南向きの部屋はOK?北向きの部屋はNG?方角別部屋選びのポイント

  • 公開日:
  • 2016年12月14日
南向きの部屋はOK?北向きの部屋はNG?方角別部屋選びのポイント
南向きの物件は人気が高いですが、暮らし方によって「合う」部屋の向きは異なります。自分にあった方角の部屋を見つけましょう。

方角は賃貸物件選びの重要項目

お部屋を選ぶとき、家賃はもちろんのこと、設備、立地、利便性、周辺環境などさまざまな条件を考慮しなくてはいけません。そんな中でも重要な項目のひとつが部屋の方角です。

南向きじゃなきゃいけない理由ありますか?
部屋は南→東→西→北の順で人気があり、人気が高いほど家賃も高くなる傾向にあります。特に南向きの部屋は人気があるので家賃が高めの設定です。「迷っているうち、いつの間にか埋まってしまった」というこ経験もあるのではないでしょうか。

ですから「南向き」という条件だけにこだわって、「ここだ!」という部屋が見つからないままお部屋探しに時間をかけ過ぎるのは非常にもったいないす。南向き以外の方角にも、それぞれのメリットがありますので理解しておくと部屋探しはスムーズになるでしょう。

お部屋の居心地最重視!なら南向きの部屋

ここからは方角別にお部屋のメリット・デメリットを見ていきましょう。まずは南向きから。

南向きのメリット
一日を通して部屋が明るい
洗濯物が乾きやすい
南向きの一番のメリットは、1日を通して部屋に日光が降り注ぐこと。日照時間が長いため、南向きの部屋では洗濯物が乾きやすいと言えます。

南向きのデメリット
夏場は暑い
家具や壁紙・本が日焼けする
他の方角の部屋に比べ、家賃が高い
日が当たる分、部屋が暑くなりやすく、家具や壁紙、本などが日焼けしやすいのはデメリットと言えます。また南向きの部屋は人気が高いため、他の方角の部屋よりも家賃が高くなる傾向にあります。

南向きの部屋に適した家族構成や生活スタイル
家にいる時間が長い人や子供が小さいファミリー
専業主婦や自宅で仕事をする人など、家にいる時間が長い人におすすめ。他の向きの部屋に比べ、部屋が明るい時間が長いため1日中快適に過ごせます。

特に家に小さい子供がいる家族は、洗濯の回数が増えがち。南向きの利点「洗濯物が乾きやすい」を活かせるでしょう。

生活リズムを整えるなら東向きの部屋がイチオシ

2番目に人気が高い東向きの部屋。南向きの部屋に比べ、朝日を有効活用できます。

東向きのメリット
朝日が差し込み、生活リズムが整いやすい
夏場でも午後は過ごしやすい
朝の太陽は高度が低いため、部屋の奥まで光が差し込みます。朝に日光を浴びると人間の体内時計がリセットされて寝起きがよくなり、規則正しい生活を送りやすくなると言われています。午後は室温が下がりやすいため、夏場でも過ごしやすいのは嬉しいところでしょう。

東向きのデメリット
午後は暗く、部屋の温度が下がりやすい
南向き、西向きに比べて洗濯物が乾きづらい
南向きに次いで家賃が高い
午後は部屋が冷えやすく、冬場は少し寒い思いをするかもしれません。また風向きにもよりますが、東向きのバルコニーでは早朝に洗濯物を干して、午後までに乾かす…ということになりがちです。

東向きの部屋に適した家族構成や生活スタイル
朝型のサラリーマン、小学生以上の子供がいるファミリー
朝日を浴びられるので、一人暮らしのサラリーマン・OLや共働きの夫婦など、生活リズムを整えたい人にぴったりです。小学生以上の子供がいるファミリーにもおすすめ。東向きの部屋なら、朝に弱い子供も朝日ですっきり目覚められるかもしれません。

