- 新NISAとは2024年から開始された投資促進制度、J-REITとは金融商品の1つで不動産投資信託のことです。
- J-REITを新NISAの成長投資枠で活用することで、不動産投資の利点を享受しつつ、税制面でのメリットも得られます。
- 新NISAの特徴を理解し、J-REIT投資のメリットとデメリットを十分に考慮したうえで、長期的な視点での資産運用を心がけましょう。
目次
新NISAの基本をわかりやすく紹介します
J-REIT投資は少額から始められるといったメリットがある一方で、節税効果がなく、不動産市場の影響を受けやすいことが難点です。そのため、ご自身の投資目的やリスク許容度に合った銘柄を選ぶようにするほか、分散投資を意識する必要があります。
まずは、新NISAの概要と旧NISAとの違いについて見ていきましょう。
新NISAとは?
また、生涯非課税限度額が1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)に設定されており、長期的な資産形成にも適しているでしょう。口座開設期間が無期限であることや、売却後の投資枠の再利用も可能で翌年以降に使用できることも新NISAの大きな特徴です。
旧NISAとの違いは何?
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 非課税保有期間 | 無制限 | 無制限 |
| 制度(口座開設期間) | 恒久化 | 恒久化 |
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額(総枠) | 1800万円 | 1200万円(内数) |
| 投資対象商品 | 長期・分散投資に適し、金融庁の基準を満たした投資信託 | 上場株式・投資信託等 |
| 対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
さらに、非課税期間が無期限になり、制度自体も恒久化されました。また、新NISAでは保有商品を売却すれば、投資元本分の非課税枠を翌年以降に再利用することができます。
リートとは?J-REITって何?
リートとは?
J-REITとは?
また、運用は不動産のプロが行うため、投資家自身が直接不動産を管理する手間がかかりません。株式と同様に証券取引所で売買が可能であるため、流動性が高いだけでなく、必要に応じて資金を引き出すことも容易でしょう。
新NISAにJ-REITを組み込むメリット

少額から投資が可能
また、実物不動産では物件にかかる保険料や修繕費などの維持コストを負担しなければならない一方、J-REITであれば運用会社に任せられます。そのため、不動産投資に興味があるものの、金銭面でハードルの高さを感じている方にとって挑戦しやすいといえるでしょう。
安定した利益が得られる
また、J-REITの多くは複数の不動産物件に投資を行っており、値動きの異なる不動産に分散投資することで、リスクの軽減を図っています。このような租税特別措置法や分散投資戦略により、より安定したリターンを目指すことができます。
売却益が非課税で済む

新NISAにJ-REITを組み込むデメリット
金融商品であり不動産投資のような節税効果がない
新NISAでは売却益や分配金が非課税になる一方で、不動産投資特有の節税メリットは享受できない点に注意が必要です。そのため、不動産投資による節税を主な目的としている投資家にとって、新NISAでのJ-REIT投資は魅力を感じられないでしょう。
不動産市場の変動が影響する
地震や台風、火災などの災害が発生した場合、物件の損害や運営コストの増加、賃貸収入の減少、不動産価格の下落もあります。新NISAは長期分散を前提としていますが、その期間中の不動産市場の変動が投資収益に直結するため、ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて投資判断を行うことが大切です。
新NISAでJリート銘柄購入をするならここがポイント
J-REIT銘柄選びは慎重に

新NISAは長期投資が前提となるため、一時的な高分配金よりも、安定性と成長性のバランスが取れた銘柄を選ぶことが欠かせません。
時間を分散させて投資する
複数の商品と組み合わせて分散投資をする
たとえば、株式や債券、海外リートなどの異なる金融商品を組み合わせれば、いずれかのパフォーマンスが悪化しても、ほかでカバーすることが可能です。また、J-REIT内でも、オフィスや商業施設などの異なる銘柄への分散投資を意識すれば、特定の不動産市場の変動リスク軽減につながります。
J-REITは成長投資枠での購入がおすすめ
さらに、インフレヘッジとしての性質も持ち合わせており、不動産価値や家賃収入がインフレに連動して上昇する傾向があります。そのため、インフレ時代においてリスクヘッジの手段として有効な選択肢といえるでしょう。
まとめ
時間を分散して投資するほか、他の金融商品と組み合わせるなどして、ご自身の投資目的やリスク許容度に合った適切な投資判断を行うことが大切です。新NISAの特徴を理解し、J-REIT投資のメリットとデメリットを十分に考慮したうえで、長期的な視点での資産運用戦略を立てるようにしましょう。
初心者にもおすすめの新NISA×J-REIT投資。投資目的やリスクを明確にし、長期的な資産運用を目指しましょう!
この記事の監修者
投資家/証券外務員一種/2級FP技能士
新卒時に野村證券入社。新人時に営業成績東海地方1位を獲得。2016年より不動産を購入。現在7棟を所有。2019年より独立系ファイナンシャルアドバイザーとして主に富裕層向けに資産活用のアドバイスを行うほか、一部上場企業の社員向けセミナー講師としても活躍。オンラインサロン「em会」にて金融知識の啓蒙に務める傍ら、地域活性事業など活動も行う。東京駅に近いバイリンガルスクール「WONDER KIDS BILINGUAL PREP SCHOOL」オーナー。「元証券ウーマンが不動産投資で7億円」など執筆。
J-REITはあくまでも金融商品であり、不動産賃貸業とは異なる点を認識しておきましょう。