棟
梁とは、一般的には大工の親方を指します。かつては、木造建築は棟
梁を中心とした職人集団によって建てられ、棟
梁は建物の設計から資材の調達、施工スケジュール管理、職人の監督まで、建築現場をトータルにマネジメントする最高責任者でした。
現在では、建築物の規模にもよりますが、施工全般のマネジメントはハウスメーカーや
工務店が、設計は設計担当者または設計事務所など資格をもった専門家が行います。
かつて大工の仕事は、材木にカンナをかけることから始まり、材木の癖や気候風土などを考慮して調整するという、技術と勘に負うものでした。今日では、施工過程が細分化・専門化していますが、それでもなお、大工の腕や棟
梁の采配によって建築物の質は大きく左右されます。
工務店
工務店とは、家を建てる際に職人や業者(大工、鳶、左官、板金、電気、水道、サッシ、設備関係など)を手配し、施工工事をマネジメントする業者です。家を建てるときには、工務店やハウスメーカー、建築設計事務所などに依頼するケースがあります。工務店はハウスメーカーと比較して経営規模が小さく、地域密着型の営業スタイルが特徴です。長年地元で営業してきた工務店も多く、地域の評判なども得やすく、アフターサービスなどでも融通が利くことが多いようです。
ただし、一言で工務店といっても、実際には会社によって特徴はさまざまです。社内で建築デザインも行うケース、専属の職人を抱えているケース、独自ブランドを有するもの、ハウスメーカーの下請けとして施工のみを行うところなどがあります。また、工務店によって得意とする工法なども異なります。
梁
梁とは、建築物の骨組みのなかで、建物に対して水平方向に渡し、屋根や床など建物の上からの荷重を柱に伝えて建物を支える部材をいいます。柱と連結して支える梁を「大梁」、柱に直接つながっていない梁を「小梁」といいます。元来は、屋根の棟木(むなぎ)に対して直角に渡したものを梁と呼び、水平に渡したものは桁(けた)と呼んでいました。そのため、棟木と水平方向の建物の奥行きを梁方向、直角に交わる方向を桁方向といいます。また、屋根を支える梁を小屋梁(こやばり)、床を支える梁を床梁(ゆかばり)と呼びます。
木造建築では、梁には松や米松、杉などが使われます。また、「現し」といって、梁を露出させて意匠を施すものもあります。