1LDKはレイアウトパターンがいっぱいあるのが特徴。間取りのプロが解説します

1LDKはレイアウトパターンがいっぱいあるのが特徴。間取りのプロが解説します
賃貸物件に間取り図は必須項目!変わった間取りから一般的な間取りまで、日々間取り研究をしているドクターサヤが解説します。

1LDKのLDKはリビングダイニングキッチン略でレイアウトパターンがいっぱいある

賃貸1LDK 配置編その1

1LDKは間取りパターンがいっぱい
賃貸の1LDKで45m2前後のものをみてみると、大体7パターンくらいに分けることができたので、今回はそのうちの3パターン紹介します。

1LDKの場合、玄関を入ってまずLDKがあるタイプと、廊下などがあり最初に個室、その先にLDKがあるタイプがあります。
ポイントは長細く配置された部屋。採光もこの場合は2面とられているので、部屋の使い勝手としては悪くないと思いますが、ワンスパンで2部屋とりたいという設計側の都合が優先されているように思えます。

おかげで個室から玄関に行くまでにはLDKを横切らなければなりません。もしLDKからぱっと個室に移動したい人にとっては便利な間取りでしょうし、廊下が短い分広くなります。

同居人がいたりして、個室で静かに過ごしたい、というリクエストがある場合は、やはり廊下を介して部屋はきちんと分かれていた方が良いでしょう。どちらがいいというわけではないので、これは住む人に良く考えて選んで頂きたいと思います。
部屋のつながりとしては上の間取りと同じですが、LDKと個室が並んで配置されているところがポイント。この間取り図ではドアの書き忘れのため、どこに個室への出入り口があるのかわかりませんが、LDKを横切って玄関にいく、というまでの労力は必要はなさそうです。

もし、個室とLDKの間の扉が大きいものであれば、一体化して使うこともでき、友達がたくさん遊びに来た時には便利だと思います。
上のものとほとんど変わりませんが、部屋の向きが90度回転したもの。扉を大きく、という使い方はできないですが、外部に面している長さが長い分、開口部もたくさんとられていて明るそうです。

ただし、窓の多い部屋というのは、明るい分、寒さ・暑さには弱いです。そこに今日紹介したように配置(レイアウト)的なバリエーションが加わり、あとはキッチンがどのタイプか、和室が洋室か…などと考えていると色々なバリエーションが考えられると思います。

賃貸1LDK 配置編その2

玄関→廊下→部屋→LDK
今回は玄関→廊下(的なもの)→部屋→LDKというものを紹介します。このタイプは部屋の独立性が高いです。LDKのごちゃごちゃとは離れてゆっくり眠りたい、同居人と時間のすれ違いがある、って人にはこちらの方がおすすめです。
部屋の採光に難がありますが、寝室としてしまうならば、問題はないでしょう。逆の場合よりもLDKが明るくて良いのではないでしょうか。こういう間取りの場合、廊下の面積がちょっともったいないです。

でも、中には玄関入ってすぐにLDKというのを嫌がる人もいますから、これは人それぞれでしょうか。全体の形がかなり細いのがちょっと気になりますが、特に明るい部屋というこだわりがなければ、家具のレイアウトがしやすくていいと思います。
上と配置的にはあまり変わりがありませんが、風呂がキッチンとくっついていて、洋室の向かいに配置されています。全体の形が上のものと比べると横長なので、このような配置になったのでしょう。

LDKはそのため横長になっていて、明るそうです。幅がちゃんとあれば、バルコニーも比較的広いでしょう。
玄関を入るとLDKに続く(たぶん含まれる)廊下があり、そこにトイレと風呂へのドアがあり、次に洋室へのドア、それを抜けるとLDKになります。もしキッチンがオープンなタイプであれば、動線がかなり短くて済むタイプです。

この場合LDKはキッチンと廊下的なスペースを含んでの11畳になりますから、実際どれくらいのスペースがとれるか、家具は置けるか、など内覧でチェックする必要がありそうです。

