ロードサイド店舗経営による土地活用|始めるための流れと注意点を解説します

2023.10.20更新

この記事の監修者

中村 裕介
中村 裕介

宅地建物取引士/保育士

ロードサイド店舗経営による土地活用|始めるための流れと注意点を解説します

ロードサイドに土地をお持ちの方に、「ロードサイド店舗」の特徴や注意点をご紹介します。

幹線道路沿いの土地活用におすすめのロードサイド店舗経営。
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目次

ロードサイド店舗とは

ロードサイド店舗は、車の交通量が多い幹線道路などの道路に接している土地で運営されるさまざまな商業施設のことです。ロードサイド店舗であれば、利用客は車で来店するので、駅から遠い土地でも集客が期待できます。

終電など電車の時間に関係ないので、24時間営業に向いているという特徴もあります。実際の店舗運営については専門業者を誘致するため、土地所有者としては直接の店舗経営に携わらずに、安定した収入を得ることができます

ロードサイド店舗の種類

ロードサイド店舗にはさまざまな種類があります。ショッピングモールなどの複合商業施設から、ホテル、家電量販店、ホームセンター、コンビニ、ファミリーレストラン、書店、ドラッグストアなど、色々な業種の店舗を誘致することが可能です。

必ずしも広い土地が必要というわけではなく、ショッピングモールなどの規模の大きなものから、コンビニなど比較的規模の小さなものなど、所有する土地に合った店舗を選ぶことができます

ロードサイド店舗の経営方法

ここからは、ロードサイド店舗の経営方法について解説していきます。ロードサイド店舗の経営方法は2通りあり、1つはリースバック方式、もう1つは事業用定期借地方式です。それぞれの特徴について詳しくお伝えします。

リースバック方式

リースバック方式とは、主にコンビニやファーストフード店などの小型店舗において採用されている経営方法です。リースバック方式には、初期コストをかけずに、または大幅に減らして建物を建てて、店舗経営は出店企業に任せて賃料収入を得ることができるメリットがあります。リースバックの手順は以下の通りです。

事業用定期借地方式

ロードサイド店舗のもう1つの経営方法として、事業用定期借地方式があります。事業用定期借地式とは、借地権の1つである「事業用定期借地権」の制度を利用して土地を貸し出す方法です。

出店企業に土地のみを貸す形になりますので、初期投資コストをかけずに地代を安定して受け取ることができます。事業用定期借地権は契約内容によって借地権の期間が以下の2つに分かれます。

・契約更新と借地人による建物買取ができる場合:30年以上50年未満
・契約更新と借地人による建物買取ができない場合:10年以上30年未満

また、事業用定期借地権の契約を結ぶ場合は必ず公正証書による必要があります。事業用定期借地方式は、主に、ショッピングセンター、家電量販店などの大型店舗に採用されています。

事業用定期借地方式の仕組みはシンプルで、土地所有者は土地を出店企業に貸して、地代を受け取るという形になります。出店企業は借りた土地の上に店舗を建設して運営します。

ロードサイド店舗を経営するメリット

ここからは、ロードサイド店舗を経営するメリットについて詳しくお伝えしていきます。

高収益が期待できる

ロードサイド店舗経営の場合、アパートやマンションなどの住宅より収益性が高いといえます。まずロードサイド店舗経営は、初期投資コストがほとんどかかりません。

また住宅系は、空室リスクがあり、退去者が出るたびに室内クリーニングやリフォームなどを行う必要もありますが、ロードサイド店舗の場合は一般的に20年間以上の契約を結ぶので、安定した収益が期待できます

初期投資が少なくて済む

ロードサイド店舗経営の大きなメリットは、初期投資が少なくて済む点です。アパートやマンションといった住宅系の投資は、初期投資を回収するために何年もかかります。事業用定期借地方式であれば、自己資金0から経営可能です。

またリースバック方式の場合は店舗からの建設協力金で建物を建てられることが多く、初期投資費用がかからないケースが多いです

地域活性化に貢献できる

所有する土地に店舗ができれば住民の生活は便利になり、また雇用の機会が生まれます。ロードサイド店舗経営は、収益など実利的なメリットはもちろん、地域活性化に貢献できるという社会的意義もあります。

幹線道路沿いの土地を活用できる

幹線道路沿いの土地は駅から遠く、また交通量が多いことから車の騒音の問題があります。そのため、アパートやマンションなどの住居系の投資用物件を建てたとしても常に空室リスクがあります。

ロードサイド店舗であれば、幹線道路沿いの土地のメリットを最大限に活かすことが可能です

日常的なオーナーの仕事がなく負担が少ない

ロードサイド店舗経営は日常的なオーナーの仕事がなく、負担が少ないというメリットがあります。一旦店舗が建った後は、店舗の維持は企業が行うため、管理費用がほとんどかかりません

賃貸物件経営のように、入居者の募集業務や建物の管理業務などに頭を悩ませる必要がありません。

ロードサイド店舗を経営するデメリット

ロードサイド店舗経営には、デメリットも存在します。主なデメリットについて、ひとつひとつ確認していきましょう。

出店企業撤退・解約のリスクがある

店舗を誘致しても、店舗の経営状況が悪化すれば、解約のリスクがあります。どんな店舗であっても撤退と解約のリスクは存在するため、その可能性があるものとして考えておく必要があります。具体的なリスク回避方法としては、契約時に以下のような取り決めをしておくことです。

