アパート一棟投資は初心者でもできる?注意点や失敗回避のポイントを解説

2023.09.15更新

この記事の監修者

安藤 新之助

安藤 新之助

株式会社サクセスアーキテクト 代表取締役

アパート一棟投資は初心者でもできる?注意点や失敗回避のポイントを解説

アパート一棟投資は初心者の方が必ず検討する人気のある投資手法です。失敗しないためにどう取り組んだらよいか解説していきます。

初心者がアパート投資に参入するなら、
しっかりと戦略を練って成功率を上げましょう!

目次

アパート投資に向いている人の条件

一棟アパート投資は投資金額も新築で数千万~1億ほどで始められ、短期間で収益、資産規模の拡大が可能な投資法です。また、複数の部屋を稼働させることによりリスクヘッジができるなど、スタートアップで不動産投資を始められる方にとって、取り組みやすい投資手法です。

では一棟アパート投資に向いている人はどんな人かをあげていきましょう。

年収700万円以上の人

一般的に年収が700万円以上のサラリーマンや士師業の方がベストです。その理由として、不動産投資は融資を避けて通れない投資法であり、金融機関から資金調達を受ける際に年収700万円以上の方を条件にしているケースが多いからです。
もちろん、金融機関によってはそれ以下でも融資をうけることは可能ですが、より好条件で金融機関を選ぶ際に裾野をひひろげて融資を受けるには700万円以上がベストといえます。

また、家賃収入に頼らず生計が立てていくことができる見込みが高いことから信用度が高く、貸手・借手ともに安心材料が多いこともあります。

金融資産1,000万円以上の人

金融資産が1,000万円以上あると非常に有利です。金融機関から融資を受け、物件を購入する際、ローン商品のガイドラインの土俵に乗ることが多く、物件の規模にもよりますが諸費用、自己資金が賄える額だからです。
また、自己資金に充てずとも金融資産を保有しているという信用から融資を受けられる可能性も十分あります。

ただ、1,000万円ないからといって諦める必要はありません。少々不謹慎ですがご両親がご健在で相続財産が見込める場合、金融資産が1,000万円に満たなくても融資をうけられる可能性は十分あります。
また、購入後の運転資金においてカツカツの資金で運営するよりも多少、余裕があった方が気持ち的にも運営においても安心です。

仮想通貨を保有している場合、金融機関から金融資産として認めてもらえない可能性が高いので注意が必要です。

安藤 新之助
安藤 新之助

資産形成をスピーディに進めたい人

一棟アパートの場合、土地と建物がセットでの投資になります。よって、資産規模の拡大ならびに得られるキャッシュも期待ができ、実績を積めば2棟目、3棟目またそれ以上の規模の資産形成へ追い風になります。

減価償却しない土地がセットであるからこそ、金融機関から融資を受けやすくレバレッジもかけやすい一棟アパートは、資産形成をスピーディに行いたい方に理にかなっている投資法です。

アパート投資のメリット

不動産投資といっても戸建てや区分マンション 一棟RCマンションなど構造において違いがあり、何がメリットで何がデメリットなのか分かりにくかったりします。

では、アパート投資は区分マンション投資や一棟RCマンションマンションの投資と比較してどの部分が有利なのかを解説していきます。

節税効果が高い

木造アパートの場合、税制面、すなわち減価償却の面で有利です。たとえば新築の区分マンション、一棟RCマンション法定耐用年数が47年に対し、新築木造は22年と短いため、区分マンション、一棟RCマンションより短期間に減価償却ができることがメリットです。そのぶん節税効果があり有利です。

ただし、金融機関から融資返済期間が22年を超えて融資を受けると、「デッドクロス※」となってしまうため、シミュレーションをしっかり行い、その際の対策を打っておくことがポイントです。

※デッドクロス

ローンの元金返済が減価償却費を上回ってしまうことを指します。 税引き前のキャッシュフローは変わらず、帳簿上では大きく利益がでているのに、ローンを返済し税金を払うとキャッシュアウトしてしまい、黒字倒産の可能性も出てくるので注意が必要です。

投資規模の拡大スピードを速められる

戸建て投資、区分マンション投資の1室に対して収益を得る投資とくらべ、一棟アパートは4~10室程度の部屋から収益を得る事ができるため、物件の規模、収益ともに有利です。

