オートロックは安全?メリットデメリットと侵入対策、内見時のポイント

  • 公開日:
  • 2016年12月7日
オートロックは安全?メリットデメリットと侵入対策、内見時のポイント
あなたは賃貸物件探しの中で、何を一番重視しますか? もちろん家賃や立地は大事なポイント。女性はセキュリティ、中でも「オートロック」の有無が気になるという方も多いことでしょう。
今回はオートロックの種類から内見時のチェック項目まで幅広く解説。知っているのと知らないのとでは大違いです。物件の構造によってはオートロックがあっても外部から侵入可能な物件さえあります。オートロックを賢く知り、高セキュリティな物件探しに役立てましょう。

オートロックとは

そもそもオートロックとは厳密にはどんなものを指すのでしょう。国土交通省によると、このように定義されています。

オートロック式とは
建物内に共用玄関のドアがあり、外からドアを開けるためには、鍵や暗証番号などを用いるか、居住者などに内側から鍵を解除してもらう必要があるものをいう
※国土交通省住宅局『平成 25年 住生活総合調査結果』より

自室の鍵だけではなく、建物内に共用玄関のドアがあり、施錠されているという点がポイント。正しく施錠されていれば居住者以外の侵入を拒むことができます。

オートロックのメリット

オートロックにはこのようなメリットがあります。

メリット1. 無関係者をシャットアウト
住居エリアに入れるのは、原則そこの居住者だけ。無関係者は住居エリア自体に侵入できません。
メリット2. 訪問営業などを断りやすい
しつこい新聞勧誘、訪問営業などに苦手意識を持つ方は多いはず。面と向かって勧誘を断るのが苦手な方でも、オートロック物件であればインターフォンごしでのやりとりになります。インターフォンを切ってしまえばそれまでです。
メリット3. 「守られている」安心感
オートロックは2重にロックされている状態。オートロックと玄関、2つのロックで守られているため、「安全である」と精神的に感じられるのは大きなポイントといえるでしょう。訪問営業や空き巣対策以外にも、特に女性であればストーカーや無関係の人の侵入対策ができるのでより安心感を高められます。

オートロックのデメリット

メリットだけではありません。逆にオートロックにはこのようなデメリットがあります。

デメリット1. 絶対侵入できないわけではない
「オートロック=安心」と妄信するのは危険。たとえば居住者がエントランスから居住エリアに入る後に続いて、部外者が一緒に入る可能性は十分に考えられます。
デメリット2.新聞配達が各階まで入れない
部外者だけでなく、新聞配達の配達員も各階まで入ることが出来ません。早朝にチャイムを鳴らすわけにもいかず、結果的に新聞を取っている居住者は、毎朝階下のポストまで取りに行く必要が出てきます。管理組合によっては新聞配達員に対してオートロック(暗証番号形式の場合)の一時的解除を許可していたり、配達員だけに暗証番号を教える、ということをしている場合もあるようです。しかしその場合はセキュリティ低下の恐れもつきまといます。利便性とセキュリティ性、どちらを高めるか考える必要が出てきます。
デメリット3.オートロックなし物件と比べ割高傾向
オートロック有の物件はRC造などのマンションタイプに多く、木造などのアパートではほとんど見かけません。そもそも木造よりもRC造のほうが家賃が割高な場合が多く、そこへさらにオートロック機能という付加価値もついてくると、どうしても割高になってしまうのは否めません。

オートロックの種類

オートロックにはさまざまなメリット、デメリットがあることがわかりました。
実際に賃貸物件を探す際には、鍵の種類・オートロックの種類を把握しておいたほうがよい物件探しができます。

