大手と地域密着どっちがいいの?知っておきたい不動産会社の選び方

  • 公開日:
  • 2017年01月16日
大手と地域密着どっちがいいの?知っておきたい不動産会社の選び方
引越の際には部屋選びに悩むものですが、同時に、“不動産会社選び”にも悩んだことはないでしょうか?ひとつの物件に対して不動産会社が複数存在していることが多く、不動産会社の対応や強みもさまざまです。
では何を基準に不動産会社を選べばいいのでしょうか?賃貸における不動産会社を選びのポイントについて考えてみます。

複数の不動産会社や不動産情報サイトを見て回ったとき、物件のダブリがあるのはなぜ?

引越を検討する際、まずは不動産情報サイトにアクセスし、物件を検索する方は多いでしょう。
仮に不動産情報サイトAを見たときに「パークサイド・スマイティ」という物件を見つけたとします。別の不動産情報サイトBを見たときにも「パークサイド・スマイティ」が掲載されていた…。これと同じような物件のダブリに遭遇した経験は少なくないでしょう。同じように、街の不動産会社を複数店回ったときにもダブリが発生することもあります。
加えて、不動産情報サイトで特定の物件を見たとき、その詳細情報の欄に以下のような、たくさんの仲介業者が紐付いている場合があります。

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このようなダブリはなぜ発生するのでしょうか。その理由に触れる前に、まずは私たちが部屋を借りるときに関わる業者について押さえておきましょう。おおまかに分けて以下のような業者が登場します。

●大家(オーナー)
部屋やマンションなど不動産の所有者。

●管理会社
大家に委託され、部屋やマンションの管理やメンテナンスなどを行う業者。大家自ら、管理やメンテナンスを行うこともある。

●仲介業者
「部屋を貸したい」と思っている大家や管理業者から依頼を受け、入居者の募集や紹介を行う業者です。なかには管理業務と仲介業務のどちらも行っている業者もいます。今回は、この仲介業者を「不動産会社」と定義しています。

●不動産情報サイト
スマイティのように物件を紹介している情報サイト。

では、冒頭部分でお伝えした「物件のダブリ」や「仲介業者がたくさん紐付いている状態」が起きる理由ですが、この背景には通称「レインズ」と呼ばれるデータベースの存在があります。レインズとは、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が指定した指定流通機構のこと。簡単に言えば、登録している業者のみが閲覧することができる物件のデータベースのことです。つまり、先ほど一例としてご紹介した「パークサイド・スマイティ」という物件があった場合、この物件は、レインズに登録している仲介業者であれば、お客さんへご紹介ができるということです。

何を基準に不動産会社を選べばいいのか?

レインズを使えば、どの仲介業者でも物件の情報を閲覧でき、お客さんに紹介することができます。つまり、持っている情報はどこも同じですから、何を基準に不動産会社(仲介業者)を選べばいいか迷ってしまうでしょう。そこで今回は、多くの人が利用するであろう、地元に根付く地域密着型の不動産会社と大手不動産会社を比べてみたいと思います。

まずは地域密着型の不動産会社の特徴から見ていきましょう。
こちらを選ぶメリットは、家賃の値下げ交渉がとても有利に働く場合があることです。地域密着型の多くはその街に昔からありますから、部屋を貸し出している大家と長い付き合いがあることもしばしば。その場合、大家の特徴を理解している分、家賃交渉がしやすくなる可能性があるのです。また、通常は表に出ていない掘り出し物件を紹介してくれる可能性もあります。
ちなみに、掘り出し物件を探すならば、仲介業者と管理業者を兼ねている不動産会社もおすすめ。管理している物件に空室が出た場合など、早期に紹介してもらえる可能性もあるからです。

一方でデメリットも存在します。例えば、大家との繋がりを重要視している場合には、接客時に借主側の印象が悪いと判断された場合には物件を貸してくれないことも考えられるでしょう。