前述しましたが、土地もセットであるため、資産性が高く金融機関からの与信アップが期待できます。2棟目、それ以上の拡大に向けて追い風になります。

空室リスクを分散できる

区分マンションや戸建て賃貸は入居している間は稼働率100%となりますが、退去してしまうと稼働率0%となってしまい、ローンを組んでいた場合、返済金のほか、運営にともなう維持管理費を手出しで賄うことになってしまいます。

それに対し一棟アパートの場合、複数の部屋を稼働させることが可能なため、たとえば10室中2室が空室でも稼働率は80%で稼働0%になることはありません。シミュレーションをきちんとしておけば、空室になっても預貯金からの持ちだしで、ローンの返済金、維持管理費などの運営経費を補うことにはならない可能性も高く、空室リスクに強いと言えます。

アパート投資のデメリット

アパート投資において前述したメリットがある一方、デメリットもあります。そのデメリットにどのようなものがあるかを解説します。

流動性が限定される

一棟アパートは戸建て賃貸や、区分マンションと比較し投資金額が大きくなるため、万が一の際、売却がスムーズにいかないケースがあります。数百万~一千万程度の戸建て賃貸などの場合、現金買いの投資家も多く存在しますが、数千万規模となると事業規模の投資家やベテラン不動産投資家が購入対象となります。

将来的の売却を想定し流動性を高めるためには、立地に妥協することなく一棟アパートを購入することがポイントです。

簡単にやめにくい

一棟アパートに限ることではないですが、物件を購入する際、売却する際にはさまざまな諸経費がかかってきます。一般的に、購入時に物件価格の7~10%(税別)、売却時に物件価格の3~4%(税別)の諸費用が発生します。

融資を利用している場合、一括返済による違約金がかかる契約であれば、それ以上の費用が必要となります。単純に5,000万円の物件を購入し同じ金額で売却したと仮定すると、500~650万+α(税別)が必要となります。そのため、損失を被らず売却することを考えると利益がでるまで運営するしかありません。

その利益が出るまでの期間は収益や返済期間などにもよりますが、おおよそ3年から5年は必要と言われています。

アパートローン利用の場合、かなりの確率で違約金が発生します。金銭消費貸借契約の時にどのくらいかかるか必ず確認しておきましょう。

安藤 新之助
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融資難易度が高い

一棟アパートに限らず金融機関から借入をする際には返済期間が原則、法定耐用年数以内となります。したがって法定耐用年数が22年と短い木造アパートの場合、返済期間が短くキャッシュフローが出にくくなるため、融資獲得のハードルが高くなります。
例:築15年の木造アパートの場合
(木造の法定耐用年数=22年)
22年(法定耐用年数)ー15年(築年数)=7年(返済期間)
返済期間7年で税引き後のキャッシュフローをプラスにする必要があります。そのためには、高利回りの物件を選定することが求められます。

ただ、上記の事例は原則的な一般事例であり、金融機関のローン商品によっては法定耐用年数を大幅に超えた返済期間を設けているものもあります。不動産業者や投資家仲間などから紹介してもらい、開拓してみてはいかがでしょうか。

維持費用が高額

中古戸建て物件や区分マンションと比べると部屋数や物件の規模が大きいため、外部塗装や屋上防水、共用部のメンテナンスや給湯器や給水加圧ポンプなどの維持管理コストが高額になります。購入時には過去の修繕履歴の確認ならびに現況のリサーチをしっかり行うことがポイントです。

実践不動産投資家によるアパート投資徹底比較!