西向きの部屋は暖房費が削減できる

東向きの部屋とは逆に、午後に活動したい人におすすめなのが西向きの部屋です。

西向きのメリット
洗濯物が乾きやすい
冬場、暖房費がかかりにくい
西日も部屋の奥まで入るため、南向きよりも日の強さを感じることになります。その分洗濯物が乾きやすく、部屋も温まりやすいのは西向きの部屋ならではのメリット。午後に光が差すので冬場は暖房費が抑えられ、電気代の節約にもなります。

西向きのデメリット
朝日が入らず、午前中は暗い
夏は室温が上がりやすい
家具や壁紙・本が日焼けする
西向きの部屋は朝日が入りにくく、朝すっきり目覚めるのは難しいです。また南向けの部屋同様、室温が上がりやすいため夏の午後はうだるような暑さになりがち。

西向きの部屋に適した家族構成や生活スタイル
出勤時間が遅めの人、節約志向の学生におすすめ
西向きの部屋は午後〜夕方に日光が入ります。出勤時間が遅く、午前中は寝ているという人や夜のお仕事をしている人など、午後に部屋にいるという人に合うでしょう。

南向きや東向きの部屋よりも家賃が低い傾向にあるので、家賃を抑えたいという節約志向の学生にもおすすめです。

北向きの部屋ならワンランク上の部屋に住めるかも

やや敬遠されがちな北向きの部屋も、ライフスタイルに合っているなら快適に過ごせます。

北向きのメリット
家賃が安い
部屋に入る光がやわらかい
「日当たりが悪い」「冬は室温が下がって寒い」などの理由から北向きの部屋は避けられがちです。

その分、他の方角の部屋より家賃が安くなります。分譲マンションの話になってしまいますが1平方メートルあたりの単価で比較してみたところ、北向き住戸は南向きより約10~20%※ も安く価格設定されています。人気が低いということを逆手にとれば、大家さんが家賃交渉に乗ってくれる可能性も高くなります。

部屋に入る光がやわらかいのも隠れたメリット。テレビやパソコンの画面に日光が当たりすぎて眩しい…なんてことも防げます。勉強部屋にも最適です。

※これは賃貸ではなく、分譲マンション「方位別価格の概念図」となります。「向き」以外の間取りや眺望が同じ条件である場合を想定した場合の参考です。実際の価格設定では、向き以外の住戸条件も加味した計算となるため、この通りの価格差にはなりません。

北向きのデメリット
日当たりが良くない
結露が起きやすい
北向きの部屋は日当たりが悪い分、一日を通して部屋が暗めになりがち。特に冬になると、室内と外気の寒暖差によって結露が発生しやすくなります。

北向きの部屋に適した家族構成や生活スタイル
休日も出かけるアクティブ派の人、節約重視の人におすすめ
お部屋選びの条件で何よりも家賃を重視するなら、北向きは検討価値あり!先ほどもお伝えしたように、部屋のスペックが同じでも方角が北向きというだけで、家賃が割安なことが多いからです。家で過ごす時間が短い人も、北向きを優先して探すとお得な物件が見つかるかもしれません。

方角だけでは快適な部屋かどうか分からない

ここまで方角によるメリット、デメリットを紹介してきました。南向き以外の部屋にも、それぞれ魅力があると気づいていただけたのではと思います。

部屋の向きは自分のライフスタイルに合わせて選ぼう
部屋の方角選びに大きく関わってくるのは、部屋で過ごす時間や過ごし方。大切なのは、自分のライフスタイルに合わせて部屋選びをすることです。

自分のライフスタイルをチェックしてみましょう。家族構成はファミリーか、一人暮らしか?仕事は朝出勤か?夜出勤か?それとも自宅で仕事をするのか?…これまで紹介してきた各方角のメリット、デメリットから優先順位をつけ、改めて部屋の向きを検討してみてください。

建物の気密性や窓、周辺の建物もチェック
窓の数・大きさ
周辺の建物の有無、周りが開けているか
バルコニー、物干しの有無
断熱性・気密性
方角選びによって変わるのは主に明るさ・室温・景観の3つ。ですので、方角とあわせてこれらの項目を押さえることをおすすめします。

部屋の断熱性や気密性は、快適な部屋かどうかに大きく影響してきます。たとえば北向きでも、鉄筋コンクリート(RC)造で機能性が高い部屋なら室温を一定に保ちやすいと言えます。

