スケルトン・インフィル
すけるとんいんふぃる
スケルトン・インフィルとは、建物の構造躯体と内装を分離した建築物です。マンションの高寿命化を図るために考案された工法で、省略してSI工法とも言います。
スケルトン・インフィルとは、Skeletonが建物の構造体を指し、infillが
内装・設備を指します。頭文字をとってSI住宅ともいいます。耐久性の高い躯体構造を活かし、耐用年数が比較的短い
配管の交換や、ライフスタイルに応じた
内装の変更を容易にするものです。
古いタイプのマンションでは、配線・
配管などが
梁や
スラブを貫通するなど、
内装が構造と複雑に交差するため、配線・
配管の交換が困難なものや、
リフォームに大幅な制限がかかるものがありました。これに対し、
配管・配線の
メンテナンスや
内装の変更を前提とすることで、建築物の長寿命化を実現しようとするものです。
最近では、スケルトン・インフィル型の分譲マンションも登場しています。購入者は
内装の設計段階から参加し、間取りや
内装を自由に決めることができます。
スラブ
スラブとは、本来は「石板」を意味します。鉄筋コンクリートのマンションでは、床の加重を支えるコンクリートの床板を床スラブといいます。屋根を構成する板は、屋根スラブといいます。
スラブは大梁や小梁と一体化して成型されます。一般的にスラブが厚いほど遮音性が高いといわれています。最近のマンションでは200mm以上が大半で、250~300mmの厚さを持たせているものもあります。また、梁で囲まれたスラブの広さをスラブ面積といい、スラブ面積が小さいほど床がたわんだりすることに対抗できる力(剛性)が強くなり、重量衝撃音(床を走る音など)が響きにくくなります。
メンテナンス
メンテナンスとは、保守・点検、維持・管理の意味で、住まいを快適に維持するうえで欠かせないものです。住宅の耐用年数を延ばし、快適性を維持するうえで、適切なアフターメンテナンスは重要な役割を担います。
マンションなどでは長期修繕計画が立てられ、計画に基づいた維持管理が行われます。一戸建てにおいても住まいのメンテナンスは重要で、5年単位での点検と補修が望ましいといわれています。
メンテナンスの対象となるのは、屋根や外壁、ベランダ、開口部、防蟻処理、配管、内装など、多方面に渡ります。マンションでは修繕積立金などがありますが、一戸建てもメンテナンスを前提として費用を準備する必要があります。
リフォーム
リフォームとは、住宅を改築や増築することです。壁紙の張り替えなど室内の雰囲気を変える小規模なものから、トイレ、浴室、キッチンなどの設備を丸ごと取り換えたり、壁を取り払って間取り変更をするなど、大がかりなものまで幅広くあります。また、リフォームの目的も、耐震補強や高齢化に対応したバリアフリー化から、ライフスタイルに合わせた快適さを追求するものまで、さまざまです。
リフォーム費用は、既存建物の状態、リフォームの範囲や規模、採用する設備のグレードなどで大きく違ってきます。築年数が古いほどリフォーム目的も多様になり、高額化する傾向にあります。リフォームの市場が拡大するにつれ、消費者の不安を解消するために「リフォーム瑕疵(かし)保険」を利用したり、アフターサービスや保証期間を設けるなど、サービスの充実も見られます。
内装
内装とは、建物における内部の仕上げや室内の装飾、付随する設備などをいいます。床や天井、壁などの仕上げや装飾、室内の扉、家具、キッチンなどの下地や仕上げ材、造作建具、照明などを指します。
内装に用いる建材や仕上げ材などは、製品によって価格の幅も大きく、特性も異なります。新築時やリフォームに際しては、ライフスタイルや用途、こだわりに応じた建材などの選択が可能です。
例えば床では、地元産の檜や杉などを用いた無垢材のフローリングで、木の香りや肌触り、耐久性、高級感、自然との調和といったものを手に入れることもできます。一方、子どもが汚したり傷つけることを前提に、掃除のしやすいクッションフロアにすることも選択肢の一つです。
内装の設えは、美観と機能の両面があり、耐火性や防音性など機能面の配慮も大切です。
配管
配管とは、建物内の設備機器と屋外の上下水道、ガス管を結ぶ専用管や空調用ダクトなどを配置することです。配管には、給水管、排水管、ガス管、配水管、空調の換気管などがあります。配管図には配管経路、接続方式、設備機器の設置場所などが示されています。
配管工事は専門職である配管工が行います。具体的には、配管図に即して、管を切断し、折り曲げるなどの加工をして、継手という道具でつなぎ、弁の取り付け、溶接やネジでつなぐなどで配管を完了させ、各設備を取り付けて運転できるようにします。
配管は建物が完成した後では目につかないものですが、住宅の維持管理上重要な役割を担います。清掃口や点検口が設けられているなど、長期的な維持管理が配慮されていることが重要です。
梁
梁とは、建築物の骨組みのなかで、建物に対して水平方向に渡し、屋根や床など建物の上からの荷重を柱に伝えて建物を支える部材をいいます。柱と連結して支える梁を「大梁」、柱に直接つながっていない梁を「小梁」といいます。元来は、屋根の棟木(むなぎ)に対して直角に渡したものを梁と呼び、水平に渡したものは桁(けた)と呼んでいました。そのため、棟木と水平方向の建物の奥行きを梁方向、直角に交わる方向を桁方向といいます。また、屋根を支える梁を小屋梁(こやばり)、床を支える梁を床梁(ゆかばり)と呼びます。
木造建築では、梁には松や米松、杉などが使われます。また、「現し」といって、梁を露出させて意匠を施すものもあります。