不動産投資を始める場合、戸建て、区分マンション、一棟アパート、一棟マンションなど、どのような投資手法から始めたらよいのか迷うところです。この章ではアパート投資と比較した投資手法のケースを解説します。

※ここでは比較のため、中古アパートを築15年の建物(外部修繕など未施工)とし、表利回りは新築アパートが8%、中古アパートが10%としています。

新築アパート投資VS中古アパート投資

多少利回りは低くとも時間や手間を省きたいとお考えの方には新築を、物件に手を入れてオリジナル色を出し収益アップにつなげたい方は中古アパートがお勧めです。
新築アパート中古アパート
利回り
初期投資額
客付け
節税効果
管理の手間

利回り

新築アパート中古アパート
立地にもよりますが、新築アパートと比較すると中古アパートの方が表面利回りは優位となります。ただし、建物の劣化状態、間取りによっては修繕費が多くかかるため、しっかりと試算し、収支計画を立てることがポイントです。

初期投資額

新築アパート中古アパート
諸費用において、新築の場合固定資産税などの優遇ならびに設備が新しく、当面の間、費用がかからないので有利といえます。

客付け

新築アパート中古アパート
新築アパートは中古アパートとくらべ、客付けが容易です。ただし、新築だからといって家賃設定が高すぎたりすると客付けに苦戦してしまいます。周辺相場のリサーチをしっかり行い適正家賃に設定することがポイントです。

同等の物件が多く需要と供給のバランスが崩れているエリアの場合、家賃を下げても入居が決まらない事例も多々あるので注意が必要です。

安藤 新之助
安藤 新之助

節税効果

新築アパート中古アパート
法定耐用年数の残存年数が短い中古アパートに軍配があがります。新築と比べ残存年数が短い分、短期間に減価償却をすることができ、キャッシュフローに寄与します。注意点としまして、法定耐用年数を超えてローンを組む場合、減価償却を終えた際におこるデッドクロスの対策を考えておくことがポイントです。これは新築であっても同じです。

管理の手間

新築アパート中古アパート
新築の場合、キッチン、洗面、お風呂などの設備が新しいため、故障などのクレームはほとんどありません。対して設備機器のメーカー耐用年数と言われる10年を超える中古アパートは、故障などの発生において不利と言えます。

また、前オーナーと管理会社による物件の管理状態、入居者の属性によっては運営に苦戦する恐れもあります。このような場合、購入時に管理会社の対応状況(近隣、入居者クレーム、修理履歴)の確認することで、リスクヘッジが可能となります。

アパート一棟投資VSワンルームマンション投資

まずは少額から不動産投資の第一歩を踏み出したい方はワンルームマンションを、初期投資はかかってもスピーディに資産形成を目指す方はアパート一棟投資がおすすめです。
アパート一棟1Rマンション
利回り
初期投資額
流動性
節税効果
管理の手間

利回り

アパート一棟1Rマンション
部屋数が稼げるアパート一棟投資と比べ、1Rマンションの方が利回りの低い傾向にあります。

初期投資額

アパート一棟1Rマンション
一棟アパートの場合、数千万ほどの規模に対し、1Rマンションは数百万~規模になります。諸費用、自己資金あわせて仮に物件価格の1割と仮定した場合、1Rマンションの方が初期投資額の負担が少なくなります。

流動性

アパート一棟1Rマンション
投資額が少ない分、投資家の参入ハードルが低くなり流動性も高くなると言えます。ただし、物件の立地や利回りなどの諸条件によっては流動性が重くなることもあるので注意が必要です。

節税効果

アパート一棟1Rマンション
木造アパートの法定耐用年数22年に対し、RCマンションは47年となり、アパートは短期間に減価償却が厚く取れるため、減価償却をメインとした節税効果はアパート投資に軍配があがります。

管理の手間

アパート一棟1Rマンション
複数の部屋や共用部を管理するアパート一棟に対し、単室になるワンルームマンションのみの管理になるため、手間がかかりません。ただし、マンションを管理する管理組合によってはずさんな管理がなされているケースも少なくないため注意が必要です。

アパート一棟投資VSマンション一棟投資

億越え投資に積極的なマインドを持ち、将来的に数億の資産を築きたい方向けの一棟マンション投資。高属性、自己資金が潤沢で金融機関からの与信がある方に有利な投資法です。
アパート一棟投マンション一棟
利回り
初期投資額
流動性
節税効果
管理の手間

利回り

アパート一棟マンション一棟
木造の建設コストと鉄筋コンクリート造の建設コストを比較すると、鉄筋コンクリート造マンションのほうが建設コストがより高くなります。家賃収入/物件取得額で算出することになりますのでマンション一棟の方がアパート一棟と比較し利回りにおいては劣勢になります。