この間取りはバルコニーが両サイドにありますが、部屋をつなぐ形でついている場合もあります。どちらにしても、採光は良いことが多いです。
玄関を入ると左に洋室へ続く廊下、前に風呂へ続くホール、右にLDKへの扉があります。お客さんがきたら、どっちにいけばいのか、靴はどう置けばいいのか、マナー的な悩みが発生しそうです。

しかし、間取りとしては面積の割には広々としているし、バルコニーも2つあるし、洋室とLDKをきちんと使い分けるタイプの人には使いやすい間取りだと思います。

賃貸1LDK トイレとお風呂色々

トイレ・お風呂、いわゆる水回りのパターン
特にトイレ・お風呂、いわゆる水回りのパターンについて考えてみたいと思います。これは、今まで紹介してきたワンルームから1DKの場合にもあてはまります。

ただし、段々と広い物件が多い間取りになってくると、大体同じくらいの設備が入っているので、1LDKのところで書いておこうと思いました。 それでは、レベルごとだいたいどのようなパターンがあるか考えてみましょう。

■レベル0:シャワーのみ
確かにこのような物件は存在します。1LDKでは見たことないですが、かなり広いワンルームにあるのは見たことがあります。 最初からそういう人をターゲットにしている場合と、後から取り付けたので場所がなかったからという場合があるようです。

■レベル1:バス・トイレ一緒、脱衣所なし
古い物件だと結構多いパターン。お風呂にゆっくりつからない、掃除が面倒という人には安いし、おすすめです。

■レベル2:バス・トイレ別、脱衣所なし
お風呂を上がったら、いきなり廊下か部屋。脱衣所がないので着替えをどこですればいいかわからず、手を洗うのにいちいち風呂に入らないといけないので、意外と不便。それでも、きちんとお風呂つかって、おわったら床を拭いて、着替えはなんとかスマートにできる、という人にはおすすめ!

■レベル3:バス・トイレ別、ただし脱衣所・洗面所とトイレを兼ねている
いわゆるホテル形式。欧米風。ひとり暮らしなら問題ないですが、2人以上だと、どっちかがお風呂入っているときは、トイレは我慢我慢です。

■レベル4:バス・トイレ別、脱衣所・洗面所あり
おそらく最も一般的なタイプ。洗面所に洗濯機置場があるか、他の場所にあるかの違いがあるくらい。ただし、掃除をする場所は圧倒的に増えるので、湿気の多い日本でこれらを綺麗に保つのは至難の業。 家族で住んでいたり、来客が多い場合は仕方ないけど、ひとり暮らしで忙しいとあっという間にカビとほこりまみれになるのでご注意!

■レベル5:レベル4にくわえて、水回り専用の廊下がある
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、つまり玄関からの廊下とは別に風呂、トイレなど水回りへアクセスするための廊下があるということです。レアなケースですが、玄関から入って迷路のような扉空間と化している廊下を通って部屋にいく必要がなくなりますし、水回り用の廊下がキッチンの近くにあったりすると、家事動線が短くなってよいでしょう。

今回は賃貸物件を探すときには重要な水回りをレベルに分けてみました。どれがいいということではないですが、同じような築年数と場所と間取りの場合、水回りのレベルが家賃を大きく左右します。

自分が必要なのはどのあたりか見極めてみると、もしかしたらレベル0か「トイレ・風呂共同」とかでもよいかもしれませんし、 絶対にレベル4じゃないと夜ゆっくりできないというならそこにこだわって物件探しをすると良いと思います。

ただ、「風呂・トイレ別」という広告の一言だけでは、わからないことがたくさんあるので、脱衣所または洗面所はあるのか、どれくらいの広さか、など細かいところもチェックしながら物件探しをしてみて下さいね。
中田早耶(なかた さや)
人が主役の住まいをサポート「CASA SAYA(カーサ・サヤ)」代表。業務内容は間取り相談・住まいカウンセリングなど。間取り図で博士号をとった、自称「間取りドクター」
<経歴>京都工芸繊維大学にて建築設計を学び、東京大学大学院にて修士・博士号取得。日本学術振興会特別研究員を経て、現在客員研究員として東京大学に在籍。専門は住環境、住宅・都市解析。建築学会、都市住宅学会所属。
ブログ: 間取りドクターサヤのアラウンド間取り図

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