投資用マンションの資産価値は
出口戦略だけでなく安定収益の目安にもなります。
目次
投資用マンションの資産価値とは
そんな時、所有マンションがいくらで売却できるかが重要となってきます。高い売却益を得て、不動産投資を成功させるためには「資産価値」の高いマンションを選ぶことが大切です。
マンションの資産価値とは、マンションを資産として考えたときに、どれくらいの価値があるのか具体的な金額で評価したものです。物件の価値は日々変動していきます。たとえば街の再開発の影響で、3,000万円で購入したマンションが10年後に5,000万円に高騰することもあれば、供給過多により2,000万円に下落することもあります。
不動産投資にて長期の安定収益を確保するためには、資産価値が落ちないマンションを購入するということがとても重要です。資産価値が落ちないということは、賃貸需要があり、家賃を下げる必要もないということなので、長期に渡り安定した収入が見込めます。
売却価値と収益価値
「売却価値」は、購入価格に比べてそのマンションがどれくらい高く売れるかを示すものです。マンションは木造一戸建て住宅に比べて耐用年数が長いため、築30年を過ぎていたとしても高く売却できる可能性があります。耐用年数は法的に決まっており、マンションのような鉄骨コンクリート造の建物は47年、木造一戸建て住宅は22年となっています。
「収益価値」は人に貸すことで毎月どれだけの家賃収入になるのかを示すものです。築年数と共に購入時と比べて売却価格が下落してしまっても、賃貸にした時に収益が出せる物件なのであれば、「収益価値」の観点からは資産価値が高い物件だといえます。
資産価値が落ちにくいマンションの特徴5つ
【1. 駅近など立地が良い】
また、立地条件を考えるときに重要なのが、具体的には以下の4つのポイントをチェックしましょう。
ポイント①「最寄り駅から近いか」
ポイント②「人気のエリアかどうか」
毎年、さまざまなメディアで「住みたい街ランキング」が発表されていますが、その上位にランクインするエリアは、やはり安定的な人気を誇っています。また、再開発が進められているエリアなどは、今後さらに人気が高まる可能性があるのでチェックしておきましょう。
ポイント③「人口が多い地域かどうか」
人口が多いエリアは周辺施設が充実している、都心に近い、都心へのアクセスが便利、住みやすい環境が整っているなどの理由から人気のエリアとも言えます。人口が変動しない、増加が見込まれるエリアのマンションなら、十年、二十年後などにマンションを売却する際も納得のいく金額での取引がしやすくなるでしょう。
ポイント④「交通アクセスは便利かどうか」
2022年12月、東京臨海地下鉄新線の構想が発表になりました。その他、有楽町線新線や多摩モノレール延長構想もあります。新しく鉄道ができると、街は開発、発展していきます。このような国や自治体の計画情報をいち早く手に入れることも大切です。
【2. 需要の高い間取り】
たとえば、周辺マンションにファミリー世帯が多いのであれば、3LDKや4LDKの広い間取りでも需要が高くなるため、資産価値は落ちにくいでしょう。また、周辺にコンパクトマンションが多いのであれば、1Kから2LDKなどの1人暮らし世帯や夫婦2人世帯向けの間取りのマンションの方が資産価値を保ちやすいといえます。
【3. 周辺環境の利便性が良い】
たとえ人気のエリアのマンション、閑静な住宅街にあるマンションであっても、近くにスーパーやコンビニ、商店街などがないようであれば生活しにくく、資産価値は低くなってしまいます。小さな子どもがいる家庭や高齢者がいる家庭であれば、学校や病院が近くあったほうがいいでしょう。
また、これらの生活に必要な基本的な施設だけでなく、大型の商業施設や観光地、遊園地などが近くにあると資産価値が高くなる傾向にあります。
【4. 眺望・日当たりが良い】
最近では、築年数が進んだ物件でも、リフォームやリノベーションできれいにすれば買い手はつきますが、物件の建つ向きだけは、後から変更することができません。そのため、資産価値の点では南向きのマンションが最も高い傾向にあり、東向きと西向きとでは日照時間はほぼ変わりませんが、午前中に日が入る東向きの方がやや人気があります。
ただし、日当たりや長めの良さは周辺の建物によっても左右されます。たとえば、南向きのマンションであっても目の前に大きなマンションが建っていれば、日当たりも眺めも悪くなり資産価値は下がります。
また、入居後にマンション建設がはじまる可能性もあるため、物件を購入する際は不動産会社に建設予定のマンションなどがないか確認しておきましょう。
【5. 管理体制が整っている】
多くのマンションでは、上記のような業務を専門にしている「管理会社」に業務を委託しています。管理会社がきちんと管理をしていると、物件の価値も落ちにくくなります。事前に口コミでそのマンションの管理会社の評判を調べたり、内見の際にどのような管理をしているのか確認をしたりなどして、質の高い管理が行われているかどうか状態をチェックしましょう。
マンション1階は資産価値が低い?
