省エネルギー基準
しょうえねるぎーきじゅん
省エネルギー基準とは、住宅や建築物の省エネ対策について定められた基準です。
省エネルギー基準とは、1979年に制定された「省エネルギー法」に基づいて、何度か改定を重ねながら、住宅などの省エネ化を推進するために定められている基準です。
2013年に大幅に改定され、外壁や
窓などの外皮の熱性能(断熱性など)に加え、建物全体の省エネルギー性能を評価する「
一次エネルギー消費量」の基準が加わりました。「
一次エネルギー消費量」は、住宅内の「空調・暖冷房設備」「換気設備」「
照明設備」「給湯設備」「昇降機(エレベーター)」「事務機器・家電調理器」のエネルギー消費量の合計から算出します。また、太陽光発電など発電して自家消費したエネルギーは削減量として差し引くことができます。
新しい省エネ基準は、住宅や建築物全体の省エネ化の底上げと、より高いレベルの省エネを推進するために、ベースとなる基準として定められています。現在は努力基準ですが、2020年をめどに、段階的に義務化される方向です。
窓
窓は、採光、通風、換気、眺望などのために設けられる開口部です。風通しや断熱性など、窓の機能は四季を通じた室内の快適性に大きく影響します。また、外観デザインや室内空間、窓からの眺望など、ビジュアル面でも窓の役割は重要な要素となっています。
窓の種類は、取り付けられる位置により、次のような分類があります。
・掃き出し窓・・・・・窓枠の底辺が床面近くまである窓。リビングなどに設けられる大型の窓をいいます。
・腰高窓・・・・・窓枠の底辺が腰ほどの高さにある窓。
・出窓・・・・・建物の外に張り出す形で設置する窓。
・天窓・・・・・天井に設置する窓。トップライトともいいます。
また、開閉方法による分類では、次のようなものがあります。
・引き違い窓・・・・・横に引いて開け閉めする窓で、日本では最も一般的な窓です。
・はめ殺し窓・・・・・開閉できない窓です。フィックス窓ともいわれ、採光のために設けます。
・外開き窓・・・・・外に向かって開く窓で、片開きと両開きがあります。
・内倒し窓・・・・・室内に向けて倒れるように開く窓です。
そのほか、「回転窓」「滑り出し窓」「上げ下げ窓」「ルーバー窓」など、多彩な種類があります。
また、サッシやガラスの素材も豊富で、それぞれに性能や特徴があります。
一次エネルギー消費量
一次エネルギー消費量とは、住宅や建築物で消費するエネルギーを熱量換算したもので、2013年の省エネ基準の改定によって採用された指標です。
一次エネルギーとは、化石燃料、原子力燃料、水力・太陽光など自然から得られるエネルギーをいいます。これに対し、電気や都市ガス、灯油など、一次エネルギーを加工・変換して得られるエネルギーを二次エネルギーといいます。住宅などで使用されるエネルギーは二次エネルギーですが、それぞれに異なる単位(電気はkWh、ガスはMJ、灯油はLなど)で使用されています。
そこで、種類の異なる二次エネルギーを、一次エネルギー消費量に換算することで、建物の総エネルギー消費量を求めることがでます。単位はMJ、GJで表示します。
一次エネルギー消費量の計算に含まれるのは、冷暖房機などの設備機器や家電です。床面積や居住人数、部屋数なども考慮して算出されます。また、太陽光発電やエコキュートなどのエネルギー創出効果は、エネルギー削減量として差し引くことができます。
一次エネルギー消費量は、建物全体の省エネ性能を総合的に評価できるようにしたものです。
照明
照明とは、日本においては室内全体を照らす直接照明が主流で、「部屋を明るくする」役割とされてきました。また、1室1照明で、おもに蛍光灯など白熱灯が使用されます。しかし、最近では、くつろぎやリラックス、落ち着きなど、室内の雰囲気を演出する上で、生活シーンに合わせた照明器具の使い方が提唱されています。
照明によって室内の雰囲気は大きく違ってきます。活動的な時間とくつろぎの時間、手元がよく見える明かり、温もり感、開放感など、さまざまなシーンに応じて使い分けるには、1室に複数の照明器具を使用するのがポイントとなります。
照明器具の種類には、シーリング(天井に取り付け、部屋全体を均一に照らす)、シャンデリア(天井から下げる装飾性の高い照明。天井直付けタイプもあり。高い天井向き)、ブラケット(壁面や柱に取り付ける補助照明。空間の広がりを演出)、スポットライト(特定の物を照らし、置物などを強調できる)、ペンダント(吊り下げ型照明。下部だけ照らすものと、部屋全体を照らすものがある)、ダウンライト(天井に埋め込まれる照明で、調光機能の付いたものもあり、多彩な使い方が可能)、フットライト(廊下や階段の足元を照らす)、スタンド(床やテーブルに置いて使う照明)などがあります。
それぞれの特徴が分かると、明かりの楽しみ方も広がります。