中古ワンルームマンション投資は初心者向け?失敗しないためにできること

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この記事の監修者

八木エミリー
八木エミリー

投資家/証券外務員一種/2級FP技能士

中古ワンルームマンション投資は初心者向け?失敗しないためにできること

物件価格が割安で少額からでも始めやすい点が魅力の中古ワンルームマンション投資。メリット・デメリットを交えながら解説します。

この記事のポイント
  • 利回りが高い傾向にある中古ワンルームマンション。修繕費がかかりやすい点には注意が必要です。
  • 購入当初よりも修繕積立金が増額!手元に残るお金が減少してまったく儲からない…という失敗も珍しくありません。
  • 物件に関する事前の情報収集が中古ワンルームマンション投資で失敗しないためのポイント!

目次

中古ワンルームマンションは初心者向け?

中古ワンルームマンション投資は、初心者向けの手法と言われることがあります。その理由は、新築ワンルームマンションよりも物件価格が割安で、参入しやすいためです。また、すでに入居者がついている物件が多く、入居者募集の労力を割かずに家賃収入を得られます。

ただし、気軽に始められるからといって、安易に手を出すことはおすすめできません。大きな失敗を回避するためには、中古ワンルームマンション投資の特徴やリスクについて理解を深めることが大切です

中古ワンルームマンションの定義

中古ワンルームマンションとは、一度でも人が居住したことがある物件をさすケースが一般的です。ただし、不動産業界では、誰も入居したことがない物件でも、完工後1年以上経つと中古として扱われます。

また、一部の金融機関では物件の新築・中古の判断を、完工後2年超えかどうかで線引きするなど、複数の定義があります。中古といっても幅広く、不動産会社と金融機関では定義が異なる可能性があるため、それぞれ確認しておくと良いでしょう。

中古ワンルームマンション投資のメリット

中古ワンルームマンション投資には、割安な物件価格、利回りの高さなど複数のメリットがあります。それぞれ順番に詳しく見ていきましょう。

新築に比べ割安

中古ワンルームマンションは、新築よりも割安な物件価格が魅力です。一般的な新築物件の価格は、相場よりも割高な傾向があります。割高になる理由は、売り手の広告宣伝費や利益が物件価格に上乗せされているためです。この上乗せ部分は「新築プレミアム」と呼ばれています。

一方、中古ワンルームマンションの多くは相場を基準に売却価格が決まる仕組みです。新築とは、価格の決まり方が異なります。また、売主が売り急いでいるなど個別の事情によっては、さらに割安で購入できる場合もあるでしょう。

価格が安いため利回りが高い

中古ワンルームマンションは価格が割安だとお伝えしましたが、これは利回りが高くなることにもつながります。利回りとは、投資した金額(物件の購入価格)に対して、年間でどれだけ利益(家賃収入)を得られるかをパーセンテージで表したもの。不動産投資においては、物件の収益性を判断する際の基準の1つです。

利回りは、数値が高いほど収益性が高いことを意味します。利回りの計算上、家賃収入が同額であれば物件価格が低いほど利回りが高くなる仕組みです。そのため、物件価格が割安な中古物件は高い利回りを期待できます

買ってすぐに家賃収入がある

中古物件のなかで、すでに入居者がついている物件をオーナーチェンジ物件と呼びます。オーナーチェンジ物件は、購入後すぐに家賃収入を得られるため、収支計画を立てやすく、初心者の方でも安心して賃貸経営を始められるでしょう。

すでに入居者がついている

中古物件は、すでに入居者がついているケースが多く、新築物件のように入居者募集で苦労する必要がありません。空室は、不動産投資家にとって大きなリスクとなりますので、購入段階で入居者がついていることは大きな魅力です。

また、入居者を募集するには不動産会社へ仲介手数料や広告費といった費用を支払います。入居者募集業務を省くことで、これらの費用も節約することが可能です。前述のとおり、運用開始と同時に家賃収入を得られるため、安定した賃貸経営を期待できるでしょう

