注目の不動産クラウドファンディング!仕組みを徹底解説します

2023.10.04更新

この記事の監修者

八木エミリー

八木エミリー

【資格】証券外務員一種/2級FP技能士

注目の不動産クラウドファンディング!仕組みを徹底解説します

この記事では、少額から始められる不動産クラウドファンディングの仕組みや投資先の見極めポイントを解説します。

不動産クラウドファンディングは
仕組みの理解と投資先の見極めが肝心!

目次

不動産クラウドファンディングとは?

不動産クラウドファンディングとは、不特定多数の人と共同で不動産に関連した事業へ投資することです。不動産賃貸業や空き家・老朽化した建物の再利用など、何らかの事業を行いたい事業者が投資家から資金を募り、不動産の売買や賃貸、リフォームなどを行います。

事業で得た家賃収入や売買差益が、投資家の出資比率に応じて還元される仕組みです。

現物の不動産投資との違い

不動産クラウドファンディングと現物の不動産投資では、必要資金や手続きにかかる手間が異なります。

不動産を購入するには最低でも数十万円から数百万円の現金(頭金や諸経費など)が必要となり、物件価格の大部分をローンで賄うケースが一般的です。物件を保有中も維持費がかかります。一方、不動産クラウドファンディングは少額でも始められる手法です。

また、現物の不動産を購入する際、各種手続きや管理の手間がかかりますが、不動産クラウドファンディングの手続きはオンラインで完結できるため、現物投資のような手間がかかりません。

月いくらから?誰でもできる?

不動産クラウドファンディングは、最低1万円から始められます。少額から投資できるため、初心者にも向いていると言えるでしょう。

そのほか、不動産クラウドファンディングに向いている人の特徴を以下にまとめました。

・不動産投資に興味があるものの、専門知識に不安がある人
・本業で忙しい人
・インカムゲインを得たい人

不動産クラウドファンディングでは、物件の管理・運営、取り引きに関する手続きなどは事業者が行います。「不動産に投資してみたいけど、現物への投資はハードルが高い」「本業が忙しくて時間がない」と感じる人に向いています。

また、不動産クラウドファンディングの主な収益は家賃収入のため、安定的にインカムゲインを得たい人にも向いているでしょう。

不動産クラウドファンディングの種類にはどんなものがある?

不動産クラウドファンディングは「不動産特定共同事業」と呼ばれる事業の1種で、代表的な種類には「匿名組合契約型」「任意組合契約型」があります。

また、2017年における不動産特定共同事業法の改正に合わせて、小規模不動産特定共同事業が創設されました。この事業の創設で、より多くの事業者が不動産クラウドファンディングを行えるようになりました。

匿名組合契約型

匿名組合契約型は、事業者が事業の主体・投資家が匿名組合員となるタイプです。1万円から始められる不動産クラウドファンディングの多くは、こちらのタイプになります。

投資対象である不動産の所有権は事業者のみが保有し、投資家が得た利益は雑所得に該当します。投資期間は数か月など、比較的短期で終了するケースが一般的です。

任意組合契約型

任意組合契約型は「投資家と事業者が共同で事業に出資する」という契約形態です。

投資対象である不動産の所有権は、投資家と事業者が共同保有します※。そのため、現物の不動産投資と同様に、投資家が得た利益は不動産所得に該当します。

※厳密にはファンドによって条件が異なるため、投資する前に必ずご確認ください

投資期間は数年・最低投資金額は100万円からなど、運用期間は比較的長期・最低投資金額は比較的高額です。

小規模不動産特定共同事業

事業者が不動産特定共同事業を行うためには、資本金や純資産といった複数の項目で所定の要件を満たし、国土交通大臣や都道府県知事などの許可を受けなければなりません。

「空き家を活用した事業がしたいけど、所定の要件を満たせない…」という小規模な事業者のために要件を緩和して創設された事業が「小規模不動産特定共同事業」です。

これは、不動産特定共同事業のうち、投資家1人あたりの出資額が原則100万円以下、投資家からの出資総額が1億円以下のタイプを指します。

ソーシャルレンディング・REIT(リート)との違い

ソーシャルレンディングやREIT(リート)は、不動産クラウドファンディングと混同されやすい投資手法です。これらは少額から始められる投資ですが、投資の趣旨や仕組みが異なります。

ソーシャルレンディングとの違い

ソーシャルレンディングは、企業に出資して(=お金を貸し付けて)、企業からの返済による利息を得る手法です。不動産事業に関するファンドもありますが、ソーシャルレンディングの目的はあくまでも「融資」です。

