってしまいましょう。

経営を見直す

たとえば、キャッシュで購入した物件であればそれなりの賃料収入が見込めます。したがって、早期に売却を考える前に保有物件の収支が悪化しないようにリフォームをしたり、何かしらの付加価値を付加したりして賃貸経営を継続していくことも考えてみましょう。

いずれ売却という出口に向かう前に物件を上手く活用しておくことがポイントかと思われます。

まとめ

ここでは、不動産投資における危険エリアはどういったものなのか、その特徴や投資エリアを考える際の注意点などについてみてみました。事前に、危険エリアに注意しながら、賃貸需要が見込めるエリアを見つけておけば不動産投資としては上手く行く近道になります。また、危険エリアを知ることでそのリスク対策も講じることが可能でしょう。

不動産投資は場所選びが最も重要な点であることが理解できます。

危険エリアを見極める目を養えば
「負動産」ならぬ「富動産」と出会えるかも!

この記事の監修者

寺岡 孝

寺岡 孝

【資格】不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー

アネシスプランニング株式会社 代表取締役。住宅コンサルタント、住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務後、2006年に同社を設立。個人住宅・賃貸住宅の建築や不動産売却・購入、ファイナンスなどのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、3000件以上の相談を受けている。WEBメディアに不動産投資についてのコラムを多数寄稿。著書に「不動産投資は出口戦略が9割」「不動産投資の曲がり角 で、どうする?」(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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