相場の家賃になっている

中古ワンルームマンションは、購入時の家賃が相場に準じている傾向があり、家賃下落リスクを抑えられる場合があります。家賃下落リスクとは、物件を購入した当初よりも家賃が下落することにより、収益性が下がるリスクです。

新築ワンルームマンションの場合、新築プレミアムの影響で相場よりも家賃が高めに設定されています。これは、日本では新築に価値があると考える人が多く、家賃が高くても入居者が集まりやすいためです。

建物は築年数が経つにつれて資産価値が下がる傾向があるため、それに伴い、周辺相場に合わせて家賃を下げる必要があります。購入時の家賃設定が相場よりも高い物件は、家賃下落リスクが高いといえるでしょう。

一方、築20年以上など築年数が経っている物件は、資産価値が下落するリスクが低い傾向があります。そのため、家賃下落リスクも低いといえるでしょう。

ただし、入居者が長期で入居している場合、相場に合わせて家賃の改定が行われていないことがあります。仮に、家賃が相場よりも低く設定されていても、貸主からの一方的な値上げが難しい点に注意が必要です

中古ワンルームマンション投資のデメリット

中古ワンルームマンション投資には、事前に情報収集していないと大きく損をするリスクがあります。デメリットについてもあわせて確認しておきましょう。

修繕費がかかりやすい

中古ワンルームマンションは、新築よりも購入当初の修繕費が高い傾向があります。マンションは、共用部分と専有部分に分けられ、共用部分の修繕は毎月の修繕積立金から賄います。

一方、専有部分の修繕は、各部屋の所有者の責任で費用を捻出する仕組みです。建物は築年数の経過によって修繕箇所が増えるため、中古物件の場合、購入直後の修繕費が想定以上に高くなるというリスクがあるでしょう

入居付けに苦労する可能性がある

日本では、築年数が古い物件よりも新築または築年数が浅い物件が好まれる傾向にあります。不動産ポータルサイトで物件を検索する際、築年数〇年以下といった条件で検索する方も多いです。

このような日本人の価値観から、築年数が経った中古ワンルームマンションは、入居付けに苦労してしまう可能性があります

築年数によっては旧耐震など注意

中古ワンルームマンションを購入する際は、耐震基準についても注意が必要です。現行の建築基準法における耐震基準は、1981年に定められました。

この基準を「新耐震基準」と呼び、それ以前の基準よりも耐震性を強化したものとなっています。マンションは鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物が多く、木造の物件よりも丈夫です。

しかし、1981年以前に建てられたマンションは新耐震基準をクリアしていない可能性があるため注意が必要です

中古ワンルームマンション投資での失敗事例とその原因

中古ワンルームマンション投資で致命的な失敗をしないためには、失敗事例を知っておくことも大切です。ここでは、中古ワンルームマンション投資にありがちな失敗事例とその原因について解説していきます。

多額の修繕費がかかってしまった

中古ワンルームマンションのなかでも、すでに入居者がついている物件は事前に内部を確認できません。入居者が長期間居住している場合や、使い方に問題がある場合などは退去後に想定以上の修繕費がかかるおそれがあるでしょう

賃貸経営による収入だけでは賄えない場合、ご自身の預貯金から費用を捻出しなければなりません。資産を増やすために不動産投資を始めたのに、逆に生活が苦しくなってしまうリスクがあります。

【失敗の原因】
このような失敗の原因は、主に事前の確認不足です。入居者がどのような人物か、過去にどのような修繕を行ったかなど、できる範囲で事前調査しておくことが大切です

想定していた収入が得られなかった

賃貸経営では、家賃収入のすべてが自分の収入になる訳ではありません。想定していたように収入を得られず、赤字経営となってしまうこともあります。

たとえば、マンション共用部のリフォーム費用の原資である、修繕積立金。毎月〇万円といった形で支払うものですが、築年数に応じて増額される場合があります。購入当初よりも修繕積立金が増額されると、手元に残るお金が減少して経営が苦しくなるリスクがあります

