応力
おうりょく
応力とは、構造物に外力が加わったときに、それに抵抗する内部の力のことです。
応力とは、住宅などの構造物に、地震や風圧、水圧などによって外から力が加わったときに、内部の部材に抵抗する力が生じるもので、「内力」ともいいます。また、部材の単位面積当たりの応力を応力度といいます。応力の計算は、建築物の設計・
構造設計において重要な部分です。
応力には、剪断(せんだん)応力、圧縮応力、引張応力、曲げ応力などがあります。応力が特定の部分に集中することを応力集中といい、部材の変形や亀裂などの原因となります。
建築基準法では、それぞれの部材が応力に耐えられるかどうかという許容応力度に関する規定が定められています。
建築基準法
建築基準法とは、建物を建てるときの基本的な法律です。建築物の敷地・構造・設備・用途の最低基準を示し、用途地域や日影規制などエリアによって守るべき事項などが定められています。建物の利用者や近隣住民の生命・健康・財産を守ることを目的に、1950年に施行されました。基準の具体的な技術水準などは、建築基準施行令や施行規則などで詳細が規定されています。また、基準が実効性をもつように、着工前の建築確認や工事中の中間検査、完了検査、違法建築物の是正措置なども定められています。
建築基準法はこれまでに何度も改定を重ねています。1981年には現在の耐震基準が導入、2003年にはシックハウス対策の規定導入、2007年には耐震偽装事件を受けて建築確認審査の厳格化が図られました。中古マンションを選ぶ際には、いつ建てられたかによって基準が異なるため、築年は大まかな安全性を見るときの一つの目安にもなります。
構造設計
構造設計とは、建築物の設計にあたって、構造計画および構造計算に基づいて、建物の構造について設計を行うことです。
構造計画は、地盤や地震・風などの外力を考慮し、建築物の目的・用途、施工性、経済性、デザインなど建築物全般を踏まえながら、建築物の骨組みや構造材、基礎構造などを計画します。構造計算は、計画した構造の安全性をさまざまな面からチェックします。柱や梁、床、壁などが地震や風などの外力に対して十分な応力を有するか、構造上主要な部分に十分な剛性があるか、構造部材が耐久性を有するかなど、構造を解析し構造図を作成します。
なお、一定規模以上の建築物(木造では高さ13m超または軒高9m超、鉄骨造では4階建て以上、RC造またはSRC造では高さ20m超など)の構造設計は、構造設計一級建築士が構造設計を行うか、構造関係規定への適合性を確認する必要があります。