引き戸
ひきど
引き戸とは、左右に引いて開閉する戸のことです。
引き戸とは、レール上を往復して開閉する戸のことです。
溝やレールに沿って左右に動かすことで、戸を開閉させます。引き戸には、片方だけに引く「片引き戸」、両方に引き分ける「両引き戸」、壁に引き込む「引き込み戸」、2本以上のレール上を左右に移動させて開閉できる「引き違い戸」などがあります。
引き戸の代表的な物は障子や襖で、和風建築では玄関や
窓、
雨戸、
室内扉、収納扉などに採用されてきました。ドアに比べて、扉の前後にスペースが必要ないのが利点ですが、気密性や遮音性、独立性などの点から
室内扉はドアが主流となっていました。しかし最近では、遮音性・気密性の優れた引き戸も登場し、省スペース性や開閉しやすい
バリアフリー性などから、マンションなどでも引き戸を積極的に採用する例も増えています。
バリアフリー
バリアフリーとは、障壁をとりのぞくことです。障害のある人や高齢者が普通の社会生活をするうえで、支障となる物理的・精神的障壁を取り除こうという考え方です。
建物におけるバリアフリーとは、段差の解消や出入口や廊下の幅を広げるなど、高齢者や車イスでの生活がしやすくなるため配慮がなされます。
具体的には、玄関のスロープの設置、玄関・廊下などの段差の解消、手すりの設置、車イスで使用できるトイレ、介護しやすい浴室、照明やコンセント位置の工夫、車イスで作業できるキッチン、トイレや洗面室・浴室の暖房によるヒートショックの防止、非常連絡装置の設置などがあります。
なお、公共性の高い建築物については、2013年に施行されたバリアフリー法の対象となります。バリアフリー化の義務や努力義務が定められ、認定を受けると補助や税制の優遇が受けられます。
雨戸
雨戸とは、窓の外側に取り付けられて、風雨から窓を守る建具です。防犯や防火の役割もあります。
かつての日本家屋では、朝に雨戸を開け、夜には雨戸を閉めるという習慣がありました。開けたときには、雨戸は戸袋に収納されます。台風などのときにも雨戸を閉めて、風雨の衝撃から窓を守ります。また、雨戸は丈夫で内側からしか解錠できないため、防犯効果もあります。
雨戸の素材には木製と金属製がありますが、近年では金属製が主流です。
最近では、雨戸に代わってシャッターが用いられるようになっています。また、窓ガラスの強度が向上したことから、雨戸をつけないケースや、防犯上必要な箇所に格子のみをつけるケースもあります。
窓
窓は、採光、通風、換気、眺望などのために設けられる開口部です。風通しや断熱性など、窓の機能は四季を通じた室内の快適性に大きく影響します。また、外観デザインや室内空間、窓からの眺望など、ビジュアル面でも窓の役割は重要な要素となっています。
窓の種類は、取り付けられる位置により、次のような分類があります。
・掃き出し窓・・・・・窓枠の底辺が床面近くまである窓。リビングなどに設けられる大型の窓をいいます。
・腰高窓・・・・・窓枠の底辺が腰ほどの高さにある窓。
・出窓・・・・・建物の外に張り出す形で設置する窓。
・天窓・・・・・天井に設置する窓。トップライトともいいます。
また、開閉方法による分類では、次のようなものがあります。
・引き違い窓・・・・・横に引いて開け閉めする窓で、日本では最も一般的な窓です。
・はめ殺し窓・・・・・開閉できない窓です。フィックス窓ともいわれ、採光のために設けます。
・外開き窓・・・・・外に向かって開く窓で、片開きと両開きがあります。
・内倒し窓・・・・・室内に向けて倒れるように開く窓です。
そのほか、「回転窓」「滑り出し窓」「上げ下げ窓」「ルーバー窓」など、多彩な種類があります。
また、サッシやガラスの素材も豊富で、それぞれに性能や特徴があります。
室内扉
室内扉とは、居室と廊下やリビング、トイレ、洗面、浴室など、室内の出入口に用いる扉です。空間を仕切るもので、用途や大きさに応じてさまざまな種類があります。
室内扉は開閉方法によって、開き戸、折れ戸、引き戸があります。
開き戸は洋室によく用いられる扉で、1枚扉の片開き戸、2枚扉の両開き戸、大小2枚の親子扉があります。開き戸は開閉部分のスペースが必要で、生活動線や使い勝手によって、幅やサイズ、内開き、外開きを検討する必要があります。
折れ戸は、丁番などで連結された扉を折りたたむことで開閉する扉です。開閉のためのスペースが少なくてすむので、浴室やトイレなどの水回りやクローゼットの扉などによく用いられます。
引き戸は、レールの上を往復させて開閉する扉で、引き方によって、片引き戸、引き込み戸、引き分け戸、引き違い戸などがあり、引き違い戸は扉の枚数によって、2枚戸、3枚戸、4枚戸などがあります。引き戸は、かつてはもっぱら和室で用いられていましたが、開閉にスペースをとらず、車イスに対応するなど広い開口部を作りやすいなどの利点が見直され、種類も多彩になっています。