アパート経営は出口戦略をしっかり組むことが
成功率を高める秘訣です。
目次
アパート経営の成功率7割は本当か?

土地を元々所有している場合には、初期投資額が比較的低く抑えられるために、少々手残りが少なくても成功と回答していることがあるかもしれません。しかし、次章以降に述べるように土地所有者にありがちな失敗パターンにはまっていることも多いのです。
アパート経営の成功率を下げる失敗パターン

立地がアパート向けでなかった
入居者ニーズが読めず空室が埋まらなかった
そのような入居者のニーズを調査せずに、ハウスメーカーに設計・施工を丸投げしてしまうのは禁物です。
管理会社の選定を疎かにしてしまった
共用部の電気が消えていたり、エントランスがチラシやごみで汚れていたりすると、入居者の満足度が下がり、空室が多くなる原因になります。
また、管理会社とサブリース契約を締結している場合には、契約内容についてトラブルになることもあります。たとえば、家賃保証を謳っておきながら、契約上は家賃の値下げ更新ができることになっていたり、入居率が悪い時には一定期間後に解約できたりするような条項について争いになっている例はよく見受けられるところです。
収支計画が甘かった
また、固定資産税・所得税などの税金についても手残り資金を計算するうえで重要です。とくに中古アパートに投資する際には、減価償却期間が終了する年を境に税務上の益金があがり、所得税が増加することは見落としがちですので注意が必要です。
アパート経営を行っていると、思いがけない空室や修繕費の出費などでキャッシュフローが計画どおりに入ってこないことはよくあるものです。さまざまな支出を考慮に入れてもなお、余裕のある収支計画になっているくらいがちょうどよいと心得ておきましょう。

アパート経営の成功率を左右するポイント5つ

このような状態に近づけるためにはどのようなことに気を付けるべきか、5つのポイントをまとめました。
事前調査・事業計画の立案をしっかりと行っているか
投資前に、初期投資額と投資リターンが見合っているか、投資リスクは事業計画に織り込まれているかを検証しなければなりません。この過程で、アパート経営に必要なさまざまな知識を身に付けることができるでしょう。
キャッシュフローを重視した経営になっているか
会計上の損益と実際のキャッシュフローとはズレがありますので、キャッシュフローについても計算書を作成してプラスを維持できているかを確認することが大切です。
賃貸管理を任せきりにしていないか
時には物件を確認して回るなど、愛着をもってアパート経営を行うことで、管理会社も適切・迅速に管理対応を行ってくれることでしょう。
さまざまな経営リスクに備えているか
入居者とのトラブルについては、管理会社と協力して解決することになりますので、ほかの物件でどのようなトラブルがあったか、どのように解決したのかについて管理会社と情報共有しておくことは有益です。
そのほか、空室リスクや災害リスクに対応するために、余裕をもった事業計画の中で対応資金を積み立てておいたり、保険に加入したりするなどの備えをしておくことも重要でしょう。
リフォームや設備更新は適切か
成功率をあげるには長期的な計画が大切

【0年目】建築計画は投資効率を意識すること
設計プランや事業計画を検証する時には、複数の業者のプランや見積もり、事業計画を比較検討します。この際には、土地活用一括相談を利用するのが便利です。
【10年後】老朽化・空室対策の強化が必要
また、築年数が経過するにつれて空室リスクが増大しますので、募集広告や設備更新などの空室対策は怠らないようにしましょう。
【20年後】出口戦略の検討が必要
物件を売却して投資を終了することが一般的ですが、所有土地を活用してアパート経営をしているならば物件を保有し続けることもあるでしょう。この場合は建て替えやリフォームなどの計画が必要になってきます。
まとめ

初めての土地活用・アパート経営だと、何が標準なのかわからないことがほとんどでしょう。複数の業者の提案を比較検討しながら、少しずつ設計プランや事業計画を改良していくことがよい結果をもたらします。拙速は禁物、慎重に計画を進めていくことがアパート経営成功の秘訣です。
アパート経営は出口戦略をしっかり組むことが
成功率を高める秘訣です。

監修徳田 倫朗
【資格】宅地建物取引士
株式会社イーアライアンス代表取締役社長。中央大学法学部を卒業後、戸建・アパート・マンション・投資用不動産の売買や、不動産ファンドの販売・運用を手掛ける。アメリカやフランスの海外不動産についても販売仲介業務の経験を持ち、現在は投資ファンドのマネジメントなども行っている。
アパート経営の成功は立地にかかっているといっても過言ではありません。郊外の駅遠の立地や工場の隣にアパートが建設されていることもありますが、空室が埋まらずに失敗してしまっている例を多数見かけます。これは、立地調査をせずにハウスメーカーの「相続対策」「土地活用」などの営業トークに乗せられてアパートを建設してしまうことによって起きる失敗です。