令和4年度参考施工単価(東京都) 木造17.3万/m2 鉄筋コンクリート造 36.4万/m2
(国税庁地域別 構造別工事費用より)

初期投資額

アパート一棟マンション一棟
一棟あたりの物件価格が大きくなる分、マンション一棟投資に比べアパート投資の方が初期投資額は少なくすみます。

流動性

アパート一棟マンション一棟
法定耐用年数22年の木造に対し、法定耐用年数47年のRC造のマンションの方が金融機関からの評価が高く、融資期間を長く設けることが可能な分、有利です。また、耐久性においてもマンション一棟の方が自然災害にも強く、売買において有利といえます。

節税効果

アパート一棟マンション一棟
減価償却を利用した節税はアパートの方が有利ですが、借入額を多く利用する相続税対策にはロットの大きいマンション一棟の方が有利です。どちらに目線を置くかでメリットが変わってきます。

管理の手間

アパート一棟マンション一棟
一般的には物件規模の大きさから比較すると、アパートの方が規模が小さいため管理のしやすさはあると言えます。管理会社のクオリティが同じでアパート一棟、マンション一棟双方同じ規模と仮定した場合、甲乙つけがたいといえます。

アパート投資に失敗しないための注意点

失敗の大きな要因の1つとして、特定の業者などから得た情報を鵜呑みにしてしまい物件を購入してしまった事例が圧倒的に多いです。この章では失敗しないために取るべき行動を解説します。

信頼できる不動産会社と取引を

収益不動産は高額であるため、訳ありの難物件をつかまされるなど悪徳業者の被害に遭うと、リカバリーがとても難しいものです。

不動産業者の実績、評判を客観的にリサーチし、信頼できる不動産業者と取引することがポイントです。

シビアな数字でシミュレーションすること

販売業者、不動産業者から提出された収支シミュレーションは、少しでも見た目のハードルを低くし、魅力的な数字に見せるため、甘く見積もられているものも多く見受けられるのが実情です。

運営を行うにあたりさまざまな客観的情報を収集し、将来のリスク(空室増、家賃下落、金利上昇、劣化による修繕費など)を見越した厳しい収支シミュレーションを行うことが、あなたを守るためのリスクヘッジとなります。

賃貸需要を精査すること

不動産賃貸経営は満室経営を行えるかどうかの判断が成功を大きく左右するポイントとなります。RCか鉄骨か木造かなど構造によっても賃貸ニーズは変わってきます。

購入する対象エリアにおいて将来継続的に高稼働な状態で運営できる見込みがあるかどうか、需要と供給をしっかりリサーチし、不動産仲介店からの客観的な情報を仕入れて購入の可否の判断をしましょう。

まとめ

一棟アパートは新築で数千万から一億程度の物件が多く、一棟RCと比べると手ごろな価格の新築物件も多く供給されています。また、中古アパートであれば一千万台の高利回り物件が売りに出ていたりし、不動産投資を志す方にとってとても魅力的です。

属性の良いサラリーマンであれば、積極的に融資を行う金融機関も存在し、ビギナーであっても不動産投資に参入しやすい環境が整っているといえます。その分、リスクに対するガードを固める必要性も求められ、それに対する情報収集やネットワークを構築するフットワークの軽さが最も重要です。

目先の収益に夢膨らませるだけでなく、積極的にセミナーや書籍から不動産投資を学び、一棟アパート投資のメリットを十二分に活かせる環境をつくる心構えが必要です。

初心者がアパート投資に参入するなら、
しっかりと戦略を練って成功率を上げましょう!

この記事の監修者

安藤 新之助

安藤 新之助

株式会社サクセスアーキテクト 代表取締役

高校卒業後、通算20年以上住宅業界に携わり、2008年不動産投資を開始。当時の年収400万円から7年で資産10億円と家賃収入1億円を達成し、42歳でサラリーマン生活を卒業しセミリタイア。現在12棟195室を保有する実践不動産投資家としてwebコラム執筆やTV、新聞などのメディアに多数出演しながら、2法人を運営し不動産賃貸業ならびに不動産賃貸経営コンサルタントとして活動中。「NOをYESに変える不動産投資最強融資術」(ぱる出版)を執筆。 

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●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。