ワンルームとは?1Kや1LDKと何が違うの?間取りやレイアウトを見ながら解説

  • 公開日:
  • 2017年12月20日
ワンルームとは?1Kや1LDKと何が違うの?間取りやレイアウトを見ながら解説
賃貸物件に間取り図は必須項目!変わった間取りから一般的な間取りまで、日々間取り研究をしているドクターサヤが解説します。

ワンルームとはどんな間取りか。設備や形の視点で解析

賃貸ワンルーム 設備編

設備の優先順位をつけよう!
みなさん、間取り図をみるときって、何からみますか?

例えば、ワンルームマンションの場合
■お風呂とトイレは別か?
■キッチンはちゃんとしてる?
■濯機おくとこある?
■収納は広い?
■玄関に靴箱はある?

結構こういう設備的なところに目がいってしまう人も多いと思います。

でも、ちょっと待ってください!
部屋自体が例えば6畳で、全体の広さが20m2だとします。 とりあえず 850mm×1700mm、約1.45m2が畳1畳の広さとすると、6畳は8.7m2となります。 とすると、残りの20-8.7=11.3m2が設備と廊下、玄関などにとれる面積になります。

これに、欲しい設備を全て盛り込むのは無理です!
予算があり、住む場所と駅からの距離、築年数などを決めてしまうと、あとは同じような広さのものになってしまうのが現状です。 よっぽど広かったりするのは何かわけがある物件だと思います。

自分はどんなところを大切にしているのか、優先順位を決めましょう
■お風呂タイムが何よりもくつろぐから絶対トイレとバスは別!
■だいたいシャワーだから、掃除も楽だし一緒でいいや、その替わり料理好きだからキッチンは2口は欲しいなぁ…
■なんといってもお洒落がしたい!お洋服をたくさん収納したいし、靴もたくさんあるから靴箱か広い玄関がいい!
■とりあえず設備はどうでもいいから広いのがいい!という人には同じ20m2でも8畳くらいとれたり

不動産屋さんに特に主張もなく行くと、バストイレ別は当たり前とか、 今の人は料理しないからキッチンなんか説明もないとか、とりあえずクローゼットがあることを強調するんだけど、よくみたら柱が中にあって、実際ちょっとしか使えないクローゼットだったり…、 自分にぴったりの物件がなかなか出てこなくて、結局あちこち回って疲れ果ててしまうことになります。

そんなことにならないために、自分の理想ではなく、実際の生活パターンや大切にしていることを見極めて、何を捨てて、何をとるかはっきりさせておきましょう。

すると向こうも話がしやすいですし、もしかしたらワンルームには贅沢すぎるお風呂やキッチンのある物件や、たっぷり収納の自分にぴったりの物件がみつかるかもしれません。

私自身の経験からいうと、結構捨てるところは思いっきり捨ててしまった方がいいと思います。そういう人には、みんなが手を出さない掘り出しものの物件を出してくれたりします。

賃貸ワンルーム 正方形から長方形編

ワンルーム:正方形
ワンルームで正方形に近いかたちの物件は稀少かと思われます。その理由は上であげたものですが、もし正方形の物件だとどんな長所と短所があるのでしょうか。 ワンルームで含まれる設備はある程度限られていて、おそらく水回りは玄関近くに配置されるでしょうから、メインの部屋自体は若干横長の形になると思います。
採光面が1面だけでも、かなり明るい部屋になりますし、極端に細長い物件や、変形の物件と比較すると家具のレイアウトがしやすいと思います。ただし、窓の分壁が少なくなるので、窓際におきたくない家具の置き場所に困るかもしれません。 また、オマケ的な長所として、奥行きがせまいバルコニーでも、もし開口部全面についていれば、結構広くなるので、お洗濯を干すだけでなく、プチガーデニングや、くつろぎスペースなんかも確保できるかも。

ワンルーム:長方形
同じ条件で間取り図をみてみると、その多くが長方形のものだと思います。 正方形と長方形は整形なので、きちっとしているのが好きなタイプの人はどちらかに目がいきやすいと思います。長方形は、まぁありだろうという細長さから、なんだこの極細は!というものまで様々です。

