持ち出しコストが圧倒的に少ない等価交換
初期費用を気にされる方にはおすすめの土地活用法です!
目次
等価交換とは?その仕組み
等価交換の2つの方式|全部譲渡・部分譲渡
全部譲渡方式
土地 | 建物 | |
---|---|---|
建築前 | 所有者→業者 | 業者 |
建築後 | 業者→一部所有者 | 業者→一部所有者 |
部分譲渡方式
土地 | 建物 | |
---|---|---|
建築前 | 所有者 | 業者 |
建築後 | 所有者→一部業者 | 業者→一部所有者 |
さまざまな等価交換方法
立地の良い土地は業者から声がかかることも。
ほかの土地活用と比較して、どの方法が有利か判断しましょう。
等価交換のメリット
1.多額の借入などリスクを負わずに済む
2.特例により譲渡税優遇措置がある
あくまでも繰り延べのため、税金が免除されるわけではないですが、等価交換利用時には税金が0円で済むので便利です。ただし、等価交換に際して現金を受け取っていた場合には、その受け取ったお金に応じた譲渡所得税がかかるため注意が必要です。
3.住まいを確保しながら土地活用することが可能
4.遺産分割がしやすくなる
土地を3分割したとき、それぞれが建物を建てられる程度に広く、かつ、それぞれに接道させることができるのであれば問題はありません。しかし、そうでなければ建物を建てるのにも苦労しますし、子のうちの誰かが死亡して、その子に所有権が移ってしまうと、どんどん共有者が増えてしまう可能性があります。一方、等価交換でマンションを建ててしまえば、マンションの部屋数や床面積に応じて等分することが可能になるため、遺産分割しやすくなります。
5.すべてをデベロッパーに委ねられる
等価交換のデメリット
1.交換成立までに時間と労力がかかる
基本的に、両者とも自分の配分割合を多くしたいと思っており、話し合いがまとまるまでには相当の時間と労力がかかります。なお、所有者と業者それぞれに還元される持分のことを還元床と呼びますが、その計算方法には出資比率による方法と売価還元による方法の2つがあります。
出資比率による方法はその名の通り出資した比率に応じて配分を決める方法で、所有者は出資する土地の価値、業者は建物を建設するのに要する費用に応じて配分が決まります。たとえば、土地の価格が1億で、建物を建てるのに2億円費用がかかったとすれば、所有者の持分はマンションの専有面積の3分の1、業者の持分は専有面積の3分の2となります。
一方、売価還元による方法では、業者が建物を建築するのに要した費用の回収に必要な売上高を計算し、業者が売上高を確保できる面積に応じて配分が決まります。つまり、業者の配分が先に決まり、所有者はその残りをもらう形です。いずれの方法にせよ、所有者から気丈に交渉しなければ、業者が得をする可能性が高いです。そのため、どのような方法で配分が決められていて、その割合は適正なのかを確認する必要があります。
業者 | 所有者 | |
---|---|---|
出資比率による方法 | 出資比率による | 出資比率による |
売価還元による方法 | 売上高を確保できる配分 | 残り |
2.土地の権利が失われるので慎重な検討が必要
3.利回りが低く・減価償却費が小さくなる
なお、減価償却費が小さくなる理由としては、立体買い換えの特例が絡んできます。通常であれば、マンションを建てるとその建物の建築費の全額を長年にわたって減価償却し、毎年の所得から差し引くことができますが、立体買い換えの特例の適用を受けると、その額が小さくなります。結果として、等価交換で得た賃貸物件から生じる収益に対して課税される毎年の所得税や住民税が高くなってしまいます。
4.デベロッパーに左右される
交渉をうまく運ぶには知識を蓄えておくことが重要!
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等価交換に向いている土地
1.環境や交通面などが好立地であること
2.面積が広い土地(最低でも100坪以上)
よくある質問
- 等価交換がおすすめできる人は?
- 等価交換のメリットは資金が必要ないことです。そのため、低リスクで土地を活用したいと考える人にはおすすめできるでしょう。また、工事の手続きなどすべてをデベロッパー業者にゆだねられるため、労力をかけたくないという方は検討することをおすすめします。
- 業者選定する際の注意点は?
- 等価交換は業者選定が重要になってきます。業者を選ぶ際は丁寧に説明してくれる、質問したことに対して真摯に回答してくれるなど、信頼できる業者を選定するようにしましょう。その際、複数業者を比較しながら検討することをおすすめします。
- 等価交換を成功させるために必要なことは?
- 等価交換は業者にすべてをゆだねられるメリットがありますが、ご自身も当事者意識をもって取り組んでいかなければなりません。業者にすべてを任せることで業者の言いなりになるリスクがあるためです。まずは、等価交換とはどういったものか、どのようなメリットやデメリットがあるかを確認しましょう。また、自身の希望を明確にすることも大切です。
まとめ
持ち出しコストが圧倒的に少ない等価交換
初期費用を気にされる方にはおすすめの土地活用法です!
この記事の監修者

逆瀬川 勇造
【資格】AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。