【不動産投資】サラリーマン大家の成功は難しい?残念な末路を回避するために必要なこと

2024.07.16更新

この記事の監修者

安藤 新之助
安藤 新之助

株式会社サクセスアーキテクト 代表取締役

【不動産投資】サラリーマン大家の成功は難しい?残念な末路を回避するために必要なこと

サラリーマンの副業や老後の年金対策として人気の不動産投資。サラリーマンが不動産投資で失敗しないための秘訣をお伝えします。

サラリーマン大家として成功すればいずれFIREも可能?!
まずは主体的に情報収集に取り組みませんか?

目次

サラリーマンをしながら不動産投資を始めるのはなぜ?

サラリーマンとして日々過ごすものの、漠然とした不安に苛まれることが誰もが一度や二度あるのではないでしょうか。その不安の根底にあるものとして主にお金、時間から得られる豊かさに満足しているかどうかに起因していることが大半です。

その豊かさを実現すべく不動産投資家としてサラリーマン大家にチャレンジする人が続々と増えています。サラリーマン大家とは、会社に勤務する傍ら収益不動産を購入し賃料収入を得ている会社員のことを指します。

会社員の属性を活かしサラリーマン大家になると、どんなことが叶うのでしょうか。ひとつずつ見ていきましょう。

いつか会社を辞めて自由になりたい

「苦手な上司や取引先の顔の顔色を伺いながら毎日を過ごしたい」
「一度しかない人生を家族や自分の好きなことの為に時間を有意義に使いたい」
そんな生活に憧れ、サラリーマンをしながら副業として毎月安定した収入を得ることができる不動産投資を志す方は多くいらっしゃいます。

ただし、毎月会社から振り込まれる手取り給与と家賃収入の違いにも目を向けなければなりません。空室はもちろん修繕費、固定資産税などさまざまな運営コストがかかります。

すなわち、家賃収入―諸経費(管理費、修繕費、固定資産税など)-所得税など=手取り収入となります。給与所得の場合は社会保険や所得税を引かれた手残りが通帳に振り込まれますから、同じ感覚でいると大きな誤算になる可能性があります。

現在と同じ手取りの収入を得るために、どの程度の家賃収入が必要になるのか計算しておきましょう。

収入の柱を増やしてリスクヘッジをしたい

「今の収入は安定しているが昇給も昇進も期待できない」
「今の会社に退職まで勤められるかわからない」
「この先もずっと健康でいられる保証もなく不安」
など、サラリーマンとして働くものの収入に対する不安要素は尽きません。万が一のために給与収入に頼らず、定期的にキャッシュが得られる収入の柱を作る必要性は、誰もが思い感じることです。

収益物件を保有すれば毎月の家賃収入が期待できるほか、万が一の時、個人の場合ですと団体信用生命保険、物件には損害保険をかけることにより自分にも物件にもリスクヘッジが可能です。

保険の種類も多種多様です。保険代理店に相談し事前に自分のニーズに見合った保険をリサーチしておくことで、より安全、安心なリスクヘッジにつながります。

老後に向けて資産形成をしたい

「現在とくに不自由なく暮らしているが、退職後の年金が十分にもらえるかどうか不安」
気力も体力もあるうちに、将来の安心を確保したいとは誰もが思うことです。40代くらいまでに不動産投資をスタートすれば、返済期間にもよりますが、定年までにローンの支払いを終わらせて、家賃収入と年金のダブルインカムでゆとりある生活を送ることが可能になります。

ただし、収益物件をとりあえず購入すればよいという訳でなく、例えば、地方の人口減少の加速が見込まれるエリアで購入すると、将来入居付けで苦戦することになってしまいます。そうならないためにも入居需要が見込まれる投資エリアを選別しましょう。

節税をしたい

「毎年支払う所得税を圧縮してキャッシュをストックしたい」
高所得層のサラリーマンの方や医者、弁護士の方など現在の収入が多い場合、このようにお考えの方もいらっしゃいます。

