監修:武緒 淳/イラスト:西野 ヨシキ |
STEP1:お部屋探しの前にチェックしよう!
新居に引っ越して、新しい街で心機一転!希望を胸に、早くあれこれお部屋選びをしたいところ。だけど具体的に部屋を探し出す前に、まずは3つの項目を確認しておこう。

礼金・入居一時金(※) | 入居時に大家さんに支払うお金。 |
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敷金・保証金 | 大家さんに預けるお金。退去する時の部屋状況によって、一部戻ってくる。 |
敷引 | 敷金のうち退去時に自動的に差し引かれるお金。関西以西エリアに多い。 |
前家賃 | 通常は入居時に当月と翌月の賃料、あわせて1~1.5ヶ月分を支払う。 |
仲介手数料 | 不動産会社に支払うお金。全国共通で家賃の0.5~1ヶ月分が相場。 |

STEP2:物件の情報は事前に収集せよ!
お部屋探しの第一歩として、まずは物件情報を収集しよう。情報を入手するにはいくつかの方法がある。それぞれの探し方に特徴があるので、ケースバイケースで上手に使い分けよう。

例えば、営業スタッフのペースにすっかり乗せられて、よくよく考えたら当初の希望とは全く違った物件を契約してしまった!なんてことも…。逆に、高望みした条件をスタッフに突きつけて「ありません」と冷たくあしらわれてしまうかもしれない。不動産会社に行く時は、最低限の相場観、そして自分の条件を明確にして、担当者と物件に関する話がある程度できるようになってからの方がいいだろう。

STEP3:条件の優先順位を決めよう
物件の大まかな相場などが分かったら、次に住みたい部屋の条件を決めよう。ここが曖昧だと探している最中に条件がコロコロ変わり、二度手間になることも。 そうならないためにも、不動産用語や設備の意味などを理解しておこう。

室外 | 建物種別 | マンションとアパートの違いは?とよく聞かれるが、厳密には、3階建て以上で特定の建物構造の物件をマンションという。アパートは2階建て以下。 |
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築年数 | 築5年位までを築浅といい、内装や設備も最新なので人気が高い。築10年を超えると、どことなく古い感じになるが、その分家賃は安くなる。 | |
二階以上 | 防犯や日当たり、最上階なら上からの騒音を受けないなど、いろいろなメリットがある。特に女性は、防犯上1階は避けた方が無難。賃料は上の階の方が高い。 | |
室内 | 駐車場 | 一般的に物件付属の駐車場は敷地内にあり、賃料も優遇されていることが多い。駐車場が必要ならば部屋の賃料と合算して考えよう。 |
間取り | キッチンのある部屋で、6畳以下は「K」、6~10畳は「DK」、10畳以上だと「LDK」と明記されている。「2DK」ならDKの他に2つの部屋があることを示す。 | |
専有面積 | 同じ間取りでも各部屋の面積によって全体の広さが決まる。賃料はこの専有面積で決まるので、各部屋の帖数と一緒に検討しよう。 | |
エアコン | 物件にあらかじめ設置されていないと、自分でエアコンを購入することになるから、初期費用の面で考えておく必要があるだろう。 | |
フローリング | 木材質の床の部屋。高級感があり、ビニール素材のクッションフロアなどより人気がある。 | |
バストイレ独立 | バスとトイレが独立していること。同室はワンルームに多いが、風呂とトイレは別々でないと落ち着かないという人は、必ず条件に入れておこう。 | |
給湯設備 | 給湯は蛇口をひねればお湯が出るタイプの台所・風呂のこと。築20年を超えた物件になると、水を溜めてから沸かすタイプのお風呂もあるので確認を。 |
STEP4:準備が整ったら不動産屋へGO!
インターネットなどで気に入った物件や住みたいエリアの目星がついたら、いよいよ不動産会社へ行って実際に物件を見てみよう。


