防火設備
ぼうかせつび
防火設備とは、火災時に燃焼を遮る設備のことです。
防火設備とは、耐火建築物・準耐火建築物などの
開口部で、燃焼のおそれのある部分に用いられる防火戸やドレンチャーなどの火炎を遮る設備のことです。
建築基準法では、耐火建築物または準耐火建築物の外壁の
開口部で延焼のおそれのある部分では、建築物の屋内または周辺で発生する通常の火災において、20分間は加熱面以外の面に火炎を出さない遮炎性能をもつ技術水準が規定されています。
防火地域または
準防火地域内の建築物で延焼のおそれのある部分は、建築物の周囲で発生する火災において、同等の「準遮熱性能」が規定されています。防火戸には、鉄製で厚さ0.8mm以上1.5mm未満のものや鉄および網入りガラスで造られたものなどがあります。ドレンチャーは、噴水幕によって火災を防ぐために、
窓の上部や軒下に設置される
消火設備です。
建築基準法
建築基準法とは、建物を建てるときの基本的な法律です。建築物の敷地・構造・設備・用途の最低基準を示し、用途地域や日影規制などエリアによって守るべき事項などが定められています。建物の利用者や近隣住民の生命・健康・財産を守ることを目的に、1950年に施行されました。基準の具体的な技術水準などは、建築基準施行令や施行規則などで詳細が規定されています。また、基準が実効性をもつように、着工前の建築確認や工事中の中間検査、完了検査、違法建築物の是正措置なども定められています。
建築基準法はこれまでに何度も改定を重ねています。1981年には現在の耐震基準が導入、2003年にはシックハウス対策の規定導入、2007年には耐震偽装事件を受けて建築確認審査の厳格化が図られました。中古マンションを選ぶ際には、いつ建てられたかによって基準が異なるため、築年は大まかな安全性を見るときの一つの目安にもなります。
準防火地域
準防火地域とは、都市計画法で指定された地域の一つです。市街地における火災の危険を防ぐために、防火地域に準じて、建物の構造などを規制しています。地階を除く階数が4階建て以上または延べ床面積が1,500m2を超える建物は、耐火構造としなければなりません。延べ床面積が500m2超1,500m2以下の建物は、耐火構造または準耐火構造にしなければなりません。3階建ての建物は、耐火構造、準耐火構造または外壁や軒裏を防火構造にするなどの一定の技術基準に適合する必要があります。通常の木造平屋建てや木造2階建ては建築できます。
防火地域
防火地域とは、都市計画法によって指定された地域の一つです。市街地における火災の危険を防ぐために、建物の構造などを規制しています。基本的には建物は耐火構造にする必要があります。2階建て以下で延べ床面積が100m2以下の建物は、耐火構造または準耐火構造にしなければならないと定められています。また、高さ3mを超える看板や広告塔、建物の屋上に設けるものは、主要構造部分を不燃材料で造るか覆う必要があります。
防火地域に指定されるのは、主として市街地の中心部や幹線道路です。従来型の木造住宅のなかには耐火構造・準耐火構造に対応していないものもあり、その建築物は防火地域には建てられません。
窓
窓は、採光、通風、換気、眺望などのために設けられる開口部です。風通しや断熱性など、窓の機能は四季を通じた室内の快適性に大きく影響します。また、外観デザインや室内空間、窓からの眺望など、ビジュアル面でも窓の役割は重要な要素となっています。
窓の種類は、取り付けられる位置により、次のような分類があります。
・掃き出し窓・・・・・窓枠の底辺が床面近くまである窓。リビングなどに設けられる大型の窓をいいます。
・腰高窓・・・・・窓枠の底辺が腰ほどの高さにある窓。
・出窓・・・・・建物の外に張り出す形で設置する窓。
・天窓・・・・・天井に設置する窓。トップライトともいいます。
また、開閉方法による分類では、次のようなものがあります。
・引き違い窓・・・・・横に引いて開け閉めする窓で、日本では最も一般的な窓です。
・はめ殺し窓・・・・・開閉できない窓です。フィックス窓ともいわれ、採光のために設けます。
・外開き窓・・・・・外に向かって開く窓で、片開きと両開きがあります。
・内倒し窓・・・・・室内に向けて倒れるように開く窓です。
そのほか、「回転窓」「滑り出し窓」「上げ下げ窓」「ルーバー窓」など、多彩な種類があります。
また、サッシやガラスの素材も豊富で、それぞれに性能や特徴があります。
開口部
開口部とは、建物の壁などに設けられた窓や出入口など屋外や室外に向かって開かれた部分です。リビングや居室の窓、天窓、玄関や室内ドアなどをいいます。
開口部は、採光、換気、通風、眺望、通行などの役割があります。床面積に対して一定以上の開口部がなければ、居室と呼べません。
開口部の位置や広さは、建築物の躯体強度に影響するほか、通風や採光などの居住空間の快適性や断熱性なども左右します。また、リビングに大きな窓を設けて眺望を楽しんだり、隣家との距離や視線を考慮して開口部の位置や高さを工夫するなど、室内からの視界、外部からの視線なども考慮することが大切です。
また、出入口として使用する開口部は、開閉に必要なスペースや開閉時の安全性なども考慮されます。
消火設備
消火設備とは、建物の火災の消火および延焼防止のための設備です。消防法により、建物の種別や構造、用途や大きさ、耐火性などによって設置すべき基準が定められています。
特に共同住宅であるマンションは防火対象物として、技術基準に適合した設備を設置し、定期点検なども義務付けられています。
消火設備とは、具体的には、消火器、屋内消火栓設備などをいいます。消火器はABC粉末消火器が一般的で、これはA(普通)、B(油)、C(電気)火災を意味し、あらゆる原因の出火に対応できるものです。耐用年数は10年で、設置しなければいけない本数は延べ床面積によって決まります。
屋内消火栓は消火器では消火不可能な階段の消火などを目的として、共用廊下などに設置され、消防隊員が到着する前に住民が使用するケースも想定されている消火設備です。
このほか、マンションの11階以上にはスプリンクラー設備の設置が義務付けられています。また、一定以上の広さの駐車場については、水噴霧・泡・不活性ガス・ハロゲン・粉末のいずれかの消火設備の設置が規定されています。