・解約時に、店舗側が解体費・原状回復費用を負担する
・途中解約時の違約金の設定
・途中解約時は建設協力費の返還をしない

上記のように、途中解約の可能性があるという前提で、契約を結ぶことが重要です。

税制上の優遇がない

ロードサイド店舗は、アパートやマンションなどの住居用に提供している賃貸物件と異なり、土地の税制上の優遇がありません。幹線道路の場合は固定資産税評価額も高めになる傾向があるため、ロードサイド店舗経営を行う場合は事前に固定資産税がどのくらいかかるのかを事前に調べておく必要があります。

また、リースバック方式の場合、建物の所有権は土地所有者が持っているため、建物の固定資産税・都市計画税の支払いも必要になります。

地元商店への配慮が必要になる

ロードサイド店舗経営においては、地元経済への影響も考慮する必要があります。近隣住民との軋轢・人間関係のトラブルを生まないためにも、出店店舗の業種を近隣商店と同じにしないなど、十分に配慮・検討する必要があります。

ロードサイド店舗経営を始める流れ

ロードサイド店舗の経営に至るまでの流れは、一般的に次の流れで進めていきます。

1. ロードサイド店舗の誘致のための業者を選ぶ
2. 業者による土地の分析とテナントの紹介
3. テナントと契約
4. 設計・施工
5. ロードサイド店舗開店
6. その後の管理(契約更新など)

なお、事業用定期借地方式であれば4、5については直接の関わりはありません。

ご参考:延床面積別おすすめ店舗種別

ここでは参考として、延床面積別のおすすめ店舗種別をお伝えします。この面積でなければ当該店舗が開けないというわけではありません。あくまでも参考資料としてご活用ください。
延床面積店舗種別
150m2程度コンビニエンスストア
200m2程度ファーストフード店舗
250m2程度スーパー、飲食店、ドラッグストア、カラオケ店、レンタルビデオ店など
650m2程度パチンコ店舗
800m2程度ホームセンター、自動車用品店
3,000m2程度ホテル、家電量販店、フィットネスクラブ
10,000m2以上映画館、ショッピングモールなど

ロードサイド店舗経営を始める際の注意点

まずは、ロードサイド経営の誘致に実績のある業者を選ぶことが重要です。土地所有者個人の知識だけでは限界があり、土地に合った店舗の誘致、途中解約時のペナルティの記載などの契約などに対応することは難しいでので、信頼できる業者を選ぶことが肝要といえます。

誘致した後の、テナント選びも重要です。賃料や利回りにとらわれず、長期間の運営力のあるテナントを選びましょう。誰もが知っているフランチャイズの店か、個人経営で初出店の店かを選ぶなら、多少利回りが劣ったとしてもフランチャイズの店を選ぶべきでしょう。もちろんケースバイケースなので、誘致を依頼した業者とも相談して決めましょう。

また、ロードサイド経営は長期契約が前提であるため、転用の難しさは契約前にしっかりと認識した上で契約に臨む必要があります。店舗との契約時は、出店企業撤退・解約のリスクがあることを踏まえた上で、上述したリスク回避の項目を参考に、契約内容を入念にチェックすることが重要です

ロードサイド店舗経営が向いている人

ここでは、ロードサイド店舗経営がどのような人に向いているのかをご説明していきます。

収益性を重視する人

ロードサイド店舗経営のメリットの1つに収益性の高さがあるように、賃貸住宅よりも収益性が高く高利回りが期待できます。また、初期費用も少なく済むため、収益性を重視したいという方にとってロードサイド店舗経営は向いていると言えるでしょう

幹線道路沿いに土地を所有している人

幹線道路沿いに土地を所有している人も、ロードサイド店舗経営が向いていると言えるでしょう。交通量の多い場所でアパートやマンションを建てても、騒音の観点から入居者の確保が難しくなる傾向にあります。

ロードサイド店舗であれば騒音が問題にならず、また、交通量の多い立地であれば多くの集客が期待できるでしょう。

地域貢献したい人

たとえば、ロードサイド店舗としてコンビニ経営を始めた場合、地域住民の生活利便性の向上につながる可能性があります。また、朝早くから夜遅くまで経営しているコンビニは防犯の面でも寄与でき、土地活用で地域貢献したい方にとってロードサイド店舗経営は適していると言えるでしょう

よくある質問

ここでは、ロードサイド店舗経営に関するよくある質問をご紹介します。
契約書の確認ポイントは?
ロードサイド店舗経営で事業者と契約する際、契約書の内容をしっかり確認することが重要です。とくに、契約期間、賃料の支払いや中途解約に関する取り決めについてはしっかり確認するようにしましょう。契約書の確認は想定外のトラブルを防ぐことにもつながります。
ロードサイド店舗経営で失敗しないためにできることは?
ロードサイド店舗経営で失敗しないためには、立地に適した店舗を選定する必要があります。周辺環境をしっかりリサーチして適した店舗はどのようなものか見極めるようにしましょう。なお、悩む場合は土地活用の専門家に相談することをおすすめします。
ロードサイド店舗経営で賃料滞納が起きた時の対処法は?
家賃滞納が起きた場合、まずは事業者が営業を継続しているか停止しているかを確認します。営業停止している場合は物件の明け渡しを請求し、営業継続している場合は明け渡しの期日を設定するようにしましょう。話し合いが進まない場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

ロードサイド店舗は、初期投資がいらない事業用定期借地方式や、初期投資をおさえることのできるリースバック方式など、自分の投資スタイルに合った方式でスタートできる土地活用です。

高収益が期待でき、修繕などの管理費用がかからないといったメリットがある一方で、店舗の撤退リスクや税制上の優遇がないなどのデメリットもあるロードサイド店舗経営。始める場合は、自分の土地の特性を把握した上で、経験豊富な業者と連携することが重要です。

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中村 裕介
中村 裕介

宅地建物取引士/保育士

上海復旦大学卒。商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産と旅行系の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆している。

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