日当り・窓の外 | 窓が南向きでも目の前がマンションだったり、カーテンを開けたらお隣の窓とコンニチワなんてことも。また1階なら道路からどう見えるかも重要なチェックポイントだ。 |
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騒音・ニオイ | 窓を開けて静かに様子を伺ってみる。例えば、近くの工場などから騒音やニオイが流れてこないかなど、これは図面ではわからない要チェック項目だ。 |
広さの感じ | 図面では広さが気に入って下見に来たが、形が悪く意外と広さを感じない、壁の真ん中に柱が出っ張っていて気になるなど、実物を見ないとわからない箇所をしっかりチェック。 |
部屋の汚れ | 新築以外は壁紙や内装は前入居者のまま使うことが多い。汚れが目立つ場合は、自分の入居時に張替えてもらえるのか、事前に確認しよう。 |
隣の人 | 共用廊下に私物が所狭しと置かれているなど、隣人のマナーも重要なチェックポイント。あまりにマナーの悪い住人がいれば、騒音問題やその他トラブルがおこる心配も。 |
前面の道路状況 | 近隣道路の交通状況は必ずチェックしておこう。抜け道になっていたり、朝夕はひどい渋滞になるなど、窓を開けて車の音もチェックしよう。 |
STEP5:契約する前に確認しておこう
物件の下見をして、お気に入りの一件が見つかったら、いよいよ申込みと契約の手続きに入る。引っ越しに向けて各種、手続きを進めるには、以下の点に注意しながら進めたい。

STEP6:いよいよ引っ越し!準備はOK?
良い部屋も見つかったし、契約も終わった。後は引っ越しだけ。…なんだか楽勝な雰囲気だが、新居生活を始めるうえで準備は他にもたくさん。手配をミスると大変なことになることも。何事もはじめが肝心。賃貸生活を始める前に、やっておくべきことを整理しよう。

引っ越し会社に頼むのか、友人や家族に手伝ってもらい、レンタカーを使って引っ越しするのか、考えよう。
引っ越し会社と一口にいっても、大手の「何でもお任せ!」というサービスから、宅配便業者などの手軽でリーズナブルなサービスまである。大型家電や高級家具など高価な家財があるなら、専門の引っ越し業者に任せた方がいい。壊れないようなシッカリした梱包や、万が一壊れた時の保証の面で安心できるからだ。
一方、荷物が多いのにレンタカー+友人知人で引っ越しとなると、1日で終る保証も、破損した時の保証も一切なし。レンタカー料金と手伝ってくれた人へのお礼を考えると、あまりにもリスクが高い。単身者でも、引っ越し会社の単身者パックなどにした方が安くつく場合があるから、レンタカーの利用は慎重に考えた方がよいだろう。

次に住民への挨拶。単身者の場合はしないことも多いが、子供がいる、あるいは生活サイクルが朝早い・夜遅いなど騒音を出してしまう可能性がある人は、両隣に挨拶しておく方がよいだろう。お互いどんな人が住んでいるのか分かっていた方が、ちょっとした不満も解消しやすい。
これらの事に気をつけて、楽しい賃貸生活を始めよう!
監修:武緒 淳 |
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1973年神奈川県生まれ。不動産会社勤務中という立場を活かし、WEBサイト、書籍、ラジオ、テレビなど幅広いメディアにて、不動産業者の生の声を借主に伝えている。 業界よりでも借主よりでもないスタンスにはユーザーからの信頼も厚く、掲示板では5,000件以上の賃貸相談が舞い込んでいる。 |
HP: 賃貸攻略サイト☆お部屋探し達人3 |
イラスト:西野 ヨシキ |
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1981年6月生まれ。神戸芸術工科大学 視覚情報デザイン学科(現 ビジュアルデザイン学科)卒業後、webデザイナー・グラフィックデザイナーを経て フリーのイラストレーターに。力強い描線とコミカルタッチなキャラクターが人気で、有名全国紙など多方面で活躍中。一度は氏の絵を見たことがある人も多いはず。 |
※この記事は、2014年1月に書かれたものに一部加筆修正をしております。