サ高住経営は儲かる?よくある失敗の回避法と注意点【土地活用】

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この記事の監修者

秋津 智幸
秋津 智幸

公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/AFP/2級FP技能士

サ高住経営は儲かる?よくある失敗の回避法と注意点【土地活用】

広い土地を所有していて、相続税対策のために土地活用を考えている方に、サ高住(さこうじゅう)の特徴やメリット・デメリットについて解説します。

この記事のポイント
  • サ高住は高齢者向け賃貸住宅で、経営方式や初期費用、補助金を受けるための制度要件を満たすことがポイントです。
  • サ高住のメリットは補助金・節税効果が期待できる点、デメリットは投資額の大きさや転用の難しさです。
  • 経営を円滑に進めるには、制度の理解や複数プラン比較、信頼できる事業者の選定が鍵です。

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目次

サ高住(さこうじゅう)経営とは

土地活用として考えるサービス付き高齢者住宅(以下サ高住)は、アパート・マンション経営などと比べると建物の規模に基準があるため、相応の土地面積が必要とされます。一方、一般的な賃貸住宅を建てることができない地域でも土地活用できる可能性があります。その他、一定の要件を満たすことで補助金や税制優遇を受けられる点も特徴の1つです。

有料老人ホームとサ高住の違い

ここで有料老人ホームとサ高住との違いをくわしく見ておきましょう。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、老人福祉法第29条1項に規定され、都道府県知事等へ届け出ることで設置が可能な施設で、食事介助や入浴介助、健康管理などのサービスがある高齢者介護施設のことです。また、入居者の状況に合わせて以下のの3つのタイプがあります。

■介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、 都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受ける必要があり、厚生労働省が定めた運営、設備、人員配置の基準を満たさなければなりません。また、入所対象者は原則として65歳以上の要介護者である点が特徴です。施設によって費用やサービスは異なりますが、介護保険サービスを毎月定額で利用することができます。

■住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、基本的に60歳以上で自立して生活できる方や、要支援・要介護の方を受け入れる施設です。受け入れ条件は一律には定まっていませんが、例外的に年齢や条件に柔軟な施設もあります。また在宅介護のように、必要なサービスを自由に選択して利用できる点が特徴です。

■健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、 健康な高齢者のための施設です。介護が必要になると、介護付きの施設へ転居しなければなりません。

サービス付き高齢者向け住宅

一方、サービス付き高齢者向け住宅は、略して「サ高住」と呼ばれ、2011年「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の改正により誕生した高齢者向け住宅です。同法第5条に規定され、都道府県知事等に登録を行った高齢者向けの賃貸住宅になります。サ高住は基本的に身の回りのことは自分でできる自立した方向けの施設で、「60歳以上」「要支援又は介護認定を受けている」ことが入居条件となります。ただし、条件は施設ごとに異なるため、事前に各施設へ確認する必要があります。

またサ高住の入居者は介護保険サービスを利用することができ、サービス提供を行う介護サービス事業者を自由に選択したり、変更したりすることができます。とくに、入居するサ高住が、介護保険法に基づく特定施設入居者生活介護の指定を受けている場合は、その施設から介護保険サービスを受けられます。

サ高住の登録状況

今後、超高齢社会が続く日本では、2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、要介護高齢者人口が急増することが予想されます。そうした状況に伴い介護に関するニーズはますます高まるでしょう。実際、サ高住の施設数は制度開始以来増え続けており、2024年9月末時点で28万戸を超えました。

サ高住の入居者状況

国土交通省が2024年3月に公表したデータによると、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の入居者の60.5%は85歳以上で、次いで75~84歳の方が28.2%です。後期高齢者が占める割合は88.7%で、ほぼ9割を占めています。

また、介護度については、要介護1の方が21.8%と最も多く、次いで要介護2が19.9%、要介護3が15.0%、要介護4が13.2%、要支援1・2が12.8%、自立が8.6%、要介護5が8.4%となっています。
サ高住は2011年にスタートし、2023年の調査時点で12年が経過しています。この間に入居者の年齢は上昇し、要介護状態が進行していると考えられます。

もともと支援や介護が必要な高齢者が安心して長く暮らせる住宅として設計されているため、調査結果はその目的に合ったものだと言えるでしょう。

サ高住の経営方式は4種類

サ高住の経営方式には、以下の4つの種類があります。

1. 借地方式
2. 一括借り上げ方式
3. 委託方式
4. 自ら経営
それぞれくわしく見ていきましょう。

1.借地方式

借地方式は、土地の所有者がサ高住の事業者に土地(更地)を貸し出す方式です。土地を借りた事業者がその土地にサ高住の施設を建設し、運営も行います。つまり、建物の建設から運営まですべて事業者が担当します。土地の所有者は、借主であるサ高住の事業者から地代として賃料収入を得ます。

