畳
たたみ
畳とは、稲わらから作る日本の伝統的な床材です。
畳は日本の伝統的な床材です。和室に敷き詰めて断熱効果と適度な弾力性をもたらします。
ライフスタイルの変化によって洋室中心の生活になり、和室のない家も増えていましたが、最近では再び和室の良さや畳の魅力が見直されています。
畳は、畳床(たたみどこ)に畳表(たたみおもて)をかぶせ、長方形の長い方の辺に畳縁(たたみべり)を縫い付けて仕上げます。畳床は、従来は稲わらを圧縮して作っていましたが、最近では新建材を用いたり、稲わらと新建材を組み合わせることで、耐熱性・断熱性・防虫防カビ効果などが高いものが登場しています。
畳表にはイグサが使用されます。イグサは調湿効果があり、高温多湿の日本の風土に適した建材だといわれています。また、イグサには「畳のにおい」といわれる香りがあり、リラックス効果もあるようです。
畳の大きさは地方により異なり、
京間、中
京間、
江戸間などがあります。また、和モダンな雰囲気を狙って、縁のない
琉球畳などを用いる例も増えています。
琉球畳
琉球畳とは、縁のない正方形の畳です。
本来は、沖縄で生産された「七島イ(しっとうい)」というイグサを使用していました。このイグサは茎の断面が三角形なので、「三角イ」とも言われます。一般のイグサに比べて強度があり、断面が三角のイグサを2つに分けて編むので、真新しい琉球畳は表面がザラザラとし、使い続けるうちに柔らかくなっていくという特徴があります。従来は手織りで作られていました。
現在では、七島イの生産は大分県の一部に限られています。国産以外では、中国産の七島イを熊本県で再織したもの、中国製のものがあります。
現代の暮らしに無理なく「和」を取り込むデザインとして、琉球畳が再び注目されています。
京間
京間とは、京都を中心に、大阪、瀬戸内、山陰、九州の一部で長く用いられてきた畳の寸法です。本間や関西間とも呼ばれます。茶室などは、京間を使用します。
畳1枚の大きさが、長さ6尺(しゃく)3寸(すん)、幅3尺1寸5分(ぶ)で、約191X95.5cmが基準尺となります。部屋の広さが6帖あるいは8帖と変わっても、畳の大きさは一定です。畳の寸法を基準にして和室の間取りなどを設計することを「畳割り」といいます。京間では「畳割り」で間取りが作られるので、畳はどの部屋でも共通で使用できます。
畳は春と秋の天気の良い日に、畳干しをします。畳干しは日本の風物詩の一つでした。
なお、関東で主に用いられる畳を田舎間(江戸間・関東間)といいます。最近では関西でも田舎間サイズの畳を用いることが多いようです。
江戸間
江戸間とは、関東を中心に、東北や北海道などで用いられてきた畳の寸法です。田舎間や関東間ともいいます。
江戸間は、建物の間取りを設計するときに、京間のように畳の大きさを基準にするのではなく、柱と柱の間隔を基準とする「柱割り」で行います。柱と柱の中心線の長さを6尺(しゃく)(約182cm)にとるもので、畳の大きさは長さ5尺8寸(約176X88cm)幅2尺9寸と、京間(6尺3寸X3尺1寸5分)(約191X95.5cm)よりひとまわり小さくなります。
なお、このほか畳の大きさには、名古屋を中心に用いられた中京間(6尺X3尺)(182X91cm)、中国地方で用いられた安芸間(6尺1寸X3尺5分)(185X92.5cm)などがあり、地方色が豊かです。
団地などの和室には、団地間と呼ばれる5尺6寸X2尺9寸(170X85cm)が使用されます。