大手不動産会社のメリットと見落としがちなデメリット

では、大手不動産会社の特徴を見ていきましょう。
こちらのメリットは、取り扱う物件数が多いこと。そのため、新着物件に出会える機会が増え、条件に合う物件を見つけやすくなります。支店も多く、広範囲に渡って物件を見つけやすくなります。また、Tポイントなどの共通ポイントと提携していることが多く、仲介手数料に応じたポイントがもらえることや、お得なプレゼントキャンペーンなども盛んに行っています。
仲介手数料といえば、大手不動産会社では入居にかかる初期費用をクレジットカードで支払うことができたり、分割支払いに対応している場合もあります。これもメリットの一つと言えるでしょう。というのも、引越の際にかかる初期費用は意外と高額になってしまいます。一般的に、入居が決まった際にかかる初期費用の目安は、前家賃(1か月分の賃料)、敷金、礼金、仲介手数料など家賃の4か月分が必要とされています。さらに、引越業者の費用や家具購入費用など、新生活に必要な費用も多くかかります。何かと出費がかさむタイミングですから、クレジットカード払いや分割ができることは役立つはずです。

地域密着型の不動産会社のメリットとして「家賃の交渉が有利に働く場合がある」とお伝えしましたが、大手不動産会社も積極的な家賃交渉を行ってくれることが多いです。大手不動産会社のスタッフには厳しいノルマが設定されていることもあり、契約を取るために家賃の値下げ交渉に協力してくれることがあるからです。とはいえ、裏を返せば契約を取るために少々強引な営業になってしまう可能性も否めません。すべてとは言いませんが、なかには本当は良いと思っていない物件であっても、契約が欲しいばかりに勧めることもあるかもしれません。部屋選びの際にはぜひ注意したいポイントです。

基本的にはどの仲介業者もレインズを使えば物件の情報を閲覧できます。しかし、地域密着型かチェーン店型かで特徴は異なりますから、キャンペーンや初期費用の支払い方、掘り出し物の有無などを考慮して選びましょう。

不動産会社選びで知っておくべき4つのこと

地域密着型と大手不動産会社の特徴を取り上げましたが、不動産会社を選ぶうえで、多くの人が、疑問を感じている点や見落とす点がいくつかあります。知っておくと得する情報もあるので、ここで身につけておきましょう。

チラシや看板で目にする仲介手数料の「無料」や「半額」キャンペーン。そのカラクリとは?
最近では、仲介手数料が半額で済むものや、なかには完全に無料を謳う物件も存在しています。仲介手数料は原則として、「家賃の半月分+消費税」を上限とした費用がかかります。一般的には、契約内容などから家賃の1か月分を払う人が多いですが、いずれにせよこの費用を抑えられればかなりお得です。しかし、仲介手数料は仲介業務を行った不動産会社にとっての報酬。「なぜ仲介手数料を無料や半額にできるのか」と疑問に感じる人も少なくないでしょう。実は、借主から仲介手数料を受け取らなくてもビジネスができるには以下のようなカラクリがあるのです。

理由は意外とシンプルです。仲介業者は借主から受け取る仲介手数料の他に、大家から“広告費”という名目の費用を得ているからです。大家は自分の物件へ早く入居をして欲しいと思うもの。そこで、広告費を支払うことでより早く決定してもらおうとするのです。家賃の半額~1か月分の広告費が支払われることが一般的です。この仲介手数料が安くなっている不動産会社を選べば初期費用を減らすことができますから、不動産会社選びの重要な指標になるでしょう。しかし、注意すべきポイントもあります。それが、仲介手数料を値引きする代わりに礼金を2か月分にすることや
契約期間中に退去する場合には違約金が発生するなど、敷金礼金とは異なる名目の費用が発生する可能性があるからです。仲介手数料が割安になっている物件を選ぶときには、契約内容をしっかりと確認し、「2年間の総額で支払う費用はどちらが多いのか」という視点を持ちましょう

「釣り物件(おとり物件)」に騙されるな!
「釣り物件」と呼ばれるものが問題視されています。「おとり物件」と呼ぶこともありますが、これは貸し出す予定のない物件の情報を改ざんし看板やウェブに掲載していること。もともと不動産会社は、部屋を紹介し契約してもらうことで仲介手数料や広告費を得ています。そして、お客さんに来店してもらえさえすれば、レインズによってさまざまな物件を紹介でき、契約まで至る可能性は高くなります。言い換えれば、自社に来店してもらうことは死活問題と言えるでしょう。
しかし、他社もレインズが使えますから差別化がどうしても必要になります。差別化の方法として、ポイントキャンペーンやテレビCM、駅前に店舗を構えることなどが当てはまるでしょう。
そして、これらの他にも魅力的な物件を紹介できることは差別化要素の1つです。魅力的な物件が実在し契約できるのであれば何ら問題はありません。しかし、なかには契約させるつもりがない釣り物件(おとり物件)も存在しています。この場合、来店するとすでに成約済みになっており、他の物件を紹介する流れがほとんど。このように、魅力的な物件をエサにして来店させる業者は少なくありません。

