サラリーマンは不動産投資でカモにされる!被害に遭わないための回避策

2024.03.15更新

この記事の監修者

安藤 新之助
安藤 新之助

不動産投資家/株式会社サクセスアーキテクト 代表取締役

サラリーマンは不動産投資でカモにされる!被害に遭わないための回避策

資産形成・不労所得に惹かれ始めるも業者の餌食となり後悔する人が後をたちません。カモられないための秘策を公開します。

この記事のポイント
  • 不動産投資はサラリーマンの副業としても人気ですが、カモにされたという報告も多く注意が必要です。
  • カモられた事例を把握し、物件購入は慎重に検討を!
  • 事前の回避策も漏れなくチェックしておきましょう。

目次

サラリーマンが不動産投資でカモにされる理由

不動産投資は安定した収入が入るうえ、購入後も管理委託できるシステムが確立しており、副業、資産形成として取り組みやすいのがサラリーマンのメリット。

一方、安定した収入があり、ローンが組みやすく、素人であるサラリーマンは不動産を販売するターゲットにしやすいことが業者側のメリットでもあります。

不動産投資のメリットを前面に出し、将来の不安に付け込むことで、サラリーマンがカモにされてしまう事例があとをたちません。

本業が忙しく投資判断を委ねがち

本業が忙しく、勉強する時間もないため「プロ」である業者にすべてを任せてしまうケースは一般的で珍しくありません。全くの素人を前に、不動産のプロである業者は思うように話を持っていくことができます。

ローンの審査に通りやすい

毎月安定した収入があるサラリーマンや士師業などの方は金融機関からの信用が厚くローンの承認が得やすいです。「ローンの承認が得やすい=不動産の購入も容易」。このメリットをうまく利用されてしまいます。

金融機関からローンを受けられる=物件はお墨付きである。この考えは危険ですから捨てましょう。

安藤 新之助
安藤 新之助

経営者としての意識、知識に乏しい

給料日になれば給与明細が渡され通帳に給与が振り込まれるものということが習慣化しており、自身で稼ぐ意識、税務、などの知識が乏しくリスク管理が甘くなりがちです。社内の文化に慣れてしまい、また経験のない分野だけに業者に信用、信頼をよせてしまいます。

サラリーマンとして将来に不安を感じている

30代半~40代で不動産投資に興味を持つ方は属性もよく、社会的信用も得ている人が多いです。給与水準も高く金融資産もストックしていますが、子供教育費や定年後の年金問題など何かと不安も多い年頃です。そんな弱み、不安要素を知らぬ間に突かれています。

カモられやすいサラリーマンの特徴3つ

カモられる人の特徴は、とにかくお金儲けをしたい、それも不労所得で儲けたいという気持ちの強い人です。業者からカモにされないためにも、自身がカモにされる可能性があるという危機感ももつことが大切です。以下の特徴に心当たりがある人は要注意です。

不動産投資を憧れで始める人

不動産投資家として成功しFIREを実現させれば他人に時間を拘束されず悠々自適。高級外車に乗り、海外旅行を満喫できる書籍やWEBからの情報を真に受け自分もFIREを最短最速で実現したいという思いが強い人は要注意です。

FIREの憧れが強く、リスク管理まで意識が向かない人が陥りやすい傾向にあります。この場合、どうしても脇が甘くなり業者の思いのままになってしまいます。

華やかに見える人も陰では想像以上に努力をしています。それなりに努力とリスクを負う気持ちが大切です。

安藤 新之助
安藤 新之助

運用や管理を他人に任せきりにする人

物件を購入すれば、あとは通帳を見るだけ。自身が管理運営に携わることを想定せず、すべて管理会社や不動産業者などのプロに任せればすべて安心、生涯安泰と思っている人も恰好のカモにされがちです。

本業が多忙で、管理運営に時間がなかなか割けない事情があるが、不動産投資で収益を得たいと思っている人が陥りやすいです。結果、運営に対するコスト管理、意識が薄く、せっかく得た収益も空室損や維持管理費に消えてしまいます。

不動産投資に関する知識が浅い人

情報誌や電話勧誘で不動産投資は物件探しから管理運営まで包括してプロにサポートしてもらえるものと思い、自身の勉強はほどほどで大丈夫と思っている人。

カモにされる人は勉強が浅く、自身の投資に対する考え、イメージをもっていないことが多いです。業者に言われるままに購入し、管理運営を任せる。業者から見れば一番ありがたいお客様になってしまいます。

よくある不動産投資のカモ事例とは?

資産形成、節税、年金対策などなど、お金の不安を解消させるべく、興味を惹く情報が巷にあふれています。良かれと思いその話に乗ったものの、結果的に業者のカモになってしまった事例をご紹介します。

入居者の質が悪い物件を勧められた【40代サラリーマン男性 既婚 上場企業勤務】

高利回りの一棟アパートを勧められ6,000万円で購入。グローバル化に対応した物件であることは聞いていたが、不法滞在の外国人が出入りしている事件性の絶えない訳アリ物件だったことが購入後に判明。家賃滞納、騒音、大声などによる近隣からの苦情は日常茶飯事で、退去後の客付けにも苦戦。

グローバル化に対応した物件という聞こえの良さ、高利回りの魅力にひかれてしまったところに落とし穴があったといえます。

高額ローンを組まされた【30代 サラリーマン男性 独身 公務員】

単身区分マンションを勧められるも、年収や資産背景からもローンが組めるか不安であったが、業者の推奨するノンバンク系の金融機関でローンを組むことができた。しかし後に、相場が4,000万ほどの物件を7,000万で買ってしまったことに気づいた。

