初心者がアパート投資に参入するなら、
しっかりと戦略を練って成功率を上げましょう!
目次
アパート投資に向いている人の条件
では一棟アパート投資に向いている人はどんな人かをあげていきましょう。
年収700万円以上の人
もちろん、金融機関によってはそれ以下でも融資をうけることは可能ですが、より好条件で金融機関を選ぶ際に裾野をひひろげて融資を受けるには700万円以上がベストといえます。
また、家賃収入に頼らず生計が立てていくことができる見込みが高いことから信用度が高く、貸手・借手ともに安心材料が多いこともあります。
金融資産1,000万円以上の人
また、自己資金に充てずとも金融資産を保有しているという信用から融資を受けられる可能性も十分あります。
ただ、1,000万円ないからといって諦める必要はありません。少々不謹慎ですがご両親がご健在で相続財産が見込める場合、金融資産が1,000万円に満たなくても融資をうけられる可能性は十分あります。
また、購入後の運転資金においてカツカツの資金で運営するよりも多少、余裕があった方が気持ち的にも運営においても安心です。
資産形成をスピーディに進めたい人
減価償却しない土地がセットであるからこそ、金融機関から融資を受けやすくレバレッジもかけやすい一棟アパートは、資産形成をスピーディに行いたい方に理にかなっている投資法です。
アパート投資のメリット
では、アパート投資は区分マンション投資や一棟RCマンションマンションの投資と比較してどの部分が有利なのかを解説していきます。
節税効果が高い
たとえば新築の区分マンション、一棟RCマンション法定耐用年数が47年に対し、新築木造は22年と短いため、区分マンション、一棟RCマンションより短期間に減価償却ができることがメリットです。そのぶん節税効果があり有利です。
ただし、金融機関から融資返済期間が22年を超えて融資を受けると、「デッドクロス※」となってしまうため、シミュレーションをしっかり行い、その際の対策を打っておくことがポイントです。
※デッドクロス
ローンの元金返済が減価償却費を上回ってしまうことを指します。 税引き前のキャッシュフローは変わらず、帳簿上では大きく利益がでているのに、ローンを返済し税金を払うとキャッシュアウトしてしまい、黒字倒産の可能性も出てくるので注意が必要です。
投資規模の拡大スピードを速められる
前述しましたが、土地もセットであるため、資産性が高く金融機関からの与信アップが期待できます。2棟目、それ以上の拡大に向けて追い風になります。
空室リスクを分散できる
それに対し一棟アパートの場合、複数の部屋を稼働させることが可能なため、たとえば10室中2室が空室でも稼働率は80%で稼働0%になることはありません。
シミュレーションをきちんとしておけば、空室になっても預貯金からの持ちだしで、ローンの返済金、維持管理費などの運営経費を補うことにはならない可能性も高く、空室リスクに強いと言えます。
アパート投資のデメリット
流動性が限定される
将来的の売却を想定し流動性を高めるためには、立地に妥協することなく一棟アパートを購入することがポイントです。
簡単にやめにくい
融資を利用している場合、一括返済による違約金がかかる契約であれば、それ以上の費用が必要となります。単純に5,000万円の物件を購入し同じ金額で売却したと仮定すると、500~650万+α(税別)が必要となります。
そのため、損失を被らず売却することを考えると利益がでるまで運営するしかありません。
その利益が出るまでの期間は収益や返済期間などにもよりますが、おおよそ3年から5年は必要と言われています。
アパートローン利用の場合、かなりの確率で違約金が発生します。金銭消費貸借契約の時にどのくらいかかるか必ず確認しておきましょう。
融資難易度が高い
例:築15年の木造アパートの場合 (木造の法定耐用年数=22年) |
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22年(法定耐用年数)ー15年(築年数)=7年(返済期間) |
ただ、上記の事例は原則的な一般事例であり、金融機関のローン商品によっては法定耐用年数を大幅に超えた返済期間を設けているものもあります。不動産業者や投資家仲間などから紹介してもらい、開拓してみてはいかがでしょうか。
維持費用が高額
実践不動産投資家によるアパート投資徹底比較!
