長押
なげし
長押とは、和風建築の装飾の一つです。
長押とは、和風建築において、
柱と
柱をつないで水平に取りつけられた化粧材です。
もともとは
柱を横につなぐ構造上の役割もありましたが、中世以降は装飾的なものとなりました。和室の空間を引き締める効果があります。長押の断面は下が厚く上が薄い台形で、
柱の幅に対して8~9割の幅のものを本長押、6~7割のものを半長押といいます。
長押は取りつけられる場所によって名称があります。一般的に長押というと、出入口や
窓の上部など
鴨居の上に取りつけられた「
内法(うちのり)長押」を指します。ほかには、天井回り縁の下に取りつけられる「天井長押」、
柱の最下部に取りつけられる「地覆(じふく)長押」、
内法長押と天井長押の間に取りつけられる「蟻壁(ありかべ)長押」、
窓の下に取りつけられる「腰(こし)長押」などがあります。
鴨居
鴨居とは、引き戸などの開口部の上部に設けられた横木です。敷居と対になっています。
引き戸や襖、障子などの建具をはめ込むために、上部には溝を、下部にはレールが設けられます。その上部を鴨居、下部を敷居と呼びます。鴨居には通常2本の溝が彫られています。鴨居の種類には、片引き戸などで溝が1本の「一筋鴨居」や、建具を入れないため溝が入らない「無目(むめ)鴨居」、壁に本来の鴨居と同じ高さに取り付ける「付け鴨居」などがあります。
柱
柱とは、建物の軸組みで、土台に対して垂直に立てて、屋根や床の荷重を土台や基礎に伝えるものです。木造軸組工法やラーメン構造では、梁などとともに建物を支える最も重要な部材です。
柱の太さは、柱の位置や部屋の大きさ、支える重さによって決めます。木造2階建て以上の場合には、土台から軒まで通った継ぎ目のない「通し柱」が建物の四隅に使われます。「通し柱」は、上下階を構造的に一体化させて耐震性を高めるために重要なものです。各階ごとに梁や胴差しなどで区切られた柱を、「管柱(くだばしら)」といいます。「管柱」も各階の荷重を受ける構造体です。このほか、柱と柱の間に壁の補強のために入れる柱を「間柱(まばしら)」と呼びます。また、壁に取り付けた装飾用の柱を「付け柱」といいます。
窓
窓は、採光、通風、換気、眺望などのために設けられる開口部です。風通しや断熱性など、窓の機能は四季を通じた室内の快適性に大きく影響します。また、外観デザインや室内空間、窓からの眺望など、ビジュアル面でも窓の役割は重要な要素となっています。
窓の種類は、取り付けられる位置により、次のような分類があります。
・掃き出し窓・・・・・窓枠の底辺が床面近くまである窓。リビングなどに設けられる大型の窓をいいます。
・腰高窓・・・・・窓枠の底辺が腰ほどの高さにある窓。
・出窓・・・・・建物の外に張り出す形で設置する窓。
・天窓・・・・・天井に設置する窓。トップライトともいいます。
また、開閉方法による分類では、次のようなものがあります。
・引き違い窓・・・・・横に引いて開け閉めする窓で、日本では最も一般的な窓です。
・はめ殺し窓・・・・・開閉できない窓です。フィックス窓ともいわれ、採光のために設けます。
・外開き窓・・・・・外に向かって開く窓で、片開きと両開きがあります。
・内倒し窓・・・・・室内に向けて倒れるように開く窓です。
そのほか、「回転窓」「滑り出し窓」「上げ下げ窓」「ルーバー窓」など、多彩な種類があります。
また、サッシやガラスの素材も豊富で、それぞれに性能や特徴があります。
内法
内法とは、柱や建具など厚みのあるものに囲まれた長さや面積を測定するときに、内側で測るものです。これに対して、柱などの部材の中心線と中心線の間を測定するものを、「心々(しんしん)」といいます。
建物の床面積には、内法面積と壁心面積があります。内法面積は、壁の内側の部分の面積です。実際の生活空間は内法面積となります。壁心面積は、柱や壁の「心々」で測定したもので、壁の中心線で囲まれた面積となります。不動産広告やパンフレットに記載されている建物面積や専有面積は、この壁心面積が表示されています。一方、登記簿に登記される面積は内法面積で、税金の控除などもこの内法面積が対象となる住宅かどうかの基準となります。