- どんなにスペックの良い物件でも危険エリアに位置しているのであれば、将来、”負動産”になってしまう可能性も…。
- 地価の推移や人口動態などの情報を追うことで、ある程度は安全エリアを見極めることが可能になります。
- 物件購入~出口戦略まで、さまざまなリスクを考慮しながら計画を立て、不動産投資を行うようにしましょう。
目次
エリア選びにしくじった?「負動産」になった失敗例
不動産投資における危険エリアの特徴と、「負動産」になりそうな物件を選ばないために、知っておきたいことは何か。ここでは投資物件のエリア選びに失敗した事例を見ながら解説していきましょう。
【実例1】東京23区内なら買い!は本当?
そこで赤字を解消するにはどうすればいいのかを専門家に相談しました。アドバイスとして、「サブリースを解約して通常の相場家賃の収入であれば赤字は解消するでしょう。ただ、物件は最寄り駅から徒歩15分以上はかかる場所だから空室のリスクはかなりあります」との指摘を受けました。
Aさんはいろいろとシュミュレーションしてサブリースを解約することに。たまたまサブリース契約の終期が間近だったため、サブリースは揉めることなく解約できました。実際の入居者からの賃料はサブリースの賃料よりも15,000円も高く、これなら赤字も解消できると思っていました。
しかしながら、サブリース解約の3ヶ月後に入居者が退去する羽目にあい、入居者を募集することになりました。Aさんは1ヶ月後ぐらいには新しい入居者がすんなり決まるだろうと思っていましたが、実際にはなかなか決まらず、半年ほど空室の状態が続く結果となりました。
賃料を値下げすればもっと早く入居者が決まるのではと各不動産会社に問い合わせをしましたが、「この物件は駅から遠いうえに、コンビニも近くにないから賃料を下げてもそう簡単には決まらない…」と、どの不動産会社も同じ答えでAさんはショックを受けました。
Aさんの物件選びはどうしてダメだったのでしょうか
しかし築年数が経過するに従って賃料は下落傾向になりがちですから、元々立地条件が芳しくない物件となれば、いずれ厳しい局面になります。また、物件の近くに買い物ができるコンビニなどがないとマイナス要因にはなります。
新築でも立地条件が悪い物件ほど家賃保証のサブリース契約は付いている
現在、Aさんは赤字累積が嵩むマンション投資を早くやめたいので物件を売りに出していますが、購入希望者がローン利用で買いたいと思っていても、多くの金融機関では「最寄り駅からかなり距離があって、立地条件が悪いために融資対象の物件にならない」と言われるありさまです。こうした背景から23区内でも立地条件が悪いと売却も難しくなります。
【実例2】地方は高利回り!の誘い文句があだに…
その不動産会社からは地方の政令指定都市の物件を紹介されました。いわゆる中古の1棟モノの賃貸マンションで、最寄り駅は徒歩15分でも都内とは異なり、車での移動がメインのエリア。築25年程度の鉄骨造、全部で15世帯の物件、月75万円の賃料で年間900万円の賃料収入。
この賃料から表面利回りは8~9%程度ということでした。確かに表面利回りはかなりいい内容で魅力的な物件と感じたBさんは早速、購入希望の意思表示を不動産会社にしました。簡易的の収支計画ではフルローンで購入しても月に数十万円は手元に残るという内容でしたので、最終的には購入を決意したそうです。
原状回復と入居募集で150万の出費?!
元々サブリース契約での物件ではないため、管理会社を経由して入居者の募集をしてもらうことになりました。管理会社はこの物件が出来てからずっと、前オーナーの時代から管理委託を行っていたのでBさんも安心して管理委託をお願いしていました。退去後にオーナー負担の原状回復工事の請求がきて、Bさんはびっくりしたのです。1世帯当たり30万円以上の請求で、3世帯分でなんと100万円。
さすがにこれには不信感を抱き管理委託会社に問い合わせをすると、「入居者との賃貸借契約で経年劣化に伴う原状回復費用は築年数の経過ですべてオーナー負担となります」と…。管理委託会社はこの一点張りで結果的にBさんは原状回復の費用を負担することになりました。
これだけならまだしも、入居者の募集にはいわゆる客付けした不動産会社には広告費名目で賃料の2ヶ月分を支払う旨の募集広告を出していたのです。Bさんはそんなことも知らず、いずれにしても早く入居者を見つけて欲しいと管理委託会社に強く言いました。
ようやく3世帯の入居者が決まり安心した矢先、管理委託会社から入居者募集に関する費用請求がきました。賃料の2ヶ月分の広告費が3世帯分、仲介手数料が賃料1か月分で3世帯分、都合、賃料の9か月、約50万円の請求書が来たのです。
最初は広告費の意味合いがわからず、管理委託会社に聞くと「前オーナーが入居者募集した際に広告費を出していたから」とのこと。さすがにBさんもそんな話は聞いていないとクレームを言うも、管理委託会社は仲介した不動産会社には伝えているとのことでした。
渋々、Bさんは今回だけは広告費を支払うことにしました。結果的には3世帯の入退室の費用で約150万円の出費となり、収支的は丸々手元資金を持ち出しすることになってしまったのです。
購入物件は契約前に現地を見るべき
また、現状の収支内容の詳細や入居者との賃貸借契約書の確認も必要です。いくら地方の政令指定都市とはいえ、条件は23区とは全く異なりますので現地確認や収支内容をよく精査することです。
Bさんはこの物件を購入してから1年後に現地確認をしましたが、その感想は「契約前に見ていれば、いくら高利回りでもこの物件は買わなかった」と悔やんでいました。
不動産投資で避けたい危険エリアとは?