ところが、それに伴って高層階に比べて価格が安いため、一定数の需要はあります。1階のマンションに住んでいる人の中には、価格が安いから購入を決めたという人も多いでしょう。
また、1階でも方法によっては高値売却できる可能性もあります。そのためには、1階のメリットを買主にアピールする。ということがポイントです。
【メリット①「専用庭がある」】
分譲マンションの1階には、専用庭があるという最大のメリットがあります。マンションでガーデニングを楽しむことができるのは、1階の特権なのではないでしょうか。マンションによってはバーベキューを許可している場合もあり、友人を呼んでホームパーティを楽しむことができます。子供がいる家庭なら、家庭用プールを出して遊ばせることもできるでしょう。
専用庭でできることをリストにしておくと、買主の購入意欲を刺激することができるのでおすすめです。
【メリット②「移動距離が短い」】
マンションの1階は、外出するときの移動距離が短いという利点があります。重い荷物を運ぶ際、1階なら楽ですが、高層階になると運ぶのが大変です。忘れ物をしたときなどでも、1階ならすぐに取りにいけますが、高層階の場合は戻るのに時間がかかります。
また災害時に避難しやすいのも、低層階のメリットです。高層階は避難しづらく、万が一のときに取り残されてしまうリスクが高いという難点があります。
1階のマンションは確かに他の階に比べると、人気の低い物件ですが、このように1階ならではのメリットをアピールできれば、1階のマンションが良いと思っている買主と出会い、高値売却できる可能性があります。
資産価値に影響するネガティブ要因
資産価値が落ちる可能性の高いマンションを購入してしまうと、売却時に資産価値が低くなり、思うような金額で売却できない可能性があるので注意しましょう。
新耐震基準を満たしていない物件
地震大国ともいわれている日本では、建物の耐震性が重要視されています。耐震基準に関する法改正も繰り返されていることから、現行の耐震基準を「新耐震基準」、過去のものを「旧耐震基準」というように呼び分けています。
旧耐震基準は震度6以上の大規模な地震に関する規定が設けられていません。そのため、大規模な地震の際には倒壊のリスクが高くなります。当然のことながら資産価値は大きく下がります。売却価格が低いからといって売却せずに所有し続けても、築年数の経過とともにますます価値が低下していくので、新耐震基準を満たしていない物件を購入する際は注意が必要です。
定期借地権付きの物件
一方で、一部のマンションには敷地利用権が借地権のマンションも存在します。借地権のマンションでは、「土地の借地権」と「建物の所有権」をセットで購入しているということです。
敷地利用権が借地権のマンションには、「定期借地権のマンション」と「普通借地権のマンション」の2種類が存在します。定期借地権も普通借地権も土地を借りる権利ですが、借地契約終了時に更新できるかどうかが大きな違いです。
普通借地権は借地期間満了時に借主が申し出れば、基本的に更新できる契約となっていますが、定期借地権は借地期間満了時に更新することができません。借地期間満了時は建物を取り壊し、更地にして土地を地主に返還することが必要です。
普通借地権は、半永久的に土地を借りることができることから、所有権に近い権利となっています。そのため、同じ借地権マンションであっても、定期借地権付きマンションは普通借地権付きマンションに比べて資産価値が低いです。そのため将来的なことを踏まえると慎重に検討する必要があります。
マンションの資産価値の調べ方
①固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、不動産を所有する人が毎年支払う固定資産税の金額を決める際に用いる評価額です。この固定資産税が高いとその分資産価値は高いということになります。固定資産税評価額は公示価格の7割程度になるのが基本ですので、そこからおおよその価値を計算できます。
②実勢価格