事業者と共同で不動産を用いた事業を営む不動産クラウドファンディングとは、投資の趣旨が異なります。

REIT(リート)との違い

REIT(リート)は、不動産投資信託という投資信託の一種です。

「少額から始められる」「不特定多数の投資家が出資する」という点は不動産クラウドファンディングと似ています。ただし、REITは株式と同様に市場で売買されるため、不動産クラウドファンディングよりも流動性が高く、市場や景気の動向によって資産価値が変動しやすい手法です。

不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット

不動産クラウドファンディングのメリット・デメリットを解説します。

不動産クラウドファンディングのメリット

不動産クラウドファンディングのメリットは、資金面や手続きにおいて手軽なことです。

少額からでも投資ができる

不動産クラウドファンディングは、最低投資金額1万円から始められます。投資初心者でも始めやすい手法です。

高い利回りが期待できる

利回りはプロジェクトによって異なりますが、想定利回り※5~8%など比較的高いリターンを期待できる可能性があります。
※期待できると想定される利回りであり、実際に得られる保証はありません

現物の不動産投資でも、想定利回り5%を超える物件は多数存在します。しかし、手間がかからない点や多額のローンを組まずにリスクを抑えられる点を考慮すると、不動産クラウドファンディングは利便性の高い手法と言えるでしょう。

手間を掛けることなく運用できる

不動産クラウドファンディングでは、基本的な物件の管理や運用を事業者が行います。手間をかけずに気軽に投資できる点はメリットです。

任せられる分便利さはありますが、不動産投資をしているという実感がなく、賃貸経営の経験が積めるわけではないので、不動産投資の入り口として考えるには不向きです。 どちらかと言えば金融商品に似た立ち位置で考えると良いでしょう。

八木エミリー
八木 エミリー

社会貢献の性質がある

不動産クラウドファンディングは、空き家問題や地方の人口減少といった社会問題を解決させる可能性を秘めています。

たとえば「空き家を活用して地方を元気にしたい」と考える人がいたとしましょう。しかし、担保となる不動産の価値が低いと金融機関からの融資を受けられず、事業に必要な資金を確保できない可能性があります。

不動産クラウドファンディングで資金を募ることができれば、空き家や老朽化した建物の有効活用をしやすくなります。不動産クラウドファンディングには「事業に共感して投資する」といった側面があるため、社会貢献へつながる事業への出資を目的とするのも手です。

不動産クラウドファンディングのデメリット

不動産クラウドファンディングは事業への投資であるため、複数のリスクが伴います。

配当が少なくなる可能性がある

各プロジェクトには、リターン(配当など)の目安として「想定利回り」が記載されています。想定利回りとは、賃貸経営において満室だった場合など、事業が計画どおりに進んだことを想定したリターンです。記載されている利益が確実に得られる保証はない点にご注意ください。

事業者選びを間違えると倒産する可能性がある

不動産クラウドファンディングに関する事業者には、不動産を管理・運営する事業者だけでなく、その事業者と投資家の仲介を行う事業者が存在します。

投資家保護の観点から、一定要件を満たした事業者のみがクラウドファンディングで募集できる仕組みですが、事業者選びを間違えると損失を被るリスクが高くなります。プロジェクトに関わっている事業者について、しっかりと確認しましょう。

出資金が満額戻ってこない可能性がある

不動産クラウドファンディングは、不動産を用いた事業への投資です。元本が100%保証される仕組みではない点にご注意ください。

テナントの家賃滞納リスクがある

「空き家を活用してテナントへ賃貸する」など、テナントへの賃貸を目的としたプロジェクトに投資するとします。この場合、投資家の利益は家賃収入です。テナントが家賃を滞納した場合、想定した利益を得られない恐れがあるでしょう。

そのほかのデメリットとして、現物の不動産投資では使える融資そのものが利用できないため、レバレッジがかけられない点があります。

八木エミリー
八木 エミリー

不動産クラウドファンディングを始める手順

不動産クラウドファンディングを始めるには、最初にプロジェクトの募集を行う事業者の公式サイトへ登録します。クラウドファンディングを行う事業者は複数あるため、各社を比較して気になるところへ登録してみましょう。

具体的な手順は以下4つのステップです。
STEP1:ファンドの情報が公開される
STEP2:募集開始・申し込み
STEP3:運用開始
STEP4:運用終了・元本の償還など
クラウドファンディングは募集期間や運用期間が決まっているため、各プロジェクトの詳細をご確認ください。運用が終了すると、元本の償還や配当の還元が行われる仕組みです。