1の一括借り上げ方式と比べて、土地の所有者が自らの負担で建物を建てないため、初期投資はほとんどかかりません。また、経営にかかわることもないためリスクもほとんどありません。しかし土地を貸し出すだけなので地代の収入は借り上げ方式よりも低く、他の方式と比べても収入は最も低くなります。

2.一括借り上げ方式

一括借り上げ方式は、土地の所有者が建てた建物をサ高住を運営する事業者に貸し出して、サ高住の運営も任せる方式です。

土地建物の所有者は、その事業者から建物の賃料を受け取ることで収益を得ます。土地建物の所有者は自ら経営に参加することがないため、入居状況や制度改正などによる経営リスクを避けることができます。また建物を一括で借り上げしてもらうため空室リスクもなく、安定した収益を得ることができる点がメリットです。ただし、得られるのは賃料収入のみとなります。

一方、土地の所有者の負担でサ高住向けの建物を建てるため、初期費用の負担が大きく、リスクが大きい割に収入は限られます。加えて建物の用途がサ高住向けとなるため、貸出先が限定されます。そのため事業者が撤退した後に借り手がなかなか見つかりにくく、資金回収が難しくなるリスクがあります。

3.委託方式

委託方式は、土地の所有者が建物を建て、サ高住の経営(運営)は自らが行います。ただし、介護サービスなど運営の一部を他の専門業者に委託する方式です。基本的に入居者募集や各種メンテナンスなどは運営者である土地の所有者が行い、入居者からの賃料や介護サービスのサービス料などを運営者が受け取ります。委託部分は委託業者へ委託費を支払う必要があります。

自ら経営しているため空室で家賃が入らないなどのリスクを負いますが、一方で入居率が高ければそれだけ収益も良くなります。

4.自ら経営

土地の所有者が建物の建築から運営のすべてを行う方法で、介護サービスなどの専門性の高い知識や経験が必要になります。経営が軌道に乗れば収益も大きいですが、その分リスクも大きくなります。初期費用の大きさに加え、専門性の高い運営知識や経験がないと経営もおぼつかないため、素人が安易に運営することはおすすめできません。

とくに介護人材は不足しており確保することも大変な中、他の介護施設との差別化のためには介護の質の確保が求められます。新規参入者が十分なスタッフを確保することは難しく、介護保険やその手続きに関する知識、食事や他の介護施設などと連携できる関係性も必要です。これらが整わなければ、そもそもサ高住を開設できません。

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サ高住経営の初期費用と収益の目安

サ高住を土地活用として採用する場合、その運営方法によって初期費用や得られる収益が大きく異なってきます。投じる初期費用が大きいほど得られる収益は高くなる傾向がありますが、その分リスクも大きくなります。以下先に述べた4つの運営方法ごとに簡単な例を挙げて、初期費用と得られる収益についてみておきましょう。

1.借地方式

土地をサ高住の事業者に貸し出す方式であれば、土地を貸すだけなので、かかるとしても土地を更地にする程度の初期費用しかかかりません。リスクは最も低くなりますが、一方で収益性は他と比べて最も低くなります。

たとえば、土地の所有者が200坪の土地を老人ホーム事業者に土地を貸した場合、その地域の相場に応じた借地料を収入として得ることができます。仮に借地料が坪5,000円であれば、毎月100万円の収入が得られることになり、土地が元々更地ならば、とくに初期費用はかかりません。

2~4.借地方式以外の方式

サ高住でもどういった施設にするかで建物の規模や内装、設備などの仕様が大きく異なり、初期費用も変わってきます。

以下に方式ごとの特徴を示します。
■2.一括借り上げ方式
・建物の建築費だけで億単位の費用が必要

■3.委託方式
・初期費用は自ら経営する場合とほぼ同じ
・人件費は委託費に含まれるが、自ら経営する場合より支出が増えることが多い

■4.自ら経営する場合
・満室にならない状況でも人件費などが初期費用としてかかる
・居室数や賃料、提供サービス料金によって収益は千差万別
・初期費用や運営コストも個別設定に依存するため、正確な収支見積もりが必要