築古物件などを短期融資で購入し、減価償却をうまく活用すれば節税することも可能です。注意点としましては、節税だけに目を向けてしまうことで思わぬ損害を被ってしまう事例もあります。

税務の専門知識はもちろん、建物の状態などをきちんと診断することが必要です。購入の際には税理士やリフォーム業者などのアドバイスをうけながら慎重に購入しましょう。

サラリーマン大家のメリット・デメリット

サラリーマン大家は会社に勤務し、給与所得を得ながら収益不動産を購入することで、毎月安定した家賃収入を得ることができ、二足のわらじを履くことが可能です。

収益不動産は管理手数料を支払うことで包括的に物件管理を委託できるので、不動産投資が初めてのサラリーマンの方でも安心して大家さんになることができます。では、サラリーマン大家を目指すにあたり、メリット・デメリットを解説してまいります。

【メリット1】融資が受けやすい

勤務先から安定した給与所得が得られることで、それが信用となり金融機関から融資を受けやすくなります。上場企業や売上の大きい安定した企業にお勤めの方の場合は有利になります。

注意点としましては、融資を獲得しやすくなる分、物件の選択肢も増えるため、比較的容易に購入できてしまうことで慎重さに欠け、リスクある物件を取得してしまう危険性があります。物件選びの際、物件を見極めるスキルと慎重さが必要です。

【メリット2】確定申告で損益通算による節税ができる

物件購入時の諸費用などの損金を、給与所得と損益通算ができるので、物件購入の初年度~2年目くらいまでは税金の圧縮が可能となります。

ただし、ずっと利益の出ない状態であることは賃貸事業として成り立ちませんので、節税だけにスポットをあてることはとても危険ですから慎重に判断しましょう。

【デメリット1】時間の制約がある

就業時間があることで、物件情報の収集、物件購入後の維持管理に携わる時間が限られてしまいます。業者から物件情報を受け取った際に、リアルタイムにやり取りができないのはデメリットです。

また、遠方の物件を購入した場合に常時目配りするのは難しいため、維持管理がおろそかになってしまう恐れがあります。そんなときには地元に精通した優秀な管理会社を探し委託すれば、リモートでも安心して賃貸経営が可能になります。

【デメリット2】不動産のプロに比べて不動産や金融知識・情報力が劣る

サラリーマンとして本業の仕事が中心になるので、リアルタイムな不動産情報、金融情報の取得にタイムラグが生じ、チャンスを逃してしまうこともあります。

対策として、不動産コンサルタントや税理士、ファイナンシャルプランナーなど気軽に情報交換できる環境を形成することで回避できます
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サラリーマン大家の成功は難しいと世間で言われる理由

昨今の新型コロナの影響で企業収益や住環境などワーク・ライフともに大きな変化があるなかで、安定収益の確保を求めて不動産投資家を目指す人が増えています。そんなニーズと裏腹に、不動産投資で成功するハードルが高くなっているのも事実です。

投資会社の広告宣伝などをきっかけに、不労所得を期待し簡単に儲かると思って参入したものの、机上のイメージと現実のギャップが大きく、物件取得はもちろん資金調達も以前と比べ苦戦を強いられる状況となっています。

業者の口車に乗って物件を買ってしまう

収益物件を早く購入し不労所得を得たい…。属性がよく年収、自己資金とも充実しているなど、物件購入ができる条件が整っている方ほど注意が必要です。比較的容易に購入できるがゆえに油断し、思わぬ「ババ物件」を掴んでしまいかねません。

また、裏技などの名目で悪徳業者が考えた違法な手法を用いて、買えないと諦めていた方を騙して購入させる事例もあります。業者は販売して営利を得るプロですから、購入したい方のツボを得ています。投資用物件を購入する際に一度立ち止まり、第三者に相談できる窓口をもっておくと安心です。