ここからはオートロックと鍵の種類を解説していきます。

集合キー式
部屋についているシリンダー錠用の鍵と同じものでエントランス(共有玄関)を解錠するのが集合キータイプ。オートロックの中でも広く普及しており、集合キー・部屋鍵ともに後述するディンプルシリンダー錠が多く使われています。
実際のところ、集合キー式のオートロックは結構甘く作られています。賃貸物件住民のどの家のドアでも開く必要があるため、鍵のパターンが一致すれば開いてしまいます。
暗証番号式
0~9までのテンキーで暗証番号を入力して解錠するタイプです。集合キー式と同じくらい広く普及しています。鍵やカードを必要としないため、紛失したり、部屋に忘れたまま外出したりしても締め出し状態にならないのがメリットです。
居住者自身が個別に設定できるケースと、全住民が一律で同じ番号を入力する形式があります。
また、立て続けに番号を間違うと一定時間経過しないと入館できない場合があるため、きちんと正確に番号を覚え管理する必要があります。

カードキー式
磁気カード式と非接触ICカード式の2種類がありますが、磁気カードは磁気部分を読み取るため、場合によってはキャッシュカードなどとの混在により、解錠しにくくなることも。

非接触ICカード式はSuicaやPASMOなどに代表される小さなIC認証カードを使って解錠するタイプです。ICチップは携帯電話にも搭載できるため、スマホを鍵にできる場合もあります。また他のカード類と一緒に財布に入れて持ち運べるため、貴重品の集約にもつながり、紛失のリスクを減らせます。
指紋認証式
指の指紋をセンサーにかざすことで本人であることを証明、解錠させる方式です。近年認証制度が上昇しており、実用の範囲内になってきました。

認証機器の導入費用が高く高級マンションなどでの導入に偏るため、一般的な物件ではあまり普及していません。


各オートロックのタイプのメリット・デメリットをまとめます。

名称メリットデメリット
集合キー式・1本の鍵で共用玄関を開けられる・鍵の複製リスクがある・ピッキングされてしまうと無意味になる
暗証番号式・紛失の心配がない・鍵の複製リスクがない・暗証番号を覚えていないといけない・連続で番号を間違うと一定時間経過しないと入館できない・暗証番号が漏洩するリスクがある
カードキー式・他のカード類と一緒に財布に入れて持ち運べる・鍵の複製リスクが小さい・暗証番号を知られるリスクがない・入退出時の履歴管理がしやすい・再発行時には手続きや費用の負担が発生してしまう・折り曲げたり、汚損、破損には配慮が必要
指紋認証・鍵の複製はきわめて困難。複製リスクはきわめて小さい・鍵やカードが不要・暗証番号を忘れるといったリスクもない・肌荒れなどが原因で正確に読み取れない場合がある

「オートロックがあれば安心」というわけではありません。いくつかの侵入パターンがありますので、オートロック物件に住んだとしても十分注意する必要があります。
また内見時は物件の外部に目を向けることが重要です。ここでは侵入対策や内見時に注意するポイントを押さえておきましょう


オートロック物件での侵入パターンと対策

実際にどのような侵入方法があるのでしょうか。その場合の対策も考えておきましょう。

居住者の後に続いて入る
居住者の後をついていけば侵入はできてしまいます。すぐ後ろについて入館しようとする人間が、果たして不審な無関係者なのか?それとも居住者なのか?他人では判断もつかないことから「後からひとりで入ってください」とわざわざ断わらないパターンが大半でしょう。
また仮に自分の後について侵入してきた!と居住者が大声を出し危険を周りに知らせても、「知人同士の喧嘩だろう」と思われてしまいスルーされる可能性もあります。無関係者が絶対侵入できないと考えてはいけません。

<対策>
居住者以外の人と住居エリアへ一緒に入らないようにしましょう。不審に思ったらそのまま進むのではなく、一旦外側に出ることも必要です。
オートロック開錠に手間取っている姿を装う場合もあるので、その人を追い抜いて開錠しないようにしましょう。
相手の行動をよく観察し、必要に応じ挨拶などの声がけをしましょう。居住者同士が積極的に声がけを行えば居住エリア全体のセキュリティレベルアップにもつながります。