たとえば、200坪の土地にサ高住を前提とした建物を建設する場合、概算の例としては以下のようなイメージになります。
土地費自己所有
建物の規模300坪
建築費の目安300坪×建築単価100万円/坪=3億円
設備費の目安1,000~2,000万円
実際には消費税も必要になり、おおよそ上記の例でも合計で3億5,000万円必要になります。

一括借り上げ方式の場合は、家賃収入として収益を得ることになるため、たとえば、毎月坪当たり10,000円で建物を貸した場合は、
10,000円/月×300坪=300万円/月
この場合、初期費用(投資金額)3億5,000万円に対して年間では3,600万円の収入を得ることになり、投資に対する表面利回りは10.2%となります。

なお、サ高住の場合、建築にあたって要件を満たすことができれば、最大工事費の10%の補助金を受け取ることができます。しかし、大きな金額の初期費用が必要なことは変わりません。

サ高住経営に向いている立地

サ高住はアパートマンション経営と比べると、比較的郊外であっても需要が期待できると思われているようですが、実際はサ高住も利便性の高い立地が求められます。高齢者になると、徒歩による移動が大変になり、できるだけ自立した生活を行うには利便性の高い立地が入居者から好まれるためです。また、サ高住には介護サービスをはじめサービスを提供するための従事者が通勤しており、介護要員の確保が難しい昨今では通勤しやすい立地も必要となります。

一方、一般的なアパートやマンションが建設できない立地であっても、サ高住であれば建設できるケースがあり、その点ではサ高住を土地活用の対象として検討する価値があります。たとえば、市街化調整区域では、一般的な賃貸住宅を建設する許可がおりませんが、都道府県等の「開発審査会」で定められる一定の基準を満たすことで、例外的に建物の建設が許可されることがあります。その一定の基準として老人ホームやサ高住などが該当している都道府県もあり、そういった地域では、市街化調整区域内であってもサ高住だからこそ建設することが可能となります。結果として、サ高住が土地活用として適している場合があります。
実際、国土交通省のデータによると、サ高住が建てられているエリアの2/3は市街化区域であるものの、残りの1/3は市街化調整区域など一般的なアパートやマンションの建設が難しいところに建てられているというデータがあります。

市街化調整区域内での土地活用は難しいですが、サ高住であれば活用の可能性があります。そういった一般的な住宅の建設の難しい地域に比較的大きな土地を保有しているという方にはおすすめの土地活用だと言えるでしょう。

サ高住での土地活用のメリット4つ

土地活用において、サ高住を選ぶメリットには以下のようなものがあります。

1. 補助金と優遇制度がある
2. 需要が高い
3. 社会貢献ができる
4. 一般的な賃貸住宅が建てられない地域でも建てられる
それぞれ解説していきます。

【メリット1】補助金と優遇制度がある

サ高住では、一定の要件を満たすことで以下のような補助金や税制優遇を受けることができます

サ高住で事業者が受けられる補助金と税制優遇

上記の補助金や優遇措置の適用には、細かい適用条件があるため、必ず確認が必要です。

その他、住宅金融支援機構の融資要件が緩和されるなどの措置もあります。

補助金や税制優遇は、基本的に時限立法によるものなので、適用期間に限りがある点には注意が必要です。また、毎年見直しされる可能性があるため、サ高住を検討する場合は常に法改正などを意識しておかなければなりません。

秋津 智幸
秋津 智幸

【メリット2】需要が高い

前述の通り、今後も後期高齢者人口が増え続け、要介護高齢者人口が急増することが予想されているため、要介護であっても入居が可能な高齢者向け住宅に対するニーズは引き続き増えていくと考えられます。従って、サ高住を始めとする高齢者向け住宅への需要も伸びていく可能性が高いといえます。

賃貸住宅を経営する場合、空室は大きなリスクですが、サ高住であれば借りたい人(需要)が多く、一般的な賃貸住宅より空室リスクが低いと考えられます。そのため、安定した賃貸経営を実現しやすいでしょう。

【メリット3】 社会貢献ができる

サ高住は社会貢献にもつながります。超高齢社会を迎えた日本において、老々介護などが社会問題となっており、高齢者が安心して住める住宅を提供することは社会問題の解決に貢献することにつながります。もちろん事業を続けていく難しさはありますが、土地活用を通じて社会貢献ができることは、土地オーナーにとっても価値のあることでしょう。

【メリット4】一般的な賃貸住宅が建てられない地域でも建てられる

前述しましたが、サ高住などの高齢者向け住宅は、国がその建設を推奨しています。補助金や税制などの優遇措置があるだけでなく、本来は住宅などの一般的な建物を建てることができない市街化調整区域などでも特例的に建設が認められている都道府県があります。