融資が厳しくなってきている

銀行は「不動産投資」に原則融資をしません。「不動産賃貸事業」に融資をします。また実績がないなか、いきなりフルローン、オーバーローンを求めても金融機関が取り組む可能性は皆無でしょう。

過去には、悪徳業者のうまい話を鵜呑みにし、ここぞとばかりに飛びついたばかりに騙され、破綻してしまった事例もあるのです。そのため、各金融機関もサラリーマンに対しての融資に慎重にならざるを得なくなっています。

投資目的として不動産投資ローンを利用し購入することも可能ですが、一般的な金融機関とくらべ高金利なのが難点です。高金利でも運営できればまだよいのですが、金利の支払いがかなりのウエイトをしめる場合、なかなか元金が減っていきません。

金融機関の信用と信頼を得て条件の良い融資を獲得するには、自己資金の確保と事業家としてのマインドが必要です。

不動産投資は不労所得と勘違いしている

収益不動産を購入すれば、毎月安定収入が入りあとは通帳を見るだけ。そんなうまい話はありません。そんな話を提案されたら警戒しましょう。

確かに不労所得は不可能ではありませんが、その分の管理費などの運営コストを過分に支払う可能性が高いです。また管理運営を任せてしまうことで自分の経験値が得られないのもリスクです。

もし、その委託会社から管理運営を解約されたり、倒産されたりしたら賃貸経営が頓挫してしまいます。日々の勉強と行動の積み重ねは、経験値の向上と収益につながります。不労所得というより「低労働所得」と認識したほうがリスクを大きく遠ざけます。

サラリーマン大家として成功するために必要なこと4つ

不動産投資を成功させ、家族や自分の生活を豊かにし充実した時間を送るためには、知識、経験から生まれる盤石な基礎を作る意識が必須です。

たとえばマイホームを作る際、自然災害から家を守り、快適な生活を送るために正確な設計図や頑丈な基礎が必要であると同様に。

まずは自分の今までの経験や現職の立場をリセットし、不動産投資家一年生として学ぶ姿勢を念頭におくことが、最初の一歩を踏み出すために必須な心構えです。

1.自己資金をためる

不動産を購入する際には土地、建物の他に、取得に付随する諸費用が必要となります。不動産仲介手数料、不動産取得税、登録免許税、抵当権設定費用などの費用は概算で購入価格の7%~10%程度

3000万円の物件ですと概算で210万円~300万円ほどになります。ローンを組む場合、金融機関により諸費用のほかに頭金も必要となってきます。物件を購入するためにも日々倹約し自己資金をストックしましょう。

2.自分の目と足で確かめる

パンフレットやWEBで見る物件と、実際に現地で見る物件は印象が異なるケースが多々あります。間近でみる外装の状態、近隣環境を机上では把握しきれません。

たとえば、建物の基礎や外壁に大きなクラックが入っていたり、放置された自動車やバイクがそのままだったりということもあります。自分の目で確認せずに購入したばかりに、多大な費用と時間を費やすはめになることは誰でも避けたいところ。

現地調査するのに不安な場合は、不動産コンサルタントやリフォーム業者に同行してもらう方法をとれば安心です。業者がお勧めの物件=綺麗で良い物件とは限りませんので、現地確認を怠らないようにしましょう。

3.メンターを持つ

メンターとは師匠、優れた助言者、相談者のこと。不動産投資におけるメンターは、あなたが遭遇するであろう壁を乗り越え克服し、経験値を積んでいます。

よってあなたが何かお困りごとやトラブルがあった時など、どう進んでいいのか判断がつかないときに良き道しるべとなってくれます。良きメンターに出会う方法としては、メンターや不動産会社等が主催するセミナーや懇親会に積極的に参加し、レクチャーを受けることがポイント。

不動産投資を自ら実践し成功を収めているメンターに指導を仰ぐことができれば、右も左もわからない状態から始める方でもとても安心です。

4.甘い収支計画で進めない

土地を所有している地主に比べると、土地から求める不動産投資家は利回り面で不利なケースもあります。建築コストだけでなく、税金や金利、修繕費などランニングコストを含めてしっかり収支計画をチェックすることが必要です。