まず、まぁありだろうという細さの場合、水回りの配置が玄関まわりにコンパクトにまとまっていれば、メインの部屋はわりと使いやすい正方形に近い長方形の形になるかと思います。
正方形の物件に比べると、採光面ではやや劣りますが、もし角部屋であれば、建っている条件が良ければ、正方形より明るい部屋になることもあります。バルコニーもうまくいけば2つ設置していたり…。また、逆に特に明るくなくていいや!って人には、細長くて開口部が少ない分壁が多くなるので、インテリアの腕のみせどころになったり、なんやかんや壁に貼ったり、つるしたり、と好都合なこともあります。

賃貸ワンルーム 極長方形から変形編

ワンルーム:極長方形
長方形は同じでも極端に細長い形の間取りの場合を考えましょう。
間取り図をよーくみて、全体の面積(約20m2)から横幅を計算してみましょう。この場合、ざっくり計算すると横幅が2.3メートル、縦が8.5メートルです。すると、このメインの部屋が6畳というのは、キッチンまわりや廊下も含んだ広さとなり、実際部屋として使えるまとまった広さは、4畳半くらいになってしまいます。キッチンエリア、サニタリーエリア、メインの部屋とうまく区切って住みこなすのは、よほどのインテリア能力が必要になってきます。

こうした極細な間取りは間取り図からのイメージとのギャップが大きいことが多いようです。間取り図だけみて、安易に6畳のワンルームだ、と解釈しないように!

更に違ったタイプの間取りも見てみましょう。
極細でも、間取りの真ん中に玄関があるタイプ。廊下もありません。 これなら、うまく仕切れば無駄な面積もでないし、この物件の場合メインの採光以外にも窓があるので、ある程度明るい部屋になりそうです。

ワンルーム:変形
日本の都心部は建物が建て込んでいます。よって、変形の敷地や、斜線制限(建築の法規制)によって、やむなくなのか、はたまたデザイナーズをねらってなのか、間取り図だけではわからないのですが、結構変わった形の間取りの物件が存在します。
これはメインの開口部のところが微妙に斜めになっています。微妙なので、気にならない人は気にならないかもしれませんが、個人的には前に似たような物件をみにいったとき、ちょっとくらくらっとしました。

人間の水平垂直に関する感覚って結構するどいようです。額縁なんかが斜めなのは気持ち悪い、ってひとはやめた方がよさそうですが、 大丈夫って人にとっては、掘り出し物件かもしれません。
かなり変形のお部屋です。水回りは普通にまとまってますが、メインの部屋が六角形状とでもいうのでしょうか、大変家具のレイアウトがしづらそうです。ただし変わった部屋が大好きな人にはたまらないかもしれません。特にベランダまでかなりキレのある三角形です。この際モンゴルのパオかなんかをイメージしたインテリアなんかはいかがでしょうか?

ざっくり分けただけでも、これだけのかたちの物件がありました。それぞれに長所あり、短所あり... どれがいいってことはないんです。

それが賃貸のよいところ!
土地を買う場合、変形や奥行きが長いものは安く査定されてしまいますし、資産価値として長い目でみた場合は正方形に近いものが良いですが、賃貸だから、そこは自由。嫌になったら引っ越せばいいだけだし、自分のライフスタイルにあったかたちの間取りを探してみましょう!
中田早耶(なかた さや)
人が主役の住まいをサポート「CASA SAYA(カーサ・サヤ)」代表。業務内容は間取り相談・住まいカウンセリングなど。間取り図で博士号をとった、自称「間取りドクター」
<経歴>京都工芸繊維大学にて建築設計を学び、東京大学大学院にて修士・博士号取得。日本学術振興会特別研究員を経て、現在客員研究員として東京大学に在籍。専門は住環境、住宅・都市解析。建築学会、都市住宅学会所属。
ブログ: 間取りドクターサヤのアラウンド間取り図

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