日当たりが悪くても夏は涼しく、夜は暖かく過ごせるでしょう。逆に木造の部屋なら、南向きでも冬は冷え込んでしまいます。

周囲の環境チェックも忘れずに。まわりに高い建物がある場合は、建物が日光を遮ってしまうため当然部屋の日当たりは悪くなります。ほかにも大きな道路に面していて洗濯物が干せないなど物件によって周辺環境はさまざまです。方角だけに気を取られてはいけません。

本当に日当たりの良い物件を探す方法は?…いくら方角が良くても、部屋の日当たりは周辺の環境に依存します。隣に高層ビルなどの遮蔽物がある場合、一日中ほとんど日光が入ってこないことも。そのため、日当たりの良い物件を探す際は、内見を午前・午後・夕方と、3回行うことをおすすめします。部屋の照明を消した状態で、実際にどれくらい日が差すかのか確かめてみてください。

北向きの部屋でも快適に住む。間取り選びのポイントと入居後にできる工夫

とにかく家賃が安い、自分好みのデザイナーズマンション、立地が最高…まさに運命、と呼べるようなお部屋に出会える機会はそう多くないでしょう。

だからこそ、気になる部屋が北向きだからとあきらめてはいけません。窓や設備によっては、他の方角の部屋と同等に快適に過ごせるかもしれません。

北向きのデメリットを最小限にできる間取りや、入居後に快適に過ごす方法はあります。
1. 窓が2つ以上あり、開口部の広い部屋にしよう
前提として、北向きの部屋を選ぶなら開口部が大きく、窓の数が2つ以上あるところがおすすめ。窓が大きければ、日中暮らすのに十分な自然光が入ります。また2つ以上窓があれば、部屋の風通しが良くなり結露もできにくくなります。

湿気対策には、築年数が新しめの物件を狙うのもいいでしょう。平成15年7月1日からは改正建築基準法により、24時間換気システムの設置が義務づけられるようになっています。

窓が1つだけの部屋の場合はまめな換気を心がけたいところ。換気は空気の通り道を作ることが大切。窓を開け、お風呂やキッチンなどの換気扇を回しましょう。

日当たりの良い物件はカビが生えない?…日当たりの良い物件に対して、カビが生えないと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際は日当たりが良くてもカビが発生するケースもあります。その理由は湿度と風通し。カビは湿気とほこりに含まれる栄養素によって発生します。カビの発生を防ぐには、換気と除湿が必須です。結露もカビの生える原因になるため、見かけたらこまめに拭き取ると良いでしょう。

2. 床暖房、二重サッシなど設備にも注目
日当たりが悪いことで暖房費がかさむのが心配というのであれば、床暖房や二重サッシなどの対策がされているかどうかも是非見てみてください。

家賃が安くても、断熱性や気密性が低い部屋だったために暖房費がかさんで、当初より高くついてしまったらもったいないでしょう。入居後の寒さ対策には厚手のカーテンを活用するのも良いでしょう。

3. 鏡やインテリアの色で部屋を明るく見せる
ここまでは入居前に見たいポイントを挙げてきましたが、入居後にできる工夫もあります。たとえば部屋に大きめの鏡をおくと、反射して部屋全体が明るくなります。

鏡面の向きを調節して、光が当たりにくい部分まで反射光が通るようにしましょう。部屋のインテリアには白やクリーム色など、明るい暖色系を使うのも効果的です。面積が大きいベッドカバーなどなら取り入れやすいのではないでしょうか。

おわりに

日光の当たり具合は、不動産屋さんの営業担当から渡された間取り図を見ているだけでは分かりません。お部屋を実際に訪れて、入念にチェックしてみましょう。

内見でよくあるミスが、部屋に見に行く時間を間違えてしまうこと。日中家で過ごすはずなのに、夜に物件を見に行ってその部屋に決めて、実際住んでみたら内見のときと違った……となっては悲しいですよね。自分が家で過ごす時間に部屋を見に行くようにしましょう。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。