不動産投資クラウドファンディングの見極めポイント

不動産クラウドファンディングの投資先をどのように選定するべきか、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。投資先の見極めポイントを具体的に解説します。

運用事業者の信頼性

不動産クラウドファンディングの募集を行う事業者には、自社で募集・運営を行うケースと、実際に運営する事業者の代理で募集を行うケースがあります。
・プロジェクトの仕組み
・関連会社の実績
・関連会社の基本情報(資本金、上場・非上場など)
・掲載されているファンドの種類
上記の項目について、複数社を比較してみてください。

運用期間

不動産クラウドファンディングでは、運用期間が決まっています。数か月で終了するプロジェクトもあれば数年かけて運用するプロジェクトもあるため、投資する前に詳細を確認しましょう。

一般的に、クラウドファンディングは中途解約ができないため、短期・長期どちらにしても余剰資金で行うことが大切です。

長期運用のメリットは、長期的に安定した利益を得られる可能性があることです。運用期間中に分配金を得られるプロジェクトを選べば、定期的な収入を期待できます。

短期運用のメリットは、想定外の事態で損失を被るリスクを長期運用よりも抑えられることです。将来の出来事は誰にも予測ができません。運営会社や管理会社の財務状況、景気など長期よりも短期の方が見通しを立てやすいと言えます。

不動産情報の開示量

投資対象である物件のスペックについて、詳細に情報開示されているかどうかも重要です。

たとえば、不動産クラウドファンディングの目的が賃貸経営であれば、家賃収入が投資家の利益です。所在地、周辺環境、設備、広さといった「住みやすさ」が入居者募集に影響します。耐震性や施工会社といった安全性の確認も必要です。

「投資でどれだけ儲かるか」に意識が向きがちですが、利回りだけでなく、物件に関する多くの情報が開示されているかどうかもチェックしてみてください。

案件の規模

不動産クラウドファンディングでは「抽選」「先着」など、募集枠が限られているケースがあります。募集開始のタイミングですぐに申し込みできるように、気になる案件のスケジュールを確認しておきましょう。

また、各プロジェクトには1口(または最低投資金額)〇万円、募集口数(または募集金額)〇万円のように記載されています。前者は個人が投資できる最低金額、後者はファンドが募集している金額です。

気になるプロジェクトに応募しても、募集金額に満たない場合は案件が不成立になる可能性があります。一般的に、不成立になった場合は申し込み時の金額が返還されますが、どのような取り扱いになっているか確認しておくとよいでしょう。

出資の割合

不動産クラウドファンディングは、投資家と事業者が共同出資して事業を行う仕組みです。投資である以上、成功するとは限りません。たとえば、不動産売却時に損失が生じた場合、元本割れのリスクがあります。

そのリスクを軽減させる手段の1つが「優先劣後方式」です。優先劣後方式では、投資家が優先出資を行い、事業者が劣後出資を行います。万が一、売却損が生じた場合、損失分の負担は劣後出資をした事業者から行う仕組みです。事業者の出資分で損失を賄えない場合に、投資家の元本が毀損することになります。

投資先を選定する際は、以下についてご確認ください。
・優先劣後方式の仕組みを用いているかどうか
・優先出資(投資家分)・劣後出資(事業者分)の割合

まとめ

不動産クラウドファンディングは、不動産投資を少額から始めたい人に向いている手法です。不動産を活用した事業への投資であるため、プロジェクトによっては社会貢献にもつながります。

ただし、元本が保証される訳ではないため、投資先を見極めることが重要です。クラウドファンディングの仕組みを理解し、関連事業者や物件の情報を確認したうえで投資しましょう。

この記事の監修者

八木エミリー

八木エミリー

【資格】証券外務員一種/2級FP技能士

新卒時に野村證券に入社。新人時に営業成績東海地方1位を獲得。2016年より不動産を購入。現在7棟を所有。2019年より独立系ファイナンシャルアドバイザーとして主に富裕層向けに資産活用のアドバイスを行うほか、一部上場企業の社員向けセミナー講師としても活躍。オンラインサロン「em会」にて金融知識の啓蒙に務める傍ら、地域活性事業など活動も行う。東京駅に近いバイリンガルスクール「WONDER KIDS BILINGUAL PREP SCHOOL」オーナー。「元証券ウーマンが不動産投資で7億円」など執筆。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。