この釣り物件(おとり物件)を完全に見分けることは難しいですが、いくつか見分けるポイントはあります。例えば、好条件過ぎる場合には注意が必要。特に人気エリアや主要駅からわずかな距離にもかかわらず、家賃が非常に安い場合などは要注意です。心象瑕疵物件と呼ばれる、いわゆる訳あり物件でもない限り、そのような美味しい話はないでしょう。スマイティの家賃相場などを使って、気になった物件と街の相場に大きな乖離がないか調べましょう。
そして、相場とのあきらかな乖離があれば注意した方がいいでしょう。また、物件名がわかっている場合には複数の不動産情報サイトで調べてみることも見分けるコツです。それぞれの条件が大きく違っている場合には、釣り物件である可能性が高くなります。釣り物件はお客さんを欺く行為であり、宅建業法違反という立派な犯罪行為。時間を無駄にするだけでなく、そのような行為をする不動産会社は不誠実であり、安心して部屋選びや契約を任せられません。
入居の際の火災保険は自分で選べる!
引越の初期費用には、敷金礼金などと並んで火災保険料の項目があります。火災保険に加入することは義務付けられていますが、どの火災保険に入るかは実は自由。ほとんどの人が大家や管理会社から指定された保険に加入しますが、「大家や管理会社が選んだ火災保険」に入る義務はありません。つまり、自分で選ぶことができます。自分で選ぶことによって、初期費用を節約できる可能性もありますから、少しでも安く済ませたい人は契約前などに一度調べた方がいいでしょう。
また、割高な火災保険に加入させ、一部キックバックを得ている不動産会社もゼロではありません。同様に、なかには家賃の支払いに必要だからと、クレジットカードに強制加入させる場合もあります。年会費が無料ならばまだしも、数千円かかるものも。このようなクレジットカードもキックバックが用意されている場合があり、そのために半強制的に加入させる不誠実な不動産会社もいます。このあたりにも気をつけたいですね。
こんな不動産会社には気をつけろ!
不動産会社は部屋選びをサポートしてくれるパートナーなわけですから、親身になってくれる不動産会社や担当者の方が良いに越したことはありません。賃貸の契約には大金が動き、一度、賃貸契約を結ぶと基本的には数年間住むことになります。
当たり前ですが、どんな部屋に住むかということは毎日の生活に大きな影響を与えます。ですから、なるべく雰囲気がよく、笑顔で誠実に接客している人に任せた方がいいでしょう。そして、それを確かめる一番の方法は、実際に不動産会社を訪れてみること。こういったことは実際に会ってみないとわからないですから、まずは不動産会社に行き接客を受けてみましょう。そこで、担当者とフィーリングが合うかどうかを確かめた方が得策です。

また、部屋探しにおいてすべての条件を満たす物件にはなかなか出会えないものです。限られた予算と物件のなかから、こだわりと妥協のバランスを取りつつ選ぶのが基本です。にもかかわらず、良い部分ばかり説明する不動産会社が存在します。これはお客さんの方を向いていない可能性があると言えるでしょう。
また、お客さんがどうしても譲れない部分をはぐらかす場合も要注意です。もちろん、予算などの都合から条件に合わない場合も多くありますが、どうしても2階以上に住みたいにもかかわらず「このあたりで2階は厳しいですね。それよりもこの物件が…」というように、譲れない部分をはぐらかし、他の物件を強く勧める場合には注意しましょう。何度も言いますが、ノルマなどがあり強引に契約にこぎつけようとするケースがあるからです。物件の良い点だけでなく、悪い点もきちんと説明してくれる誠実な不動産会社を選びたいものです。
良い物件を探すことが本来の「目的」であるとすると、不動産会社選びは「手段」。物件の予算や間取りだけでなく、不動産会社選びにも少しこだわってみましょう。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。