地区計画
ちくけいかく
地区計画とは、地域特性を生かすための市民と市区町村による街づくりです。
地区計画とは、地区の課題や特性を踏まえて、市民と市区町村が連携して策定する
都市計画です。
地区計画では、道路や公園などの配置、建築物の建て方や街並み(高さ・
建ぺい率・
容積率・デザイン・
生垣・看板の規制など)、土地の利用(保全すべき緑地など)などについて定めることができます。
地区計画は、市区町村の条例に基づいて、地域住民の意見を聞いて市区町村が作成します。例えば、
敷地面積の最低限度を定めることで宅地の細分化を防止したり、地区のめざす街づくりのために建物の用途を制限する、景観を統一するために
屋根や外壁の色彩を定めるなどがあります。
地区計画の区域内で建築行為などを行う場合には、市区町村に届け出を行い、適合しているかチェックを受ける必要があります。また、地区計画の内容を市区町村の「建築制限条例」に定めることで、強制力を持つことができます。
建ぺい率
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積のことで、通常は1階の床面積を指します。都市計画区域内では、防火や避難、通風・採光など衛生上の観点から、敷地内に一定の空地を保有することが定められています。建ぺい率は、建築基準法によって用途地域に応じて上限が決められています。
例えば、建ぺい率60%の地域では、100m2の敷地に建てられる建築面積は60m2が上限です。
なお、防火地域内の耐火建築物や角地にある建築物などについては、建ぺい率が緩和されるものもあります。
都市計画
都市計画とは、都市の健全な発展と自然環境の調和などにより、健康で文化的な都市空間を整備するための総合的な街づくりの計画です。都市計画法の規定による法的な規制力があり、秩序ある整備を図るための土地利用や都市施設の整備、市街地開発事業などが定められます。
都市計画を定める場所を都市計画区域と呼び、一定の開発行為を行う場合には都道府県知事の許可が必要となるなど、規制がかかります。
都市計画には、市街化区域と市街化調整区域の区分、地域地区、促進区域、遊休土地転換利用促進地区、被災市街地復興促進地域、都市施設、市街地開発事業、都市計画区域のマスタープラン、都市再開発方針等、市街地開発事業等予定区域、地区計画等があります。
容積率
容積率とは、敷地に対する延べ床面積の割合で、その上限が都市計画における用途地域によって制限されています。また、敷地の前面道路の幅員によっても、容積率は制限されます。このどちらか厳しいほうによって、建物の容積率は制限され、建てられる高さが規制されます。
容積率の制限とは、例えば、容積率が200%で敷地面積が100m2の場合、延べ床面積200m2までの建物が建てられます。延べ床面積は各階の床面積の合計ですが、一定条件の地下室や車庫は算入されません。
角地などで前面道路が2つある場合は、広い方の道路の幅員を適用します。また、敷地が容積率の異なる地域にまたがる場合は、それぞれの地域ごとの延べ床面積を合計したものとなります。
生垣
生垣とは、敷地境界線に塀やフェンスの代わりに樹木を植えて垣根とするものです。生垣には、目隠しや侵入防止、防風、防火などの役割があり、また、手入れの行き届いた生垣は住宅街の落ち着きや美観にも貢献します。自治体の中には、道路沿いの生垣を作る際に、補助金を出しているところも少なくありません。
生垣は植物なので、環境に適応する丈夫な樹木を選ぶ必要があります。生垣は高さにより、低垣、並垣、高垣があり、植栽も単一樹種による構成と、複数樹種を組み合わせた「混ぜ垣」や「寄せ垣」などがあります。樹種では、トキワマンサク、レッドロビン、アカシア、ゴールドライダーなどがあり、四季の移り変わりや緑が楽しめます。
敷地
敷地とは、建物が立っているか、これから建物を建てる土地のことです。敷地面積は、その土地の面積のことで、水平投影面積をいいます。水平投影面積とは、土地や建物を真上から見たときの面積で、傾斜や凹凸があっても、水平として測定した面積になります。
敷地面積には、登記簿に記載された登記簿面積(地積)と実測面積が異なっている場合があります。そのため、土地の売買契約などにおいては、土地家屋調査士などの専門家による実測をしてからというのが鉄則です。
なお、住宅を建てるために土地を購入するときには、接道条件などによっては、土地面積の一部が敷地面積に算入できないので、注意が必要です。また、敷地面積だけでなく、建物の配置や駐車場のスペースなども考慮しましょう。
屋根
屋根とは、風雨や日射から建物を守るために、建築物を覆うように設けられた構造物です。気候や風土によって特徴があり、形状や屋根材の種類もさまざまです。
屋根の形状および屋根材を決めるうえで、基本として求められるのが、耐震性、防水性、防火性、耐久性、断熱性などです。特に木造住宅の場合には、屋根材の重量によって、耐震性を確保するために構造上、壁の量を増やす必要などもあります。また、素材によって雨漏りを起こさないための屋根の勾配も規定されます。
屋根の形状には、切妻(きりづま)、寄棟(よせむね)、陸屋根(りくやね)、片流れ(かたながれ)、入母屋(いりもや)、方形(ほうぎょう)、鋸屋根(のこぎりやね)、バタフライなどがあります。
屋根材には、瓦などの粘土系、セメントなどを加工した化粧スレート、石を板状にした天然スレート、金属系のガルバリウム鋼板、銅板などがあります。