そのため、本来は建物を建設しての土地活用が難しい市街化調整区域などの土地所有者にとっては、行政が建設を認める要件にサ高住があれば、土地活用が可能となります。

サ高住での土地活用のデメリット5つ

一方、サ高住には以下のようなデメリットがあります。

1. 投資額が大きい
2. 事業参入のハードルが高い
3. 法改正や制度改正が起きる可能性がある
4. 良い運営事業者と出会う必要がある
5. 他用途への転用が難しい
1つずつ見ていきましょう。

【デメリット1】投資額が大きい

サ高住を土地活用として行う場合、4つの方式があることをご紹介しましたが、そのうち借り上げ方式、委託方式、自ら経営する方式の3つは運営の主体は異なるものの、土地所有者の負担で建物を建設します。そのため、初期費用として建物の建築費が必要です。

とくにサ高住の場合、入居者に介護が必要となった場合に備えた設備にかかる費用や、サ高住の要件となるサービスを提供するための委託費といった費用が最初から必要となります。そのため、一般的な賃貸住宅より投資額が大きくなります。従って、その分投資費用の回収や事業が継続できなかった場合のリスクが大きくなってしまう点がデメリットです。

土地を貸し出す借地方式は、土地を賃借するだけなので、建物の建築費など大きな支出もなく、リスクが最小限になります。とくに市街化調整区域など一般的な賃貸住宅を建築できない地域であれば、サ高住を運営する事業者へ土地を貸すというのは一考の価値があります。

秋津 智幸
秋津 智幸

【デメリット2】事業参入のハードルが高い

サ高住は、補助金や税制優遇があるほか、高齢者人口の増加に伴って入居希望者もさらに増える可能性が高く、土地活用としての魅力があります。また、運営上で介護保険が適用されることで収入が安定的に入る可能性が高く、そういった点も魅力です。

しかし、サ高住を経営するには、建物や設備、提供サービスなどさまざまな要件を満たさなければなりません。登録制ではあるものの、要件を満たさなければ登録できません。一般的な賃貸住宅と比べると、参入障壁が高いと言えます。加えて、介護や介助、運営上の手続き、介護施設との連携など運営面でも専門性が高く、この点でも事業参入のハードルが高くなります。

【デメリット3】法改正や制度改正が起こる可能性がある

サ高住は「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の改正で創設された制度により誕生した高齢者向け施設です。法律に則って誕生した施設であるため、社会の要請に合わせて、今後、法改正や運営上の制度改正があった場合、それに対応していかなければなりません。創設されて13年経っていますが、高齢者人口の増加や介護保険の財源問題など今後の情勢次第では大きく制度内容が変わる可能性が高いと考えられます。

【デメリット4】良い運営事業者と出会う必要がある

サ高住を含む高齢者向け施設は急増しており、他の施設と差別化をする意味でも質の高いサービスを提供する必要があります。自ら経営する場合はもちろん、一括借り上げ方式や委託方式、借地方式でも運営がうまくいかなければ、事業収入や賃料収入が不安定になり、収入に影響が出る可能性があります。

とくに、サ高住の運営やその一部を委託する場合、より良い運営事業者を見つけることが土地活用成功のための要件となります。良い運営事業者を見つけるには、過去の実績やその事業者の運営方針などを比較して選ぶ必要があります。手間や時間がかかりますが、長期的に安定した土地活用とするには大切なポイントといえるでしょう。

【デメリット5】他用途への転用が難しい

自らの経営が失敗して撤退しなければならなくなった場合や、委託していた運営事業者が介護業の登録を抹消されたり、倒産したりして中途解約となり、サ高住の運営ができなくなった場合の想定もしておきましょう。

入居者のその後の生活拠点についてフォローするのも大変ですが、土地活用の視点から見れば、未活用の建物が残ってしまうことになります。基本的にサ高住を目的として建てられた建物は、独特な建物部分があるため、他用途への転用が難しくなります。

最も有効な手段としては、次のサ高住などの高齢者住宅事業を行ってくれる事業者を見つけることでしょう。ただし見つかるまでの間は、収入のないまま建物維持の費用やローン返済、固定資産税など税金の支払いをしなければならないため、費用負担がかさんでしまうリスクがあります。さらに、一般的な賃貸住宅と比べるとその空白期間が長引く可能性があります。