実勢価格とは実際の取引が成立する価格で、これまでいくらで土地の取引が行われたかがわかります。公的な価格ではなく、売主と買主がその価格で取引に応じたという価格を示します。下記で紹介する公示価格から2割増し程度になることも多いですが、不動産の取引が多い時期にはこの実勢価格は大きく変動します。
③公示価格
公示価格とは国土交通省が毎年発表している土地の価格です。不動産鑑定士による鑑定の結果出される数字であり、公的な土地の価格を知れます。マンションの条件などではなく、その土地の評価になりますが、この公示価格が高く、さらに条件のいい部屋を所有しているのであれば資産価値はより高くなります。
④路線価
路線価とは道路に面する宅地の「1平方メートル当たりの評価額」です。マンションの相続税や贈与税の計算に使用されるもので、そのマンションがどんな道路に面しており、どんな形をしているかによって資産価値が変動します。マンション自体の価値ではなく土地の価格を計算するものですが、資産価値にも大きく影響します。
投資用物件と居住用物件で調べ方に違いはある?
ただし、適正賃料はあくまで「現時点での賃料相場」という点に注意が必要です。不動産投資では将来にわたって安定した家賃収入を得ることが大切です。いくら現時点での適正賃料が高水準であっても、その賃料水準が将来的にも維持されなければ、不動産投資を成功させることは難しくなってしまいます。
投資用マンションの将来にわたる収益性を見極めるには、適正賃料を確認するとともに、人口や世帯数の将来予測、街の発展性など、立地の将来性にも着目すると良いでしょう。
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マンションをできるだけ高値で売却するコツ
売却を依頼する不動産会社選定を怠らない
また、マンションを高く売るには、マンション売却が得意な不動産会社を選ぶことがポイントになります。候補が複数見つかったら、できるだけ多くの会社に査定を依頼しましょう。実際に各社と接触して査定額を出してもらいます。「一番高く売ってくれそうか」「営業マンの対応が良いか」などを比較して、多くの不動産会社の中から最もいい不動産会社を選定するのが成功の鉄則です。
また、不動産の売却は情報戦でもあるため、対応の早い営業マンは営業成績も良く、売却も決まりやすい傾向にあります。そのため、「不動産会社」だけでなく「いい営業マン選び」という感覚で、適切な不動産会社を選びましょう。
市場価格を把握する
希望する売却期間内でマンションをなるべく高く売るためには、マンション売却の市場価格を知ることが大切です。マンションの市場価格の動向を知ることで、相場の高いタイミングで売却することにつながります。
マンションを売却するときの市場価格を知るためには、主要都市の中古マンションの大まかな成約価格について知っておくとよいでしょう。また、築年数ごとの成約価格についても把握しておくと、販売価格を設定する際の目安になります。
まとめ
資産価値は、地域人口や治安、その他周辺環境など様々な条件で、判断されるものです。人が多く集まる地域や、今後人口が増えそうな人気エリアのマンションの資産価値は落ちにくいです。不動産投資を考えている方は、これらのポイントに注目して資産価値の落ちないマンションを購入しましょう。
投資用マンションの資産価値は
出口戦略だけでなく安定収益の目安にもなります。
この記事の監修者
アユカワタカヲ
宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど
2010年、世田谷区内の中古区分ワンルームマンション購入から不動産投資をスタート。2022年3月現在、区分・一棟・戸建て・日本・海外…と幅広く不動産賃貸業を営む。現在は総合マネープロデューサーとして、人生におけるマネーリテラシーの重要性をメディアやセミナーなどで伝えている。年間のセミナー登壇数は300本を超える。「満室バンザイ」(平成出版)、「不動産はあなたの人生を変えてくれる魔法使い 女性の願いを叶えてくれる最幸マイホーム購入術」(ごきげんビジネス出版)など執筆。
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