相場より高額、高金利での購入にダブルパンチを受けてしまった失敗例です。さらに売却の際に大損する可能性も高く、投資回収どころではありません。

相場より低い家賃保証で契約をさせられた【30代 サラリーマン男性 既婚 中堅企業勤務】

家賃相場が10万円と説明をうけた単身区分マンションを9万円の家賃保証を付けて購入。直後に家賃相場が13万円であることが分かった。業者とマスターリース契約を結んだため、保証家賃の増額交渉は受け入れられず。

投資物件を購入する際は、物件価格のみならず、周辺の家賃相場・売却相場などあらゆるデータをリサーチする必要があるでしょう。また家賃保証を含むサブリース契約は、契約内容を詳細に確認しないと、思わぬ足かせとなる場合があります。

購入後まもなく一斉退去された【40代サラリーマン男性 既婚 一部上場企業勤務】

一棟アパートを3,600万で購入後、3か月程で全室一斉退去され、家賃収入がゼロになってしまった。さらに室内修繕と再度の募集で空室損と修繕費がかさんでしまった。大手の建設会社で前オーナーがサブリースしていた物件であったので安心していたが、まさか引き上げてしまうとは想定もしていなかった。

購入前に、入居者がどのような属性なのかを可能な限り確認することがポイントです。
とくに一括借り上げや同一の法人名義で一定数(目安は3割以上)の割合入居している場合、法人の業種ならびに契約期間の確認は必須です。

一斉退去された場合を想定し、ローンの返済原資や修繕費をストックするなどリスクに備えておくことが大切です。

不動産投資でカモにされないための5つの回避策

不動産投資でカモにされないためには、事前の回避策を持つことが大切です。

1.不動産投資の知識を身につける

書籍、セミナー、投資家仲間から情報を収集し知識を身につけることが大切です。知識をつけることで、自分自身のガイドラインができます。そのガイドラインを持つことで、購入にそぐわない物件、情報から身を守ることが可能になります。
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2.目的を明確にして投資をする

自分の目的を明確にすることで自身が求める物件が見えてきます。なぜ不動産投資をするのか? なぜこのエリアで物件を購入するのか?それにともなう購入条件を明確にすることが大切です。他人の情報に振り回されることがなくなり、リスク回避につながります。

3.メリットとデメリットを把握する

一般的にメリットに気持ちが向かってしまいがちです。しかし、その裏には必ずデメリットがあります。デメリットに対しきっちり対応できるか、乗り越えられるかを客観的に判断することが大切です。

4.少額不動産投資から始めてみる

不動産投資は数十万~数億まで投資スタイルはさまざまです。最初のうちは少額からスタートして不動産投資のイロハを体感し、規模を拡大しても遅くはありません。

5.物件のリサーチを綿密に行う

入居者属性ならびにトラブル履歴、近隣の取引事例、金融機関の金利相場、周辺の家賃相場など綿密にリサーチを行うことが大切です。初心者ほど可能な限りご自身で確認しておくことがポイントです。

リアルな現場を知らなければプロに委託し説明をうけてもイメージ、判断がつきにくいです。現場を知れば委託、指示もしやすくなります。

安藤 新之助
安藤 新之助

不動産投資のカモにされた場合の対策方法

物件紹介から契約、引き立たしまで順調で業者との関係も良好、カモにされないと思っていても、気がついたら被害にあっていたということもあります。しかも、その業者、担当者にも連絡がつかない・・・そんな困った状況の対策方法をご紹介します。

弁護士に相談する弁護士に相談する

やはり法のスペシャリストに相談することがベストです。弁護士の間でも専門性がありますから、不動産の事件を取組んだ実績のある弁護士に依頼することをお勧めします。知人、友人の紹介、もしくは都道府県の弁護士会の法律相談センターに問い合わせをしてみるとよいでしょう。

物件の売却を行う

購入したものの物件の運営に自信がない、思ったものと違う、運営不可能という判断にいたれば売却しかありません。金融機関から融資を受けていれば、その残債分と諸費用ならびに不動産仲介手数料など売却に伴う費用の準備が必要となります。
その際に損失分をカバーできるだけの財力が必要となります。

返済リスクが低減するまで運営を継続する

購入してしまった以上、運営をさけることはできません。ローンを組んでいる場合、満室経営を目指し毎月返済していけば、元金が減っていきます。残債が減れば売買価格を下げて売却することが可能となります。

まとめ

毎日、多くの不動産を扱い多くの人を接客し販売している業者に対して普通のサラリーマンの方々が普通に接していてはかなうはずありません。上手に応酬話法で納得させられ、購入させられてしまいます。

自分の身を守るためには不動産投資に関して学び、行動し、味方となる良きパートナーと出会うことです。客観的な目線、自身のガイドラインをもつことを、不動産購入の前にスタンバイできていることが必須です。

時間と費用など自己投資を惜しまず、フットワークをもって不動産投資に挑みましょう。
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この記事の監修者

安藤 新之助
安藤 新之助

不動産投資家/株式会社サクセスアーキテクト 代表取締役

高校卒業後、通算20年以上住宅業界に携わり、2008年不動産投資を開始。当時の年収400万円から7年で資産10億円と家賃収入1億円を達成し、42歳でサラリーマン生活を卒業しセミリタイア。

現在14棟214室を保有する実践不動産投資家としてwebコラム執筆やTV、新聞などのメディアに多数出演しながら、3法人を運営し不動産賃貸業ならびに不動産賃貸経営コンサルタントとして活動中。

「NOをYESに変える不動産投資最強融資術」(ぱる出版)を執筆。 

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。