暗証番号を見抜かれる
マンションには物理的な鍵がなくても開錠できるよう、ロック解除用の暗証番号が設定されています。管理会社の下4桁の電話番号などの場合、玄人は簡単に見抜くと言われており、易々と侵入を許してしまうことがあります。
監視カメラの眼が光っているため長くエントランスに居座って開錠する……というケースは考えにくいものの、分かりやすい暗証番号を設定してしまうと、ロック解除されてしまう可能性はゼロではありません。ここをリスクとして考えておく必要があります。

<対策>
個別に設定できる場合は、自分だけしか絶対に分からない暗証番号を設定しましょう。居住者の誕生日など分かりやすい番号はもちろんNGです。


他の鍵で開錠
マンションで使われる「集合キー」は、他居住者の利用を考えた汎用性の高いものであるため、比較的甘いつくりになっています。同型の鍵を準備できれば、エントランスで不審がられることもなく堂々と侵入できてしまいます。

<対策>
個人で対策するのは難しいものの、物件を選ぶ際に不動産会社の担当や貸主側にどう対策がされているかを事前確認するだけでも安心感が違います。


センサー誤作動
外側からの侵入を防ぐオートロックシステムですが、内側(居住エリア)から屋外に出る場合、センサーが作動し自動的に開錠する仕組みです。この誤作動を利用して侵入できてしまうことがあります。
2014年にも実際に、この部分を利用しエントランスの外側からドアの隙間へチラシなどを差し込み、内側のセンサーの誤作動を起こさせるという侵入例がありました。事件として大々的になっていない事例まで含めれば数はもっと多いはずです。最新のオートロックでは対策がされているものも多いですが、希望物件のオートロックが未対応である可能性はゼロではありません。

<対策>
ここも上記と同様、個人での対策は難しいため、不動産会社へ事前に確認しておくことが大事です。「この物件で過去そのような事例がないかどうか?」「センサー誤作動を起こすようなことが構造上可能かどうか?」「構造上可能である場合はどうやって対策しているのか?」このような具体的な質問で、しっかりセキュリティ面をチェックしましょう。

オートロック物件内見時に注意するポイント

内見の段階で確認できるポイントもぜひ押さえておきましょう。

内見というと、ついつい内装や間取りなど物件内部のチェックに目がいきがちですが、セキュリティレベルを確かめるなら外部の確認が欠かせません。
ここまで挙げたオートロックのデメリットを踏まえ、どんな部分を確認すべきかまとめてみました。

オートロックの構造はどうか?
前述のセンサー誤作動の可能性もあるため、ドアの隙間はないか?もしある場合、人為的に誤作動させうるほどの隙間かどうか?物件内部とは別にチェックしておきましょう。また監視カメラの有無やその映り方(カメラの死角となるようなポイントはないか)などの確認も怠らないようにしましょう。

集合ドア、共用玄関以外からの侵入経路がないか?
オートロックシステムがある物件でも併設されている非常階段の塀・手すりが腰くらいの高さしかないケースが多々あります。当然、そこからの侵入が可能となれば、これほど楽な侵入方法はありません。

このような場所がないかチェックしておきましょう。

勝手口が開け放たれていないか?
たとえ他のセキュリティが万全だったとしても、建物裏の勝手口が、住民の故意によって開け放たれ、せっかくのオートロックが無効化しているケースがあります。これは住民の意識次第でどうとでもなってしまう部分ですがしっかりチェックしておきましょう。

マーキングサインがついていないか?
オートロックとは少し話がずれてしまいますが、あなたはマーキングサインというものをご存知でしょうか。
元は訪問販売員が暗号的に使っていたようですが、空き巣などにも使われているケースもあると聞きます。マーキングサインは自宅の表札やインターフォン、ガス、電気、水道などのメーター、ポストなどに「8-18R」「W8-19」のように書かれたサインです。もし目にしたら要注意です。

空家
R/ル留守
金、または金色シールお金がある家
M独身の男性
W独身の女性
F家族
S一人暮らし
D/大大学生
押せば買う
×断られた
××2回断られた
Kドアを開けず断られた