不動産投資で避けたい危険エリアとは、一口に言えば「賃貸需要がないエリア」と定義付けることができます。不動産投資は自己の保有している不動産を第三者に貸して賃料を得るというものですから、保有不動産を第三者に貸せない、つまり不動産を貸す需要がない場所は不動産投資ができないことになります。
では、こうした不動産投資で避けたいエリアを具体的に見ていきましょう。
交通のアクセスが悪い
加えて、地方都市では車が移動手段になりがちですから、幹線道路に出にくい、あるいは渋滞箇所が多いというエリアには賃貸需要は少ないとみるべきです。たとえば、都心でも東京メトロ丸ノ内線の分岐線で中野坂上から別れる方南町方面のエリアは、かつて近隣相場よりも安いところが多くありました。今は方南町から本線への直通運転が運行するようになったので、条件は良い方へ変わったといえます。
生活利便性が低い
賃貸需要が少ない
自然災害リスクが高い
市区町村のハザードマップを確認することや、対象エリアに古くからある地元の不動産会社などに聞いて、自然災害のリスクが高いかどうかを判断する必要があります。
たとえば、23区の中でも隅田川の東側エリアである墨田、江東、江戸川、葛飾のそれぞれの区はゼロメートル地帯で水害の高いエリアです。都心だから大丈夫と思っていても万一のことを想定して不動産投資の対象地かを考える必要があります。
治安が悪い
不動産投資初心者必見!エリアの分析方法
地価の推移を調べる
もともと地価が高いエリアでもコロナの影響で一時的下落傾向にあったわけですが、コロナが終息すれば賃貸需要が復活しますので投資エリアの対象になります。
人口動態を調べる
ハザードマップを確認する
地元密着の不動産会社にヒアリングする
ハザードマップには明記されていない事象や地元の人しか知らない話を確認してみましょう。
実際に足を運ぶ
前述の事例でもお話しましたが、購入前に現地確認をしていれば、物件は買わなかったという話はよくあります。
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選ぶべき投資用物件は目的によって異なるため、利回りだけで判断できるものではなく、不動産投資初心者にとって物件選定はつまづきやすいポイントです。物件選びで失敗しないためには、良い不動産会社選びがとても重要。「RENOSY不動産投資」は、物件情報を独自のデータベースに蓄積し、投資価値の高い物件をAIを使って効率よく厳選し、提案してくれるサービスを提供しています。不動産投資初心者の方や物件選びに自信のない方にとっては心強いサービスです。
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所有する投資物件が危険エリアになったときの対処法
売却を考える
経営を見直す
いずれ売却という出口に向かう前に物件を上手く活用しておくことがポイントかと思われます。
まとめ
不動産投資は場所選びが最も重要な点であることが理解できます。
危険エリアを見極める目を養えば
「負動産」ならぬ「富動産」と出会えるかも!
この記事の監修者
不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー
アネシスプランニング株式会社 代表取締役。住宅コンサルタント、住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務後、2006年に同社を設立。
個人住宅・賃貸住宅の建築や不動産売却・購入、ファイナンスなどのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、3000件以上の相談を受けている。
WEBメディアに不動産投資についてのコラムを多数寄稿。著書に「不動産投資は出口戦略が9割」「不動産投資の曲がり角 で、どうする?」(クロスメディア・パブリッシング)など。
この物件と同じ賃料で利便性の高い物件は他にたくさんありますので、条件の悪い物件は他の物件と競合負けして厳しくなります。