【失敗の原因】
このような失敗は、修繕積立金についての調査不足が主な原因です。マンションの修繕積立金の徴収方法には、築年数に関わらず定額で徴収する方法や、築年数が経つにつれて増額する方法など複数の考え方があります。

また、マンションの修繕計画の見直しが長期間行われておらず、本来必要なリフォーム資金が十分に積み立てられていないケースもあります。修繕時に一時的に徴収される場合もあるため、どのような方法を採用し、どのような修繕計画が立てられているのか確認することが大切です

信用棄損してしまった

信用棄損によって、次の物件を購入できないといった事例もあります。信用棄損とは、借入額と資産の差額がマイナスの状況に陥ることです。

金融機関からすると、融資をきちんと返済してくれるのか不安が残るため、追加融資を受けられなくなります。追加で融資を受けられても、高金利での融資となり、返済が厳しくなってしまう可能性も否めません。

【失敗の原因】
信用棄損による失敗は、金融機関の融資審査に関する情報収集不足が挙げられるでしょう。不動産投資は事業の側面が強いため、「物件に価値があるか」という観点から融資審査される傾向です。

中古ワンルームマンションは、新築よりも資産価値が低く評価されることがあり、資産<負債という状況に陥るリスクがあります。なお、融資審査の評価方法は、各金融機関によって異なります。不動産会社や金融機関の担当者へ事前に確認しておくと良いでしょう

中古ワンルームマンション投資で失敗しないためのポイント

中古ワンルームマンション投資で失敗しないためのポイントは、以下3つです。

・空室リスクへの対策を検討しておく
・周辺の取り引き相場を確認する
・売却時も考慮して物件を選定する

中古ワンルームマンションの投資で失敗しないためには、物件に関する事前の情報収集がカギとなります。周辺の同一間取りにおける空室率、家賃の水準・推移など購入予定の物件と比較しつつ、どのような賃貸需要があるのか確認しましょう。周辺のリサーチをしっかりとしておくと、空室発生時にも役立ちます。

同時に、購入予定の物件価格と相場を比較して、割安であれば購入を検討するのも手です。ただし、割安ということは、ネガティブな事情が潜んでいるリスクがあるため、修繕履歴や入居者の調査といった事前確認もしておきましょう

また、将来的に不動産を売却することもあると思いますが、買い手のターゲット層が狭いと売却しにくくなる可能性があります。収益物件としてだけではなく、居住用としても需要があるかといった観点を持つこともポイントです

不動産投資を始める前に勉強を!

中古ワンルームマンション投資で失敗する理由の多くは、勉強不足によるもの。ここまで解説したように、事前にしっかりと情報収集することが大切です。また、各不動産会社ではセミナーを開催しているケースが多いです。

専門家や経験者が開催するセミナー参加も検討してみましょう
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まとめ

中古ワンルームマンションは、少額から参入することができるため初心者でも始めやすい投資手法です。しかし、そのほかの投資と同様、中古マンション投資にもリスクは付きもの。勉強せずに始めると大きく失敗する可能性があります。

中古ワンルームマンションに興味がある方は始める前に、どのようなリスクがあるのか、リスクを回避するためには何をしなければいけないのかなど、しっかりと理解した上で物件を購入するようにしましょう。

初心者向けと言われる中古ワンルームマンション投資でも、
事前にデメリットやリスクをおさえておくことが大切です。

この記事の監修者

八木エミリー
八木エミリー

投資家/証券外務員一種/2級FP技能士

新卒時に野村證券入社。新人時に営業成績東海地方1位を獲得。2016年より不動産を購入。現在7棟を所有。2019年より独立系ファイナンシャルアドバイザーとして主に富裕層向けに資産活用のアドバイスを行うほか、一部上場企業の社員向けセミナー講師としても活躍。オンラインサロン「em会」にて金融知識の啓蒙に務める傍ら、地域活性事業など活動も行う。東京駅に近いバイリンガルスクール「WONDER KIDS BILINGUAL PREP SCHOOL」オーナー。「元証券ウーマンが不動産投資で7億円」など執筆。

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