収支計画の軸となる家賃を吊り上げ、無理やり収支が合うように事業計画を作成する業者が存在するのも事実です。新築や築浅、築古にかかわらず、家賃の下落率や近隣の競合物件の建設など、ライバル物件にも目を向けた総合的な収支計画を求めましょう。

不動産投資でFIREを目指すなら

サラリーマンであれば何らかのプロジェクトを起こすときは上司や会社から承認を得て費用が捻出されます。しかしFIREをすれば自分の財布から支払うことになります。

また投資物件購入の際や、管理、トラブルの場面などで即時判断を求められることが多く、その際には数十万から数千万の多額のお金が動きます。厳しい言い方になりますがサラリーマン的思考では乗り切れない場合もあるでしょう。

一方、サラリーマンで培ったコミュニケーション、マネジメントスキルを活かし、自身がオーナー社長一国一城の主として采配をするのはサラリーマンでは味わえない醍醐味があります。

事業家としてのマインドセットも必要

経済的自由を手に入れることは誰もがいちどは憧れるはず。場所にとらわれず自分のペースで仕事がしたい、プライベートな時間を増やして友人、家族との時間を充実させたいなど、サラリーマン時代とはまったく異なったライフスタイルを手に入れることが可能になるFIRE(Financial Independence, Retire Early)。それを実現させてくれる代表的な手法が不動産投資です。

不動産投資で成功を重ねていくには、キャッシュフローを生む好条件の収益物件を購入することが必須。サラリーマンであれば上司からの指示に対して成果を出せば評価され給与に反映されていきますが、FIREを目指すのであれば主体的に自身で目標を立てて成果を出していかなければなりません。

さらに行動に対しての結果はすべて自己責任として捉えるマインドも要求されます。ご自身やご家族の将来の豊かさを考えれば必然とモチベーションもあがるのではないでしょうか。

不動産投資は賃貸管理運営をアウトソージングできるしくみが確立されている業種ですから、パートナーとしてふさわしい方や業者を探すことが最大のミッションになります。

時間は刻々と過ぎてゆきますから、情報の収集、人との出会いに時間を費やし、休日を返上し活動するくらいの向上心を持つことが大切と考えています。それを乗り越えた人がFIREを手に入れることになります。

まとめ

不動産投資は投資の中で唯一、事業としてみなされる唯一の投資です。社会的ステイタスも高く、セミリタイアしたあとも投資家、事業家として活躍できます。また、不動産賃貸事業を軸とし多角化も図ることも可能です。

ただ単に楽して儲けたい、不労所得を得たいなど自分の利益だけを考えて取り組むのではなく、自身がオーナーとして不動産投資をすることで世間にどうお役に立てるのか、喜んで頂けるのかを考えてゆくことが大切です。

最初のステップはなかなか踏みだすのに勇気がいりますが、あなたが初めて就職したり転職したり資格取得に挑戦するのと同じです。不動産投資に興味をお持ちの方には是非、チャレンジされてみてはいかがでしょうか。 

サラリーマン大家として成功すればいずれFIREも可能?!
まずは主体的に情報収集に取り組みませんか?

この記事の監修者

安藤 新之助
安藤 新之助

株式会社サクセスアーキテクト 代表取締役

高校卒業後、通算20年以上住宅業界に携わり、2008年不動産投資を開始。当時の年収400万円から7年で資産10億円と家賃収入1億円を達成し、42歳でサラリーマン生活を卒業しセミリタイア。

現在14棟214室を保有する実践不動産投資家としてwebコラム執筆やTV、新聞などのメディアに多数出演しながら、3法人を運営し不動産賃貸業ならびに不動産賃貸経営コンサルタントとして活動中。

「NOをYESに変える不動産投資最強融資術」(ぱる出版)を執筆。 

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。