サ高住経営で失敗しないためのポイント3つ

最後に、サ高住経営で失敗しないための3つのポイントをお伝えします。

1. サ高住の制度要件等を確認しておく
2. 複数のプランを比較する
3. 信頼できる運営事業者を選ぶ
それぞれ解説していきます。

1. サ高住の制度要件などを確認しておく

サ高住を経営するには、サ高住としての登録要件を満たし、都道府県などに登録をしなければなりません。登録基準には建物や設備などに関する「ハード面」や、提供するサービス、契約内容に関するものが含まれます。これらの必須条件はすべて満たさなければなりません。また入居者についても要件があり、要件を満たさない方の入居は認められていません。

ハード面の登録基準

サ高住の登録基準には、以下のような「ハード面」の要件が含まれます。

居室の床面積
原則25m2以上であること

耐震基準
建物構造として現行の耐震基準を満たす耐火または準耐火構造であること

バリアフリー構造
廊下の幅や段差解消、手すりの設置、各部屋に水洗便所や浴室、収納スペースなどがあること

提供サービスの必須条件

サ高住では、原則として指定の有資格者や法人職員が日中常駐し、状況把握(安否確認)や生活相談ができる体制が求められます。常駐していない時間帯は、緊急通報システムにより対応が必要になります。

入居者との契約における制約

契約内容についても以下のような制限があり、入居者の居住の安定を守る内容が求められます。

契約解除の制限
長期入院を理由に事業者側が一方的に契約を解約できないこと

金銭の徴収制限
敷金や家賃、サービス提供料以外の金銭を徴収しないこと
こうした要件をすべてクリアしなければ、サ高住として運営することができません。サ高住の経営で失敗しないためには、ハード面だけでなく、入居者との契約内容まできちんと理解しておく必要があるでしょう。

サ高住の施設数規制について

サ高住は急激に施設数が増えてきているため、地域によっては施設数が高齢者数に見合っていない点が指摘されています。そのため、自治体による施設数の上限設定や総量規制が実際に検討されています。サ高住の運営を検討されている方は、今後の展開を注視する必要があるでしょう。

2. 複数のプランを比較する

同じサ高住であっても、登録基準を満たしていれば、建物や設備、提供サービスの違いによってまったく異なる施設になります。また、競合する施設があった場合、その違いが差別化に繋がります。

土地活用でサ高住を選ぶ場合でも、一般的なアパートやマンションと同じように、入居者の需要や収益性を十分に考慮することが必要です。サ高住の初期費用や収益性を見据え、建物や間取り、設備について複数のプランを比較検討することで、より適した選択ができるでしょう。

また、サ高住の経営方法として前述した4つの方法からいずれの方法が自分に適しているのかを比較検討するのも、土地活用で失敗しないために重要なポイントです。

3. 信頼できる運営事業者を選ぶ

サ高住では、状況把握や生活相談といった必須のサービスがあります。自ら経営する方式でも、サービスを一部委託する場合や全部を委託する場合では、専門の事業者の選定が必要です。また、一括借り上げ方式や借地方式の場合でも、安定した収入を得るためには、実績が豊富であり、運営体制が整っており、かつ信頼できる事業者を貸出先として選定しなければなりません。

いずれの場合でも、事業者を選定する際は可能な限り複数の業者を比較するようにしましょう。また、運営事業者を探す際には、土地活用の専門家に相談することも一案です。

サ高住経営で失敗しないために、
土地活用の専門家に相談しながら準備を進めるとよいでしょう!

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まとめ

サ高住の特徴やメリット、デメリット、経営する上でのポイントについてお伝えしてきました。サ高住にはいくつかの課題があります。投資額の大きさ、他用途への転用の難しさ、運営に必要な専門性の高さ、そして従事者や関係先の確保が非常に困難であることなどが挙げられます。

従って、経験のない一般の土地所有者が安易に参入できるものではありません。これから土地活用としてサ高住を検討される際は、借地方式や一括借り上げ方式を中心に検討することをおすすめします。

社会貢献にも繋がる土地活用「サ高住」
広い土地をお持ちであれば検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

秋津 智幸
秋津 智幸

公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/AFP/2級FP技能士

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。横浜国立大学卒業。

神奈川県住宅供給公社を経て、不動産仲介業者に従事した後、2011年に個人事務所として不動産サポートオフィスを開設。自宅購入、不動産投資、賃貸住宅など個人が関わる不動産全般に関する相談・コンサルティングを行う他、不動産業者向けの企業研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム、記事等の執筆・監修にも取り組んでいる。

主な著書に「貯蓄のチカラ~30歳からのおカネの教科書」(朝日新聞出版)などがある。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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