バリアフリー住宅とは?内見のチェックポイントを教えます!

  • 公開日:
  • 2016年12月13日
バリアフリー住宅とは?内見のチェックポイントを教えます!
バリアフリー住宅は、誰もが快適に暮らせる工夫が施された住宅。バリアフリー物件の多いエリアや、設備例などをご紹介します。

バリアフリー住宅とは

「バリア」とは、高齢者や障がい者、ケガをしている人たちなどが生活するうえで妨げとなる壁(障壁)を指す言葉です。「フリー」とは取り除くこと。要するに「バリアフリー」は、生活で不便だと感じる壁を取り除いて自由になるという意味です。単に段差をなくすだけの意味ではありません。

家庭内といえどもそこにはいろんなバリアが存在します。バリアフリーの住宅は、そういったバリアを取り除いて安心・安全に過ごせる住宅なのです。

これと似たものに「ユニバーサルデザイン」という言葉があります。バリアフリーはバリアを取り除くという考えですが、ユニバーサルデザインのほうは最初から誰もが生活しやすい住宅をデザインするという考えです。より対象範囲が広いと考えられます。

出発点こそ異なりますが、いずれも生活者にやさしい安全性の高い住宅の代名詞となっています。

家庭内で多い「溺死・溺水」「転倒・転落」

そもそも住宅の中は安全じゃない?と思う人も多いと思います。自動車が走る屋外と比べると家庭内は安全と油断してしまいがちですが、「不慮の溺死・溺水」「転倒・転落」など家庭内での事故は多く発生しており、その総数は交通事故死より多いといわれています。

手すりを付けたり、段差をなくしたり、床を滑りにくくしたり、家庭内に潜むバリアを取り除くことで、こういった事故は大幅に軽減できる可能性があると考えられます。

「居間」で事故が多発…その割合は45%!

具体的にどんな場所で事故は起こっているのでしょうか?

公益財団法人長寿科学振興財団の調べによると、家庭内で一番事故が起きている場所は居室でした。その割合は65歳以上の方で45%にのぼります。

次いで台所・食堂が17%、洗面所が2.9%と続いており、生活者が転ばないよう心掛けることが何より大切ですが、段差プレートを使って段差をなくしたり、滑りにくいワックスを使ったりなどの対策が必要です。

バリアフリー物件はどんな設備がある?

家庭内にはいろんなバリアが存在します。バリアフリーの住宅を選ぶと、どんな設備が備えられているのでしょうか。

外に出るのが億劫にならない!段差がなく、手すりが付いているアプローチ
集合住宅の玄関部分に段差がない物件です。車イスやベビーカーもストレスを感じることなくスムーズに出入りができます。手すりも備え付けられているので、床が滑りやすい雨の日も安全に歩くことができます。
家庭内でのつまずきがなくなる!フラットフロアなリビング
家庭内では、つまずきが原因で大きなケガを負ってしまうことが多く報告されています。段差のないフラットフロアな室内であれば、こういった事故を未然に防ぐことができるでしょう。
ヒートショックの防止に!浴室乾燥機が付いた浴室
ヒートショックとは、温度差が原因で血圧が急に上がったり下がったりして体に負担がかかってしまうことです。ヒートショック関連の死亡事故も多く報告されています。

寒い時期には注意が必要です。浴室乾燥機を利用すれば、浴室がすぐに暖かくなりヒートショックの予防にもなります。
安全にしゃがんだり立ったりできる!手すり付きのトイレ
足腰が弱くなると、しゃがんだり立ち上ったりするときに何かにつかまってしまいたくなります。

とはいえ、トイレットペーパーホルダーやタオルかけにつかまるのは危険です。専用の手すりがあれば、安心してつかまることができます。
浴室での転倒・転落を防止する!手すり付きの浴室。“またぎ”が高くない浴槽
浴室は滑りやすいので、とっさの時につかまれる手すりが付いていると安心。高齢者だけでなく、小さな子供を抱きかかえながら入浴する人にとっても安全です。

さらに浴槽の縁の立ち上がり(またぎ)が低いと浴槽に入るのが楽。ちなみに、またぎは低すぎると子供がのぞきこんだときに落ちてしまう心配があるので、40cm前後が最適と言われています。

バリアフリーを探すなら内見ではここをチェック

バリアフリーの記載がなくても、バリアフリーを考えて建てられた物件はあります。一般の物件を内見に行くときも、以下の点に注意してみるといい物件を探すことができるでしょう。

居間
床は滑りにくいか
段差はないか
出っ張りはないか
洗面所
水栓はレバーハンドルか
浴室
床は滑りにくいか
手すりはあるか
出入り口に段差はないか
浴槽はまたぎやすいか
浴室をあらかじめ暖められる浴室乾燥機はあるか
トイレ
手すりはあるか
手すりは使いやすい位置にあるか
トイレの高さは座りやすく立ちやすいか
出入り口に段差はないか
玄関
ドアは力を入れなくても開けられるか
ドアクローザーが機能してゆっくり閉まるか
靴をはいたり脱いだりできる十分な空間があるか
上がりかまちの段差は危なくないか
廊下
電気スイッチは手の届く位置にあるか
電気スイッチは大きく操作しやすいか
各部屋への扉は開けやすいか
照明の明るさは十分か
建物
階段に手すりはあるか
廊下の床は滑りやすくないか
建物の階段の踏板に滑り止めはあるか
エレベーターを利用できるか
バリアフリーの物件を探すときは、自分だけでなく、一緒に入居する親や子供の立場になって確認することも大切です。どういった動作が苦手か、そういった人たちの目線に立つことで、自分でも気づかないところに潜むバリアを察知することができるでしょう。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。