※ここでは比較のため、中古アパートを築15年の建物(外部修繕など未施工)とし、表利回りは新築アパートが8%、中古アパートが10%としています。
新築アパート投資VS中古アパート投資
新築アパート | 中古アパート | |
---|---|---|
利回り | △ | ○ |
初期投資額 | ○ | △ |
客付け | ○ | △ |
節税効果 | △ | ◎ |
管理の手間 | ◎ | △ |
利回り
新築アパート | △ | 中古アパート | ○ |
---|
初期投資額
新築アパート | ○ | 中古アパート | △ |
---|
客付け
新築アパート | ○ | 中古アパート | △ |
---|
同等の物件が多く需要と供給のバランスが崩れているエリアの場合、家賃を下げても入居が決まらない事例も多々あるので注意が必要です。
節税効果
新築アパート | △ | 中古アパート | ◎ |
---|
注意点としまして、法定耐用年数を超えてローンを組む場合、減価償却を終えた際におこるデッドクロスの対策を考えておくことがポイントです。これは新築であっても同じです。
管理の手間
新築アパート | ◎ | 中古アパート | △ |
---|
また、前オーナーと管理会社による物件の管理状態、入居者の属性によっては運営に苦戦する恐れもあります。このような場合、購入時に管理会社の対応状況(近隣、入居者クレーム、修理履歴)の確認することで、リスクヘッジが可能となります。
アパート一棟投資VSワンルームマンション投資
アパート一棟 | 1Rマンション | |
---|---|---|
利回り | ○ | △ |
初期投資額 | △ | ○ |
流動性 | △ | ○ |
節税効果 | ○ | △ |
管理の手間 | △ | ◎ |
利回り
アパート一棟 | ○ | 1Rマンション | △ |
---|
初期投資額
アパート一棟 | △ | 1Rマンション | ○ |
---|
流動性
アパート一棟 | △ | 1Rマンション | ○ |
---|
節税効果
アパート一棟 | ○ | 1Rマンション | △ |
---|
管理の手間
アパート一棟 | △ | 1Rマンション | ◎ |
---|
ただし、マンションを管理する管理組合によってはずさんな管理がなされているケースも少なくないため注意が必要です。
アパート一棟投資VSマンション一棟投資
アパート一棟投 | マンション一棟 | |
---|---|---|
利回り | ○ | △ |
初期投資額 | ○ | △ |
流動性 | △ | ○ |
節税効果 | ○ | ○ |
管理の手間 | ○ | △ |
利回り
アパート一棟 | ○ | マンション一棟 | △ |
---|
家賃収入/物件取得額で算出することになりますのでマンション一棟の方がアパート一棟と比較し利回りにおいては劣勢になります。
令和4年度参考施工単価(東京都) 木造17.3万/m2 鉄筋コンクリート造 36.4万/m2
(国税庁地域別 構造別工事費用より)
初期投資額
アパート一棟 | ○ | マンション一棟 | △ |
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流動性
アパート一棟 | △ | マンション一棟 | ○ |
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節税効果
アパート一棟 | ○ | マンション一棟 | ○ |
---|
管理の手間
アパート一棟 | ○ | マンション一棟 | △ |
---|
アパート投資に失敗しないための注意点
信頼できる不動産会社と取引を
不動産業者の実績、評判を客観的にリサーチし、信頼できる不動産業者と取引することがポイントです。
シビアな数字でシミュレーションすること
運営を行うにあたりさまざまな客観的情報を収集し、将来のリスク(空室増、家賃下落、金利上昇、劣化による修繕費など)を見越した厳しい収支シミュレーションを行うことが、あなたを守るためのリスクヘッジとなります。
賃貸需要を精査すること
購入する対象エリアにおいて将来継続的に高稼働な状態で運営できる見込みがあるかどうか、需要と供給をしっかりリサーチし、不動産仲介店からの客観的な情報を仕入れて購入の可否の判断をしましょう。
まとめ
属性の良いサラリーマンであれば、積極的に融資を行う金融機関も存在し、ビギナーであっても不動産投資に参入しやすい環境が整っているといえます。
その分、リスクに対するガードを固める必要性も求められ、それに対する情報収集やネットワークを構築するフットワークの軽さが最も重要です。
目先の収益に夢膨らませるだけでなく、積極的にセミナーや書籍から不動産投資を学び、一棟アパート投資のメリットを十二分に活かせる環境をつくる心構えが必要です。
初心者がアパート投資に参入するなら、
しっかりと戦略を練って成功率を上げましょう!
この記事の監修者
不動産投資家/株式会社サクセスアーキテクト 代表取締役
高校卒業後、通算20年以上住宅業界に携わり、2008年不動産投資を開始。当時の年収400万円から7年で資産10億円と家賃収入1億円を達成し、42歳でサラリーマン生活を卒業しセミリタイア。
現在14棟214室を保有する実践不動産投資家としてwebコラム執筆やTV、新聞などのメディアに多数出演しながら、3法人を運営し不動産賃貸業ならびに不動産賃貸経営コンサルタントとして活動中。
「NOをYESに変える不動産投資最強融資術」(ぱる出版)を執筆。
仮想通貨を保有している場合、金融機関から金融資産として認めてもらえない可能性が高いので注意が必要です。