つまり、先ほど触れた例ではこのような内容を示しているのです。
8-18R8時〜18時まで留守にしている
W8-19女性が住んでいて8時〜19時まで留守にしている

空き巣や訪問販売業者によってつけられたこれらのマーク。もし発見したら周囲にそういったリスクが潜んでいる可能性があるかもしれません。

オートロック物件といえども過信は禁物

ここまでしっかり押さえていても、実はまだ不完全。

多くの方が誤解しているポイントですが、一般的な物件とオートロック物件の違いは建物内に共用玄関のドアがあり、施錠されていることでしかありません。共用玄関を突破されてしまえば、一般的な物件と変わらないのです。

※オートロック物件の仕組み

部屋の玄関にそなえ付けられている鍵の多くがシリンダー錠(一部物件は部屋の玄関もカードキー、暗証番号、指紋認証で開けるものもあります)。シリンダー錠はピッキングが絶対に不可能なものではありませんので、過信は禁物です。

どんなに堅牢なオートロック共用玄関でも、部屋の玄関のセキュリティが甘いとほとんど意味をなしません。オートロックを過信して、部屋に鍵をかけずに出かけるなど言語道断です。

オートロックの過信はよくないと言う事は理解していただけましたか。それでは次に、鍵の形状とセキュリティについて知っておきましょう。

賃貸物件で広く普及する鍵、「シリンダー錠」の種類

従来の住宅用の鍵の中で最も普及しているシリンダー錠にもいつくか種類があり、セキュリティレベルが異なります。
錠前を操作する鍵穴や円筒をまとめて「シリンダー」と呼びますが、太い円筒の中に入っている細い円筒に鍵を差し込んで回転させて解錠します。


賃貸物件に使われるシリンダー錠には大きく分けて2種類あります。

●鍵の先端がとがっており、ギザギザの鍵山があるタイプ
●鍵の先端が丸く、でこぼこしたくぼみがあるタイプ
鍵の先端がとがっており、ギザギザの鍵山があるタイプ
セキュリティ対策が求められる以前に普及し、一般的な鍵としてよくみかけるディスクシリンダー錠、ピッキング対策として若干改良がなされた、鍵の刻みが一方向にしかないピンタンブラー錠などがあります。どちらも防犯性は低めです。

ギザギザした鍵山のあるタイプで、さらにピッキング耐性を向上させたロータリーディスクタンブラー錠というものもあります。こちらは特殊な構造によりピッキングしている感触がピッキング犯の手先に伝わりにくくなっており、他の鍵よりも防犯性が高いです。

鍵の先端が丸く、でこぼこしたくぼみがあるタイプ
一方、鍵先が丸く表面がデコボコした形が特徴なのがディンプルシリンダー。比較的新しい住居に用いられる形状の鍵です。1997年ごろ急増したシリンダー錠のピッキング事件を受け、その後数々の製品改良によって誕生しました。
錠の内部にピンがあり、鍵が刺さることでそれらのピンが持ち上げられて解錠されます。錠の作りが複雑なため、従来のシリンダー錠より格段にピッキングに強くなりました。ただし、絶対に不正解錠されないというわけではありません。

まとめ

安心度が増すオートロック物件。結論としては、あったほうが安心。ただし過度の期待は禁物と言えるでしょう。

無関係者のシャットアウトや、「オートロック物件である」こと自体、部外者による敷地内侵入の抑止効果を得られるため、安心感につながります。
一方で、侵入リスクをゼロにはできません。過度に期待し、玄関の施錠を怠ってしまっては本末転倒。そのような油断が事件・事故を誘発しかねません。

上記の表のような「リスクと対策」を念頭において物件を選ぶ。または住んでからも対策を怠らないようにすればセキュリティレベルは格段に上がります。
必要に応じオートロック機能を賢く活用し、安心した住まいづくりを自分の手で実現させましょう。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。

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